パーフェクト種牡馬辞典


皐月賞はディーマジェスティ


後方を追走した△ディーマジェスティ(8番人気)が直線で豪脚一閃、内で競り合う馬たちを並ぶところなく交わし、▲マカヒキ(3番人気)の追撃を抑えて快勝しました。3着は◎サトノダイヤモンド(1番人気)。1〜3着はディープインパクト産駒です。
https://youtu.be/LVU4LYK0Kjs?t=20s

お昼過ぎにかなり強い雨が降り、なおかつ風も強く、一時はまるで台風のような様相でした。雨は次第に小降りになって1時間ちょっとで止んだのですが、風だけは強いままで、レース時は4コーナーからゴール方向へ突風のような南風が断続的に吹いていました。

1000m通過「58秒4」という表示がターフビジョンに映し出されたとき、場内にどよめきが起こりました。人間がランニングをする際もそうですが、風が強いときはペース感覚をつかみづらくなります。今回はリスペクトアース(15番人気)や○リオンディーズ(2番人気)に超ハイペースにしようという意図があったわけではなく、風のせいで思いがけずそんな流れになってしまったのではないかと思います。

リオンディーズのデムーロ騎手が積極的に仕掛けたのは、皐月賞と同じ距離で行われた第9R鹿野山特別が行った行ったの決着だったことによる馬場読みだと思いますが、結果的には行きすぎましたね。パンパンの良馬場ではなく雨の影響が残る馬場で、1000m通過が皐月賞史上2番目のハイペースですから前に行った馬には厳しい流れでした。

1着ディーマジェスティ、2着マカヒキは後方待機組。今回、上位人気に推された数頭は、きわめて高いレベルで能力が拮抗しており、展開が向いた分だけディーマジェスティとマカヒキが先着した、ということでしょう。ディーマジェスティの豪快な伸びを見て99年のテイエムオペラオーの姿が脳裏に甦りました。



勝ちタイム1分57秒9はロゴタイプの記録を3年ぶりに0秒1更新する皐月賞レコードで、ラブリーデイが持つコースレコードに0秒1と迫る優秀なものです。今回は特殊な流れとなりましたが、距離が400m延びる日本ダービーが同じような流れになるかどうは分かりません。月並みですが、うまく流れに乗った馬が勝つはずです。

管理する二ノ宮敬宇調教師は、今回の皐月賞はダービーのトライアルという位置付けだったそうで、雨が降ったことで馬場が向いたところもあるのかな、とおっしゃっていました。この勝利で「選択肢が無限に広がった」とも。海外も? と水を向けられると、いやいやいや、と否定されましたが、エルコンドルパサーやナカヤマフェスタで海外経験が豊富なトレーナーだけに、オーナーが許せばいずれ実現するかもしれません。血統は凱旋門賞向きです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013104704/



今回は1000m通過が史上2位、1200m通過が史上1位というハイペースだったので、スピードの持続力が問われるレースとなりました。ディーマジェスティの母は「ブライアンズタイム×Sadler's Wells」で、持続力の鬼といえる血ですから、こうした競馬に向いています。仮にスローな流れとなり、機動力と上がりの鋭さが問われるレースとなっていたら、この馬の真価は発揮されなかったと思います。ちなみに、旧レースレコードホルダーのロゴタイプも Sadler's Wells とサンデーサイレンスを併せ持っていました。また、2週間前のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)を勝ったマジックタイムはディーマジェスティに配合構成がそっくりです。



持続力に秀でているだけでなく、このペースで上がり34秒0という決め手を発揮したところが素晴らしいですね。

ディーマジェスティは、ニュージーランドトロフィー(G2)2着馬セイクレットレーヴ(父アドマイヤムーン)やワールドレーヴ(父ファンタスティックライト/準OP)の半弟です。全姉ホクラニミサは現在500万下で走っています。

「ディープインパクト×ブライアンズタイム」は、土曜中山の山藤賞(3歳500万下)を勝ったゼーヴィントなども同じ組み合わせですが、連対率20.0%、1走あたりの賞金額219万円と、ディープインパクト産駒全体の24.4%、330万円に比べると見劣ります。Roberto を近い世代に持つディープインパクト産駒は、ここ最近になってサトノラーゼンやシルバーステートが出ているものの、全体的な成績は微妙です。また、Sadler's Wells を持つ場合も、セオリーとしては Mr.Prospector のサポートが欲しいところです。

サトノラーゼン(京都新聞杯、日本ダービー−2着)は、他の部分が配合的にカバーしているとみて「栗山ノート」で推奨したのですが、ディーマジェスティの場合、個人的にあまり評価できないパターンが2つ重ねられているので、スルーしてしまいました。ただ、Roberto はアベレージよりもホームランの飛距離で勝負するタイプです。また、過去の成功例から外れた配合のほうが、これまでの常識を打ち破る大物に育つ可能性がある、ともいえるでしょう。

ディーマジェスティの新馬戦(15年9月5日、札幌競馬場)は、たまたま札幌にいたので生で観ており、ブログにも書きましたが、触れているのは勝ったキングライオンだけで、2着ディーマジェスティについての言及はありません。パドックでも何枚か写真を撮ったのですが、確認してみたところ、ディーマジェスティのものはありませんでした。見る目がないとはこのことです。

3代母 Doff the Derby は Trillion(仏最優秀古牝馬、米最優秀芝牝馬)の半妹で、同馬については12年11月28日のエントリー「超合金の女 Trillion」で取り上げたことがあります。2代母シンコウエルメスは、ジェネラス(英・愛ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS)、オースミタイクーン(マイラーズC、セントウルS)の半妹で、Imagine(英オークス、愛1000ギニー)の全姉にあたる良血です。デビュー戦のあと、調教中に重度の骨折を負い、獣医師は安楽死を勧めたそうですが、管理する藤沢和雄調教師の助けたいという熱意にほだされて手術することになり、生還したという秘話があります。藤沢和雄調教師が諦めていればディーマジェスティはこの世に存在しませんでした。

母エルメスティアラは不出走馬ですが、エルノヴァ(ステイヤーズS−2着、クイーンS−2着、オールカマー−3着)の半姉にあたり、この牝系に脈々と伝わる優れた資質をコンスタントに伝える繁殖牝馬となりました。成功する配合パターンからはズレていても、超一流の牝系に属している馬は甘く見るべきではないということでしょう。パドックで歩く姿を見ると、筋肉量が多いところは血統的なイメージどおりですが、歩様がスムーズで柔らかく、とくにブライアンズタイムの血を引く馬にありがちな前肢の硬さや窮屈さがないところが素晴らしいですね。

◎サトノダイヤモンド(1番人気)は3着。6kg増の馬体重はパドックで見るかぎり成長分だと感じましたが、ルメール騎手がレース後に語ったように、久々のため完璧に仕上げたというわけではなかったと思います。1、2着馬よりも前で競馬をしていたので展開的には不利で、最後の直線でリオンディーズの外斜行から被った不利も影響がありました。負け方としては悪くなかったと思うので、体調面の上積みが見込めるダービーでは今回の1、2着馬と互角だと思います。



コメント
>今回の1、2着馬
パトロールを見れば、向こう正面で明らかにスリップストリームに入っていますね。
  • スリップストリーム
  • 2016/04/18 6:57 PM
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