パーフェクト種牡馬辞典


平安Sはアスカノロマン


外枠から内に切れ込みつつ先頭に立った○アスカノロマン(1番人気)がマイペースに持ち込んで逃げ切りました。2着は△クリノスターオー(3番人気)。
https://youtu.be/FtzngGxTBB8?t=20s

900m通過55秒3は、今回と同条件(良馬場)の過去4回と、東海S(G2)1回を含めて最も遅い流れ。昨年逃げ切ったインカンテーションは54秒8で通過しているので、今回は太宰騎手がうまくペースを落としたことが勝因でしょう。もちろん、馬の充実ぶりも著しく、後続に5馬身差をつけたレースぶりは帝王賞(Jpn1)などのビッグレースでも十分通用するのでは、と思わせるものでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104994/



配合に関しては今年1月27日のエントリー「東海Sはアスカノロマン」から引用します。

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父アグネスデジタルは現役時代、香港C、天皇賞・秋、安田記念、マイルチャンピオンシップ、フェブラリーS、南部杯と、芝・ダート兼を問わずG1を勝ちまくった名馬。種牡馬としてもやはり芝とダート双方で活躍馬を出しています。どちらかといえばダート向きで、芝は渋った馬場や洋芝に適性を見せています。

ダートの重賞勝ち馬は、ユビキタス(ユニコーンS)、ダイシンオレンジ(アンタレスS、平安S)、ヤマニンキングリー(シリウスS)、カゼノコ(ジャパンダートダービー)などが出ています。

母アスカノヒミコは「タバスコキャット×デピュティミニスター」なのでパワー型。いかにもダート馬に出やすいアグネスデジタル産駒の配合です。加えて、本馬は Chief's Crown≒Storm Cat 3×3。

ダート種牡馬として再評価されつつあるディープスカイは、アグネスデジタルと同じく Chief's Crown を母の父に持つ血統構成で、Storm Cat を入れたスピリッツミノル、タマノブリュネット、タンジブルなどが活躍しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012103484/



アスカノロマンの配合はこれらによく似ています。
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母方に Storm Cat を抱えたアグネスデジタル産駒は連対率20.4%、1走あたりの賞金額188万円。これはアグネスデジタル産駒全体の14.8%、123万円を上回っています。

◎ロワジャルダン(2番人気)は10着。遅めの流れだったので4番手追走は悪くない位置取りだったと思いますが、直線ではまったく伸びず。調子が落ちているのかもしれません。




競馬道OnLine G1スペシャル予想〜日本ダービー


3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2016−2017』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この春も高松宮記念から宝塚記念まで栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想いたします。今週の日本ダービーは望田潤の担当。有力馬の血統分析と直前予想を行います。有力馬分析は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できます。よろしければご覧くださいませ。
http://www.keibado.ne.jp/sp2016/




ディープインパクトと英国王室


5月24日(火)、札幌競馬場でのHBAトレーニングセールの取材が終わり、飛行機と車を乗り継いで東京の自宅に帰宅したのが午後9時半。イスパーン賞(仏G1・芝1800m)の発走20分前でした。

道悪になったのでどんなものかなぁと思ってグリーンチャンネルを眺めていたのですが、直線半ばで差を広げて行くのを見て驚愕しました。結果は10馬身差圧勝。New Bay、Erupt、Dariyan というメンバー構成ですから相手が弱かったわけではありません。
https://youtu.be/QXHLJ8vz7mk?t=2m51s

ディープインパクト産駒の海外重賞制覇は以下のとおり。

・エイシンヒカリ(香港C−香G1、イスパーン賞−仏G1)
・Beauty Parlour(仏1000ギニー−仏G1、グロット賞−仏G3)
・ジェンティルドンナ(ドバイシーマクラシック−首G1)
・リアルスティール(ドバイターフ−首G1)
・リアルインパクト(ジョージライダーS−豪G1)
・キズナ(ニエル賞−仏G2)
・Aquamarine(アレフランス賞−仏G3)

日本に繁殖牝馬を送り込んでディープインパクトと交配していたヨーロッパの大オーナーたちは、すでに世界有数のスーパーサイアーであることを認識していましたが、今回の印象的な勝ちっぷりは、ディープインパクトの傑出した能力をヨーロッパの競馬サークルやファンに幅広くアピールしたと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011101273/



次走は、6月15日に英アスコット競馬場で行われるプリンスオブウェールズS(G1・芝10f)。英国王室主催のロイヤルアスコット開催なので女王陛下もお見えになります。

