パーフェクト種牡馬辞典


フラワーCはファンディーナ


毎年正月から春までは仕事に追いまくられてまったく身動きが取れないので、日曜日のスプリングS(G2)は自宅観戦となりました。しかし、月曜日のフラワーC(G3)は何としてでも生で観戦したかったので中山競馬場へ行きました。目当てはもちろんファンディーナです。

パドックに姿を現した13頭を眺めて感じたのは、ファンディーナは反則に近い――ということです。3歳牝馬とは思えぬ508kgの巨体。1頭だけ図抜けた馬体をしています。しかも、全身を被う筋肉の働きによって鈍重さは微塵も見られず、大きな馬体を持て余すことなく軽快さすら感じられるのには驚きました。身長2m、体重120kgのアメフト選手が100mを10秒台で駆け抜けるような、そんなイメージです。他の馬が幼く見えて仕方がありませんでした。

レースはほぼ持ったままで5馬身差の楽勝。4コーナーで抑えが利かないとばかりに先頭に立ったとき、歓声とともにどよめきが起こりました。単勝1.3倍というオッズが示すとおり大方の人は勝つと予想していたはずですが、勝ちっぷりは想像以上だったのではないかと思います。
https://youtu.be/lHfzAjPG9ac?t=1m57s

netkeiba.com に提供した予想は◎△で馬単2560円的中。予想を転載します。

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 ◎ファンディーナは「ディープインパクト×ピヴォタル」という組み合わせで、ナムラシングン(準OP)の半妹にあたる。「ディープ×ピヴォタル」はダノンジェラート(セントライト記念3着)&ワールドインパクト(青葉賞2着)兄弟と同じ。また、母ドリームオブジェニーはマキアヴェリアンの全妹とヌレイエフを併せ持っているので、名繁殖牝馬ハルーワスウィートとよく似ている。ファンディーナ自身はハルーワスウィートの娘で同じ父を持つヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル2回)&ヴィブロス(秋華賞)姉妹とそっくりな配合構成だ。後続をぶっちぎった新馬戦、1頭だけ違う脚いろで突き抜けた2戦目のつばき賞は、器の違いを感じさせる圧倒的なパフォーマンスだった。いずれ世代の頂点を争うことになる大物であることは間違いない。桜花賞(G1)に進むためには落とせない一戦。ここは勝負にこだわると思われるのでキッチリ決めるだろう。
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http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014103309/



レースから引き揚げてきたファンディーナの岩田騎手は勝って当然といった表情。高野調教師はパドックではヒットマンのような鋭い視線をファンディーナに向けていましたが、レースが終わったあとは柔和な表情に戻っていました。



『2016〜17年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』、『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で推奨した馬です。

母の父 Pivotal は Nureyev 系の名種牡馬。父 Polar Falcon ともどもイギリスのスプリントG1を勝っています。Nureyev 系のなかでは傍流といった印象があったのですが、他の分枝が衰退してしまったこともあり、いまや系統の大黒柱となっています。
http://www.pedigreequery.com/pivotal



Pivotal の優れたところはおおまかにいって3つあります。(1)優れた異系血脈で構成されていること。(2)馬格が雄大で筋肉量が豊富であること。(3)自身がスプリンターでありながら多彩な産駒を出すこと。スプリンターやマイラー以外にも、10ハロン路線の Farhh(英チャンピオンS)、12ハロン路線の Sariska(英・愛オークス)、オールウェザーの African Story(ドバイワールドC)などを出しています。非主流血統なのでどんな血ともフィットし、なおかつ相手方の長所をうまく引き出せるのでしょう。ヨーロッパでは評価が高く、13年にタタソールズの「ディセンバー繁殖牝馬セール」で産駒の Immortal Verse(コロネーションS、ジャックルマロワ賞)が470万ギニー(当時の邦貨で約8億4000万円)で落札されました。
http://www.pedigreequery.com/immortal+verse



母の父としてもきわめて優秀で、ヨーロッパはもちろん日本でも成功しています。英愛ブルードメアサイアーランキングでは、12年に8位となって初めてベストテン入りを果たすと、13年9位、14年6位、15年4位、16年3位とランクを上げています。日本ではミッキーロケット(日経新春杯)、サイモンゼーレ(小倉2歳S−2着)、トリコロールブルー(スプリングS−5着)のほか、ファンディーナと同じく父ディープインパクトとの組み合わせでダノンジェラート(セントライト記念−3着)とワールドインパクト(青葉賞−2着)を出しています。

ファンディーナの3代母 Coup de Genie(モルニ賞、サラマンドル賞)は仏2歳牝馬チャンピオンで、なおかつ名種牡馬 Machiavellian の全妹です。Machiavellian とディープインパクトは相性がよく、母方にこの血を持つ同産駒は8頭中7頭が勝ち上がり、そのなかにはヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル2回)とヴィブロス(秋華賞)の姉妹が含まれています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106007/



ちなみに、サトノダイヤモンドの母の父 Orpen は、その母 Bonita Francita が Machiavellian の母 Coup de Folie の4分の3妹です。そして、Orpen も Machiavellian も父方に Raise a Native を持っているので配合構成が似ています。



