パーフェクト種牡馬辞典


Kingmambo 死す(前)


80年代を代表する大種牡馬 Mr.Prospector と、80年代の世界最強マイラー Miesque との間に誕生した Kingmambo は、生まれてから死ぬまでの間、一貫してサラブレッドという種の最もハイクラスなエリアを歩み続けました。

デビューした当初から Miesque の息子として注目を集め、2歳時は勝てそうで勝てない競馬を続けていたのですが、3歳シーズンに入るとグンと成長した姿を披露しました。休み明け初戦のジェベル賞(準重賞)では無敗の2歳王者 Zafonic を破り、続く仏2000ギニー(G1)、セントジェームズパレスS(英G1)を連勝。なるほど、良血とはこういうものかと納得させられました。翌年、半妹の East of the Moon が仏1000ギニー(G1)→仏オークス(G1)→ジャックルマロワ賞(仏G1)と3連勝したのを見て、その感を強くしました。Kingmambo は秋にムーランドロンシャン賞(仏G1)を制し、同レースの母子制覇を達成しています。

種牡馬としても成功、これまでに85頭のステークスウィナーを送り出しています。そのうち50頭が重賞レースの勝ち馬で、日本ではエルコンドルパサー(ジャパンC、NHKマイルC、サンクルー大賞)、キングカメハメハ(日本ダービー、NHKマイルC)、アルカセット(ジャパンC)などがビッグレースを制覇しました。芝・ダートを問わず東京コースを得意とし、とくに芝2400mではジャパンC2勝、日本ダービー1勝という好成績を残しています。
http://www.pedigreequery.com/kingmambo



Mr.Prospector は優秀なスピードを伝える種牡馬で、アメリカのダートで活躍した馬でありながら、産駒はヨーロッパのマイル戦線でも大きな実績を残しました。そして、Kingmambo 産駒は距離の壁をものともせず、10ハロン、12ハロン路線でも大活躍しました。2代母 Pasadoble に含まれるスタミナ血統の影響が大きかったと思います。
http://www.pedigreequery.com/pasadoble



その父 Prove Out は、Ribot 系の Graustark の息子で、母 Equal Venture は米三冠馬 Assault の全妹にあたる良血。ダート16ハロンのジョッキークラブゴールドC(米G1)を制したほか、ウッドワードS(米G1・ダ12ハロン)では名馬 Secretariat に完勝しています。勝ちタイム2分25秒8は、この距離のアメリカ歴代2位に相当するもので、2着馬が歴代1位の2分24秒0(73年ベルモントS)を樹立した Secretariat なので価値があります。スタミナと底力の塊といえる馬でした。

3代母の父 Sanctus は本邦輸入種牡馬ディクタスの父として知られ、芝2400mの仏ダービーと芝3000mのパリ大賞の勝ち馬。4代母の父 Princequillo もスタミナに定評のある血です。ちなみに、4代母 Neriad は「Princequillo×Count Fleet」なので、Mill Reef の母 Milan Mill や名種牡馬 Prince John と同じ組み合わせです。

Pasadoble の娘 Miesque は、マイル向きの名種牡馬 Nureyev を父に持ち、仏英米で16戦12勝、うちG1を10勝という成績を残しました。アメリカへ遠征してブリーダーズCマイル(G1)を連覇(87、88年)しています。1年目の勝ちタイムは1分32秒8(トラックレコード)、2年目は1分38秒6と、まったく異なる馬場コンディションにもかかわらず変わらぬ強さを発揮しました。軽やかでいて力強いという、一見矛盾するような特長を併せ持った世紀の傑作でした。その底力の源泉は母 Pasadoble に含まれるスタミナ血統でしょう。
http://www.pedigreequery.com/miesque



Kingmambo はジェイドロバリーと似た構成ですが、ジェイドロバリーがマイルの領域にとどまり、Kingmambo が2400mをこなす産駒を多数送り出したのは、スタミナ血統の有無に原因が求められると思います。(続く)






キズナ引退


ディープインパクト譲りの末脚で日本ダービーを勝ったあと、検量室前に戻ってきたキズナと武豊騎手を、その場にいた人々が大きな拍手で迎えました。人馬とも眩いオーラに包まれていました。キズナの現役時代を思い返したとき、まっさきに頭に浮かんでくるシーンです。

