パーフェクト種牡馬辞典


2011年の種牡馬傾向を振り返る(1)


 種牡馬のトレンドは毎年少しずつ変化します。うっかりすると古い認識のまま馬券を買う羽目になって痛い目に遭います。2012年の競馬が始まる前に昨年のJRA成績を振り返ってみましょう。


以下は昨年1年間の種牡馬別勝利数ランキングです。総合(平地)、芝、ダートの三種に分けてみました。カッコ内は昨年との増減です。


【総合】
1位 キングカメハメハ   181勝(+2)
2位 ディープインパクト  135勝(+94)
3位 ネオユニヴァース   128勝(+32)
4位 アグネスタキオン   116勝(+16)
5位 クロフネ       113勝(−39)
6位 シンボリクリスエス  108勝(−5)
7位 サクラバクシンオー   96勝(−9)
8位 マンハッタンカフェ   96勝(−14)
9位 フジキセキ       93勝(−21)
10位 ジャングルポケット   91勝(+18)
【芝】
1位 ディープインパクト  115勝(+76)
2位 キングカメハメハ    90勝(−30)
3位 ジャングルポケット   72勝(+20)
4位 ステイゴールド     63勝(+17)
5位 アグネスタキオン    61勝(−9)
【ダート】
1位 キングカメハメハ    91勝(+32)
2位 ネオユニヴァース    84勝(+42)
3位 クロフネ        71勝(−44)
4位 シンボリクリスエス   56勝(−4)
5位 アグネスタキオン    55勝(+25)


総合成績で目立った増減はディープインパクトの+94。2世代目がデビューした種牡馬は初年度の3〜4倍ぐらい勝つのは普通のことです。2世代だけでこのポジションに上り詰めるのは異例であり驚くべきことですが、ポテンシャルを考えればこのぐらいの数字は出して当然といえます。イメージどおり芝で勝ちまくっており、この部門でキングカメハメハを抑えてトップに立ちました。


ネオユニヴァースも勝利数が+32と伸びています。当ブログで何度か取り上げたのですが、最近の同馬はダート向きの種牡馬にシフトしています。ダートで+42は圧巻です。一昨年まではダートよりも芝の勝利数が多かったのですが、昨年はほぼダブルスコアでダートが圧倒しています(ダート84勝、芝44勝)。


同じようにダートの勝ち星が増えているのが総合首位のキングカメハメハ。勝ち星は昨年とほぼ同数なので、これだけでは何も起こっていないように見えますが、中身は大きく変わっています。芝は−30、ダートは+32。ダートの王者クロフネを抜き去ってこの部門のトップに立ちました。計181勝の内訳をみると芝90勝、ダート91勝で、ダートが大きく伸びて芝をわずかに上回りました。このクラスの種牡馬がこういう動きを見せるというのはいい兆候とはいえません。


芝とダート、それぞれのレース数をクラス別に分析すると、ダートが芝を上回っているのは未勝利戦と500万下だけで、1000万下より上のクラスはすべて芝がダートを凌駕しています。クラスが上がれば上がるほどその傾向は強まり、たとえば重賞では芝108レースに対してダートはたった16レースです。このように、日本の競走体系は芝がメインなので、芝→減、ダート→増という種牡馬は、メインストリームからやや距離を置きつつあるという見方もできます。


原因として考えられるのは、芝で強烈な強さを発揮するディープインパクトのような種牡馬の台頭でしょう。上記の表にはありませんが新種牡馬のダイワメジャーとアドマイヤムーンもこのカテゴリーに入ります。ステイゴールド、ハーツクライ、ジャングルポケットも芝の強さに定評があります。要するに、ネオユニヴァースとキングカメハメハは、芝路線でこれらに対抗するのがしんどくなっているのでしょう。じつはアグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ゼンノロブロイも、昨年は大幅な芝減、ダート増という結果でした。ダート方向に追いやられつつある種牡馬は1、2年で巻き返しがきかないと今後苦しくなります。


キングカメハメハとネオユニヴァースがダートで躍進し、その割を食ったのがクロフネ。−44は酷いですね。昨年はカレンチャンやホエールキャプチャが頑張ったイメージがあり、芝に限れば37勝から42勝に増えたのですが、ダートの落ち込みが厳しく、この部門で首位から滑り落ち、総合でも2位から5位にダウンしました。ダート戦のクロフネは以前ほど信用できません。


種牡馬の世界は優勝劣敗です。何かがシェアを伸ばせば、別の何かがシェアを減らします。ディープインパクトが猛烈な勢いで芝のレースを勝ちまくった影響で、キングカメハメハやネオユニヴァースがじわりとダート色を強め、それらに追い立てられる形でクロフネがダートの王座から転落する……。単純化するとこんな図式で種牡馬界の玉突きが起こっているように感じます。(つづく)




コメント
プニプニヨークン通信です。

今日は園田伝統のハンデ重賞・新春賞でした。距離1870辰錬殴魁璽福璽櫂吋奪箸らスタートし一周半のコースです。

プニプニヨークンは54繊トップハンデの三頭58繊淵曠セツサンデー、キヨミラクル、エーシンブラン)からは4塑后F麋崋蠅鵬聴Δってもらえれば…と思ってました。

甘かったです。

好スタートからキヨミラクルのハナを叩き、縦長の隊列で一周目ゴール板を通過。

と、エーシンブラン=川原騎手が1〜2コーナー中間で早くも仕掛け、ハナを奪われます。

ヨークンも向こう正面まで二番手で抵抗してましたが、残り600鍛賄世濃迭櫃韻織曠セツサンデー、ダイナミックグロウらに交わされ万事休す。

大差のシンガリ負けを喫しました。

3戦連続掲示板外なので、おそらくA2に降級かと思われます。半年10戦、オープンでよく頑張ったと思います。

再挑戦ですね。まだ4歳ですしまだまだこれからです。

最後になりましたが、栗山さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

東久留米団地のエントリー、胸に染みました。

『時の流れ』。一言で言ってしまえばそれまでですが、その波に揉まれ、ある時は乗り、ある時は抗い、…同じ時代を生きた者にしかわからない、あるいは湧かない感慨。

競馬に携わると年月がホントに早く経っていきます。
時には立ち止まり、ふと周りを見渡す時間とか余裕があるといいですね。

ま私の場合、阪神大震災で原風景が一変したので、難しい部分はあるのですが。

まずは金杯で乾杯といきたいもんです。
  • ダンディ“ゲッツ”さっさん
  • 2012/01/03 8:25 PM
あけましておめでとうございます。プニプニヨークンは気持ちの面でやや切れ気味でしょうか。逃げ馬にありがちなことではありますが……。しばらくは不調に耐えて走るしかありませんね。

競馬を知らなかったころの休日は一日が長かったように感じます。競馬を始めてからの休日は、30分間隔でどんどん時間が過ぎていきますし、毎週競馬が行われるので一週間があっという間。その積み重ねで一年も飛ぶように過ぎ去っていきます。

でも、忙しいことにもいいことはあって、人生について本質的なことを考えずに済む――というのは大きいですね。雛になると人間だれしも哲学者になります。春秋に富む若いころならともかく、中年になって先行きが短くなってくると、人生についていくら考えても明るい展望などないですからね(笑)。適度に忙しい日々のほうが自分にとっては精神衛生上いいのかな、と。
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