パーフェクト種牡馬辞典


有馬記念はサトノダイヤモンド


最終コーナーを回って△キタサンブラック(2番人気)、△ゴールドアクター(3番人気)、◎サトノダイヤモンド(1番人気)の激しい追い比べとなり、外のサトノダイヤモンドが内で粘るキタサンブラックをゴール直前でクビ差とらえました。
https://youtu.be/d2xubD37OIg?t=2m4s



木曜夜から金曜未明に降った雨の影響で、馬場は良発表とはいえパワーを要し、なおかつ前が残りやすいという昔の中山芝に戻ったようなコンディションでした。

レース後、里見治オーナーは、「さすがに4歳馬は強いと思いましたね」と語りました。「もっと楽に勝てると思ったんだけど」。キタサンブラック、ゴールドアクターの2頭は、高速型かパワー型かといえば後者に属します。サトノダイヤモンドも渋った馬場は得意なほうですが、池江調教師が語るように馬体はまだ未完成で、ガチンコのパワー勝負となると馬体が完成している古馬はやはり手強いものです。パンパンの良馬場ならオーナーの言うとおりもっと楽に勝てた可能性はあるでしょう。

有馬記念を1番人気で勝った3歳馬は、イシノヒカル(72年)、トウショウボーイ(76年)、シンボリルドルフ(84年)、ナリタブライアン(94年)、オルフェーヴル(11年)、ゴールドシップ(12年)に次いで7頭目。過去6頭中4頭がJRA顕彰馬に選出されているように、ごく限られた名馬しか達成できない偉業です。

ただ、仮に1〜3着の着順が入れ替わっていたとしても、名勝負であったことに変わりはないと思います。2周目の向正面でサトノダイヤモンドがキタサンブラックの直後につけたときには「おおーっ!」というどよめきが起こりました。3頭とも持ち味を出し切った素晴らしいレースだったと思います。

ルメール騎手は午前中からもうひとつ乗れていない印象があったのですが、リーディングジョッキー争いで戸崎騎手に敗れたことが確定したあと、第9RホープフルS(G2)をレイデオロで勝って本来の自分を取り戻した感がありました。有馬記念の勝利は特別なものだったのでしょう、カメラの放列の前で喜びを爆発させました。



予想は◎△△で馬単770円、3連単3940円的中。予想文を転載します。

「◎サトノダイヤモンドは『ディープインパクト×オーペン』という組み合わせ。母マルペンサは南米アルゼンチンで芝・ダートを問わず活躍し、2000mのG1を3勝(芝1勝、ダート2勝)した名牝。母方にダンジグ、アリダー、ノーザンダンサーのクロスを持つディープ産駒は本馬のほかにドナウブルーとジェンティルドンナの姉妹、ミッキーアイル、サザナミなどが出ており、連対率は50%を超える。好配合に由来する中距離能力はディープインパクト産駒としては歴代屈指のものを秘めていると思われる。日本ダービーはレース中に落鉄するアクシデントがなければ勝っていた可能性が高い。過去10年間、菊花賞を勝って有馬記念に臨んだ3歳馬は、競走を中止したスリーロールスを除けば[2−0−1−0]。一度も馬券圏内を外していない。中山コースでは皐月賞3着という成績があるが、このときは後方待機組が台頭する超ハイペースで、1、2着馬に比べると位置取りが厳しく、トライアルを使わずきさらぎ賞からぶっつけ本番となったことで体調面も万全とはいえなかった。器用さがあるので中山適性に関しては問題なく、もちろん距離に関しても不安はない。おそらくキタサンブラックをマークして好位につけ、最後の直線で交わしにかかるという競馬になると思われるが、ここにきての充実ぶり、一枚上の切れ味から考えて、その青写真どおりに行くはずだ」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/



『2015〜16年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で推奨した馬であり、この馬が落札されたセリの様子については13年7月10日のエントリー「セレクトセール2013:2日目」をご参照ください。当歳時の画像もあります。

予想文に記したとおり、母マルペンサは南米アルゼンチン産馬で、現役時代にコパデプラタ大賞(亜G1・芝2000m)、クリアドレス大賞(亜G1・ダ2000m)、ヒルベルトレレナ大賞(亜G1・ダ2000m)などを制した名牝です。

