パーフェクト種牡馬辞典


日本ダービーはマカヒキ


残り100mで先頭に立った○マカヒキ(3番人気)と、外から交わそうとする◎サトノダイヤモンド(2番人気)がゴール前で一騎打ちとなり、馬体を接してフィニッシュラインを駆け抜けました。きわどい勝負ではありましたが、内のマカヒキがわずかに出ていました。
https://youtu.be/jffwpn_QqZ4?t=43s



ウイニングランを見ることなく地下の検量室前に駆け下りると、そこはすでに人の波であふれていました。まだ写真判定の結果は出ていなかったのですが、マカヒキが勝った、というムードが漂っていました。判定結果が検量室奥のボードに書き込まれると、馬主の金子真人さんとそのご家族は、友道康夫調教師やノーザンファーム関係者と笑顔で握手を繰り返し、友道調教師のもとには池江泰寿調教師をはじめ何人かの調教師がかわるがわる近づいてきて祝福の言葉を掛けていました。友道調教師の目は潤んでいるように見えました。



1頭のサラブレッドが牧場で誕生し、ダービーの出走馬に名を連ねるまでにどれほどの人間が関わり、夢が託されてきたのか知れません。ダービーに対する強い想いは競走馬に関わるすべての人々に共通するものです。勝者と敗者がわずか数センチの差で明暗を分けるのが競馬であり、ダービーともなればその残酷さは想像の域を超えます。

ハナ差敗れたサトノダイヤモンドが帰ってくると、池江調教師は「よく頑張った」と労いました。ただ、しばらくすると顔色が変わり、枠場の仕切り板を足のつま先でゴンと蹴ったあと、「痛い……」とつぶやいて大きなため息をつきました。もちろん足が痛かったわけではないでしょう。ハナ差敗れたことがよほど悔しかったのだろうと思ったのですが、それからしばらく経ってサトノダイヤモンドの左後肢が落鉄していたことが明らかになりました。温厚な池江調教師が感情に任せて仕切り板を蹴ってしまうほど、アクシデントによるダービーのハナ差負けは受け入れがたいことだったのでしょう。日本ダービーのハナ差勝負は9回目です。

1940年 1着イエリュウ、2着ミナミ
1958年 1着ダイゴホマレ、2着カツラシュウホウ
1961年 1着ハクショウ、2着メジロオー
1974年 1着コーネルランサー、2着インターグッド
1979年 1着カツラノハイセイコ、2着リンドプルバン
1981年 1着カツトップエース、2着サンエイソロン
2000年 1着アグネスフライト、2着エアシャカール
2012年 1着ディープブリランテ、2着フェノーメノ
2016年 1着マカヒキ、2着サトノダイヤモンド

マカヒキと川田将雅騎手が引き上げてくると拍手がわき起こりました。馬から下りた川田騎手は、金子オーナー夫妻、友道調教師と握手・抱擁を交わしました。いつもはポーカーフェイスですが、さすがに感情が高ぶっているように見えました。



史上稀にみるハイレベルなメンバー構成のダービー、という下馬評でしたが、皐月賞と同じく1〜3着はディープインパクト産駒が占めました。この3頭は、他の2頭がいなければいずれも三冠馬になりうるハイレベルな競走馬で、それがたまたま同じ年に現れたということだと思います。ただ、来年は来年で同レベルの馬がまた現れるでしょう。今回の1〜3着馬は、実際に行くかどうかはともかく凱旋門賞に登録があります。このクラスの馬が継続して挑戦すれば近いうちに勝てるのではないか、と楽観的に思えてきます。

4、5着はキングカメハメハ産駒。結局、サイアーランキング1、2位の種牡馬が皐月賞に続いて掲示板を独占しました。現在の生産界の縮図のような結果です。図抜けたポテンシャルを秘めた種牡馬の子を、最高の育成環境で育て、リーディング上位の厩舎に預ければ、それなりの結果が出てくるのは当然です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105788/



CBC賞(G3)と京都牝馬S(G3)を勝ったウリウリの全弟。マイル以下で本領を発揮する姉とは違い、弟は距離の融通性があります。母ウィキウィキはダート向きの中距離タイプ。2代母リアルナンバーはアルゼンチン産馬で、同国で芝1600mのG1と芝1800mのG2を勝っています。2代母の2代父は欧州2400m血統である Rainbow Quest で、リアルナンバーは Ribot 5×5。母の父フレンチデピュティはアメリカ血統なので、重厚なヨーロッパ血統でサポートしているのは好感が持てます。中距離タイプに出た弟のほうが血統的には自然でしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a006897/



「ディープインパクト×フレンチデピュティ」はショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)、カミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス(レパードS)など多くの活躍馬が出ています。新潟、京都、阪神ではいずれも芝内回りより芝外回りの連対率が上回り、中山芝の連対率21.6%に対し東京芝は32.0%。直線の長いコースのほうが向いている組み合わせです。

ディープインパクトは産駒の全勝ち星の90%を芝で挙げている芝血統。フレンチデピュティはそれとは対照的に硬さを帯びた Deputy Minister 系なので、うまくバランスが取れるのでしょう。フレンチデピュティが大きめの馬格とカイ食いの良さを伝えるところも魅力です。ディープ産駒に見られる小柄な馬体と食いの細さはウィークポイントで、フレンチデピュティ牝馬との交配ではそれを改善できるという効果が期待できます。マカヒキの母ウィキウィキは510kgを超える大型馬で、本馬はそのサイズを受け継ぎ500kg前後の馬格があります。ストライドが大きいのに脚の回転が速いのですから父に似ています。



今回のダービーの1、2着馬は、いずれもアルゼンチンにルーツを持つ牝系から誕生しており、「ディープインパクト+サザンヘイロー」で Halo クロスを持つ、という配合的共通点があります。



◎サトノダイヤモンド(2番人気)は2着。左後肢を落鉄したことがすべてで、まともなら突き抜けていたのではないかと思います。不可抗力とはいえ馬がかわいそうです。この無念を今後の競走生活で晴らしてほしいものです。予想はマルチ設定だったので馬単1420円、3連単4600円的中です。



コメント
リアルナンバーの勝ったヒルベルトレレナ大賞。
公式が間違ってることも稀にあるのですが、
亜のスタッドブックではダートになってます。
重馬場にしては時計が遅いなとの印象ですが、
パレルモに芝コースが出来たのは最近だったような気も。

http://www.studbook.com.ar/cgi-bin/foxweb.exe/verclas@stud?ARG2001032405

それにしても、見応えのあるダービーでした。
  • ミマタオー
  • 2016/05/31 10:47 AM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック



プロフィール

カレンダー

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>

最近の記事

カテゴリー

アーカイブ

recent comment

  • ディープインパクト死す
    ヒデハヤテ
  • 明日夜に『KEIBAコンシェルジュ』に出演します
    けいすけ
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」でジーワンを6頭ピック
    SuKe
  • 競馬道OnLineプレミアム予想 3月30、31日分
    栗山求
  • 本日夜に『KEIBAコンシェルジュ』に出演します
    メロン
  • 『競馬場の達人』に出演します
    10年目だけど初心者馬券師まつ
  • 競馬道OnLineプレミアム予想 3月30、31日分
    ohu-nob
  • 『競馬場の達人』に出演します
    梅こんぶ
  • 『競馬場の達人』に出演します
    Y子
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」でニューワールドRを追加ピック
    栗山求

recent trackback

LINK

検索

携帯

qrcode