パーフェクト種牡馬辞典


シンザン記念はジェンティルドンナ


 全姉のドナウブルーは、コンパクトな馬体をいっぱいに使った弾力性のあるフットワークで、個人的にかなり好みです。△ジェンティルドンナ(2番人気)はちょっと違いますね。頭が高いので重心もやや高く、一見、姉ほどのダイナミズムは感じられないのですが、追い出されてからのトモの蹴っぱりが見事です。このあたりが追っての味につながっているのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=cps6Sz_RlYw


半マイル通過が47秒2だったので、約4馬身差で追走していた2番手集団はかなり楽をしていました。結局、掲示板を占めたのは上位5番手以内につけていた馬たちです。ジェンティルドンナは序盤にやや折り合いを欠いたものの、すぐに落ち着きを取り戻して好位を追走し、残り200mを切ってから抜け出しました。


牝馬がシンザン記念を勝ったのは99年のフサイチエアデール以来13年ぶりです。昨年はのちに桜花賞を勝つマルセリーナが3着、全姉ドナウブルーが1番人気で5着でした。今回は追い切りの動きがどうしても気に入らず△に格下げしてしまいました。パドックでは悪く見えなかったので、そのときだけたまたま動かなかっただけなのかもしれません。現時点ではジョワドヴィーヴルに次ぐ牝馬2番手ではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106253/



それにしてもディープインパクトです。現3歳世代ではジョワドヴィーヴル、ディープブリランテ、アダムスピークに続く4頭目の重賞勝ち馬。このほかワールドエースなど、いずれ重賞を勝つのではないかと思われる素質馬は五指に余ります。2012年のリーディングサイアー奪取に向けて視界良好です。


母ドナブリーニは、チェヴァリーパークS(英G1・芝6f)とチェリーヒントンS(英G2・芝6f)の勝ち馬。どちらも2歳重賞です。母の父 Bertolini は「Danzig×Alydar」という力強いアメリカ血統で、名種牡馬 Green Desert の4分の3同血。現役時代はスプリント路線で活躍しました。


ディープインパクトはスプリント血統との相性が良好です。スプリンターは往々にしてガッチリとした体型で筋力があり、回転の速いフットワークを伝えます。小柄でしなやかでトビが大きいディープインパクトに足りない要素です。相反するふたつの個性を掛け合わせて、それらを併せ持つ馬が簡単に現れるなら、馬産に携わる人間は誰も苦労はしません。ディープインパクトは、相手牝馬に備わったスプリンター的なスピードをフットワークの鋭さに転化し、自身の芝向きの優雅さを損なうことなく産駒に伝え、優れたマイラーや中距離馬に仕立て上げます。ものすごく簡単な種牡馬なので、ある意味配合が楽かもしれません。


石坂正厩舎は、牡馬のアダムスピーク(ラジオNIKKEI杯2歳S)、牝馬のジェンティルドンナと、ディープインパクト産駒の牡牝の重賞勝ち馬を擁しています。鞍上はいずれもルメール騎手ですが、帰国したあとは浜中騎手あたりにバトンタッチするのでしょうか?


◎シゲルアセロラ(6番人気)は5着。現状では力が足りませんでした。なかなかの好配合馬で鞍上も褒めているように、1200〜1400mあたりでいずれ重賞を勝てる馬ではないかと思います。




