フェアリーS展望


距離が2ハロン延長されてこの時期に移った4年前から、メンバーの質がグッと上がりました。予想をする際に、それ以前と比べて「格」というファクターが重要になったと思います。とはいえ、阪神ジュベナイルフィリーズから桜花賞へ、という王道路線とも違うので、素質馬であっても何かしら弱点を抱えており、そのあたりの不確定要素が予想を難しくしています。有力と思える馬を内枠から順に何頭か触れてみたいと思います。


★ターフデライト(父アグネスタキオン)
「母の父リアルシャダイ」は中山コースに強く、Raja Baba 4×5もあるので、コース替わりは歓迎だと思います。デビュー戦から状態が一変しており、枠にも恵まれたので一発があっても不思議ありません。父アグネスタキオンは09年の優勝馬ジェルミナルを送り出しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105991/



★ダイワミストレス(父ダイワメジャー)
父ダイワメジャーはダンシングブレーヴと相性抜群。このパターンからダローネガ、オメガホームラン、トーセンベニザクラ(当レースに出走)などが出ています。Halo≒La Menina≒Drone≒Turn to Reason 3・5×5・4は、父の配合構成の中核である Royal Charger と Mahmoud の組み合わせを継続するものなので評価できます。前走の黒松賞は、スタート直後に外に逃げて鐙が外れるアクシデントがあったにもかかわらず、ハナ差の2着まで追い込みました。距離延長は歓迎です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105803/



★トーセンベニザクラ(父ダイワメジャー)
「ダイワメジャー×ホワイトマズル」ですからダイワミストレスとまったく同じ組み合わせです。母トーセンブリリアンは Drone 4×4で、さらに Drone と相似な血の関係にある Durani が入るので、Halo≒La Menina≒Drone≒Durani 3・5×5・5・6。配合の骨格はダイワミストレスとよく似ています。前走の阪神ジュベナイルフィリーズは赤松賞で激走した反動が出たのか中間の稽古内容がやや軽く、最終追い切りも冴えませんでした。今回はしっかりと動いています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102231/



★パストフォリア(父シンボリクリスエス)
母ハッピーパスは京都牝馬S(G3)の勝ち馬で、シンコウラブリイ(マイルCSなど重賞6勝)の半妹にあたる良血。04年に引退後、繁殖生活に入ったのですが、妊娠しにくい体質でしばらく子宝に恵まれませんでした。スタッフの努力が実って現4歳のラヴェルソナタ(セントライト記念−6着)が誕生し、その次に生まれたがのがパストフォリア。「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」で2代母に Hyperion を主体とするヨーロッパ血統、という構造はアルフレードに似ています。外枠から出た前走は序盤に力んだ分の負け。前に壁を作れそうなこの枠は歓迎です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106261/



★ラシンティランテ(父アグネスタキオン)
母アドマイヤキラメキはトーセンジョーダンの半姉で、カンパニーのいとこにあたる良血。クラフティワイフのファミリーは活力旺盛で次々と活躍馬を送り出しています。「アグネスタキオン×エンドスウィープ」はやや軽い感じがするので、2代母の父に Hyperion をしっかり組み込んだノーザンテーストが入るのはいいですね。2走前の白菊賞はアグネスタキオン産駒らしい見事な弾けっぷりでした。本質的には平坦向きかもしれませんが、前走のように掛からなければ勝てる力はあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106061/



★オメガハートランド(父アグネスタキオン)
3戦2勝で、唯一負けたくるみ賞で先着を許したのがトウケイヘイローとレオアクティヴですから怖い馬です。母方は重厚なスタミナ血統で構成されているので底力を感じさせます。母オメガイアランドはハーツクライの半妹。母の父エルコンドルパサーはやや不器用というかエンジンの掛かりが遅いところを伝えるので、小回りコースでは差し損ねないよう早めの競馬を期待したいところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105758/



★シャンボールフィズ(父キングカメハメハ)
クレスコグランド、アプリコットフィズ、コロンバスサークルの半妹で、母マンハッタンフィズはマンハッタンカフェの全妹にあたる良血です。マンハッタンカフェと Kingmambo の組み合わせからはダイワバーバリアンやアントニオバローズが出ています。本馬はそれを逆にしたような配合ですね。初戦は相手に恵まれた感があり、前走は負けましたが、それでも評価を下げたくない馬です。ただ、中山の芝マイルで15番枠は容易ではありません。半姉アプリコットフィズは13番枠を克服しましたが……。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105993/



★チェリーメドゥーサ(父シックスセンス)
父シックスセンスは母の父にデインヒルを持つので、高速馬場向きの鋭い決め手には欠きましたが、香港ヴァーズで2着となったように深い芝なら国際レベルで通用する能力がありました。母の父がブライアンズタイムとこれまた重厚な血が入り、His Majesty=Graustark 5×4ですから、軽い芝に向くようには思えないのですが、前走のひいらぎ賞は横一線の叩き合いの末に快勝しています。ハイペースで上がりが掛かり、決め手を問われない競馬になったのがよかったのでしょう。切れ味勝負では分が悪いと思います。大外16番枠ですからまともな戦法では勝つのは難しく、超ハイペースになった際の大外一気が一縷の望みでしょうか。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104005/





コメント
ラシンティランテに期待してます。クラフティワイフのファミリーは最近勢いがあるようですね。現役のトーセンジョーダンにはノーザンテーストの影響が色濃く出ています。最近増してきた筋肉の厚みとどっしりとした安定感。洗練されたディープインパクトのような皮膚感は全く有りませんが。

私は昔からアンチNT(略)で、今まで声に出して讃えることはなかった(笑)しかし代を経ても変わらないその影響力に今は感服しています。
残念というか父系としてはほぼ途絶えてしまいましたが、母系に入って益々栄えている気がします。
そして今回のラシンティランテにもその影響が感じられます。ディープインパクト産駒が3歳世代を席巻してますが、私はこの馬に期待しています。今度はコケないで欲しい(笑)
  • ウオッカ帽
  • 2012/01/09 6:31 AM
ノーザンテーストはご存じのとおり Lady Angela 3×2という特殊な配合です。強いインブリードによって特徴が固定化されているので、伝えるものが強固に伝わるといった面があるのかもしれませんね。ここ数年、以前に比べてその存在感が大きくなっているような気がします。ラシンティランテは折り合いに難のある馬なのでスローペースはかわいそうでした。次に期待です。
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック



プロフィール

カレンダー

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

最近の記事

カテゴリー

アーカイブ

recent comment

  • 9月9、10日の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
    栗山求
  • 9月9、10日の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
    ほすまに
  • 『一口馬主好配合馬ピックアップ2023』開始!
    k
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」でシルクホースクラブをピック
    栗山求
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」でシルクホースクラブをピック
    後藤
  • Holy Bull 死す
    スガノホマレ
  • 山野浩一さん死去
    サケネコ
  • ディープインパクト死す
    ヒデハヤテ
  • 明日夜に『KEIBAコンシェルジュ』に出演します
    けいすけ
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」でジーワンを6頭ピック
    SuKe

recent trackback

LINK

検索

携帯

qrcode