弥生賞はマカヒキ
後方から外を回って進出した◎マカヒキ(2番人気)がゴール直前で○リオンディーズ(1番人気)をクビ差とらえました。勝ちタイム1分59秒9はレースレコードです。
https://youtu.be/nwQCVpsU1JM?t=16s
予想段階では、スローペースでマカヒキが好位、リオンディーズが後方、という位置取りを想定していたのですが、まったく逆でした。00年以降では最速となる1000m通過59秒5。弥生賞は例年ゆったりとした流れになり、良馬場なら61秒台が標準なので、相当なハイペースです。本番の皐月賞のような流れとなりました。
逃げ馬が積極的に飛ばしたので馬群は縦長となり、手動計時では4番手リオンディーズが60秒3、9番手マカヒキが61秒3ぐらい。向正面から3コーナーにかけて若干ペースが緩み、ここで息を入れると、最後の2ハロンは11秒3−11秒3。これは直線入り口で先頭に立ったリオンディーズが記録したものです。数字を見てのとおり決してバテているわけではなく、したがってデムーロ騎手の仕掛けが早かったわけでもないと思います。マカヒキの脚があまりにも凄すぎた、ということでしょう。
86年以降、中山芝2000mの重賞で、レースのラスト1ハロンが最も速かったのは、05年皐月賞の11秒3。そう、ディープインパクトが勝ったレースです。同馬が引退した際、『競馬王』でディープのベストレースは何だったかという企画があり、回答者のひとりとして迷わず「皐月賞」と答えました。レース内容や勝ちっぷりから、どう考えても規格外の馬だとしか思えなかったからです。
今回はそれと同タイムです。マカヒキはラスト1ハロン地点で、先頭を行くリオンディーズから2馬身ほど後ろにいました。おそらく11秒0ぐらいの脚で上がっているはずです。周知のとおり中山芝コースは最後の1ハロンに急坂があります。それをものともせず、締まった流れの重賞でこのラップを刻むのですから、G1級と評価する以外にありません。レース後、ルメール騎手は「強いね。素晴らしい馬」と語りました。
もちろん、クビ差2着に敗れたリオンディーズも、評価を下げる負けではなく、レースが終わった瞬間は上位2頭の強さに感動を覚えました。小回りの中山で後ろから行っては厳しくなるということで、デムーロ騎手らしい積極的な騎乗を試み、行きたがるところのあるシーザリオの血を必死になだめて好位につけました。最後に差されたものの、朝日杯から大きな進境を見せたことで収穫があったと思います。
予想は◎○▲で馬単440円、3連単830円的中です。予想文を転載します。
「◎マカヒキは『ディープインパクト×フレンチデピュティ』という組み合わせで、ウリウリ(CBC賞、京都牝馬S)の全弟にあたる。1200〜1600mがベストの姉とは違い、本馬は距離の融通性があり、前走の若駒S(OP・芝2000m)のレース内容からみても中距離戦に不安はない。その若駒Sは鼻出血明けながら、上がり3ハロン32秒6という鬼脚を使った。レースのラスト2ハロンは11秒0−11秒1。本馬はいずれも10秒台だろう。『ディープ×フレンチ』は成功している組み合わせで、ショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)、カミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス(レパードS)など多くの活躍馬が出ている。基本的に直線の長いコースや外回りコースを得意とする配合だが、前走完勝した若駒Sは内回りコースで、一瞬の脚があるので中山替わりに神経質になる必要はないだろう。メンバー構成から考えてスローペースの公算大。いかに速い脚を使えるか、ゴール前で瞬発力を繰り出せるかという勝負になる。この点で本馬とリオンディーズは甲乙付けがたいが、レースぶりに自在性がある分、小回りコースの中山では本馬のほうが有利だろう。スローペースを好位で追走し、32秒台後半〜33秒台前半の脚を使えば、後ろから交わすのは容易ではない」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105788/
予想文にも記したとおりウリウリの全弟で、「ディープインパクト×フレンチデピュティ」はショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)、カミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス(レパードS)など多くの活躍馬が出ています。