母の父 Orpen はモルニ賞(仏G1)の勝ち馬で、愛2歳チャンピオンに輝きました。クールモアで種牡馬となり、アイルランドとオーストラリアで供用され、05年からシャトル種牡馬となってアルゼンチンでも供用されました。亜年度代表馬 Lingote de Oro をはじめ多くの活躍馬を送り出し、2010年に同国のリーディングサイアーとなっています。Natalma のファミリーに属し、かつ Natalma のクロスを持ち、Ribot 系の血を持っているので、大種牡馬デインヒルと配合構成が似ています。父 Lure は「Danzig×Alydar」なのでジェンティルドンナの母の父 Bertolini と同じ組み合わせです。





ディープインパクトは柔らかさを伝える種牡馬で、馬体のサイズは小さく、晩成傾向も見られます。したがって、大柄、早熟、硬質なアメリカ血統を入れるのは常套手段で、Storm Cat やフレンチデピュティとの相性の良さはそうした部分が大きいと思います。Danzig、Alydar、Northern Dancer クロスを持つ母マルペンサは配合相手として申し分ないところで、前述のとおり Lure と Bertolini は同じ組み合わせなので、マルペンサとドナブリーニ(ドナウブルーとジェンティルドンナの母)は配合構成がやや似ています。



また、ヴィルシーナ&ヴィブロス姉妹の母ハルーワスウィートとも似た構成です。サトノダイヤモンド自身は Halo を3本持っていますが、アルゼンチンの重厚なファミリーに属し、なおかつ Devil's Bag とサザンヘイローというダート短距離を主戦場とするパワフルな種牡馬を経由しているので、軽すぎたり浮ついたところはありません。



レース前日夜に出演した『KEIBAコンシェルジュ』でも語ったのですが、JRAが発表した公式レーティングによると、2016年の皐月賞、日本ダービー、菊花賞はいずれも過去最高のレースレーティング。最強世代のナンバーワンホースが古馬をねじ伏せたのは順当な結果といえるかもしれません。

父ディープインパクトは今年、産駒がJRA重賞を38勝し、03年にサンデーサイレンスが樹立した年間JRA重賞勝利数記録に並びました。平地重賞に限れば37勝の新記録です(従来の記録は03年のサンデーサイレンスの34勝)。このほか、海外でリアルスティール、エイシンヒカリ、マカヒキ、Akihiro が重賞を勝っています。海外遠征が当たり前になり、産駒が海外でデビューすることも珍しくなくなってきている現在、国内のみの集計はあまり意味がないような気もします。



2017年は凱旋門賞を最大目標に置く、と陣営は明言しています。具体的なローテーションは馬の様子を見ながら決めるとのこと。故障することなく無事に臨んでほしいものです。




朝日杯フューチュリティSはサトノアレス


後方に控えた△サトノアレス(6番人気)が外を回って進出し、残り200mで逃げ馬を交わして先頭に立つと、モンドキャンノ(7番人気)の追撃を半馬身抑えて2歳牡馬チャンピオンの座に就きました。
https://youtu.be/-bAqrZCGkn8?t=2m9s

1番人気に推された Frankel 産駒の牝馬▲ミスエルテは4着。競馬道OnLine や競馬スピリッツの展望コラムで「過大評価には注意が必要」と記したように、ここでは少々荷が重かったように思います。とはいえ、身体を立て直して同世代の牝馬のなかに入れば、少なくともトップクラスの実力馬であるのは間違いないでしょう。巻き返してくるはずです。

前後半のラップは48秒3−47秒1。中盤で12秒7という遅いラップを刻んだようにゆったりとした流れで進み、ラストの決め手勝負となりました。勝ったサトノアレスはディープインパクト産駒らしい鋭い瞬発力を繰り出して突き抜けました。中山開催から阪神開催に移ってからの3年間でディープインパクト産駒が2頭優勝しています。2歳戦の阪神芝1600mでは同産駒が飛び抜けて優秀な成績を残しているのですが、その数字どおりの活躍ぶりです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105493/



札幌でデビューし、2戦連続2着のあと9月の中山未勝利戦(芝1800m)→ベゴニア賞(500万下)→朝日杯と3連勝。藤沢和雄厩舎と社台ファームは、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)のソウルスターリングに続いてのG1制覇となります。社台ファームは昨年JRAでG1勝利なしという苦汁を舐めましたが、今年はすでに5勝(ノーザンファームは7勝)。しかも2歳世代が頑張っているのがいいですね。2歳重賞はほかに新潟2歳S(G3)のウゼットジョリーが勝っています。社台ファーム生産のディープインパクト産駒が平地G1を制したのはスピルバーグの天皇賞・秋(14年)以来です。