コメント
栗山先生こんばんは
今年もよろしくお願いします。

シンザン記念は出世レースなので、牡馬に勝ったジェンティルドンナが牝馬路線でどこまで活躍できるか楽しみです。
今日のフェアリーS組ではジョワドヴィーヴルとジェンティルドンナにはちょっと厳しそうですね。
それと今日の中山6Rの勝ち馬ジョウテンオリーヴの父はジョウテンブレーヴだったので少し驚きました。
  • ディープエックス
  • 2012/01/09 5:54 PM
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
ジェンティルドンナが、昨年5着の全姉ドナウブルーの雪辱を果たしてシンザン記念を優勝しましたが、この姉妹は体型的には全く似ていませんね。ディープ的な線の細い姉に対して、妹のほうはがっしりとして馬格もあり、適度にノーザンダンサー的な硬さがプラスされた馬のようです。ただ、ドナブリーニのスピードの源泉は、マムタズマハルに由来するものと思われるので、そこに、やはりマムタズマハル色の強いディープがあわさると、姉妹の体型の違いを越えた切れ味が備わるのではないかと思います。
そうした観点から注目されるのは、ドナブリーニの母カルノーマズレディのBMSジュニアスが、ラジャババ産駒であるということでしょうか。ラジャババとサンデー系の相性のよさは、アグネスフライト&タキオン兄弟やエアシャカールなどで知られていますが、その相性のよさの原因はというと、やはりラジャババの持つマムタズビガム≒バドラディン3×4に求めることが出来そうです。ホワットアプレジャーのマムタズビガム≒マームード3×2ほど派手ではありませんが、ヘイローのマムタズビガム≒マームード5×3と相性がよいのだろうと思われます。
そして、この強い相似クロスを持つラジャババとホワットアプレジャーの2頭が、ボールドールーラー直仔として北米リーディングサイアーに輝いた2頭であるというのは、どうも偶然ではないような気がしています。というのも、現在のボールドルーラー系の屋台骨を背負って立つエーピーインディも、ボールドルーラー4×3を軸に、母の持つセクレタリアト≒サーゲイロード2×4の相似クロスなど、マムタズマハル関連の多重クロスに彩られています。類似の例は、同じくナスルーラを祖とするグレイソヴリン系にも見られ、グレイソヴリン系の主流にしてトニービンの父でもあるカラムーンの活力は、ナスルーラ=リヴァズ3×3の全兄妹クロスにあると言えるでしょうし、チチカステナンゴの祖父カルドゥンには、ナスルーラ≒フェロッシャー5×5があります。
マムタズマハルの血の面白いところは、代を経て血量が薄くなっても、どんどん重ね合わせることで補える点にあるのではないでしょうか。以前にもシングスピールの例をあげましたが、違った例としては、ディクタスとマムタズマハルの関係で、ディクタスの欧州的重厚さを避けるためには、次々にマムタズマハル関連の血を追加していくことが重要のようです。例えば、サッカーボーイはマームード≒マムタズビガム5×6・5ですが、その代表産駒である2頭の菊花賞馬は、ナリタトップロードがマームード≒マムタズビガム6・7・6×6・5、ヒシミラクルがマームード≒マムタズビガム6・7・6×7・7・6、さらに、ナリタトップロードの代表産駒ベッラレイアはマームード≒マムタズビガム7・8・7・7・6×7・6・7・8・7となっています。ディクタスのケースでは、次から次へと補充していかないと、やがてスピードが失われて重たい日本の馬場に向かない血統に逆戻りしてしまうようです。
さて、話をラジャババに戻しますが、サンデー系との相性のよさのもう1つの原因として、BMSマイバブーの3代母スウィートラヴェンダーを指摘することが出来そうです。スウィートラヴェンダーは、ターントゥの3代母でもあり、この名牝クロスが発生するのがサンデー系×ラジャババ系の強みだと思われます。
ラジャババやターントゥの成功例から、ナスルーラ(≒ロイヤルチャージャー)とスウィートラヴェンダー(=ローズレッド)の相性の良さがうかがえますが、その他の例としては、カラムーンの代表産駒ケンマーレがあげられます。ケンマーレは、カラムーン×マイリージャン(父マイバブー)で、ナスルーラ≒リヴァズ4×4・4のクロスもあり、ラジャババと配合面での発想が似ていると言えなくもないでしょう。
そのケンマーレ産駒のハイエストオナーを父に持つレーヴドスカーと、ラジャババの血を持つアグネスタキオンとの間に生まれたレーヴディソールが、最も父タキオンの特徴を体現する産駒となったのは、配合上の必然と言えるかもしれません。ダイワスカーレットやディープスカイは、成績的にはタキオンの代表産駒と呼ばれるにふさわしいものの、レースぶりなどはタキオンと似ても似つきません。ただ、レーヴディソールは、脚元の弱さまでタキオンそっくりというのは、残念という他ありません。
また、チチカステナンゴは、祖父カルドゥンのナスルーラ≒フェロッシャー5×5だけでなく、母スマラにはマームード≒マムタズビガム5・7×6・5・7・9があり、父スマドゥンのBMSティップモスにはスウィートラヴェンダー=ローズレッド4×5もあって、サンデー系との相性度はかなり高そうですね。
  • toku
  • 2012/01/10 12:59 AM
>ディープエックス様

こちらこそ今年もよろしくお願いします。男馬相手に勝ったジェンティルドンナはやはり牝馬同士のG3勝ち馬よりは上でしょうね。とはいえ、ダイワメジャー産駒は成長力があるのではないかと思うので、これからどれだけ上積みしてくるか楽しみではあります。

ジョウテンブレーヴはダンシングブレーヴ系ですが、似たようなダンシングブレーヴ直子の種牡馬ではダンシングカラーが悪くない成績を残しています。そこそこのポテンシャルを秘めているかもしれませんね。
>toku 様

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

What a Pleasure といえば、その全姉 Bold Princess を母に持つ Sovereign Dancer が、Bold Princess の全きょうだいクロスや4分の3同血クロスによって Louis Quatorze や Priolo といった名馬を送り出しました。Nasrullah+Mahmoud、といった Lady Josephine 系の血を近い世代に重ねた血は、増幅することで大きな効果を生み出します。

Raja Baba の代表産駒はロイヤルスキーで、その代表産駒は Ski Goggle。吉田善哉氏の生産馬です。同馬は Raja Baba≒New Lede 2×3といってもいい配合です。

ロイヤルスキーと同じ Raja Baba の息子で、ドナブリーニにも含まれるジュニアスは、ミスタートウジンの父として知られています。ミスタートウジンは母の父がジルドレで、その父が Royal Charger ですから、Raja Baba に含まれるエッセンスを継続した配合となっています。

What a Pleasure も Raja Baba も、競走馬としては名馬というほどではありませんでしたが、種牡馬としての影響力はその配合構成ゆえに一味違いますね。
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