馬体の成長があれば楽しみ、ワンカラットの子ワントゥワン
土曜中京新馬戦(芝1400m)は、好位を追走したワントゥワン(1番人気)が直線で大外を突き抜け、アンシエルワープ(2番人気)に2馬身半差をつけました。
https://youtu.be/zX5bql3gHT8?t=9s
416kgの小柄な牝馬ですが、使い込まれた最終週の中京芝をものともせず完勝しました。序盤は馬群のなかで我慢し、勝負どころで外に持ち出した際もスムーズ。初戦としては注文をつけるところがありません。いいフットワークをしています。
『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」と電子書籍『ディープインパクト好配合馬リスト(2015)』で推奨した馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105748/
母ワンカラットは現役時代、4つの重賞を含めて26戦6勝。ファルブラヴ産駒なので距離の限界があり、フィリーズレビュー(G2)をはじめ勝った重賞は1200〜1400m。軽い馬場も重い馬場もこなし、函館スプリントC(G3)でコースレコードを樹立する一方、重馬場のオーシャンS(G3)を勝ちました。デビュー時の馬体重が472キロ、5歳暮れの阪神Cでは544キロと現役期間中に72キロも増えたので、娘のワントゥワンもこれから馬体が成長することを期待したいものです。
2代母バルドウィナはペネロピ賞(仏G3・芝2100m)の勝ち馬。純ヨーロッパ風の血統で、それもほとんど傍流の血で構成されています。それでいて産駒に重さが感じられないのはいいですね。極上のアウトサイダー血統といえるでしょう。こうした繁殖牝馬はドイツ血統のようなもので、たいていの種牡馬とはアウトクロスになります。異質な血であればあるほど、そして質が高ければ高いほど、主流血統に対するインパクトは大きくなります。既成の主流血統にはない新たな活力が導入されるからです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a010b6d/
2代母の父 Pistolet Bleu はサンクルー大賞典(仏G1・芝2400m)など6つの重賞を制したものの、種牡馬としてはイマイチでした。ただ、血統的にはおもしろく、その母 Pampa Bella はマルセル・ブサック風の配合馬です。
http://www.pedigreequery.com/pampa+bella
バルドウィナの2代母の父の母 Covert Side は、Foxlaw=Aloe 2×3の母に Hyperion 系の Abernant が父です。ディープインパクトが Aureole やチャイナロックの入った繁殖牝馬と好相性を示しているのは、Hypericum≒Aureole、Hypericum≒チャイナロックが生じるからであり、代が遠くとも Hypericum が果たしている影響は無視できないと考えられます。Covert Side は Hypericum に似た構成要素から成り立っているので、少々代が遡りすぎているとはいえ、ディープインパクトが母方に持つ血としては悪くないでしょう。
本馬の4分の3同血にあたるベアトリッツ(父ディープインパクト、母ボルドウィナ)も「栗山ノート」と『ディープインパクト好配合馬リスト』で推奨し、現在3勝を挙げています。
本馬の「ディープインパクト×ファルブラヴ」は桜花賞馬ハープスターと同じ。昨年、二匹目のドジョウを狙って同じ組み合わせのトラストニーケーという馬を推奨したのですが、現在6戦して3着が最高着順です。ハープスターもトラストニーケーも母に Northern Dancer 3×3があるのは同じ。ただし、後者の2代母デアリングダンジグはアメリカ血統が強く、その影響で芝向きの軽快さに欠ける印象です。母の父ファルブラヴは基本的に洋芝向きで軽さに欠けるところがあるので、アメリカ血統の影響が強い血を合わせてディープインパクトを掛けると、芝向きのディープでも消化しきれずパワー型に出る、ということを学びました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100795/
ワントゥワンは2代母バルドウィナが純ヨーロッパ血統なので、トラストニーケーとは対照的であり、純ヨーロッパ血統のトニービンが入るハープスターに近い構成です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104000/
父ディープインパクトはスピードタイプの繁殖牝馬と相性良好。鞍上の藤岡祐介騎手が「距離が延びてもこなせそう」(週刊競馬ブック)と語っているのは心強いところです。これで馬体の成長があれば楽しみです。
https://youtu.be/zX5bql3gHT8?t=9s