母方にデインヒルを持つディープインパクト産駒にはミッキーアイル、アデイインザライフ、エバーブロッサム、フィエロ、サトノアーサーといった活躍馬がいます。全兄サトノフェラーリ(現1000万下)は2歳時の馬体重が460kg台で、サトノアレスは今回500kg。全兄弟であれば馬体の大きなほうが出世する、という傾向はディープインパクト産駒にしばしば見られるもので、それがこの兄弟にも当てはまっているように見受けられます。

母サトノアマゾネスは Storm Cat のイトコにあたる名門の出身ですが、母に Northern Dancer の血が複数存在する、という父の成功パターンには当てはまらず、2代母の父 Artichoke がやや風格に欠ける血なので、G1を勝ち切れる馬だろうかとの疑念が拭えず、△評価にとどめてしまいました。馬体やレースぶりを含めてもっと柔軟に考えるべきでしたね。

本馬と、人気で敗れたミスエルテは、いずれもデインヒルを抱えています。Danzig−デインヒルのラインは、ヨーロッパやオーストラリアでは堂々たる主流血統として君臨していますが、日本ではさほど流行っているとはいえない血です。ただ、日本の馬場もさまざまな改良により以前に比べると高速化に歯止めが掛かっている印象なので、馬力型のスピードを伝えるこのラインが存在感を強める素地は出来てきているように思います。惜しくも2着に敗れたモンドキャンノは、父キンシャサノキセキの母ケルトシャーンが His Majesty と Northern Dancer を近い世代に抱えており、デインヒルと似た構成です。キンシャサノキセキ産駒はこうした血統構成の影響かパワーを必要とする芝で強く、ダートも得意としています。



サトノアレスは軽い芝の上がり勝負にも対応しており、距離が延びても心配ないタイプですから、来年のクラシックでも楽しみです。

◎レッドアンシェル(4番人気)は8着。パドックからイレ込みがキツく、シュミノー騎手によれば3コーナーでクリアザトラックと接触してカッとなったとのこと。気性面の成長が待たれます。




チャレンジCはマイネルハニー


2〜3番手を追走したマイネルハニー(9番人気)が残り300mで先頭に立ち、ベルーフ(5番人気)の追撃をクビ差抑えました。
https://youtu.be/E1uJzJDjKV0

スプリングS(G2)でクビ差2着に逃げ粘ったことはあるものの、重賞勝ちは初めて。前走の福島記念(G3)は4着でした。速い脚に欠ける馬ですが、今回は稍重の馬場コンディションに加えて終いを要する展開。上がり3ハロン35秒9でしぶとく粘り込みました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013102938/



父マツリダゴッホの重賞勝ち産駒は、ロードクエスト(新潟2歳S、京成杯オータムH)、ウインマーレライ(ラジオNIKKEI賞)、クールホタルビ(ファンタジーS)に次いで4頭目です。

母ブライアンハニーは Northern Dancer 3×3という強めのクロスを持っていますが、父マツリダゴッホは Northern Dancer を持たないので、組み合わせとしては悪くありません。父の代表産駒ロードクエストは、母マツリダワルツが Northern Dancer 4×4、なおかつ Roberto を持つので、本馬の母ブライアンハニーと配合のアウトラインが似ています。

ブライアンハニーは「ナリタブライアン×ノーザンディクテイター×リマンド」という組み合わせなのでパワーと持続力を伝えるタイプ。息子のマイネルハニーは Graustark 5×5、Bold Ruler 5×5としてその特徴を強化しています。

4代母イコマエイカンはオークス馬アグネスレディーの母で、アグネスフライト、アグネスタキオンの牝祖でもあります。こちらのラインばかりクローズアップされる傾向がありますが、アグネスレディーを経ないイコマエイカンの分枝のなかでマイネルハニーに至るものは最も優秀です。3代母クインリマンドは桜花賞2着、2代母ハスキーハニーはスプリンターズS(G1)3着、セントウルS(G3)2着、母ブライアンハニーは忘れな草賞(OP)3着。代々活躍しています。

