パーフェクト種牡馬辞典


土曜日のロンシャン


土曜日も朝から快晴。ロンシャン競馬場の第1Rは14時30分なので、カフェでゆっくり朝食をとり、市内をぶらついて時間を過ごしました。

昨日見た騎馬像をあらためて確認しに行ったのですが、間近に寄ってよく見てみるとジャンヌ・ダルクの像でした。1874年に制作されたそうなので、ジュゼッペ・デ・ニッティスが描いた1年前ということになります。パリの新名所的な感覚で題材にしたのでしょう。パリへは何度も来ているのに、ガイドブックのたぐいは読まないので、こういう基本的なことも分かりません。



ロンシャン競馬場へはトラムで行くことにしました。トラムとは市内を走る路面電車のことですが、ポルトドヴェルサイユからラデファンスに至る2号線は、もともと国鉄の路線が走っていたルートをトラム用に作り替えた経緯があるので、通常の鉄道とほとんど変わりません。昨年、サンクルー競馬場に行く際にも利用しました。車窓からの見晴らしが抜群なので何度乗っても飽きません。

シュレーヌ=ロンシャン(Suresnes-Longchamp)という駅で下車し、競馬場まで徒歩15分ぐらい。西船橋から中山競馬場へ行くよりは近く、下り坂が多いのでそれほどキツくありません。ディープインパクト産駒の「ポルトドートウィユ」は、ロンシャン競馬場の最寄り駅から名付けられたそうですが、スタンドまでの直線距離、徒歩所要時間は、ポルトドートウィユではなくシュレーヌ=ロンシャンのほうが短いので、馬名にするならこちらを採用してほしかったですね。10文字なので無理ですが……。

トラム沿線に住む地元の競馬ファンなのでしょう、2人、3人と連れだって競馬場方面に歩いていく姿が少なくありません。セーヌ川を渡ると右斜めに伸びる白い道を下って行きます。



やがて見えてくる池は「シュレーヌ池」といい、スタンドの裏手に位置しています。家族連れがピクニックに来て釣り糸を垂れ、違う家族はバーベキューに興じています。ここはもうブローニュの森のなかであり、休日の昼間は市民の憩いの場となっています。

競馬場に到着したのは第1Rの30分前。例年どおり多くのファンで賑わっていました。お土産は凱旋門賞当日に買いに行っても品切れになっていることがあるので、前日に購買するのが吉。さっそくグッズショップに行ってネクタイを物色していると、ちょうどそこにいらした大阪スポーツの吉田竜作さんに声を掛けられました。吉田さんはハープスターの松田博資厩舎の担当。その関係でフランスに滞在しているのでした。「ハープスターどうですか」とうかがうと、「いいですよ。馬がおとなしいんですよ。環境が良いので。良すぎるぐらいで」。立ち話なので多くは話せなかったのですが、「ゴールドシップがいいですよ」とも。

第1Rのショードネイ賞(G2・芝3000m)は4番人気 Auvway(父 Le Havre)が勝利。Le Havre といえば凱旋門賞で上位人気に推されている Avenir Certain の父です。上位人気の馬では2番人気の Vazira がしんがりに敗れており、同馬の父は Sea the Stars でした。馬場が堅いため、切れ味やスピードが問われる馬場ではないか、と感じました。
http://www.pedigreequery.com/auvray



第2Rのダニエルウィルデンシュタイン賞(G2・芝1600m)は芦毛の Solow(1番人気)が順当勝ち。ペリエ騎乗です。この馬も堅い馬場が得意そうな血統です。
http://www.pedigreequery.com/solow



第4Rのドラール賞(G2・芝1950m)には Cirrus des Aigles が一本かぶりの1番人気で出走。ガネー賞、イスパーン賞、コロネーションCとG1を3連勝中で、ドラール賞は現在2連覇中なので今年は3連覇に挑みます。待機馬房にいるときからカメラが追いかける人気ぶりで、ファンの多い馬であることを感じます。良馬場がダメというわけではありませんが、道悪で最高のパフォーマンスを発揮するタイプだけに、今回のような堅い馬場がどうか、という懸念はあります。