ディープインパクトのファミリーは英国王室が代々育んできたもので、5代母 Hypericum は時の国王ジョージ6世が所有して英1000ギニーを勝ちました。3代母 Highclere は女王陛下が所有して英1000ギニー(G1)と仏オークス(G1)を連勝しました。2代母 Burghclere まで女王陛下の持ち馬でしたが、その後は手を離れました。しかし、もし女王陛下がディープインパクトの血統をご覧になれば親近感を抱かないはずがありません。ロイヤルアスコットでディープインパクト産駒が走ることには大きな意味があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100816/



海外を転戦しながら体調を維持するのは並大抵のことではないでしょう。一方で、本格化したエイシンヒカリの能力も想像を超えたものです。いい競馬を期待したいものです。




2016年HBAトレーニングセール


5月23、24日に札幌競馬場で行われました。1日目が公開調教、2日目がセリです。2013年にモーリス(年度代表馬)がこのセリから羽ばたきました。

高額落札馬ベスト3は以下のとおり。
http://www.hba.or.jp/sales/result/s_2016_05_24.html

■80番. ┌ ルーラーシップ
 牝馬 └ サルヴァドール(父サンデーサイレンス)
      落札価格:4600万円(税抜)
      購買者:(株)ジェイエス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105266/



■188番 ┌ スクリーンヒーロー
 牡馬 └ ファーマペニー(父ジャングルポケット)
      落札価格:3000万円(税抜)
      購買者:(株)ジェイエス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014102106/



■151番 ┌ フリオーソ
 牡馬 └ ナイツエンド(父エンドスウィープ)
      落札価格:2800万円(税込)
      購買者:(有)ビッグレッドファーム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106369/



最高価格となったサルヴァドールの2014は新種牡馬ルーラーシップの牝馬。公開調教タイムは11秒06−10秒77。2ハロンの合計21秒83は全体のトップです。



新種牡馬ルーラーシップは、4月に行われたJRAブリーズアップセールでも最高価格馬(マイブルーヘブン)を出しており、東日本で春に行われる3つのトレーニングセールのうち2つで最高価格馬を出したことになります。

マイブルーヘブンはストライドの大きな走法でしたが、サルヴァドールの2014は回転の速いシャープなフットワーク。馬体重は452kgで、身体のバランスや肉付きが素晴らしく、早い時期の2歳戦からスピードに任せて走ってくるでしょう。配合的にも、2代母カリティバが Foreign Courier≒River Mystery 3×1で、本馬は Mill Reef≒Riverman(River Mystery の父)6×4という綺麗な展開が見られます。ルーラーシップ+サンデーサイレンスなのでドゥラメンテに近い配合構成でもあります。函館あたりでデビューして、新馬戦でいい勝ち方をしたら、そのまま2歳Sも勝ってしまうのではないか、と思わせる走りっぷりでした。




オークスはシンハライト


後方に控えた○シンハライト(1番人気)が馬群を縫って伸び、ゴール直前で先頭に立って初のG1タイトルを獲得しました。2着は外から伸びた▲チェッキーノ(2番人気)。残り300mで先頭に立ったビッシュ(5番人気)が3着に粘りました。
https://youtu.be/vCqPm0dkxbs?t=27s

桜花賞で単勝オッズが一桁だった3頭のなかで唯一オークスに駒を進めたシンハライトが1番人気に応えたのですから、順当勝ちといえるかと思います。ただ、ゴール前でギリギリ抜け出した勝ちっぷりは横綱相撲というわけではなく、着差はわずかクビ。馬群をこじ開けるときに◎デンコウアンジュ(6番人気)の進路を妨害するというラフプレーもありました。



別路線組から来たチェッキーノとビッシュが強かったことに加え、大レースで人気馬が人気どおり勝つことの難しさを感じました。1000m通過は59秒8。06年から15年までに行われた良馬場のオークスは7回あり、その平均の通過ラップは59秒8ですから、平均的な流れでした。結局、11秒4−11秒5−11秒6というラスト3ハロンだけの上がり勝負となり、後方から差してきたシンハライトとチェッキーノはいずれも上がり33秒5という速い脚を使って抜け出しました。この2頭の地力が一枚上でした。

1着と3着がディープインパクト産駒で、2着がキングカメハメハ産駒。現在、日本の種牡馬界を支配している2頭の種牡馬が1〜3着を占めました。桜花賞は2、3着、皐月賞は1〜6着をこの2頭の子が独占しています。馬券でもPOGでも、この2頭の子を主軸に据えないと厳しいものがあります。

勝ったシンハライトはこれで5戦4勝(2着1回)。桜花賞でジュエラーのハナ差2着に敗れたのが唯一の敗戦です。今回の馬体重は422kg。小柄な馬体ながらバランスが良いので、小ささを感じさせません。



