パーフェクト種牡馬辞典


宝塚記念はマリアライト


後方から外をマクッて進出したマリアライト(8番人気)が直線でしぶとく脚を伸ばし、外から迫る◎ドゥラメンテ(1番人気)をクビ差抑えました。
https://youtu.be/ZQ0mkJTgSno?t=35s

過去3年は雨の影響を受けながらも良馬場まで回復したのですが、今年は稍重まで。しかし、勝ち時計2分12秒8は過去3年を上回りました。強いメンバーがそろったことに加えて1000m通過59秒1、という緩みのない流れが時計の速い決着を可能にしたと思います。レースの上がり3ハロンは36秒8。最後の1ハロンは12秒7。最後はどの馬もバテバテで、死力を尽くしての追い比べは見応えがありました。

このタフなレースを制したのが牝馬だったのは驚きです。マリアライトは今回と同じ稍重の芝2200m戦だったエリザベス女王杯(G1)を制しています。荒れた馬場は得意です。有馬記念(G1)でも0秒1差の4着と健闘していますが、このときは先行有利の流れにうまく乗れたので、牡馬一線級を相手にまともにぶつかった場合はやや分が悪いのかな、と考えて印が回りませんでした。想像以上に強かったですね。

牝馬による宝塚記念制覇は、57回の長い歴史のなかで3頭目で、05年スイープトウショウ以来11年ぶりです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103832/



4歳以降に初めてG1を勝ったディープインパクト産駒は、たいてい3歳時から重賞戦線で実績を残してきているのですが、マリアライトはそうではなく、3歳時は1000万クラスでも勝ちあぐねていました。切れ味をベースとする多くのディープインパクト産駒とは対照的に、パワー、スタミナ、粘りを武器としている点も異質です。

内回りコースで上がりを要する宝塚記念は、ディープインパクト産駒に適した舞台とはいえず、これまで馬券に絡んだ馬は5頭いたものの勝ち馬は出ていませんでした。マリアライトが初勝利です。昨年の2、3着馬デニムアンドルビーとショウナンパンドラ、一昨年の3着馬ヴィルシーナのように、4、5歳のディープ牝馬が人気薄で突っ込んでくる、というのは宝塚記念の定番の穴パターンとなってきました。

母クリソプレーズはもはや名牝の域に達しています。本馬の他にクリソライト(父ゴールドアリュール/ジャパンダートダービーなど重賞4勝)、リアファル(父ゼンノロブロイ/神戸新聞杯、菊花賞−3着)を産んでいます。ジャパンCダート(G1・ダ2100m)を勝ったアロンダイトの全姉で、母方に Ribot を持つエルコンドルパサー産駒という力強い血統。これが道悪適性や成長力の鍵となっています。

ゴールドアリュール産駒のクリソライトはダート馬、ゼンノロブロイ産駒のリアファルは芝・ダート兼用馬で、ディープインパクトを父に持つ本馬は力の要る芝を得意とする芝馬です。「ディープインパクト×エルコンドルパサー」は8頭中5頭が勝ち上がり、本馬のほかにはアンビシャス(大阪杯、ラジオNIKKEI賞)が出ています。

「母が Northern Dancer を複数持ち、そのいずれかが Special 牝系を経たもの」という配合は、ディープインパクト産駒の成功パターンのひとつです。Special 牝系を経た Northern Dancer 系種牡馬には Nureyev、Sadler's Wells、Fairy King などがいます。本馬の母の父エルコンドルパサーはこの条件を満たしています。ただ、Nureyev≒Sadler's Wells 3×2、Special=Lisadell 4×4・3という特殊な配合構成で、ヨーロッパ的な重厚さに傾いているため、パンパンの良馬場よりは時計の掛かる芝が合っています。今回の馬場コンディションはこの馬向きでした。今後も道悪になった場合や、コースが合っている有馬記念では勝ち負けに絡んできそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1995108742/



◎ドゥラメンテ(1番人気)は2着。入線後、デムーロ騎手が左前肢に異変を感じて下馬しました。本日、栗東トレーニングセンターで詳しい検査が行われる予定です。とりあえず現時点で骨に異状は認められません。ただ、秋に予定していた凱旋門賞遠征は断念、今後の予定は白紙となりました。デムーロ騎手が「ずっと左手前で走っていた」とコメントしたように左手前で走るのが好きな馬で、中山記念(G2)のように右回りのコーナーでも本来とは逆の左手前で走ることがあります。昨年の皐月賞ではコーナーを回りきる前に左手前に替えてしまったため外側に飛んでしまいました。今回は力の要る馬場をずっと左手前で走り、疲労のピークに達した入線後に左前肢の踏ん張りが利かなくなり、柔らかくなった馬場に脚を取られたということでしょうか。

海外遠征帰りだけに絶好調とはいえず、直線の短いコースも向いているとはいえません。それでいて上がり最速を記録して僅差2着ですから強い内容でした。大事に至らないことを祈るばかりです。




6月25、26日の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報


■『2015〜16年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で望田潤が推奨したロードキング(牡3歳)が日曜阪神4R未勝利戦(芝1600m)を勝ち上がりました。コメントは以下のとおり。