◎ダノンメジャー(7番人気)は8着。果敢に逃げ、マイネルハニーに交わされてからも頑張っていましたが、最後に力尽きました。




阪神ジュベナイルフィリーズはソウルスターリング


好位を追走した◎ソウルスターリング(1番人気)が残り200mでインから抜け出し、大外から差を詰めた○リスグラシュー(2番人気)を抑えてG1タイトルを獲得しました。
https://youtu.be/DONeMdXXkIc?t=1m47s

土曜日の芝コースは終日稍重。日曜日は良に回復したものの、馬場の表面は柔らかく、馬が走るとボコボコに掘れるコンディションでした。そのなかで1分34秒0の勝ちタイムは上々でしょう。06年以降の11年間では4番目の速さです。前後半46秒7−47秒3の流れは決して緩いものではなく、好位につけて抜け出したレースぶりには地力の高さがうかがえます。安定した好位差しの脚質は大きなセールスポイントです。1番人気を争ったリスグラシューはスタートで出遅れて後方からレースを進め、最後差を詰めたものの2着。ロスの大きな競馬でこれだけやれるのですから間違いなく強い馬です。ただ、レースの上手さという点で今回はソウルスターリングに軍配が上がりました。

予想は◎○△で馬単900円、3連単4250円的中。予想文を転載します。

「◎ソウルスターリングは『フランケル×モンズーン』という組み合わせ。母スタセリタは現役時代、フランスで仏オークスやヴェルメイユ賞などG1を4勝し、のちにアメリカに移籍してからフラワーボウル招待SなどさらにG1を2勝した世界的名牝。フランスで勝った4つのG1のうち3つは今回手綱を取るルメール騎手が騎乗した。父フランケルは現役時代14戦全勝の偉大な競走馬で、日本適性が乏しいガリレオを父に持つだけに産駒がどれだけ走るのか半信半疑といったところだったが、シーズンが始まってみると本馬やミスエルテが世代のトップを争う競走馬となっている。ガリレオとはまったく別物といっていいだろう。フランケルは「ガリレオ×デインヒル」というノーザンダンサー系同士の配合(ノーザンダンサー3×4)なので、異系色の強いドイツ血統で構成された母スタセリタとの配合は好感が持てる。デビュー2戦とも上がりの速い競馬に対応して連勝しているが、もともとスピードの持続力に優れたヨーロッパ血統だけに、クラスが上がってペースが速くなるであろう今回のほうが持ち味が活きる可能性が高く、洋芝のイタリアンライグラスをオーバーシードされた5回阪神の馬場も向いているはず。恵まれた馬格から繰り出す大きく柔らかなフットワークは大物感十分。父母の圧倒的なポテンシャルから相当な奥行きを秘めており、ここは通過点だろう」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105535/



父 Frankel は、計8回目の英愛首位種牡馬の座が確定的となっている Galileo の最高傑作で、現役時代はイギリスのマイル路線を中心に走って14戦全勝(G1は10勝)。ワールドサラブレッドランキングでは史上最高の「140」というレーティングを獲得しています。

今年から走り始めた初年度産駒は好調で、ヨーロッパでは Queen Kindly(ロウザーS−英G2)、Fair Eva(プリンセスマーガレットS−英G3)、Frankuus(コンデ賞−仏G3)、Toulifaut(オマール賞−仏G3)が重賞を勝っています。4頭目の Toulifaut は同馬がマルセルブサック賞(G1)に出走する直前にノーザンファームが190万ユーロ(約2億1000万円)で購買しました。これらはいずれもG1に手が届いていなかったので、フランケル産駒のなかではソウルスターリングが世界初のG1馬となります。

英愛ファーストシーズンサイアーランキングは第3位。トップの Sir Prancealot は出走回数が344回、2位 Helmet は158回と、Frankel の66回に比べるとかなり多く、数の力で上回った形です。まだデビューを控えている Frankel 産駒の良血馬は多く、とくに牡馬は大物がほとんど温存されている状況なので、来春になればこの世代の勢力図はどんどん変わっていくでしょう。例年、Galileo 産駒がクラシックの主役を務めることが多いのですが、来年 Frankel 産駒がどこまで食い込めるか注目したいですね。

予想文に記したとおり、本馬は母スタセリタが仏米で6つのG1を制した名牝。父が「Galileo×デインヒル」という Northern Dancer 系の主流血統同士の組み合わせなので、母方の Monsun が異系色の強いドイツ血統であることは好感が持てます。

