パーフェクト種牡馬辞典


阪神ジュベナイルフィリーズはローブティサージュ


中団のインを追走した△ローブティサージュ(5番人気)が直線の競り合いを制して2歳女王の座に就きました。
http://www.youtube.com/watch?v=jBV1XPXdY-4#t=1m13s

今年はペースが速かったですね。800m通過が45秒9。牝馬の2歳G1となった91年以降では、96年の45秒7に次ぐ史上2番目のハイペースでした。同コースで行われる桜花賞でも45秒台の通過はめったに見られません。

ちなみに、過去3年の通過タイムは、09年47秒3、10年48秒5、11年48秒0。今年は先頭が離して逃げたわけではなく、馬群が一団となってこのペースですから、なおさらキツかったと思います。例年のような切れ味勝負にはらなず、レースの上がりは36秒4も掛かりました。こうなると持続力とスタミナの勝負です。

1着ローブティサージュ、2着クロフネサプライズは、サンデーサイレンスを含まない血統でした。切れ味よりも持続力、というタイプです。2着から5着まではすべてトニービンを持っていました(3〜5着はハーツクライ産駒)。この血は Hyperion がベースとなっているせいか底力を要求されるレースに強く、ハイペースの持続力勝負は得意です。たとえば、超ハイペースで展開した昨年の天皇賞・秋でレコード勝ちを収めたトーセンジョーダンはトニービン系です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104278/



ローブティサージュの母プチノワールは、安田記念を勝ったアサクサデンエンと同血(父が同じで母同士が全姉妹)です。ということは、ヴィクトワールピサやスウィフトカレントの近親でもあり、非凡な底力を感じさせます。名繁殖牝馬ホワイトウォーターアフェアはすでに高齢なので、まだ若いプチノワールが同様の繁殖能力を秘めているとすれば、これは楽しみですね。もちろん、ローブティサージュ自身も、名門一族の流れを汲むだけでなくサンデーを含んでいない血統構成なので、繁殖牝馬として相当な価値があるでしょう。

前走のファンタジーSは外からいい脚で差してきましたが、「ウォーエンブレム×Sadler's Wells 系」というパワー兼備の配合ですから、サンデー系の切れるタイプと比べると、追い比べになったときにどうなのかなという懸念がありました。勝ちっぷりを見てのとおり能力の高さ、器の大きさはいうまでもありません。ただ、今回のような流れで真価を発揮した部分はあったと思いますし、33秒台の上がり勝負よりは今回のような流れのほうが向いていたと思います。

父ウォーエンブレムは異系の塊。父 Our Emblem も、母の父 Lord at War もアルゼンチン牝系の出で、2代母の父はフランスの Herbager 系、3代母の父はオーストラリア産の Sky High です。近い世代で主流血統といえるのは Mr.Prospector しかありません。したがって、自身の特長を主張するというよりは、相手牝馬の良さを活かすタイプですね。

異系色が強いだけに良血牝馬との相性は良好。質の高いサンデー肌やトニービン肌は大好物で、Mr.Prospector や Northern Dancer といった主流血統を積極的に絡めていくのも良策です。自身はアメリカのダート競馬で活躍したので、ヨーロッパの重厚な血を入れた配合は、足りない要素を補う効果があるのかうまく行っています。Sadler's Wells はその典型で、本馬のほかにダート路線で活躍するシビルウォーがこのパターンから誕生しています。

「ウォーエンブレム&Sadler's Wells」の成功には、血統的にふたつのポイントがあります。8月17日のエントリー「ブリーダーズゴールドCはシビルウォー」から抜粋します。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=372

………………………………………………………………………………………
今年5月に行われた競馬王主催の「POG公開ドラフト」の質問タイムで、客席のお客様からウォーエンブレム産駒の良駒探しの配合的なコツについて尋ねられました。その際、鍵となる血について「Never Bend と Forli」と答えました。それぞれウォーエンブレムと相性良好です。

ウォーエンブレムが Never Bend と好相性なのは、ウォーエンブレムの母方に入る Punctilious と Never Bend の2代母 Be Faithful が相似な血の関係だからでしょう。Never Bend の半弟 Bold Reason(Sadler's Wells の母の父)とも同様の理由で好相性です。



一方、Forli は「Aristophanes×Advocate」というアルゼンチン血統。ウォーエンブレムの父 Our Emblem は3代母にまったく同じ組み合わせの Dorine を持っています。Dorine と Forli の関係が良い影響をもたらしているのではないかと思います。



Sadler's Wells の母 Fairy Bridge は「Bold Reason×Forli」ですから、基本的にウォーエンブレムと合います。この組み合わせの馬は過去4頭デビューしてすべて勝ち上がっており、出世頭がシビルウォーです。1ヵ月ほど前に函館の新馬戦(芝1800m)を勝ち上がったローブティサージュもこのパターンです(母の父 Singspiel は Sadler's Wells 系)。
………………………………………………………………………………………

阪神ジュベナイルフィリーズと翌春のクラシックレースとの関係の深さは過去のレース結果が示すとおりです。ローブティサージュが今回のレースで示したのは、持続力、底力、スタミナ。桜花賞はもちろんですがオークスにも向きそうなタイプです。

2着クロフネサプライズ(15番人気)はハイペースで展開するなか2番手から粘るという強い内容でした。Hyperion だらけの母がハイペース耐性と底力をサポートしています。

3着レッドセシリア(10番人気)はスタートで後手を踏みながら巻き返してきました。キャリア1戦でこの内容。ペースが向いたのはたしかですが並の馬ではありません。

◎サンブルエミューズ(2番人気)は8着。結果的にハイペースに巻き込まれる形となりました。津村騎手は「馬群の中からの競馬が初めてだったので少し躊躇していた」(週刊競馬ブック)とコメントしています。前走の競馬を見るかぎり脚を溜める競馬がベストなのかもしれません。



コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック



プロフィール

カレンダー

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>

最近の記事

カテゴリー

アーカイブ

recent comment

  • ディープインパクト死す
    ヒデハヤテ
  • 明日夜に『KEIBAコンシェルジュ』に出演します
    けいすけ
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」でジーワンを6頭ピック
    SuKe
  • 競馬道OnLineプレミアム予想 3月30、31日分
    栗山求
  • 本日夜に『KEIBAコンシェルジュ』に出演します
    メロン
  • 『競馬場の達人』に出演します
    10年目だけど初心者馬券師まつ
  • 競馬道OnLineプレミアム予想 3月30、31日分
    ohu-nob
  • 『競馬場の達人』に出演します
    梅こんぶ
  • 『競馬場の達人』に出演します
    Y子
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」でニューワールドRを追加ピック
    栗山求

recent trackback

LINK

検索

携帯

qrcode