416kgの小柄な牝馬ですが、使い込まれた最終週の中京芝をものともせず完勝しました。序盤は馬群のなかで我慢し、勝負どころで外に持ち出した際もスムーズ。初戦としては注文をつけるところがありません。いいフットワークをしています。
『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」と電子書籍『ディープインパクト好配合馬リスト(2015)』で推奨した馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105748/
母ワンカラットは現役時代、4つの重賞を含めて26戦6勝。ファルブラヴ産駒なので距離の限界があり、フィリーズレビュー(G2)をはじめ勝った重賞は1200〜1400m。軽い馬場も重い馬場もこなし、函館スプリントC(G3)でコースレコードを樹立する一方、重馬場のオーシャンS(G3)を勝ちました。デビュー時の馬体重が472キロ、5歳暮れの阪神Cでは544キロと現役期間中に72キロも増えたので、娘のワントゥワンもこれから馬体が成長することを期待したいものです。
2代母バルドウィナはペネロピ賞(仏G3・芝2100m)の勝ち馬。純ヨーロッパ風の血統で、それもほとんど傍流の血で構成されています。それでいて産駒に重さが感じられないのはいいですね。極上のアウトサイダー血統といえるでしょう。こうした繁殖牝馬はドイツ血統のようなもので、たいていの種牡馬とはアウトクロスになります。異質な血であればあるほど、そして質が高ければ高いほど、主流血統に対するインパクトは大きくなります。既成の主流血統にはない新たな活力が導入されるからです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a010b6d/
2代母の父 Pistolet Bleu はサンクルー大賞典(仏G1・芝2400m)など6つの重賞を制したものの、種牡馬としてはイマイチでした。ただ、血統的にはおもしろく、その母 Pampa Bella はマルセル・ブサック風の配合馬です。
http://www.pedigreequery.com/pampa+bella
バルドウィナの2代母の父の母 Covert Side は、Foxlaw=Aloe 2×3の母に Hyperion 系の Abernant が父です。ディープインパクトが Aureole やチャイナロックの入った繁殖牝馬と好相性を示しているのは、Hypericum≒Aureole、Hypericum≒チャイナロックが生じるからであり、代が遠くとも Hypericum が果たしている影響は無視できないと考えられます。Covert Side は Hypericum に似た構成要素から成り立っているので、少々代が遡りすぎているとはいえ、ディープインパクトが母方に持つ血としては悪くないでしょう。
本馬の4分の3同血にあたるベアトリッツ(父ディープインパクト、母ボルドウィナ)も「栗山ノート」と『ディープインパクト好配合馬リスト』で推奨し、現在3勝を挙げています。
本馬の「ディープインパクト×ファルブラヴ」は桜花賞馬ハープスターと同じ。昨年、二匹目のドジョウを狙って同じ組み合わせのトラストニーケーという馬を推奨したのですが、現在6戦して3着が最高着順です。ハープスターもトラストニーケーも母に Northern Dancer 3×3があるのは同じ。ただし、後者の2代母デアリングダンジグはアメリカ血統が強く、その影響で芝向きの軽快さに欠ける印象です。母の父ファルブラヴは基本的に洋芝向きで軽さに欠けるところがあるので、アメリカ血統の影響が強い血を合わせてディープインパクトを掛けると、芝向きのディープでも消化しきれずパワー型に出る、ということを学びました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100795/
ワントゥワンは2代母バルドウィナが純ヨーロッパ血統なので、トラストニーケーとは対照的であり、純ヨーロッパ血統のトニービンが入るハープスターに近い構成です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104000/
父ディープインパクトはスピードタイプの繁殖牝馬と相性良好。鞍上の藤岡祐介騎手が「距離が延びてもこなせそう」(週刊競馬ブック)と語っているのは心強いところです。これで馬体の成長があれば楽しみです。
- 2015.07.31 Friday
- 回顧
- 14:32
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- by 栗山求
Djebelの影響が強そうだし、Never Bendとも相性いいのかなぁと思います。
Forri、High Top(Abernant+Fair Trial)、クロスされてるSupreme Court(母父Fair Trial)もあるので、Highclereに近いところもありますね。