血統に関しては3月10日のエントリー「チューリップ賞はシンハライト」から引用します。

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http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105906/



ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)を勝ったアダムスピークの全妹。ゼンノロブロイを父に持つリラヴァティ(福島牝馬S−2着、ローズS−3着)、アダオムスブリッジ(若駒S)の4分の3妹でもあります。

父ディープインパクトは現3歳世代から7頭の重賞勝ち馬を送り出していますが、うち4頭は Halo クロスを持っています。シンハライトもその1頭です。

シンハライトの母方に入る Glorious Song は、カナダとアメリカで通算34戦17勝の成績を残し、加年度代表馬、米最優秀古馬牝馬、加最優秀古馬牝馬(2回)に輝いた名牝です。全きょうだいの Devil's Bag(米最優秀2歳牡馬セン馬、タイキシャトルの父)、Saint Ballado(米リーディングサイアー)も北米の競馬に大きな足跡を残しています。全きょうだいがそろって成功しているということは、優秀な配合であることの証明でもあります。Glorious Song は繁殖牝馬としても優秀で、Singspiel、Rahy(Giant's Causeway の母の父)、グランドオペラ(メイセイオペラの父)、シャンソネット(ダノンシャンティの母)などを産みました。Singspiel はシンハライトの母の父です。

 Ballade(f.1972.Herbager)
   Glorious Song(f.1976.Halo)
   │ グランドオペラ(c.1984.Nijinsky)
   │ Rahy(c.1985.Blushing Groom)
   │ Morn of Song(f.1988.Blushing Groom)
   │ │ ハールワソング(f.1996.Nureyev)
   │ │   ハルーワスウィート(f.2001.Machiavellian)
   │ │   │ ヴィルシーナ(f.2009.ディープインパクト)
   │ │   フレールジャック(c.2008.ディープインパクト)
   │ │   マーティンボロ(c.2009.ディープインパクト)
   │ Singspiel(c.1992.In the Wings)
   │ シャンソネット(f.2000.Mark of Esteem)
   │   ダノンシャンティ(c.2007.フジキセキ)
   Devil's Bag(c.1981.Halo)
   Angelic Song(f.1988.Halo)
   │ レディバラード(f.1997.Unbridled)
   │   ダノンバラード(c.2008.ディープイパンクト)
   Saint Ballado(c.1990.Halo)

母方に Glorious Song を持つディープインパクト産駒は成功しており、アダムスピークとシンハライトの兄妹のほかに、ヴィルシーナ、フレールジャックとマーティンボロの兄弟などがいます。国外競走馬では仏1000ギニー(G1)を勝った Beauty Parlour もこのパターンです。連対率33.5%、1走あたりの獲得賞金額553万円は非常に優秀です。

Glorious Song の全弟 Devil's Bag を母方に持つディープインパクト産駒はこれまで目立った成績は挙げていなかったのですが、現3世代からサトノダイヤモンド(きさらぎ賞)とキャンディバローズ(ファンタジーS)を出して挽回しています。

母シンハリーズはデルマーオークス(米G1・芝9f)の勝ち馬。日本のシーザリオが優勝したアメリカンオークス(米G1・芝10f)の3着馬でもあります。繁殖牝馬としての能力は素晴らしいものがあります。

母の父 Singspiel は10〜12ハロン路線で世界を股にかけて活躍した名馬で、日本でも96年にジャパンCを勝ちました。日本ではローエングリン、ライブコンサート、アサクサデンエンなどのように、むしろ短めの距離での活躍が目立ちます。2代母 Baize はスプリンターなので、仮にこのあたりが強く出て、なおかつ気性も激しいようだとマイラータイプに出ていた可能性もあったと思います。シンハライトは距離が延びても問題ないタイプでしょう。
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2着チェッキーノはコディーノの全妹。レースが終わったあとの検量室前では藤沢和雄調教師がニコニコ顔でした。いずれG1を勝てる器です。

3着ビッシュはフローラS(G2)5着から巻き返しました。400kgを割りそうだった小柄な馬ですが、今回は+12kgと増やしてきました。前走はスタートで後手を踏んで流れに乗れなかったのですが、今回はデムーロ騎手が最高の騎乗を見せました。

◎デンコウアンジュ(6番人気)は9着。先に触れたとおり、最後の直線でシンハライトが狭いところをこじ開けようとしたときに外側に張り出し、この馬の進路を妨害しました。毎回スムーズなレースができない馬ですが、上位とは大きな差はなかっただけに惜しまれます。馬体重がさらに10kg減り、パドックでは心なしか元気がないように映ったので、立て直せば楽しみです。






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