パーフェクト種牡馬辞典


2013年の米リーディングサイアーは Kitten's Joy


アメリカの年度代表馬の発表は10日ほど先ですが、2013年のリーディングサイアーはすでに決定しています。昨年19位の Kitten's Joy が初の栄冠を獲得しました。

1〜10位のリストは以下のとおり。順位のあとのカッコは昨年順位で、馬名のあとのカッコは生年と父名です。集計は『BloodHorse.com』なども採用している Equineline 社のもの(対象は北米繋養の種牡馬で、集計範囲は北米に加えてヨーロッパ主要国、UAEを含む)。北米に限った集計方法ではまた違ったランキングになります。

1位(19)Kitten's Joy(2001・El Prado)       $11,326,203
http://www.pedigreequery.com/kittens+joy
2位(3)Speightstown(1998・Gone West)      $11,255,181
http://www.pedigreequery.com/speightstown
3位(1)Giant's Causeway(1997・Storm Cat)    $10,763,745
http://www.pedigreequery.com/giants+causeway
4位(6)Malibu Moon(1997・A.P.Indy)       $10,129,794
http://www.pedigreequery.com/malibu+moon
5位(67)War Front(2002・Danzig)          $9,834,961
http://www.pedigreequery.com/war+front
6位(33)Unbridled's Song(1993・Unbridled)     $9,506,659
http://www.pedigreequery.com/unbridleds+song
7位(4)Tapit(2001・Pulpit)            $9,184,114
http://www.pedigreequery.com/tapit
8位(11)Harlan's Holiday(1999・Harlan)      $9,136,624
http://www.pedigreequery.com/harlans+holiday
9位(18)Awesome Again(1994・Deputy Minister)   $8,770,282
http://www.pedigreequery.com/awesome+again
10位(12)Macho Uno(1998・Holy Bull)        $8,339,023
http://www.pedigreequery.com/macho+uno

1位 Kitten's Joy と2位 Speightstown との差はわずか7万ドルちょっと。『BloodHorse.com』では毎日情報を更新しているので、10月ぐらいから3日と空けずチェックしていたのですが、最後の最後まで逆転を許さず Kitten's Joy が逃げ切りました。8月17日にセクレタリアトS(米G1・芝10f)、アーリントンミリオン(米G1・芝10f)、ソードダンダー招待H(米G1・芝12f)と芝G1を3勝したのが大きかったですね。この3レースの1着賞金の合計だけで119万7000ドルですから、年間獲得賞金の10分の1以上を1日で得たことになります。

父 El Prado も02年に米リーディングサイアーに輝いているので、親子二代での戴冠です。Sadler's Wells 系は、英・愛の Galileo、フランスの Motivator、そして北米の Kitten's Joy と、13年は主要3地域を制覇したことになります。
http://www.pedigreequery.com/kittens+joy



父 El Prado は、その母 Lady Capulet が Attica≒Cap and Bells 2×1という特殊な凝縮の持ち主です。Kitten's Joy の Tom Fool 4×5はその核心部分を継続するものなので効果的でしょう。
http://www.pedigreequery.com/lady+capulet2



8月17日にG1を勝った Admiral Kitten、Real Solution、Big Blue Kitten はいずれも Roberto クロスの持ち主。活躍馬の配合を調べるとこのクロスがかなりの確率で施されていることが分かります。日本でこのクロスが走るとは限りませんが、わかりやすいニックスではあるので、アメリカの生産者にとっては配合のしやすい種牡馬だと思います。芝向きの種牡馬が米リーディングサイアーに輝いたのは珍しいことです。
http://www.pedigreequery.com/real+solution



年齢が若く、順位を急激に上げてきているのは5位の War Front。デインヒルや Green Desert を通じて世界の主流ラインとなっている Danzig 系で、この馬を通じて新しい幹が育ちそうな予感がします。

ヨーロッパで Declaration of War(インターナショナルS、クイーンアンS)、War Command(デューハーストS)がG1を制し、アメリカでもヴァージニアダービー(米G2・芝10f)を勝った War Dancer、ウィズアンティシペーションS(米G2・芝8.5f)を勝った Bashart など芝での活躍馬が目立ちます。Kitten's Joy と似たタイプですね。ヨーロッパではこれからさらに人気が高まり、セールで買われて大西洋を渡る産駒が増えそうです。スーパーダービー(米G2・ダ9f)を勝った Departing のような産駒もおり、芝一辺倒というわけでもないので先々が楽しみです。14年の種付料「15万ドル」は Tapit と並んで全米ナンバーワン。すでにアメリカの最重要種牡馬と位置付けられています。
http://www.pedigreequery.com/war+front



