パーフェクト種牡馬辞典


ジャパンCはシュヴァルグラン


ラスト100mでシュヴァルグラン(5番人気)が先頭に立ったとき、ハルーワスウィートの血の怖ろしさに一瞬、背中の毛が逆立つような感覚を覚えました。母として3頭目のG1馬を出したことになります。



・ヴィルシーナ(父ディープインパクト/ヴィクトリアマイル2回)
・ヴィブロス(父ディープインパクト/秋華賞、ドバイターフ)
・シュヴァルグラン(父ハーツクライ/ジャパンC)

近年の日本の繁殖牝馬でG1馬を3頭産んだのはダンシングキイ(ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの母)のみ。戦前にさかのぼればフリッパンシー(セントライト、トサミドリ、クリヒカリ、タイホウの母)という偉大な繁殖牝馬がいますが、当時と現在とでは生産頭数も競走体系も違うので単純に比較はできません。ハルーワスウィートは現役時代に5勝し、準OPまで出世しています。その母ハルーワソングを輸入した際に腹に入っていた持ち込み馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001103409/



先週月曜日、苫小牧で胆振軽種馬農協青年部の研修会が開かれ、社台コーポレーションの細田直裕さん、血統評論家の望田潤さん、わたしの3人が講師役に招かれ、配合や海外競馬を中心に講演をしてきました。そこでもハルーワスウィートの配合を取り上げました。取り上げざるをえないほどこの配合パターンは目立っています。

配合のポイントは「Machiavellian を介した Halo クロス」です。

Machiavellian は現役時代に3戦全勝で仏2歳チャンピオンとなり、3歳時の英2000ギニー(G1・芝8f)はラチ沿いに押し込まれる不利がありながら2着となりました。「Mr.Prospector×Halo」というスピードに秀でた組み合わせです。母 Coup de Folie はオマール賞(仏G3・芝1600m)の勝ち馬で、希代の名血 Almahmoud を3×3というクロスの形で持っています。Machiavellian のほかに Exit to Nowhere(ジャックルマロワ賞−仏G1、イスパーン賞−仏G1)、Coup de Genie(モルニ賞−仏G1、サラマンドル賞−仏G1)、ハイドロカリド(アスタルテ賞−仏G2)、Ocean of Wisdom(ラロシェット賞−仏G3)といった優駿を送り出しました。
http://www.pedigreequery.com/machiavellian



秋華賞(G1)を勝ったディアドラ(父ハービンジャー)は、母ライツェントがハルーワスウィートとよく似た配合構成です。さらに、ライツェントの母ソニンクはハルーワスウィートと同じく Machiavellian×Nureyev という組み合わせです。ディアドラの半兄には橘S(OP)を勝ち、兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)3着のオデュッセウス(父ファルブラヴ)がいます。



阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を勝ったローブティサージュの母プチノワールもこのパターンです。2本の Halo を、Machiavellian と Glorious Song を介して入れている点も一緒で、さらに4分の3同血の Nureyev と Sadler's Wells を持っています。



ジューヌエコール(父クロフネ/デイリー杯2歳S、函館スプリントS)の母ルミナスポイントは、前出のライツェントの4分の3姉で、ほかにルミナスウイング(父クロフネ/準OP)、ルミナスパレード(父シンボリクリスエス/準OP)を産んでいます。



サトノダイヤモンド(有馬記念、菊花賞など重賞5勝)の母マルペンサは、Machiavellian に配合構成が近い Orpen を持ち、なおかつ Haloクロスを持っているので、ハルーワスウィートと配合の骨格が似ています。



ファンディーナ(フラワーC)の母ドリームオブジェニーは、Machiavellian の全妹 Coup de Genie の牝系に属し、Nureyev を持っています。Halo クロスはないものの、ソニンクに似た配合構成なので、これもおもしろいですね。



ハルーワスウィートの配合パターンは、もともと繁殖牝馬よりも先に、ヴィクトワールピサ(皐月賞、有馬記念)やロジユニヴァース(日本ダービー)といった牡馬が競馬場で結果を出しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/



Machiavellian の血は、ワールドワイドな観点から見ても、年々存在感を増しているように感じます。父系は Street Cry を通じて伸ばし、同馬は Zenyatta と Winx という米豪それぞれの歴史的女傑を誕生させました。
http://www.pedigreequery.com/winx



Street Cry の全姉 Helsinki は名種牡馬 Shamardal の母となり、同馬はヨーロッパを中心に Lope de Vega(仏ダービー、仏2000ギニー)をはじめ多くのG1ホースを誕生させました。ちなみに Lope de Vega は Machiavellian 3×3です。



アイルランドでは母の父に Machiavellian を持つ Dark Angel という若手種牡馬が大成功し、2017年の英愛サイアーランキングで Galileo に次いで2位となっています。
http://www.pedigreequery.com/dark+angel9



このように現代の血統シーンのなかで Machiavellian の影響力の拡がりは止まるところを知りません。Machiavellian と Halo の相性の良さを考えると、今後わが国で前出の血統パターンからさらに多くの大物を誕生させるのではないかと思われます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104759/




コメント
ハーツクライ産駒はPOG期間内にG1は勝てないだろうけど、古馬になってからG1を勝とうのテーマでワンアンドオンリーを選んだので、シュヴァルグランはワンアンドオンリーより強そうな馬というテーマでPOG指名しました。
ただ、POG指名馬のハーツクライ産駒が、2頭とも府中の芝2400G1を勝つとは、思いもしませんでした。
  • Y子
  • 2017/11/27 12:01 PM
ディアドラの場合、デインヒルとArctic Tern(Bering父)もAlmahmoud牝系なのが面白いですね。
その他Northern Dancerが多いところが難点でもありますが

バゴもMachiavellian全妹とNureyevの組み合わせですね。
  • ゆーな
  • 2017/11/29 5:55 AM
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