2016ケンタッキーダービー展望
日本のラニが挑む第142回ケンタッキーダービー(米G1・ダ10f)は、5月7日(日本時間8日朝)、米ケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場で行われます。
出走メンバーを見て思ったのは“Uncle Mo 産駒が多い”ということ。同産駒は現3歳がファーストクロップで、昨年フレッシュマンサイアーチャンピオンと北米2歳種牡馬チャンピオンとなった注目の若手有望株です。まだ1世代しか稼働していないにもかかわらず、現在北米サイアーランキングの第3位につけています。14年から首位の座にある Tapit も安閑としていられませんし、やがて Uncle Mo 時代が来るかもしれません。
Uncle Mo 自身は現役時代、ブリーダーズCジュヴェナイル(G1)を制して米2歳王者となったものの、ケンタッキーダービーは内臓疾患によりレース前日の朝に出走取消となりました。自身が果たせなかったダービー制覇の夢を実現すべく、初年度から4頭の産駒(Nyquist、Outwork、Mo Tom、Laoban)を出走メンバーに送り込んできたのは立派です。ちなみに、Tapit 産駒は3頭(Mohaymen、Creator、ラニ)です。
1番人気が予想される7戦全勝の Nyquist(BCジュベナイル、フロリダダービーなど4つのG1を制覇)は Uncle Mo 産駒。母が持つ Ribot 5×5はケンタッキーダービー向きのスタミナと底力の根拠となります。綺麗な配合構成で、無傷の8連勝で戴冠する可能性も十分あるでしょう。
http://www.pedigreequery.com/nyquist
Uncle Mo 産駒で狙ってみたい馬はほかにもいます。Mo Tom。カタカナで書くと「モートム」。他人とは思えません^^
ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1)の2着馬 Beautician(父デヒア)の半弟で、「Uncle Mo×Rubiano」だけを見ると距離はギリギリといったところですが、母 Caroni は Nijinsky 3×3(Bull Page≒Kinfolks 5×5・5)で、これがスタミナ面のサポートとなっています。
http://www.pedigreequery.com/mo+tom
Uncle Mo の母方には Kris S.、Dixieland Band、Cyane といった重厚な血が並び、Alibhai〜Warfare や Heliopolis など、Dixieland Band の構成要素の中核を成す Hyperion のラインをしっかりクロスさせているので、大レース向きの底力が期待できます。
父系はもともと Grey Sovereign にさかのぼるのですが、アメリカ競馬への適性、具体的にはパワーや大きな馬格といった要素を代々取り入れて、この系統が本来持っていた繊細さや切れ味は希薄になっています。本馬は Caro 5×3。Grey Sovereign 的な特長を強化したせいか、アメリカのダート馬にしては珍しく追い込み一辺倒です。
3歳になってルコントS(G3)で初めて重賞を勝ち、前々走のリズンスターS(G2)では1番人気に推されたものの直線でふらつく馬を交わす際にロスがあり、勝った Gun Runner から1馬身半差の3着。前走のルイジアナダービー(G2)はまたもや1番人気に推されたものの、直線に入って行き場がなく、思い切って最内を突いたらまともに挟まれてしまい、再度 Gun Runner の4着。ここ2走は力を出し切っていません。ケンタッキーダービーが後ろから届く展開となり、馬群をスムーズに捌くことができれば一発があっても不思議はないでしょう。現在、10番人気前後です。
もう1頭挙げるとすれば Giant's Causeway 産駒の Brody's Cause でしょうか。2歳時にブリーダーズフューチュリティS(G1)を勝ち、ブリーダーズCジュヴェナイル(G1)は3着。今季は休み明け2戦目となるブルーグラスS(G1)を勝って本番に臨みます。後者はさほどレベルが高くなかったのですが、血統的には魅力があります。
http://www.pedigreequery.com/brodys+cause
Roberto 4×3は、同じ Giant's Causeway 産駒でアスコットゴールドC(英G1・芝20f)を勝った Rite of Passage と同じ。本馬はほかに Sadler's Wells も抱えています。スタミナの裏付けがあるので距離は合うはずです。ただし、19番枠はかなりキツいですね。腹をくくって後ろから行くしかないでしょう。現在、5番人気前後です。
◎Mo Tom
○Nyquist
▲Brody's Cause
△Exaggerator