ドリームオブジェニーは Machiavellian の全妹に Nureyev を併せ持つので、ヴィルシーナとヴィブロスの母ハルーワスウィートと配合構成が似ています。Mr.Prospector と Nureyev の組み合わせは他のディープインパクト産駒でも成功しています。



こうした血統背景は高く評価できるものなので、父とあまり相性がよくない A.P.Indy を抱えていても、それをカバーできるだけのポテンシャルがあると判断し、血統屋の『2016〜17年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』、『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で推奨することにしました。

仮に次走がソウルスターリングとの女王決定戦になったとしても、あるいは牡馬に挑戦したとしても、名勝負になることでしょう。ぜひ競馬場で見たいですね。






「2017ドバイワールドカップデー展望」に出演します


3月24日(金)22時30分からグリーンチャンネルで放送される「KEIBAコンシェルジュ500回記念 2017ドバイワールドカップデー展望」に出演することになりました。

小木茂光さん、守永真彩さんのいつものコンビに、須田鷹雄さん、秋山響さん、栗山を加えた計5人でお送りします。馬券発売されるドバイターフ、ドバイシーマクラシック、ドバイワールドカップの展望をたっぷりお届けする予定です。お楽しみに。




3月25日(土)はドバイワールドカップデーです


日本馬10頭が出走を予定しています。JRAが3つのG1レースの馬券発売を行います。発走時刻は日本時間です。

26日午前0時30分発走 ドバイターフ(芝1800m)
26日午前1時05分発走 ドバイシーマクラシック(芝2410m)
26日午前1時45分発走 ドバイワールドカップ(ダ2000m)

出走馬は以下のとおり。
★ドバイターフ
  ヴィブロス(牝4歳)
★ドバイシーマクラシック
  サウンズオブアース(牡6歳)
★ドバイワールドカップ
  アポロケンタッキー(牡5歳)
  アウォーディー(牡7歳)
  ゴールドドリーム(牡4歳)
  ラニ(牡4歳)

このほか、馬券発売は行われませんが、ゴドルフィンマイル(カフジテイク)、UAEダービー(アディラート、エピカリス)、ドバイゴールデンシャヒーン(ディオスコリダー)に日本馬が出走します。

JRA−VANの海外競馬サイトに血統面の分析を寄稿しました。「コラム」をクリックしていただければご覧いただけます。
http://world.jra-van.jp/
同サイトやJRAホームページに、馬券検討のためのさまざまな材料が提供されています。ぜひご参考になさってください。
http://www.jra.go.jp/




3月18、19、20日の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報


■『2015〜16年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で望田潤と栗山求がダブル推奨したサトノダイヤモンド(牡4歳)が日曜阪神11Rの阪神大賞典(G2・芝3000m)を勝ちました。コメントは以下のとおり。

◎サトノダイヤモンド(牡・母マルペンサ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/
母マルペンサはR.V.マンシリャ大賞典(亜G1・芝2000m)勝ち馬で、Halo 4×3、Northern Dancer 4×4、Natalma 4・5×5、血統表の3/4で Almahmoud の血を何重にもクロスしている。自身は Halo≒Sir Ivor 3・5×4・5。母父 Orpen は名マイラー Lure の代表産駒でモルニ賞(仏G1・芝1200m)勝ち。中距離で奥行きがあるかとなると疑問もあるが、速攻系マイラーとして有望でPOG向きだ。(望田)

★サトノダイヤモンド(牡・母マルペンサ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/
セレクトセール当歳で落札価格2億3000万円。母マルペンサはアルゼンチン産で、コパデプラタ大賞(亜G1・芝2000m)、クリアドレス大賞(亜G1・ダ2000m)、ヒルベルトレレナ大賞(亜G1・ダ2000m)を制覇。Northern Dancer 4×4の片方が Danzig を経ているという好パターン。母の父 Orpen はデインヒルと配合構成が似ており、その父 Lure は Bertolini(ジェンティルドンナの母の父)と同じ Danzig×Alydar という組み合わせ。初子だけに手探りの部分もあるが、まともなら走ってくる。(栗山)

■『望田潤のPOG好配合馬リスト2016』で望田潤が推奨したウインブライト(牡3歳)が日曜中山11RのスプリングS(G2・芝1800m)を勝ちました。コメントは以下のとおり。

○ウインブライト(牡、父ステイゴールド、母サマーエタニティ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014100222/
ステイゴールド×アドマイヤコジーンという組み合わせは本馬の全姉ウインファビラスとペルソナリテしか出走例がなく、この2頭が阪神JFに駒を進めて2着と6着に入線したのは快挙と言うべきだ。ロイヤルサッシュとミセスマカディーの血脈構成がよく似ており、ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディの3×3になるのがニックスの根拠。そしてロイヤルサッシュ≒ミセスマカディーのニアリークロスを持つ馬も、上記2頭以外にスノードラゴンしか見つからないのだからまた驚かされる。現時点ではスーパーニックスと言っても差し支えなく、後追いと言われようが恥も外聞もなく全弟も狙う。(望田)