ディープインパクトは産駒の全勝ち星の90%を芝で挙げている芝血統。フレンチデピュティはそれとは対照的に硬さを帯びた Deputy Minister 系なので、うまくバランスが取れるのでしょう。フレンチデピュティが大きめの馬格とカイ食いの良さを伝えるところも魅力です。ディープ産駒に見られる小柄な馬体と食いの細さはウィークポイントで、フレンチデピュティ牝馬との交配ではそれを改善できるという効果が期待できます。マカヒキの母ウィキウィキは510kgを超える大型馬で、本馬はそのサイズを受け継ぎ500kg前後の馬格を誇ります。ストライドが大きいのに脚の回転が速いのですから父に似ています。
マカヒキの2代母リアルナンバーは南米アルゼンチン産ですが、2代父は欧州2400m血統である Rainbow Quest で、リアルナンバー自身は Ribot 5×5。母の父フレンチデピュティはアメリカ血統なので、重厚なヨーロッパ血統でサポートしているのは好感が持てます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a006897/
皐月賞の人気は、サトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズが上位3番手までを形成しそうです。人気順は読めませんが、ルメール騎手はサトノダイヤモンドに乗るので、これが1番人気でしょうか。競馬場で聞いた噂レベルで恐縮ですが、マカヒキの鞍上には川田騎手の名前が挙がっているようです。マカヒキとサトノダイヤモンドは、いずれもアルゼンチンにルーツを持つ牝系から誕生しており、「ディープインパクト+サザンヘイロー」で Halo クロスを持つ、という配合的共通点があります。史上最高のメンバーで争われる皐月賞となりそうです。
弥生賞の表彰式のあと、ウィナーズサークルの金子真人オーナーは、ターフビジョンで小倉最終レースの模様をご覧になり、所有馬のレトロロックが勝ったのを見届けると、嬉しそうな様子でご家族に「やりすぎだよ」と一言。出来すぎ、というニュアンスです。弥生賞の前、中山10R上総Sもブチコで勝っていました。そのまま帰られたのですが、9分後の阪神最終レースも所有馬のオヒアが勝ち、金子真人ホールディングスがわずか1時間で4勝、30分弱で3連勝を飾りました。この日は阪神5Rの未勝利戦をナーウルが勝っているので1日5勝でした。
https://youtu.be/nwQCVpsU1JM?t=16s
予想段階では、スローペースでマカヒキが好位、リオンディーズが後方、という位置取りを想定していたのですが、まったく逆でした。00年以降では最速となる1000m通過59秒5。弥生賞は例年ゆったりとした流れになり、良馬場なら61秒台が標準なので、相当なハイペースです。本番の皐月賞のような流れとなりました。
逃げ馬が積極的に飛ばしたので馬群は縦長となり、手動計時では4番手リオンディーズが60秒3、9番手マカヒキが61秒3ぐらい。向正面から3コーナーにかけて若干ペースが緩み、ここで息を入れると、最後の2ハロンは11秒3−11秒3。これは直線入り口で先頭に立ったリオンディーズが記録したものです。数字を見てのとおり決してバテているわけではなく、したがってデムーロ騎手の仕掛けが早かったわけでもないと思います。マカヒキの脚があまりにも凄すぎた、ということでしょう。
86年以降、中山芝2000mの重賞で、レースのラスト1ハロンが最も速かったのは、05年皐月賞の11秒3。そう、ディープインパクトが勝ったレースです。同馬が引退した際、『競馬王』でディープのベストレースは何だったかという企画があり、回答者のひとりとして迷わず「皐月賞」と答えました。レース内容や勝ちっぷりから、どう考えても規格外の馬だとしか思えなかったからです。
今回はそれと同タイムです。マカヒキはラスト1ハロン地点で、先頭を行くリオンディーズから2馬身ほど後ろにいました。おそらく11秒0ぐらいの脚で上がっているはずです。周知のとおり中山芝コースは最後の1ハロンに急坂があります。それをものともせず、締まった流れの重賞でこのラップを刻むのですから、G1級と評価する以外にありません。レース後、ルメール騎手は「強いね。素晴らしい馬」と語りました。
もちろん、クビ差2着に敗れたリオンディーズも、評価を下げる負けではなく、レースが終わった瞬間は上位2頭の強さに感動を覚えました。小回りの中山で後ろから行っては厳しくなるということで、デムーロ騎手らしい積極的な騎乗を試み、行きたがるところのあるシーザリオの血を必死になだめて好位につけました。最後に差されたものの、朝日杯から大きな進境を見せたことで収穫があったと思います。
予想は◎○▲で馬単440円、3連単830円的中です。予想文を転載します。