△Gun Runner
△Creator
出走メンバーを見て思ったのは“Uncle Mo 産駒が多い”ということ。同産駒は現3歳がファーストクロップで、昨年フレッシュマンサイアーチャンピオンと北米2歳種牡馬チャンピオンとなった注目の若手有望株です。まだ1世代しか稼働していないにもかかわらず、現在北米サイアーランキングの第3位につけています。14年から首位の座にある Tapit も安閑としていられませんし、やがて Uncle Mo 時代が来るかもしれません。
Uncle Mo 自身は現役時代、ブリーダーズCジュヴェナイル(G1)を制して米2歳王者となったものの、ケンタッキーダービーは内臓疾患によりレース前日の朝に出走取消となりました。自身が果たせなかったダービー制覇の夢を実現すべく、初年度から4頭の産駒(Nyquist、Outwork、Mo Tom、Laoban)を出走メンバーに送り込んできたのは立派です。ちなみに、Tapit 産駒は3頭(Mohaymen、Creator、ラニ)です。
1番人気が予想される7戦全勝の Nyquist(BCジュベナイル、フロリダダービーなど4つのG1を制覇)は Uncle Mo 産駒。母が持つ Ribot 5×5はケンタッキーダービー向きのスタミナと底力の根拠となります。綺麗な配合構成で、無傷の8連勝で戴冠する可能性も十分あるでしょう。
http://www.pedigreequery.com/nyquist
Uncle Mo 産駒で狙ってみたい馬はほかにもいます。Mo Tom。カタカナで書くと「モートム」。他人とは思えません^^
ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1)の2着馬 Beautician(父デヒア)の半弟で、「Uncle Mo×Rubiano」だけを見ると距離はギリギリといったところですが、母 Caroni は Nijinsky 3×3(Bull Page≒Kinfolks 5×5・5)で、これがスタミナ面のサポートとなっています。
http://www.pedigreequery.com/mo+tom
Uncle Mo の母方には Kris S.、Dixieland Band、Cyane といった重厚な血が並び、Alibhai〜Warfare や Heliopolis など、Dixieland Band の構成要素の中核を成す Hyperion のラインをしっかりクロスさせているので、大レース向きの底力が期待できます。
父系はもともと Grey Sovereign にさかのぼるのですが、アメリカ競馬への適性、具体的にはパワーや大きな馬格といった要素を代々取り入れて、この系統が本来持っていた繊細さや切れ味は希薄になっています。本馬は Caro 5×3。Grey Sovereign 的な特長を強化したせいか、アメリカのダート馬にしては珍しく追い込み一辺倒です。
3歳になってルコントS(G3)で初めて重賞を勝ち、前々走のリズンスターS(G2)では1番人気に推されたものの直線でふらつく馬を交わす際にロスがあり、勝った Gun Runner から1馬身半差の3着。前走のルイジアナダービー(G2)はまたもや1番人気に推されたものの、直線に入って行き場がなく、思い切って最内を突いたらまともに挟まれてしまい、再度 Gun Runner の4着。ここ2走は力を出し切っていません。ケンタッキーダービーが後ろから届く展開となり、馬群をスムーズに捌くことができれば一発があっても不思議はないでしょう。現在、10番人気前後です。
もう1頭挙げるとすれば Giant's Causeway 産駒の Brody's Cause でしょうか。2歳時にブリーダーズフューチュリティS(G1)を勝ち、ブリーダーズCジュヴェナイル(G1)は3着。今季は休み明け2戦目となるブルーグラスS(G1)を勝って本番に臨みます。後者はさほどレベルが高くなかったのですが、血統的には魅力があります。
http://www.pedigreequery.com/brodys+cause
Roberto 4×3は、同じ Giant's Causeway 産駒でアスコットゴールドC(英G1・芝20f)を勝った Rite of Passage と同じ。本馬はほかに Sadler's Wells も抱えています。スタミナの裏付けがあるので距離は合うはずです。ただし、19番枠はかなりキツいですね。腹をくくって後ろから行くしかないでしょう。現在、5番人気前後です。
◎Mo Tom
○Nyquist
▲Brody's Cause
△Exaggerator
△Gun Runner
△Creator
- 2016.05.06 Friday
- 展望
- 08:14
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- by 栗山求