■『2016〜17年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で栗山求が推奨したファンディーナ(牝3歳)が月曜中山11RのフラワーC(G3・芝1800m)を勝ちました。コメントは以下のとおり。

○ファンディーナ(牝・母ドリームオブジェニー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014103309/
ターファイトクラブで募集価格4500万円。皐月賞で7着と健闘したナムラシングン(父ヴィクトワールピサ)の半妹にあたる。「ディープ×Pivotal」はダノンジェラート(菊花賞−3着)&ワールドインパクト(青葉賞−2着)の兄弟と同じ。3代母 Coup de Genie は父と相性がいい Machiavellian の全妹で、Mr.Prospector と Nureyev の組み合わせも好ましい。母は良血馬らしく繁殖牝馬として高いポテンシャルを秘めている。芝の中距離でおもしろい。(栗山)

■『一口馬主好配合馬ピックアップ2015』で栗山求が推奨したロードソリスト(牡3歳)が土曜阪神2Rの未勝利戦(ダート1800m)を勝ち上がりました。コメントは以下のとおり。

★ロードサラブレッドオーナーズ
父ディープインパクト
母レディアーティスト(フレンチデピュティ)
牡 募集価格:5940万円
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014101096/

母レディアーティストはダノンバラード(アメリカJCC、ラジオNIKKEI杯2歳S)の半姉で、ダート短距離ばかり走って6戦1勝(2着4回)の成績を残しました。本馬の父はダノンバラードと同じディープインパクトなので、両馬は4分の3同血(父が同じで母同士が親子)の関係にあります。「ディープインパクト×フレンチデピュティ」はカミノタサハラ(弥生賞)をはじめ多くの活躍馬が出ている成功パターンで、これに Halo が加わる配合はウリウリ(京都牝馬S、CBC賞)と同じです。また、母方に Unbridled が入るディープインパクト産駒も、前記のダノンバラードをはじめダノンプラチナ(朝日杯FS)、ダコール(新潟大賞典)、ブランボヌール(函館2歳S)などが出ています。問題は、母方の近い世代に Deputy Minister と Unbridled という硬めの血が並ぶこと。パワー過多で芝向きの伸びやかさを欠く危険性もありますが、同じく母の2代目にに Deputy Minister と Unbridled が並ぶアンドリエッテは、チューリップ賞(G3)2着、秋華賞(G1)4着、オークス(G1)5着などの成績を残しています。また、父は Glorious Song と相性抜群で、本馬にはその全妹 Angelic Song が入り、それによってアンドリエッテにはない Halo クロスが生じるので問題ないと見ます。(栗山)

■土曜中京11RファルコンS2着 ボンセルヴィーソ(POG・望田)
■月曜中京6R500万下 キョウワゼノビア(POG・望田)
■月曜中京8R500万下 エルプシャフト(POG・望田)
■月曜中山11RフラワーC3着 ドロウアカード(POG・望田)
■月曜中京12R500万下 レッドアフレイム(一口&ディープ・栗山)




『パーフェクト種牡馬辞典 2017−2018』昨日発売開始!


3月16日(木)、栗山求&望田潤が監修した『パーフェクト種牡馬辞典 2017−2018』(自由国民社)が全国の書店で発売になりました。


「配合」という観点から種牡馬を論じた唯一の本であり、父の特徴だけで血統を語る旧時代の本とは一線を画しています。

ご好評をいただいております「栗山求×望田潤 種牡馬特別対談」を巻頭に据え、その次に注目度の高い新種牡馬をご紹介する、という体裁になっています。今年の新種牡馬は例年になくハイレベルなラインナップで、オルフェーヴル、ロードカナロア、エイシンフラッシュ、ノヴェリスト、ヘニーヒューズ……といった名前を見るだけでワクワクしてきます。特別対談と新種牡馬の紹介ページで新種牡馬について徹底解説しています。注目2歳馬を2頭ずつ挙げ、馬券の狙いどころも解説しています。

ランキング上位15頭については、POG用に2歳の注目配合馬を2頭ずつ挙げ、血統表を添えて解説しています。もちろん、馬券の狙い方にも十分なスペースを割いており、配合&馬券、という二本柱で主要種牡馬を徹底攻略しています。毎年同じではなく、最新の知見を取り入れてすべて書き換えています。

グリーンチャンネルでおなじみの辻三蔵さんの産駒調教分析、久保和功さんの馬体分析、素顔の種牡馬たちの姿を垣間見られる美野真一さんのコラム「種牡馬ちょっといい話」も読み応え十分です。

馬券、POG、生産にも応用可能な新時代のハイブリッド種牡馬辞典であり、まさに全方位型の決定版、といった趣です。配合の教科書としてもお使いいただけると思います。

おかげさまで Amazon の「競馬・競艇・競輪の雑誌」部門で第1位となっております。お買い上げいただけましたら幸いですm(_ _)m
https://www.amazon.co.jp/dp/4426123054/






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