パーフェクト種牡馬辞典


社台スタリオンステーション訪問(1)


このところ馬産地の天候はぐずついており、先週、先々週の平日に限ると、晴れた日はわずか1日。美野真一さん、長谷川貴士さんが例年行っている種牡馬のDVD撮影は、太陽のもとで行うことが条件なので、今年は少々遅れ気味です。

月曜日から木曜日までの4日間、現場に同行させていただくことになりました。今週は社台スタリオンステーションで21頭の種牡馬を撮影する予定です。

月曜日は、フェノーメノ、カジノドライヴ、ベルシャザール、スマートファルコン、ダノンシャンティ、キズナを撮影しました。もう2〜3頭は進めておきたかったのですが、午後から雲が出てきたので断念。夕方にはにわか雨が降りました。

キズナは社台スタリオンステーションに入ったばかりのころに比べて迫力が出てきました。眼光が鋭く、威圧感を漂わせています。ただし、乱暴なことをするわけではなく、むしろ子供が触れられるぐらいおとなしい馬です。物事に動じません。撮影時は何度か後肢だけで立ち上がるそぶりをみせて元気いっぱいです。



今年、社台スタリオンステーションのなかでは、2番目か3番目に多くの種付けをこなしたそうです(1位ルーラーシップ)。種付けはベテランのように上手で、シーズンが進んでもガレることがなかったとのこと。繁殖牝馬のレベルが高く、受胎率も高かったそうなので期待できるのではないでしょうか。

昼食を食べたあと、ファンの方々が種牡馬見物をするためのエリアへ行き、遠目にディープインパクトを見てきました。キズナの父です。13時の収牧時間が迫っていたので、放牧地のなかの出入り口に張り付いて係の人が来る方向をじっと眺めていたのが可愛かったですね。早く来ないかなぁ、帰りたいなぁ、といった感じでした。





レイクヴィラファームで「血統を語る夕べ」開催


8月2日、北海道の洞爺湖町にあるレイクヴィラファームで「血統を語る夕べ」が開かれました。



先月、セレクトセールでレイクヴィラファームの岩崎義久さんにお目に掛かった際、そんな飲み会が実現できたらいいですねと盛り上がり、わざわざセッティングしていただけることになりました。

わたしと望田潤さんとレイクヴィラファームの従業員の方々だけかと思いきや、ライターの村本浩平さん、胆振軽種馬農業協同組合の高橋啓太さん、社台スタリオンステーションの三輪圭祐さん、それに岡崎友和さんをはじめとするノーザンファームの方々など、サプライズメンバーが続々登場。野外で長方形の大きなテーブルを囲んでの、20人ほどが参加する盛大なバーベキューパーティーとなりました。

ビール、ワイン、日本酒など、好みの酒を飲みながら馬談義に花を咲かせ、18時から始まった会はいつまで経っても終わりません。皆さんウルトラ級の馬好きばかりなので、そのまま放っておけば間違いなく徹夜になっていたでしょう。午前1時近くになってようやくお開きとなりました。

翌朝、6時に起きて牧場内を歩くと、霧に包まれた幻想的な風景が広がっていました。業務開始は7時から。職員の方々と一緒にラジオ体操をし、当歳や1歳馬を見せてもらったあと、9時すぎに牧場を後にしました。



話は前後しますが、到着当日、メジロ牧場記念館と墓所を見学させていただきました。前者は北野家(旧メジロ牧場の所有者)の別荘だった建物を改造したもので、内部には所狭しとレイ、賞状、トロフィー、盾、メダル、写真といった記念の品が並んでいました。ここに写っているものはごく一部です。今年3月に死んだメジロライアンの祭壇もありました。後者は牧場北側の最も静かな一隅にあり、歴代のメジロの名馬たちが眠っていました。