そして、なんといっても魅力的なのはそのフットワークです。デビュー直前の本馬場調教(札幌)の映像を見て衝撃を受けたことは、デビュー戦の前日、7月30日にグリーンチャンネルの「KEIBAコンシェルジュ」に出演させていただいたときにもしゃべったのですが、今回、直線で抜け出したときのフットワークの美しさにあらためて感銘を受けました。筋力の強さと身体の柔らかさが共存しており、まるで古馬のように走りの軸がブレません。相当な器であることは間違いないでしょう。

これから始まるであろう Frankel 産駒とサンデー系の抗争、そして Frankel 牝馬にサンデー系種牡馬を付けたときにどんな産駒が誕生してくるのか、楽しみが尽きません。

11月30日、Frankel が繋養されている英ニューマーケットのバンステッドマナースタッドを訪問したのですが、そのときの模様は12月2日のエントリー「フランケル様に拝謁」に記しております。




金鯱賞はヤマカツエース


中団を追走した△ヤマカツエース(4番人気)が直線で外から伸び、粘り込みを図るパドルウィール(9番人気)をゴール直前でとらえました。
https://youtu.be/Gj1vvH5gz0g

前後半1000mずつのラップは61秒5−58秒2。スローの上がり勝負だったにもかかわらず馬群は縦長で、前に行った馬が有利な展開でした。ヤマカツエースは中山金杯(G3)でも似たような競馬を経験して勝っています。今回は前走比20kg増という馬体重でしたが、上がり33秒1という速い脚を繰り出して突き抜けました。これで重賞4勝目。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102774/



Kingmambo と Silver Hawk を近い世代に持つパターンは、さほどポピュラーとはいえない組み合わせにもかかわらず活躍馬が目立ち、メイショウマンボ、トウカイトリック、シュウジ、ミュゼエイリアン、レオパステル、カウアイレーンなどが出ています。

Roberto と Nijinsky を併せ持つ繁殖牝馬はキングカメハメハと好相性を示しており、古馬ナンバーワンのラブリーデイを筆頭に、フィフスペトル、レッツゴードンキ、キョウワダッフィー、ケイアイエレガント、キングストリート、クラシカルノヴァなどがいます。本馬は Nijinsky こそないものの「Roberto+Northern Dancer」なので悪くないでしょう。

母ヤマカツマリリンは短距離路線で活躍し、OPクラスまで出世しました。2010アンコールS(OP・芝1200m)ではサンダルフォン(北九州記念)のクビ差2着と健闘しています。2代母イクセプトフォーワンダは Vice Regent=ヴァイスリーガル3×4という全兄弟クロスを持つほか、「Deputy Minister+Bold Ruckus」という構成要素なので、ルージュバックの母ジンジャーパンチに似ています。本馬は、サンデーサイレンスが入っていないにもかかわらず芝中距離でこの成績を挙げています。配合的にフィットするのでしょう。



◎サトノノブレス(2番人気)は3着同着。ディープインパクト産駒ではありますがビュンと切れるタイプではないので、上がり勝負で後れを取りました。




ステイヤーズSはアルバートが連覇


最終コーナー手前で早め先頭に立った▲ファタモルガーナ(3番人気)をゴール直前で◎アルバート(1番人気)がクビ差とらえました。
https://youtu.be/KY_ZC2obidk

5馬身差で圧勝した昨年のレースぶりが出色で、なおかつ休み明けの前走アルゼンチン共和国杯(G2)で2着と健闘したことから、単勝1.3倍の圧倒的人気に推されました。昨年のような楽勝にはならなかったものの、先に抜け出したファタモルガーナを射程圏に入れて差し切ったレースぶりは安定感抜群。この距離では容易に崩れないことを印象づけました。

予想は◎▲○で馬単960円、3連単2710円的中。予想文を転載します。

「◎アルバートは『アドマイヤドン×ダンスインザダーク』という組み合わせ。現役時代にダート王として君臨した父アドマイヤドンは、種牡馬としては芝・ダート兼用の中長距離タイプで、晩成傾向が見られるのでアドマイヤデウス(日経賞、日経新春杯)を筆頭に古馬になって充実期を迎える産駒が目立つ。母フォルクローレはセントウルS(G3)4着、スワンS(G2)5着などの戦歴を持つスピードタイプだが、サンバレンティン(七夕賞、福島記念)、インティライミ(京都大賞典、京都新聞杯、朝日CC)の4分の3姉、オーバーザウォール(福島記念)の半妹にあたり、父がダンスインザダークだけに血統的にはむしろスタミナを感じさせる。昨年のこのレースはカムフィー以下に5馬身差をつける大楽勝。長距離戦はその分野のスペシャリストが繰り返し馬券に絡むリピートレースになりやすく、この馬が中山芝3600mで崩れるシーンは想像しづらい」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104019/



