パーフェクト種牡馬辞典


88年の日本ダービー馬サクラチヨノオー死す


 2年前の夏、オグリキャップが死んだ際、旧ブログにこう記しました。


「自分とオグリキャップの個人的な関係を語れば、3歳時は“幻のダービー馬”と呼ばれていることに不快感を持っていました。本物のダービー馬サクラチヨノオーのファンだったからです。」
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/07/post-3b21.html


なぜファンになったかというと、理由は単純明快、POGで指名していたからです。同世代にはオグリキャップを筆頭にサッカーボーイ、スーパークリーク、ヤエノムテキ、バンブーメモリーなどそうそうたる名馬がそろっていました。それらの実力はもちろん認めますが、いちばん好きな馬はサクラチヨノオーのまま揺るぎませんでした。デビュー戦から引退レースまで100円の単勝馬券を買い続けてコレクションにしたほどです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1985100743/



何年か前にグリーンチャンネルで須田鷹雄さんとご一緒したときに、お互いPOGでサクラチヨノオーを持っていた、という共通点で話が盛り上がりました。結論は「当時のPOGは簡単だった」。


POG誌がない時代で、情報源といえば『週刊競馬ブック』に掲載される名簿ぐらいしかありません。それだけでどうやって走る馬を探すのかというと、大手馬主の良血馬を指名する、というただそれだけです。情報が少ないと悩む必要がありません。当時は社台よりもメジロ、サクラ、シンボリ、トウショウあたりが人気でしたね。


サクラチヨノオーはサクラトウコウ(七夕賞、函館3歳S)の全弟。単純にそれだけで選んだ馬でした。しかし、血統は同じでも、馬体には違いがあります。兄トウコウがガッチリとした短距離向きの体形だったのに対し、弟チヨノオーは細身でしなやかなタイプ。兄と違って2400mをこなした理由はここにありました。ちなみに、馬名は当時の横綱千代の富士から採られたものです(朝日杯3歳Sを勝った半弟のサクラホクトオーは同門の後輩横綱北勝海から)。


日本ダービーは小島太騎手(現調教師)の名騎乗といっていいでしょう。騎乗ぶりにムラがあるため競馬場で野次られることの多かったジョッキーですが、ハマったときの鮮やかさは比類がありません。誰にも真似ができない乗り方だったと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=SwM6mi71q5Q


ゴール後の派手なガッツポーズには賛否両論がありました。当時購読していた『週刊競馬通信』の読者投稿欄にそれを咎める投書が載ると、翌週、「ダービーを勝って我を忘れるほど嬉しいのは当然じゃないか、ジョッキーだけじゃなくチヨノオーだってガッツポーズをしていたんだよ」という熱い反論がありました。それに対する再反論は「そんな写真があるならぜひ見せてください」という冷ややかなもの。思わず笑ってしまいました。ダービーのガッツポーズに目くじらを立てなくても……という心情だったので、翌週の誌面にチヨノオーのガッツポーズ写真が掲載される神展開を期待していたのですが、さすがにそれはありませんでした(笑)。


話を血統に戻します。セダン(伊ダービー馬)を通じた Prince Rose クロスは、府中の中長距離に実績があります。日本ダービー馬コーネルランサーや、3200mだった時代の秋の天皇賞を制したスリージャイアンツなどがそうでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000b9e/



Prince Rose は長くいい脚を使えるスタミナ血統なので、このクロスは東京コースに合います。たとえば、ミルジョージ産駒のこのパターンはだいたい東京向きでしたね。ジャパンC2着のロッキータイガー、オークス馬エイシンサニーがその代表例です。ロッキータイガーは Prince Rose 5×5・6。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1981105953/



種牡馬としてのサクラチヨノオーはイマイチでした。重賞勝ち馬はサクラエキスパート(愛知杯)とマイターン(東海ウインターS)のみ。あとはナリタブライアンが勝った皐月賞で2着となったサクラスーパーオーが目立つ程度です。同世代の名馬たちはサッカーボーイを除いておおむね種牡馬としては不振でした。競馬場を賑わした名馬がそのまま種牡馬としても成功する現在とはだいぶ状況が異なります。


ここ1〜2年で、スーパークリーク、オグリキャップ、サッカーボーイ、サクラチヨノオーと、この世代の名馬が立て続けに鬼籍に入りました。残っているのはヤエノムテキとバンブーメモリーぐらいでしょうか。あの時代がどんどん遠くなっていきます。




コメント
こういう思い出は必ずコメントしたくなります(笑)
確かに同じ血統でも兄の方が格好は良かったな。但し、弟は兄より体高があり柔らかみがあった。トウコウは七夕賞の枠連7―7が思い出されます。二着はダービー五着馬のダイヤモンドラーンで、これが高配当!予想だけ当たりました(悲)

チヨノオーのダービーは現地で観戦しました。すごく天気が良くて馬の毛ヅヤがピカピカだったのを覚えています。ハイレベルの世代らしく上位はサッカーボーイを除いて力通りでした。騎手も確か小島、岡部、柴田の順でしたね。岡部を差し返してしてやったり!という感じでしょうか?
馬券をはずして残念だったのですが、ダービーと小島太そしてピンクの勝負服が最高に似合ってました。
  • ウオッカ帽
  • 2012/01/15 2:39 PM
サクラトウコウの七夕賞はたしか外れた記憶があります。何を買ったかまでは覚えていませんが、たぶんノビアボニータかチェスナットバレーあたりだったかと……。この2頭は好きな馬でした。

サクラチヨノオーのダービーは大本線で的中しました。最高に気持ちよかったですね。あの当時の小島太、岡部幸雄、柴田政人騎手は、現在の自分より年下なのですからトシを取ったなぁ……と。小島太騎手の現役時代の姿は、どう頭をひねってもピンクの勝負服以外浮かんできません(笑)。
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