今年の2歳世代は4頭デビューして3勝。先日のセレクトセールでは上場19頭すべてが売却され、平均価格は3000万円を超えるという驚きの結果となりました。旧メジロ牧場の血を活かした配合馬がノーザンファームの馬を破って大きなレースを勝つ。それこそがノーザンファームへの恩返しになると岩崎義久さんは語ります。オルフェーヴルモーリスを見れば旧メジロ牧場の血の優秀さは明らかです。あとはそれをどう活かすか。少数精鋭のレイクヴィラの馬たちが、過去のメジロ牧場はもとより本家ノーザンファームを超える日が来るかもしれません。その胎動を、洞爺湖畔で確かに感じました。




ドゥラメンテ引退


宝塚記念が行われた日曜日は、東京競馬場のオープン型レーシングセミナーに出演し、壇上で出演者の皆さん(井内利彰さん、谷桃子さん、津田麻莉奈さん、守永真彩さん)と一緒にレースを観戦しました。マリアライトが先頭でゴールを駆け抜けてすぐ映像が切り替わったので、ミルコ・デムーロ騎手が下馬しているとは夢にも思わず、「2着に負けたといっても凱旋門賞には行くと思うので頑張ってほしいですね」などとマイクでしゃべっていました。偉大な競走馬がこんな形で引退するのは残念です。

競走生活を思い返してみて、最も印象に残ったのは皐月賞です。最後の直線でとても届かない位置から差し切ったあの脚です。15年4月20日のエントリー「皐月賞はドゥラメンテ」にこう記しました。

………………………………………………………………………………………
「なにこれ。凄くない?」と、旧知のカメラマンが高揚と困惑が入り交じった表情で話しかけてきました。十数年以上、毎週ゴール前で撮影しているプロも興奮しています。「凄いね。三冠馬かも」と答え、向正面に流していた馬たちが検量室前に帰ってくるのを待ちました。たったいま目の当たりにした光景を心のなかでうまく咀嚼することができず、その心理的混乱から、いてもたってもいられないような気持ちになりました。
………………………………………………………………………………………

社台グループの会報誌『Thoroughbred』16年7月号に、「よくわかるキングマンボ系種牡馬入門講座」と題する文章を書かせていただきました。「筋力の強さをベースとした脚の速さ」を Kingmambo 系の特長のひとつに挙げ、その具体例としてドゥラメンテの皐月賞について触れました。自分のなかではかなりの衝撃だったからです。

この特集記事のなかで、キングカメハメハ産駒のルーラーシップとロードカナロアについては解説したのですが、執筆時にドゥラメンテはまだ現役だったので、種牡馬としての可能性については書いていません。

前出のキングカメハメハ産駒2頭は、日本血統の大黒柱であるサンデーサイレンスを持たないので、ドゥラメンテよりは産駒の配合について悩まないで済むという利点があります。こうした間口の広さを含めて種牡馬の可能性は考える必要があり、社台スタリオンステーションの歴代リーディングサイアーをほとんど含んだドゥラメンテは、付けられる繁殖牝馬が制限されるという不利があります。ただ、能力の高さと血筋の良さはそれを補って余りあり、自身の優れた資質を高確率で伝えられる種牡馬になるだろうと思います。

社台グループは毎年大量の繁殖牝馬を海外から入れているので、それらを中心に交配することになるはずですが、そろそろサンデーサイレンスやトニービンのインブリードが当たり前になる時代です。そうした配合からどんな子が生まれてくるのか興味が尽きません。早く社台スタリオンステーションで再会したいですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104511/






netkeiba.com 主催の一口馬主向けイベントに出演しました


6月6日(月)夜、「アーバンドック ららぽーと豊洲」内のユナイテッド・シネマ豊洲にて、「3社対抗 スターホースプレゼン大会」というイベントに出席いたしました。

「3社」とは、社台サラブレッドクラブ、サンデーサラブレッドクラブ、G1サラブレッドクラブのいわゆる社台グループのクラブ法人です。ラインナップが発表されたばかりの各社選りすぐりの1歳募集馬を、クラブ関係者がファンに向けて直接プレゼンするという企画です。栗山は血統解説役を仰せつかりました。