父アドマイヤドンは現役時代に一時代を築いたダート王です。種牡馬としては芝・ダート兼用の中長距離タイプで、ほかにアドマイヤデウス(日経賞、日経新春杯)が出ています。

アドマイヤドンの半兄アドマイヤベガ(日本ダービー)は、8歳の若さで死亡したため4世代の産駒しか残せませんでした。母方に Red God を入れるパターンが成功し、プレミアムボックス(京阪杯、CBC賞、オーシャンS)、ストーミーカフェ(共同通信杯、札幌2歳S)という2頭の重賞勝ち馬と、マイネルポライト、クリムゾンベガ、サララなどが出ています。

アドマイヤベガと Red God の相性の良さは、アドマイヤベガの3代母 Moonscape が Red God とよく似た配合構成であることも一因でしょう。



アドマイヤベガ産駒以外にも、たとえばアドマイヤボス(アドマイヤベガの全弟)の代表産駒アドマイヤスバルも母方に Red God を持っています。アドマイヤドンの代表産駒である本馬も同様です。本馬は前出のプレミアムボックスと配合構成がよく似ています。



父アドマイヤドン、母の父ダンスインザダークはいずれも晩成傾向が見られるので、3連覇も十分狙えるでしょう。




チャンピオンズCはサウンドトゥルー


後方に控えた▲サウンドトゥルー(6番人気)が直線で豪快に脚を伸ばし、先に抜け出した○アウォーディー(1番人気)をゴール直前でクビ差とらえました。
https://youtu.be/uKz00dZTcYw?t=1m46s

昨年暮れの東京大賞典(G1)でホッコータルマエ以下の強力メンバーを破ってG1初制覇。今年は地方競馬で行われるダートグレード競走ばかり走り、ここまで[0−1−3−1]と勝ち切れない競馬が続いていました。後ろから行く馬なので、どうしても展開に左右されるところがあります。今回はレース中盤で11秒台のラップが二度刻まれるなどこの馬向きの展開となり、アウォーディーも抜け出してからソラを使ったため、キッチリ差し切りました。セン馬なので息の長い活躍が望めそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010102446/



ルールソヴァール(現準OP)の全兄で、コンフォーコ(父トワイニング/OP)、ツインクルスター(父サクラバクシンオー/OP)の半弟です。母キョウエイトルースはダートで準OPまで出世し、繁殖牝馬として大成功を収めました。

フレンチデピュティの父 Deputy Minister とフジキセキはニックスの関係にあり、カネヒキリ、ホワイトフーガ、ミラクルレジェンド、カラフルデイズ、トウショウカズン、デグラーティア、メイケイペガスター、ノボリディアーナ(フジキセキの全妹スターリーロマンスが母)などがこの組み合わせから誕生しています。

馬主の山田弘さんは中央G1初制覇。わたしが20年以上前に携わっていた血統専門誌の読者で、しばしばご投稿をいただきました。当時は編集者と読者の関係だったので面識はありませんでした。数年前、たしかセレクトセールの会場だったと思いますが、山田さんからその話をうかがって驚いたという次第です。血統専門誌をご購読いただいていたわけですから配合に関しての造詣は深く、もちろん Deputy Minister とフジキセキのニックスもご存知です。おめでとうございます。

◎モーニン(5番人気)は7着。戸崎騎手によれば砂を被ったときにひるんだとのことで、3コーナーでブレーキを踏んだかのように後退し、位置取りを悪くしたのがすべてでした。最後の直線では盛り返していたので、まともな競馬ができていればと惜しまれます。




京阪杯はネロ


内枠からハナを主張した△ネロ(2番人気)がハイペースで逃げ、直線で後続を突き放して逃げ切りました。
https://www.youtube.com/watch?v=rT3M9PJ3X0g

