パーフェクト種牡馬辞典


エリザベス女王杯はラキシス


好位のインを追走した▲ラキシス(3番人気)が先に抜け出した○ヌーヴォレコルト(1番人気)をゴール直前でクビ差とらえました。
http://youtu.be/7uSFfupZmkQ?t=10s

スタート直後、サンシャインとヴィルシーナが逃げ争いを演じ、ペースが速くなるかと思いきや、隊列が決まると流れが落ち着き、中盤も緩んでスローペースとなりました。結局、ラスト3ハロンのみの競馬となり、前が止まりにくい馬場だったこともあって、好位のインで脚をためたラキシスとヌーヴォレコルトが抜け出しました。現在の馬場コンディション、今回のペースを考えるとこれがベストの競馬でした。勝ち馬の上がり3ハロン33秒4は歴代優勝馬のなかでは第3位。こうなると後ろからでは届きません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104304/



京都芝外回りは[2・1・0・1]。昨年のエリザベス女王杯でも2着と好走しており、唯一連対を外した今年の京都記念(4着)は牡馬相手の休み明けですから、このコースではほとんど崩れていません。

「ディープインパクト×Storm Cat」は、キズナ(日本ダービー、ニエル賞)、アユサン(桜花賞)と同じ。この配合による3頭目のG1勝ち馬となりました。京都芝外回りはとくに得意としており、連対率は39.1%(23戦9連対)と抜群の成績です。芝外回り1800〜2200mに限定すると連対率60%(15戦9連対)なので、「ディープインパクト×Storm Cat」が最も得意とする条件といえるでしょう。

「ディープインパクト×Storm Cat」で重要なのは、残りの部分に Hyperion−Alibhai のようなブリティッシュトラッドの王道を添えること――というのは繰り返し述べてきたとおりです。Storm Cat は淡泊なところがあるので、ヨーロッパ的な重厚さでサポートするというイメージです。キズナ、アユサン、エイシンヒカリなどはこのあたりのフォローがしっかりしている配合です。

ラキシスは、2代母 Foppy Dancer が「Fappiano×Nijinsky×My Babu」ですから、キズナやアユサン型の配合とは異なります。しかし、母マジックストームは Storm Bird≒Nijinsky 2×3という大胆な相似な血のクロスを持っており、これが底力の担保となっているのではないかと推察されます。同じサンデー系の大物ではヒルノダムールがこれに近いですね。同馬はマンハッタンカフェ産駒で、母に Nijinsky≒The Minstrel 2×3という4分の3同血クロスを持ち、芝3200mの天皇賞・春を勝ちました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/



母マジックストームはモンマスオークス(米G2・ダ9f)の勝ち馬で、現代の代表的なアメリカ血統がほとんど詰め込まれています。アメリカにおけるトップサイアー Tapit とも多くの共通点があります。いかにも脚が速く動くタイプで、ディープインパクトがこれを芝向きに転換し、瞬発力を加えてラキシスが生まれました。



母方に A.P.Indy を持つディープインパクト産駒は持続型が多く、決め手が甘くなる傾向が見られるので、Tapit が入った繁殖牝馬をディープインパクトにつけて即走る馬が現れるかというと、多少配合的な工夫が必要なのかな……と思います。

2着○ヌーヴォレコルト(1番人気)はほとんど勝利を手中に収めながら最後に交わされてしまいまいた。しかし、負けたとはいえ、450kgに満たない小柄な3歳牝馬が短期間に二度の長距離輸送をしてこの結果ですから立派だと思います。

◎メイショウマンボ(2番人気)は12着。位置取りは最高でしたが直線では後退するばかりでした。G1を3勝した昨年のパフォーマンス、今年のヴィクトリアマイル2着から考えてこんな負け方をする馬ではないのですが、楽することを覚えてしまったのか勝負どころで頑張ろうという気が失せています。精神面の問題だけに復活への途は険しいといわざるをえません。



コメント
こんにちは

いつもブログを読んでいます。
質問なんですが、栗山さんはよくストームバード≒ニジンスキー2×3やアルザオ≒ダンシングブレーヴ3×3のような表現を使います。
それぞれノーザンダンサー3×4、リファール4×4と表記すれば良いのではないでしょうか?
ニジンスキーとストームバードが≒な理由がわかりません。
  • 林則徐
  • 2014/11/17 12:10 PM
>林則徐様

いつもお読みいただき誠にありがとうございます。「似ているけれどちょっと違う」という血を血統表のなかに並べるのは、良馬を生み出す最も有力な配合テクニックのひとつで、非常に効果的です。全きょうだいクロスや4分の3同血クロスもこの考えのなかにあります。

ニアリーイコールで結んだ血は、総体としてよく似た血統構成となっています。例として挙げていただいた Storm Bird と Nijinsky、Alzao とダンシングブレーヴはその典型です。

Storm Bird と Nijinsky は、いずれも父が Northern Dancer で、母の父に Bull Page の血が入り、4代前に入る Omaha と Flares は全兄弟です。
http://www.pedigreequery.com/nijinsky
http://www.pedigreequery.com/storm+bird

「似ているけれどちょっと違う」という血が血統表のなかに存在する状態を表すには、単体のクロス表記では難しいものがあります。単体のクロス表記をいくつか列挙することで出来ないことはないのですが、煩雑でわかりづらいという欠点があります。そうしたジレンマを解消するために、笠雄二郎さんが考案したのがニアリーイコールで結ぶという表記法です。総体としてよく似たAとBという血を、A≒Bとすることで単純明快に指し示すことができます。このあたりは『サラブレッド配合史』『血統論』に詳しく述べられているので、ぜひご参考になさってください。
http://www.miesque.com/c00001.html
こんばんは

栗山さん 回答ありがとうございますp(^-^)q 血統的な考えでは1≒0.75なのですね。数学的考えでは絶対に成り立たないので疑問に思いますが、とりあえず理解しました。

ただ自分はサドラーズウェルズ≒フェアリーキング、ブライアンズタイム≒サンシャインフォーエバーぐらいの血統同一性がないと≒は使ってはいけないのではないかと思います。
  • 林則徐
  • 2014/11/23 9:13 PM
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