「◎マカヒキは『ディープインパクト×フレンチデピュティ』という組み合わせで、ウリウリ(CBC賞、京都牝馬S)の全弟にあたる。1200〜1600mがベストの姉とは違い、本馬は距離の融通性があり、前走の若駒S(OP・芝2000m)のレース内容からみても中距離戦に不安はない。その若駒Sは鼻出血明けながら、上がり3ハロン32秒6という鬼脚を使った。レースのラスト2ハロンは11秒0−11秒1。本馬はいずれも10秒台だろう。『ディープ×フレンチ』は成功している組み合わせで、ショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)、カミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス(レパードS)など多くの活躍馬が出ている。基本的に直線の長いコースや外回りコースを得意とする配合だが、前走完勝した若駒Sは内回りコースで、一瞬の脚があるので中山替わりに神経質になる必要はないだろう。メンバー構成から考えてスローペースの公算大。いかに速い脚を使えるか、ゴール前で瞬発力を繰り出せるかという勝負になる。この点で本馬とリオンディーズは甲乙付けがたいが、レースぶりに自在性がある分、小回りコースの中山では本馬のほうが有利だろう。スローペースを好位で追走し、32秒台後半〜33秒台前半の脚を使えば、後ろから交わすのは容易ではない」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105788/
予想文にも記したとおりウリウリの全弟で、「ディープインパクト×フレンチデピュティ」はショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)、カミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス(レパードS)など多くの活躍馬が出ています。
ディープインパクトは産駒の全勝ち星の90%を芝で挙げている芝血統。フレンチデピュティはそれとは対照的に硬さを帯びた Deputy Minister 系なので、うまくバランスが取れるのでしょう。フレンチデピュティが大きめの馬格とカイ食いの良さを伝えるところも魅力です。ディープ産駒に見られる小柄な馬体と食いの細さはウィークポイントで、フレンチデピュティ牝馬との交配ではそれを改善できるという効果が期待できます。マカヒキの母ウィキウィキは510kgを超える大型馬で、本馬はそのサイズを受け継ぎ500kg前後の馬格を誇ります。ストライドが大きいのに脚の回転が速いのですから父に似ています。
マカヒキの2代母リアルナンバーは南米アルゼンチン産ですが、2代父は欧州2400m血統である Rainbow Quest で、リアルナンバー自身は Ribot 5×5。母の父フレンチデピュティはアメリカ血統なので、重厚なヨーロッパ血統でサポートしているのは好感が持てます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a006897/
皐月賞の人気は、サトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズが上位3番手までを形成しそうです。人気順は読めませんが、ルメール騎手はサトノダイヤモンドに乗るので、これが1番人気でしょうか。競馬場で聞いた噂レベルで恐縮ですが、マカヒキの鞍上には川田騎手の名前が挙がっているようです。マカヒキとサトノダイヤモンドは、いずれもアルゼンチンにルーツを持つ牝系から誕生しており、「ディープインパクト+サザンヘイロー」で Halo クロスを持つ、という配合的共通点があります。史上最高のメンバーで争われる皐月賞となりそうです。
弥生賞の表彰式のあと、ウィナーズサークルの金子真人オーナーは、ターフビジョンで小倉最終レースの模様をご覧になり、所有馬のレトロロックが勝ったのを見届けると、嬉しそうな様子でご家族に「やりすぎだよ」と一言。出来すぎ、というニュアンスです。弥生賞の前、中山10R上総Sもブチコで勝っていました。そのまま帰られたのですが、9分後の阪神最終レースも所有馬のオヒアが勝ち、金子真人ホールディングスがわずか1時間で4勝、30分弱で3連勝を飾りました。この日は阪神5Rの未勝利戦をナーウルが勝っているので1日5勝でした。
- 2016.03.07 Monday
- 回顧
- 00:52
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- by 栗山求