3歳秋にフランス遠征し、ニエル賞(G2)を勝ったあと凱旋門賞(G1)では4着。最終コーナーを回り、Treve の直後でオルフェーヴルと並んで追い出しに掛かったときは胸が熱くなりました。遠い日本から遠征し、慣れない環境でこの成績を残すのですから、当時の世界最強3歳牡馬だったといっても大げさではなかったと思います。



ニエル賞、凱旋門賞はハイレベルであったがゆえに、その反動も大きかったのかもしれません。その後のキズナは、微妙にリズムを狂わせたまま、ついに本調子に戻らなかったような気がします。

現在発売中の『サラブレ』創刊20周年特別号で、2025年の国内サイアーランキングを予想するという企画があり、キズナは6位としました。つまり、今後の日本生産界を担う主力種牡馬になるだろう、という予測です。ファレノプシスの半弟で、ナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ラストインパクトなどが近親にいる良血。成功しないほうがおかしいという血統背景です。

産駒がデビューするのは2019年夏。そのころには、オルフェーヴル、ロードカナロア、ジャスタウェイ、エピファネイア、ルーラーシップなど、新しい世代の種牡馬が産駒をデビューさせ、第二のレースを繰り広げています。楽しみでなりません。




トウショウ牧場閉鎖へ


11年に廃業したメジロ牧場の場合、伝統的に中長距離血統を基盤としていたので、競馬のスピード化に適応できなかったのではないかとの分析もありましたが、トウショウ牧場の場合、トウショウボーイの時代から現在に至るまで、主に2000m以下のスピードを武器としていました。スイープトウショウやシーイズトウショウは健在です。それでも立ちゆかなくなるのですから難しいものです。前者の子(レガッタ)がセレクトセールに出てきた際、内情を探る声も囁かれたのですが、牧場終焉を告げる今回のニュースはあまりにも突然で驚くほかありません。

牧場が創設されたのはちょうど50年前の1965年。牧場長の沼田正弘が渡米し、3頭の繁殖牝馬を購入しました。そのうちの1頭がソシアルバターフライです。父 Your Host は Kelso(5年連続米年度代表馬)の父として知られ、Flower Bowl(Graustark、His Majesty の母)の4分の3同血にあたる良血です。Kelso もソシアルバターフライも同じ1957年に誕生しています。

ソシアルバターフライの最高傑作がトウショウボーイ(皐月賞、有馬記念、宝塚記念)で、Hyperion の血量18.75%(3×4)を狙おうという意図のもと、テスコボーイが交配されました。日本で初めて1600mを1分33秒台、2000mを1分58秒台で走った画期的なスピード馬でした。種牡馬としてもきわめて優秀な成績を残しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0003c7/



トウショウ牧場の50年は、ソシアルバターフライととともに歩んだ50年でもあります。志村吉男場長は以前、ソシアルバターフライに固執したことを反省点に挙げられていましたが、これだけの系統ですから無理もありません。直系ではありませんが、シーイズトウショウ(セントウルSなど重賞5勝)の配合を見てもその優れた影響力はうかがえます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2000102386/



デビュー前にこの配合を見て感心し、『POGの達人(赤本)』の02〜03年版で選択希望馬リストの第20位に挙げたことを思い出します。エイティトウショウ(中山記念など重賞4勝)、シスタートウショウ(桜花賞)、ヌエボトウショウ(朝日チャレンジCなど重賞5勝)、渋いところではトウショウファルコ(重賞2勝)など、好きな配合の宝庫のような牧場でした。

牧場を創った藤田正明(1922〜96)は、当時フジタグループのプリンスで、のちに参議院議員に当選して自民党参議院議員会長を務めたほか、日本馬主協会会長などいくつもの要職を歴任しました。

『優駿』1976年7月号(70頁)に、トウショウボーイが皐月賞を勝った際のトウショウ牧場(当時は藤正牧場)の様子が描かれています。この年の皐月賞は、厩務員ストの影響で開催が1週間延期となり、中山から東京に場所を移して行われました。