○ロードキング(牡、母ピサノアラバスター)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105595/
シャイニンルビーの甥。母母シャイニンレーサーはフジキセキの半妹でマーメイドSに勝った。ディープ×クロフネはシャイニングレイやステファノスやポルトドートウィユと同じ。母はフレンチデピュティ経由のVice Regent≒ノーザンテーストのニアリークロス4×2を持つが、このパターンのディープ産駒はショウナンパンドラやポルトドートウィユなど7頭全てが勝ち上がり。(望田)

■日曜函館8R500万下 アドマイヤスカイ(ディープ・望田)
■日曜東京12R500万下 レトロクラシック(ディープ・望田)
■日曜阪神11R宝塚記念2着 ドゥラメンテ(POG・望田)




ユニコーンSはゴールドドリーム


好位の外から伸びた○ゴールドドリーム(2番人気)が、残り400mで先頭に立った◎ストロングバローズ(1番人気)をゴール前でクビ差とらえました。
https://youtu.be/Ut5Ks4anNSA?t=19s

後続を3馬身離しての一騎打ち。ユニコーンSは本命サイドで決着しがちな重賞ですが、今年も実力馬がしっかり能力を発揮しました。800m通過47秒3。例年より若干遅めのペースで人気2頭が好位を追走したため、ほかの馬には付け入る隙がありませんでした。

勝ったゴールドドリームはこれで5戦4勝(2着1回)。前走の兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)は久々の実戦に加え、相手にうまく乗られたこともあって7馬身差2着に敗れたのですが、一度叩いた今回はきっちり巻き返しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106119/



ゴールドアリュール産駒の Nureyev クロス馬は成功しており、重賞を勝ったクリソライト、シルクフォーチュンをはじめコンスタントに活躍馬が出ています。連対率19.4%、1走あたりの賞金額180万円は、ゴールドアリュール産駒全体の17.1%、148万円を上回ります。たとえばキングカメハメハ産駒の Nureyev クロスは芝の道悪やダート適性をアップさせます。軽快さよりもパワーや重厚さといった方向に適性を伸ばします。ゴールドアリュール産駒の場合、ダート向きの大物感が増してきます。

本馬は Nureyev≒Number 3×4なのでそれと似た構成です。「ゴールドアリュール×フレンチデピュティ」は、アベレージの高いダート配合ではありますが、やや底力に欠けるところがあるので、こうした配合によって弱点を補うのは好ましいですね。

◎ストロングバローズ(1番人気)はクビ差2着。力を出し切って差されたのですから致し方ありません。今回は力負けです。ただ、どちらかといえばコーナー4つの中距離戦のほうがいいタイプなので、そうした舞台なら逆転も可能でしょう。




競馬道OnLine G1スペシャル予想〜宝塚記念


3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2016−2017』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この春も高松宮記念から宝塚記念まで栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想いたします。今週の宝塚記念は望田潤の担当。有力馬の血統分析と直前予想を行います。有力馬分析は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できます。よろしければご覧くださいませ。
http://www.keibado.ne.jp/sp2016/




函館スプリントSはソルヴェイグ


2番手を追走したソルヴェイグ(12番人気)が直線で早め先頭に立ち、内から迫る◎シュウジ(2番人気)との一騎打ちをハナ差制しました。
https://youtu.be/hO5jVB-GLIU?t=11s

残り30m地点ではシュウジが出ていましたが、ゴール直前で差し返しました。レース史上、3歳馬の勝利は09年のグランプリエンゼル以来7年ぶり3回目。3歳馬のワンツーフィニッシュは初めてです。

前々走のフィリーズレビュー(G2)に次いで重賞2勝目。そのとき手綱を取った川田騎手が新馬戦を勝ったときから素質を感じていたと語った馬ですが、フィリーズレビューは展開に恵まれた面もあったので、ここでは家賃が高いのではないかと考えていました。50kgの軽量と、馬自身が成長していたのと、1200m戦に適性があったということでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105357/



母アスドゥクールは現役時代にスプリント路線で準OPまで出世しました。その兄弟にソルジャーズソング(シルクロードS−2着、高松宮記念−3着)、エールブリーズ(京王杯スプリングC−3着)がいるように、豊かなスピードを伝える一族です。3代母 Enthraller は名種牡馬 Lyphard の半妹で、シーキングザパール(モーリスドゲスト賞、NHKマイルCなど重賞7勝)の2代母バーブスボールドの全妹です。

母アスドゥクールは2代目にトニービンと Caerleon を併せ持っています。したがって配合的には高松宮記念(G1)など重賞を4勝したコパノリチャードとよく似ています。本馬のスプリント適性の高さはコパノリチャード似の配合、という部分に負うところも大きいと思います。



「トニービン×Caerleon」は大成功し、出走した7頭中4頭が重賞で連対を果たしました(テンザンセイザ、ロードクロノス、ハッピールック、キョウワノコイビト)。「母の父ジャングルポケット」は、ソルヴェイグを除いて500万条件が上限です。本馬がほかの馬と違って複数の重賞を勝つまでに成長したのは、ニックスが優れた影響を及ぼしているからでしょう。

◎シュウジ(2番人気)は2着。予想文に記したとおり距離短縮がプラスに働きました。勝てなかったものの今回のような競馬ができればスプリント路線の中心的存在に育っていく可能性は十分あるでしょう。半兄ツルマルレオンが重賞を勝ったのは5歳時で、Kingmambo や Silver Hawk といった成長力豊かな血が流れているので今後が楽しみです。






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