忌憚なくズバズバ行きたいです、と意気込みを語ったものの、出てくる馬がため息のでるような良血・好配合馬ばかりで、褒め言葉しか出てきませんでした。

イベント終了後は豊洲の料理店で打ち上げ。現場の第一線で活躍されている方ばかりなので、生産・育成についての興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。ありがとうございます。

イベントの模様は netkeiba.com で後日配信予定とのことです。




ディープインパクトと英国王室


5月24日(火)、札幌競馬場でのHBAトレーニングセールの取材が終わり、飛行機と車を乗り継いで東京の自宅に帰宅したのが午後9時半。イスパーン賞(仏G1・芝1800m)の発走20分前でした。

道悪になったのでどんなものかなぁと思ってグリーンチャンネルを眺めていたのですが、直線半ばで差を広げて行くのを見て驚愕しました。結果は10馬身差圧勝。New Bay、Erupt、Dariyan というメンバー構成ですから相手が弱かったわけではありません。
https://youtu.be/QXHLJ8vz7mk?t=2m51s

ディープインパクト産駒の海外重賞制覇は以下のとおり。

・エイシンヒカリ(香港C−香G1、イスパーン賞−仏G1)
・Beauty Parlour(仏1000ギニー−仏G1、グロット賞−仏G3)
・ジェンティルドンナ(ドバイシーマクラシック−首G1)
・リアルスティール(ドバイターフ−首G1)
・リアルインパクト(ジョージライダーS−豪G1)
・キズナ(ニエル賞−仏G2)
・Aquamarine(アレフランス賞−仏G3)

日本に繁殖牝馬を送り込んでディープインパクトと交配していたヨーロッパの大オーナーたちは、すでに世界有数のスーパーサイアーであることを認識していましたが、今回の印象的な勝ちっぷりは、ディープインパクトの傑出した能力をヨーロッパの競馬サークルやファンに幅広くアピールしたと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011101273/



次走は、6月15日に英アスコット競馬場で行われるプリンスオブウェールズS(G1・芝10f)。英国王室主催のロイヤルアスコット開催なので女王陛下もお見えになります。

ディープインパクトのファミリーは英国王室が代々育んできたもので、5代母 Hypericum は時の国王ジョージ6世が所有して英1000ギニーを勝ちました。3代母 Highclere は女王陛下が所有して英1000ギニー(G1)と仏オークス(G1)を連勝しました。2代母 Burghclere まで女王陛下の持ち馬でしたが、その後は手を離れました。しかし、もし女王陛下がディープインパクトの血統をご覧になれば親近感を抱かないはずがありません。ロイヤルアスコットでディープインパクト産駒が走ることには大きな意味があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100816/



海外を転戦しながら体調を維持するのは並大抵のことではないでしょう。一方で、本格化したエイシンヒカリの能力も想像を超えたものです。いい競馬を期待したいものです。




「公開ドラフト」に出演しました


5月20日(金)夜に行われた「公開ドラフト」は、今年も満員の盛況のなか行われました。お集まりいただいた皆さま、どうもありがとうございました。

指名馬は以下のとおりです。

1 アドミラブル(牡・父ディープインパクト、母スカーレット)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105979/
2 ヘリファルテ(牡・父ディープインパクト、母シユーマ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105945/
3 ムーヴザワールド(牡・父ディープインパクト、母リッスン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106212/
4 母モシーン(牝・父ディープインパクト)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106184/
5 母コケレール(牝・父ディープインパクト)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105915/
6 サトノクロニクル(牡・父ハーツクライ、母トゥーピー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106038/
7 モンドバーグ(牡・父ヴィクトワールピサ、母アクアリング)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105374/
8 アンティノウス(牡・父クロフネ、母ミクロコスモス)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106172/
9 カラル(牡・父ルーラーシップ、母ナスカ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106052/
10 ラバピエス(牡・タートルボウル、母サルスエラ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105927/

