パーフェクト種牡馬辞典


ラジオNIKKEI賞はファイナルフォーム


好位5番手を追走した○ファイナルフォーム(2番人気)が◎ヤマニンファラオ(1番人気)を交わして2馬身差で完勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=BeBBmksMZaw#t=17s

実力拮抗のメンバーが小回りコースで争うので、毎年ゴール前がきわどくなるレースです。過去を振り返ると、このレースを勝ったあと成績的に振るわない馬が多く見られるのですが、それらはきわどい差でやっと勝った、という共通点があります。

これがレースキャリアの頂点ではなく、その後も重賞で勝ち負けするようなタイプは、2着以下にはっきりとした差をつけて勝っています。たとえば、のちにG1ウィナーとなったシンコウラブリイ(92年)は86年以降の最大着差タイとなる2馬身半差で勝っており、のちに京都金杯を勝ったタマモサポート(06年)は当レースがハンデ戦となって以降最大の2馬身差で勝っています。

したがって、2馬身差をつけたファイナルフォームは、可能性を感じさせる勝ち方だったといえるでしょう。

配合に関してはデビュー前から高く評価していました。血統屋の『種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で◎評価とし、『POGの達人(赤本)』の「私のオススメ10頭」、『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」でも取り上げるなど、方々でプッシュしました。

予想の評価を○にとどめたのは、出遅れて後方から進むというこれまでのレーススタイルが、小回りの福島コースでどうなのかという懸念が拭えなかったからです。じっさい、そんなレースぶりなら、今回は掲示板が精一杯だったかもしれません。うまくスタートを切って5番手で流れに乗った時点で八割方レースは成功していたと思います。戸崎騎手が上手く乗りました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105921/



ファルコンS(G3)4着のダノンムロー(父 Gone West)、ダートでOPクラスまで出世したファイナルスコアー(父 Fusaichi Pegasus)の半弟。母ファイナルデスティネーションはNZ1000ギニー(G1)、ベイヤークラシック(新G1)を勝った名牝で、母の父 O'Reilly はニュージーランドの年度代表馬に選ばれたスピード馬です。

O'Reilly は父がラストタイクーン、母の父が Round Table 系ですから、桜花賞馬マルセリーナの母の父 Marju と似ています。Round Table といえば Caerleon の母の父でもあり、ディープインパクトと Caerleon のニックスの核心部分と思われる血なので好ましいですね。基本的にディープインパクトはファイナルデスティネーションのようなスピード値の高い繁殖牝馬との相性が良好です。母方に並んだ O'Reilly、Sound Reason、Zephyr Bay はいずれも速いタイプです。

デビュー前はマイラーになると予想していましたが、1800mも問題なくこなし、レースぶりを見ると2000mもOKでしょう。将来的にはこのあたりを得意とする中距離馬となりそうです。同じ堀厩舎の馬に例えるなら、父は違いますがダークシャドウ的なイメージですね。528kgというディープインパクト産駒としては例外的な超大型サイズ。もう少しデビューが早ければ春のクラシックでもいい勝負をしていたと思われるので、これからが楽しみです。前走はゴール手前で大きくヨレて問題となりましたが、今回も抜け出してから外側に斜行していました。気性的に危なっかしいところは確かにあります。

◎ヤマニンファラオは2番手追走から早め抜け出しという、期待どおりの騎乗で2着を確保。相撲でいえば自分十分の体勢に持ち込んで寄り切られたわけですから、要するに勝ち馬が強かったということです。「ダイワメジャー×Sadler's Wells」という粘りの血統だけに、末脚勝負になるとディープインパクト産駒には敵いません。