雨が降り続いて馬場状態は重。勝ちタイムは1分10秒3と掛かりました。前後半3ハロンずつのラップは34秒1−36秒2。スピードの持続力に加えてパワーに秀でたこの馬の競馬となり、後ろから差を詰めようとした馬たちが先にバテてしまった形です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103722/



父ヨハネスブルグは現役時代、愛、英、仏、米の2歳G1を制覇し、ヨーロッパと北米でそれぞれ2歳牡馬チャンピオンに輝いた名馬。芝・ダートを問わないスピードと仕上がりの早さを武器に成功し、代表産駒の Scat Daddy は優れた種牡馬となりました。その息子 No Nay Never も種牡馬として期待を集めています。日本ではホウアイアキコ(デイリー杯2歳S、小倉2歳S)、タガノブルグ(NHKマイルC−2着)、フクノドリーム(エーデルワイス賞)などの活躍馬が出ています。

母ニシノタカラヅカはファンタジーS(G3)3着馬。桜花賞(G1)、スプリンターズS(G1)、阪神3歳牝馬S(G1)など6つの重賞を制した女傑ニシノフラワーの半妹です。ネロはその影響を受けて短距離のスペシャリストとなりました。4代母 The Bride は米三冠馬 Secretariat の全姉。ネロは Storm Cat≒デュプリシト3×2です。



ホウライアキコとタガノブルグは、いずれも母が「サンデーサイレンス+Mr.Prospector」という構成でしたが、ネロの母は「サンデーサイレンス+Danzig」。サンデーとアメリカのスピード血統がサポートしている、という構造は同じです。

本馬を含めて前出のヨハネスブルグ産駒の活躍馬はすべて5歳。日本における同馬の初年度産駒です。初年度の血統登録頭数は84頭でしたが、2年目以降は28→15→15と数が少なかったため、これといって目立つ産駒が現れませんでした。しかし、現1歳世代、すなわち来年デビューを迎える2015年生まれの子は、初年度産駒の活躍によって一気に種付け頭数が増えた世代であり、93頭が登録しています。初年度よりさらに9頭多いので、のちに黄金世代と呼ばれることになるかもしれません。POGでも要チェックでしょう。

◎エイシンスパルタン(3番人気)は2着。うまく立ち回ったのですが今回は勝ち馬が上でした。予想はマルチ設定だったので、△◎△で馬単2020円、3連単1万1140円です。




京都2歳Sはカデナ


後方につけた▲カデナ(3番人気)が直線で大外から伸び、残り100mで◎ヴァナヘイム(1番人気)を交わしました。
https://youtu.be/k0fBuvZCp1A

前走の百日草特別(2歳500万下)は、直線で前が壁になって追い出しを待たされ、その分の2着という印象でした。今回はヴァナヘイムをマークするように進み、直線でディープインパクト産駒らしい瞬発力を発揮して完勝しました。同産駒の2歳世代では初の重賞勝ち馬となります。

ニューマーケットのセリ場にノースヒルズの福田洋志ゼネラルマネージャーがいらっしゃったので、「おめでとうございます」と声をおかけしたところ、「セレクトセールに出てきた当歳のディープインパクト産駒のなかでいちばん安かったんですよ」とお顔をほころばせました。カデナが落札されたのは2014年。調べてみたところ確かにそうでした。税抜きで3500万円。安く手に入れた馬が走るということは、選んだ側に見る目があったということです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014104449/



「ディープインパクト×フレンチデピュティ」はショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞、オールカマー)、マカヒキ(日本ダービー、弥生賞、ニエル賞)、カミノタサハラ(弥生賞)、ウリウリ(CBC賞、京都牝馬S)、ボレアス(レパードS)が重賞を勝っており、ニックスといえるでしょう。

Seattle Slew はスピードの持続力に秀でており、その反面、瞬発力には欠けるところがあります。要するにワンペースながらしぶとさで勝負する血です。この血が母方の2〜3代目に入ったディープインパクト産駒は、これまで障害のタイセイドリームしか重賞を勝っていませんでした。カデナの場合、「ディープ×フレンチ」のニックスが強く主張しているのか、決め手に乏しい部分が見られません。これはいいですね。来年が楽しみです。