レースは、どう乗っても勝てるとばかりに先頭に立った Cirrus des Aigles に、外から Fractional が襲いかかり、ゴール前は2頭の一騎打ち。下の画像はゴール前100m地点のもので、このときはまだ Cirrus des Aigles がリードしていました。右手前の青帽が Fractional です。



観戦のポジションが悪かったので、どちらが勝ったかは肉眼では分かりませんでした。ターフヴィジョンにゴール前のリプレイが流れ、わずかに Cirrus des Aigles が出ていると分かると、スタンドから歓声が沸き起こりました。堅い馬場で、なおかつスローの上がり勝負となったので、だいぶ苦戦してしまいました。

筆者の横でビール片手に観戦していた中年男性が派手なガッツポーズをして大喜び。風貌はサッカーのブラジル代表監督だったスコラリにそっくりで、仲間たちと陽気に騒いでいます。単勝2倍もつかない馬券でそんなに喜ぶのかとは思いましたが、おそらく Cirrus des Aigles のファンなのでしょう。

表彰式が行われるパドックに戻ってきた Cirrus des Aigles は大きな拍手で迎えられ、馬上のスミヨンは関係者と握手し、馬を曳いている女性厩務員は笑顔が弾けます。



この日の重賞はドラール賞が最後なので、そのままバスに乗って帰りました。ホテルに着いてからパソコンで成績を確認すると、思わず「えっ?」という声が出ました。勝ったはずの Cirrus des Aigles が5着に降着になっています。

Cirrus des Aigles が外の Fractional を抜かせまいと馬体を併せに行ったとき、間にいた Planetaire の進路を妨害してしまったようです。スミヨンらしいといえばそれまでですが……。スコラリ氏は、ワールドカップ準決勝でドイツに1対7で敗れたときの名将と同じ表情をしていることでしょう。

現在、フランス時間は朝6時過ぎで、夜中にも少し雨が降りました。しかし、たいした量ではありません。このまま行けば、土曜日とほぼ同じコンディションで競馬が行われそうです。とにかく直線の末脚比べで勝負が決まります。日本馬が得意とする分野でしょう。運が味方してくれれば勝てるのではないかと思います。



コメント
去年、ルメールをスミヨンと間違えたおじさんが、気の毒だと思いました。
多分、おじさんはドルニヤの単勝にぶっこんでいるのでしょうね。
  • Y子
  • 2014/10/05 4:35 PM

栗山さん、ご無沙汰しております。

ロンシャンへの道、人と馬と競馬場が、自然にそこに存在することを示している…壮厳なたたずまいですね。
園田競馬のオケラ街道(^_^;)や、JRAの阪神・京都競馬場のそれとはエライ違いです。

それは、やはり歴史の重みから醸し出されているのでしょう。

フランス競馬の歴史の重み、その象徴が凱旋門賞とするならば、日本勢は、その重みとも闘わなければなりません。人と馬が紡いできた歴史と相対するわけです。そしてレースになれば、出走する他馬と陣営とも闘わなければなりません。

なるほど、とてつもなく壁が高いわけです。

それでもなお、歴史を変えようとする、日本競馬の馬と陣営の努力、そして積み重ねてきたものへ、私は賞賛を惜しみません。

そして、いかなる結果になろうとも、レースと馬と陣営、皆に『ありがとう』と、声を掛けてあげたい。

競馬って、本当に素晴らしいですね。

さっさんは、祝杯用の金麦を傍らにスタンバイしつつ、その時を待ちたいと思っています。

美しいお写真とエントリー、ありがとうございました。
  • ダンディ平九郎さっさん
  • 2014/10/05 10:12 PM
>Y子様

Dolniya、がんばりましたね。いい競馬でした。
>ダンディ平九郎さっさん様

どうもお久しぶりです。フランスに限らず、外国に行って競馬を観ると、その国の文化が香ってきて楽しい気分になります。そして、もちろん日本にも競馬にまつわる文化が存在します。国際競走は、馬VS馬という表層よりも、根っこの部分の勝負ではないかと思います。凱旋門賞に行って競馬を観る喜びとは、すなわちその奥深さに触れられる喜びなのかなという気がします。
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