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★2012−13望田潤の2歳勝ち馬評価
★2012−13年POG企画
 「種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編」
     http://miesque.com/shopping.html
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コメント
3着オペラダンシングは馬場は渋ってはいませんでしたが4/1のエントリでも注目されていたことも思い出し押さえ恩恵にあずかれました♪
今回は江田照Jの進言で出走なったようですが、またいつか(笑)の期待を込めて追いかけていきたいです。
  • sshima
  • 2012/07/02 11:32 AM
栗山先生、こんにちは。戸崎ジョッキー上手かったですね〜。何かとお騒がせな馬と厩舎ですがこのコンビがずっと続いて行って欲しいです。できればリアルインパクトも…(笑)。
  • 2012/07/02 5:05 PM
ファイナルフォームは、戸崎騎手の好騎乗が光りましたね。大柄・大トビで不器用な印象のあったこの馬を、好位につけて直線もそつなく抜け出させました。地方の騎手にとっては「小回りだから」とか「大トビだから」とか言っていたのでは仕事にならないのも事実で、堀師の騎手起用の妙という側面もありそうです。
配合的には、栗山さんが初年度から推奨されていたディープ×ラストタイクーン系で、2年目の産駒でも相性のよさを見せつけています。ディープ×ラストタイクーン系といえばマルセリーナですが、ハイペリオン豊富で硬さもあるマルセリーナに較べると、ファイナルフォームはナスキロ色が濃く、より大トビな感じがあります(体型的には、マルセリーナより半弟グランデッツァに似た胴長・脚長の馬体だと思います)。しかし、そこが一種の盲点で、ファイナルフォームはトップスピードにのるまでは、頭が高いので掻きこむような走りになっており、そのため小回りのコーナリングにも対応できるのかもしれません(小回りが得意なラストタイクーンの影響もありそうです)。このへんは、同じくナスキロ色が濃い大柄・大トビのストーンヘンジなどとの違いで、ストーンヘンジは終始ストライドを一杯に伸ばして走るので、不器用さが改善されてこない面があります。道中は頭が高くて掻きこむような走りで、直線で徐々に重心が沈んでストライドが伸びてくるファイナルフォームのようなタイプは、欧州の馬にはよく見かける走りです。そういえば、欧州の馬は、日本の馬に較べてシャドーロールの装着率が高いような気がするのですが、思い過ごしでしょうか。それから、栗山さんの旧ブログに「ラストタイクーンと Mill Reef クロス」という記事がありますが、ファイナルフォームの母のファイナルデスティネーションの血統表のラストタイクーン以外の部分には、ボールドリーズンやプリンスキロなどのミルリーフを構成する血を持つ馬がそろっているので、直接的なミルリーフのクロスはありませんが、それに近い形になっているとは言えそうです。
ファイナルフォームは、本来は昨年10月のデビューが予定されていましたが、直前の9月の挫石に続き、11月には蟻洞を発症してデビューが大幅に遅れてしまいました。遅れてきた大物として、秋戦線を盛り上げてくれそうですね。

8着ロードアクレイムは、スタートで出遅れた時点で圏外といった感じでしたが、そのわりには2着馬とはそれほど差のないところまで巻き返しており、スタートさえよければもっと2着争いがきわどくなったかもしれません。

12着アーデントは、審議になった4角の不利の被害馬ですが、それよりもこの馬の脚質に対する陣営の意思統一に乱れがあるように思います。加藤師は、以前から一貫して先行馬であるとの考えを示されていますが、藤田騎手のほうは、差し馬として育てたがっているように見えます。個人的には加藤師の見方に賛成ですが、どちらにせよ今の中途半端な状態は解消されるべきでしょう。馬体は休養前より良化がうかがえますし、今回もメイショウカドマツの2番手あたりのポジションが取れていれば、勝ち負けだったのではないかと考えています。
  • toku
  • 2012/07/02 7:00 PM
>sshima 様

おめでとうございます。江田騎手のコメントを読むと内枠が良かったみたいですね。言われてみればなるほど! という感じです。これは忘れずにメモします。
>凄様

おはようございます。地方競馬のジョッキーは前で競馬をするという意識が強いので、小回りコースでは特に信頼できると思います。今回は最高の騎乗でしたね〜。戸崎リアルインパクト、ぜひもう一度見たいです。サクッと勝っちゃいそうな気がしますね(笑)。
>toku 様

母ファイナルデスティネーションはアメリカ血統の割合が大きいタイプですが、やや古めのオセアニア血統はヨーロッパにルーツがあり、しかもスピードが豊富なので、いかにもディープインパクトに合いそうだと感じます。「ディープ×Black Caviar」の配合などはけっこういいですよ(笑)。オセアニア出身の母から誕生するディープ産駒の活躍馬はもっと出てくるのではないかと予測します。
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