◎ヴァナヘイム(1番人気)は2着。勝ち馬の決め手に屈した形です。もう少し馬がしっかりしてくれば最後の伸びも違ってくるはずです。




ジャパンCはキタサンブラック


仕事でイギリスに来ています。レース時はちょうどフライトの最中で、機内では結果を確認する術がありませんでした。ヒースロー空港に着陸してすぐスマートフォンでレース映像を観たところ、思わず「おおーっ!」と声が出ました。△キタサンブラック(1番人気)の逃げ切り勝ち。1番人気の勝利は過去10年間でもディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナが記録していますが、逃げ切り勝ちはごく稀です。03年のタップダンスシチーは重馬場だったので、良馬場の逃げ切り勝ちは84年のカツラギエース以来32年ぶりとなります。武豊騎手は通算4勝目。逃げ切りが難しい舞台での逃げ切り勝ちは絵になりますね。いいものを観た、と思いました。
https://youtu.be/51YzfORD-Dw?t=3m38s

木曜日に降雪があった影響で、土曜日の競馬は良馬場まで回復したものの、それなりに水分を含んだ馬場でした。あるジョッキーは「ビシャビシャ」と表現していたそうです。気温が低かったので日曜日もさほど回復しなかったのではないでしょうか。そして、第9レースの前から小雨が落ちてきました。こうなると馬格、パワー、スタミナに恵まれたキタサンブラックは相対的に有利になります。前述のタップダンスシチーは510kgでしたが、それよりもひとまわり大きい536kg。オールブラックスの2m超えのフォワードが相手バックスを引きずりながらトライを決めたような、そんな迫力がありました。

配合については10月15日のエントリー「京都大賞典はキタサンブラック」から引用します。

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この馬の走りを見るたびに“心臓の強さ”というものを感じます。終盤の苦しいところでもうひと伸び、ふた伸びできるのが最大のセールスポイントで、捕まりそうに見えてなかなか捕まりません。日本ダービー(G1)と皐月賞(G1)を除けば、負けたレースでも僅差の勝負に持ち込んでおり、レースを重ねるたびにしぶとさに磨きが掛かっています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102013/



父ブラックタイドはディープインパクトの全兄で、現6歳世代が初年度産駒。デビューした5世代で4頭の重賞勝ち馬を出しており、重賞は計8勝目。そのうち5勝はキタサンブラックによるものです。

重賞勝ち馬は他にテイエムイナズマ(デイリー杯2歳S)、マイネルフロスト(毎日杯)、タガノエスプレッソ(デイリー杯2歳S)の3頭。しなやかな瞬発力を武器とする弟ディープインパクトに比べると少々パワー寄りに出ており、筋力をベースとした持続力タイプです。馬場別の通算勝利数は芝784勝、ダート54勝ですが、連対率は芝10.8%、ダート11.8%。芝の成績が圧倒的に優れているディープとはタイプが異なります。

母シュガーハートは不出走馬で、4分の3兄ショウナンバッハ(父ステイゴールド)は2000m以上で3勝。長めの中距離馬といった感じです。2代母オトメゴコロは Cee's Tizzy(米年度代表馬 Tiznow の父)の半妹で、4代母 Tizna はアメリカで3つのG1を含めて重賞を8勝したチリ産の名牝です。キタサンブラックにしてもショウナンバッハにしても、母の父にサクラバクシンオーを持ちながら2000m以上で実績を残しているのは、南米にルーツを持つこの牝系が強力なスタミナを伝えているのかもしれません。

キタサンブラックは手脚が長く、馬体も雄大なので、1回のストライドで距離が稼げるという面は大きいと思います。その分、アクションの回数は少なくて済むので、スタミナの消耗を防ぐことができます。大きな馬体をしっかり全身運動させているのはブラックタイドの筋力の強さでしょう。「ディープ×サクラバクシンオー」はブランボヌール(函館2歳S、キーンランドC)、アデイインザライフ(新潟記念)が出ており、血統構成が似ています。溜めて切れるタイプではないサクラバクシンオーを取り込んでも追い込み型にしてしまうディープインパクトとは異なり、ブラックタイドは素直に先行タイプを出しました。
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2着△サウンズオブアース(5番人気)は重賞で2着7回目。今回の末脚を見ても、非凡なものを持っているのは間違いありません。しかし、なぜか勝ちきれません。G1では菊花賞(G1)、有馬記念(G1)に次いで3回目の2着です。

◎リアルスティール(2番人気)は5着。スタミナタイプが上位を占めたようにパワーを必要とする馬場だったことが影響したのかもしれません。






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