血統屋ホームページの「データ」には、血統ファンに楽しんでいただける資料がいろいろ取り揃えてあります。「各国別リーディングサイアー」というコーナーには、日・米・英愛・仏・豪の上位50頭のランキングが掲載されており(09年以降)、血統表のリンクもあるので、現代のトレンドが一目瞭然です。また、父系の国別勢力表というグラフもなかなか興味深いものです。ぜひ一度ご覧いただければ幸いです。2013年分も近々アップする予定ですのでもう少々お待ちください。
http://www.miesque.com/data.html



コメント
表題#:!*ハンサムチェスナッツの系譜*#キングカメハメハとの日米頂上決戦が熱望された2004年度のジャパンカップ。実現はしなかったが、堅実無比の栗毛の天才、キティンズジョイは、スタリオンとしてのポテンシャルも期待に違わず凄まじいですね。#*母系の重要構成要素として、ルーテナントスティーヴンスの存在が際立つ。歴史的名牝ラフショッドを母に持つ超良血で、サドラーズウェルズ、ヌレイエフ、ジェイドロバリー、エルコンドルパサーらが近親ラインナップ。キティンズジョイは、確かに大種牡馬族の偉大な資産の継承者なのだろう。今春、めでたくスタッドインする我らがオルフェーヴルのメールラインにも、ルーテナントスティーヴンスの名前が垣間見える。彼のネクストヒストリーは、順風満帆、前途洋々、為虎添翼だろう。キティンズジョイとの壮大な龍騰虎闘を待ちわびたい。#*!:
  • 本屋敷皇帝鷹双頭鷲翼龍醍醐
  • 2014/01/05 2:59 AM
日本より高速イメージの強い北米で、エルプラド系が繁栄できたのは、北米にミルリーフの血を引く肌馬が、少なかったからではないかと、考えるようになりました。
この考えに至ったのは、日本で活躍したサドラーズウェルズ系の馬の内、シングスピール系以外は、ミルリーフの血を引かない共通点に気がついたためです。
素人考えによる仮説ですが、サドラーズウェルズ系×ミルリーフ系の何かが、高速適性を阻害する要因を孕んでいるので、日本でサドラーズウェルズ系を走らせるには、敢えてミルリーフの血を排除した馬を選ぶ必要があるのかと思います。
私が無知なだけかもしれませんが、北米の活躍馬の血統表でミルリーフを見たことがないので、ミルリーフの血を引く肌馬が少なく、エルプラド産駒の高速適性を阻害される要因が排除されたから、後継ラインが維持できたのかなと思います。
  • Y子
  • 2014/01/05 2:32 PM
★〒表題♥︎♣︎蒼い珊瑚礁に眠る魔神の要塞♠︎☆〒♧♤血統構成上にサドラーズウェルズを内包せずに、北米大陸で活躍したミルリーフ系名馬といえば、コータシャーン(BCターフ)・コンデュエット(BCターフ連覇)・イブンベイ(BCクラシック二着)・デイラミ(BCターフ)らがおり、日本の高速馬場も、ミホノブルボン、イナリワン、オサイチジョージ、ローエングリン(母系にミルリーフを内包)らが、ハイレヴェルパフォーマンスを披露しており、高い適性が認識できる。推察すると、アメリカ生まれの快速馬、ネヴァーベンドがヨーロッパの数多くのホースマンから、情景深く愛され、永らく溺愛と尊崇の対象になっており、故に彼が誇る双頭の鷲に匹敵する二頭の孝行息子、ミルリーフとリヴァーマンは欧州の至宝として、幾多の良駒が門外不出扱いとなり、海外流出が、過剰に制限された経緯が追認できる。ミルリーフのオーナーブリーダーのポール・メロン氏は世界有数の大財閥の盟主で、サラブレッド生産に於いて一家言ある究極の個性派御仁で、周囲の反対を押し切ってミルリーフの繋養先を英国のナショナルスタッドに独断専行したと聞く。サドラーズウェルズ*◎ミルリーフのニックスのアングロアメリカでの成功例の稀少状態は、サンプル数の少なさと、種牡馬、繁殖牝馬の両面にわたるクオリティーの低さに起因していると考察します。追伸、Y子様の着眼点、疑問点は何時も素晴らしく、兼ねがね感服しております。★♣︎$¥

  • 本屋敷皇帝鷹双頭鷲翼龍醍醐
  • 2014/01/05 7:47 PM
(訂正)コンデュエットはサドラーズウェルズが、思いっ切り入ってますね。しかもネヴァーベンドの必殺クロス(母系にアイリッシュリヴァー)まで兼備。お恥ずかしい限りです。陳謝して訂正します。*◎*◎
  • 本屋敷皇帝鷹双頭鷲翼龍醍醐
  • 2014/01/05 8:43 PM
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