1〜5位はディープインパクト産駒、6〜8位はそれ以外、9、10位は新種牡馬です。1位指名はヴァナヘイム(父キングカメハメハ、母グルヴェイグ)が希望だったのですが、美野真一さんとの抽選で負けてしまい取れず。キングカメハメハ、ダイワメジャー産駒は他の方に気に入った馬をすべて取られてしまったので指名できませんでした。

終了後は会場内で打ち上げ。寿司とピザを食べながら歓談しました。そのあと井内利彰さんとリアル競馬王(ニコニコ生放送)に出演し、日付が変わったあとに帰宅しました。




ドリームジャーニー骨折の件


3月5日のエントリー「水仙賞はアルカサル」のコメント欄に、ななしさんからドリームジャーニーの骨折についてご質問がありました。本日、社台スタリオンステーションに寄ったついでにお話を伺ったところ、骨折は事実とのことです。転んだときにキ甲を折ってしまった、とのこと。幸いなことに命に別状はなく、来年には職務に復帰できるそうです。

本日、オルフェーヴルと交配した繁殖牝馬の1頭は、もともとドリームジャーニーを付ける予定だったそうです。配合にこだわりがあると、お兄ちゃんがダメなら弟に、ということになるのでしょう。やんちゃなドリームジャーニーですが、現在はおとなしく療養しているそうです。一日も早い回復を祈りたいですね。




中山記念のパブリックリスニングイベント


先日、下北沢でトークショーを行ったことはお知らせいたしましたが、そこから派生したもうひとつのイベント、中山記念のパブリックリスニングの模様が動画でアップロードされました。
https://youtu.be/p9439LHXotk

『サブトロピカル サステナビリティ』の公演最終日(2月28日)、演劇が終わった直後に行われました。役者の方々が舞台に登場し、買った馬券を持ち寄って的中するかどうかを見守る、というものです。わたしは中山競馬場にいたので参加できなかったのですが、馬券だけ提供させていただきました。もしよろしければご覧ください。




トークショー終了、ありがとうございました


2月25日夜、下北沢小劇場B1にて『亜熱帯の“ためになる”サラブレッド血統学講座』というトークショーを行いました。『サブトロピカル サステナビリティ』(作・構成・演出=黒川麻衣)という演劇公演が終わったあとの、付け足しのような小イベントですが、一緒に出ていただいた黒川麻衣さん、芳賀晶さん、ピクニックさんの優れた産婆術によって、楽しくしゃべることができました。

イベント終了後は劇場近くの中華料理店で打ち上げ。美味しい食事をいただきながらお酒を飲み、日付が替わったあとも話が尽きず、楽しいひとときを過ごさせていただきました。イベントに招いてくださった黒川さんをはじめ、公演&トークショーに足を運んでくださった皆さまには心から感謝いたします。

なお、『サブトロピカル サステナビリティ』の公演は28日(日)まで続きます。最終日の公演終了時刻は午後3時半。その直後、中山記念のパブリックビューイングが行われます。何名かが事前にWINSで馬券を買ってきて、それが的中するかどうかを見守るというイベントです。わたしは中山競馬場で仕事なので行けませんが、馬券だけ提供させていただく予定です。




社台スタリオンパレード2016


2月9日、社台スタリオンステーションにてスタリオンパレードが開催されました。要するに種牡馬展示会です。天候が良く、北海道にしては暖かい一日でした。昨年10月に対面して以来となるキズナは、一段と貫禄が増したような気がしました。エピファネイア、スピルバーグ、フェノーメノ、リアルインパクトを含めた5頭が今年からラインナップに加わります。ふだんと違った雰囲気に馬たちのテンションも上がり、後ろ脚で立ち上がる馬も少なくありませんでした。



亀谷敬正さんの番組取材に同行し、夜は雪まつりを見物したあと飲み会。雪まつりにはJRAの雪像&プロジェクションマッピングがありました。会場内を散策したのですが、想像していたよりも外国人観光客が多く、賑わっていました。







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