「厩務員組合ストの時、藤田正明氏は『今年がだめなら、来年またいい馬を作ってみせるさ』とつぶやいたという。馬主会長の立場からの公私混同は許されない。交渉の矢面に立たされた時、トウショウボーイの優勝を一度はあきらめたとも伝えられる。だが、海老、黄ダイヤモンド、紫袖の勝負服を乗せたトウショウボーイは、力強いフットワークでまっ先にゴール板を駆け抜けた。藤田正明氏は泣いた。牧場の全員も泣いた。
 前夜、牧場のゲストハウスからは山間にこだますれとばかりに、高らかな歌声が夜遅くまで聞かれた。皐月賞後初めて牧場を訪れた藤田正明氏を迎えての祝勝会が開かれたためである。部屋の中央には持ち帰った皐月賞優勝杯が光り輝いていた。殆どの人が牧場創設以来、あるいは本格的な開場時に集まった人々である。日焼けか雪焼けか、あるいは日高おろしに研かれたまっ黒な男たちの顔も、昨夜だけは再度こみ上げてくる喜びの美酒に、クシャクシャだったことだろう。牧場長の沼田正弘氏は、
『チームワークの勝利だ。チームワークの勝利だ!』
 と、何度も何度も叫ぶ藤田正明氏の言葉に、熱い涙がポロポロ流れ出たという」

牧場は消え去っても、トウショウ牧場が残した血は偉大です。ウオッカのような名馬はいずれまた出てくるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004104258/






セレクトセール2015:2日目


2日目は当歳馬。雨が降るかも……という天気予報もあったのですが、雨どころか真夏の日射しが照りつける暑い一日となりました。屋外を歩いていると熱中症になりそうです。

母子ペアで出てくるところが当歳セッションのスタイルで、生まれてからさほど日が経っていないため、子馬が母馬のお乳を飲み始める微笑ましいシーンも見られます。1月生まれと5月生まれでは身体の大きさもだいぶ違います。



1歳セッションでは影が薄かった島川郎箸気鵝淵献礇僖鵐悒襯好汽潺奪般承舛塙腓錣擦藤夏落札)が、当歳セッションでは億超え3頭を含めて7頭落札しました。億を超えた3頭は、ギーニョの2015(父キングカメハメハ)、ベルワトリングの2015(父ディープインパクト)、ケアレスウィスパーの2015(父ハービンジャー)。ディープ一辺倒というわけではなく3頭はいずれも別の種牡馬の子です。

1億円を超えたのは以下の7頭です。

1億8000万円 ディープ×ウィーミスフランキー(牝)
1億5500万円 キンカメ×ギーニョ(牡)
1億2500万円 ディープ×ベルワトリング(牡)
1億2500万円 ハービンジャー×ケアレスウィスパー(牡)
1億2000万円 ディープ×シルヴァースカヤ(牡)
1億1500万円 ディープ×ソーメニーウェイズ(牡)
1億円      クロフネ×ディナシー(牡)

トッププライスはヒップナンバー371、「ウィーミスフランキーの2015」。落札者は(株)ダノックスです。



昨年の当歳セッションで6番目の値段がついたウィーミスフランキーの2014(1億4000万円)の全妹なので、兄妹揃って1億円を突破したことになります。



母ウィーミスフランキーは現役時代、デルマーデビュータントS(米G1・AW7f)、オークリーフS(米G1・ダ8.5f)を制しました。高値がつくディープ産駒のほとんどが欧米のG1ホースを母に持っています。

母の父 Sunriver はハリウッドターフC(米G1・芝12f)、ピーターパンS(米G2・ダ9f)、ボウリンググリーンH(米G2・ダ11f)などの勝ち馬で、その父 Saint Ballado は名牝 Glorious Song や Devil's Bag(タイキシャトルの父)の全弟。Sunriver の代表産駒がウィーミスフランキーです。2代母の父 Meadowlake はヘニーヒューズの母の父で、その父 Hold Your Peace はフレンチデピュティの母の父です。

昨年は2億円以上の落札馬が2頭出ましたが、今年はゼロ。売却率、売却総額とも昨年を下回りました。セリ終盤は、落札馬にさほど競り合いが見られず、主取りも多くなるものですが、今年はとくにそれが感じられ、セリの進行速度が速まりました。1日目に盛り上がった反動でしょうか。

新種牡馬のオルフェーヴルは、17頭上場で13頭落札。平均価格は4107万6923円。同じく新種牡馬のロードカナロアは、20頭上場で17頭落札。平均価格は2852万9412円。平均価格の比較ではオルフェーヴルに軍配が上がりました。過去を振り返ると、ディープインパクトの初年度産駒は5968万7500円。これは別格ですが、オルフェーヴルの4000万円台という数字は十分に優秀です。

1歳セッションを含めた2日間の合計は、売却総額131億7350円となり昨年を6億円近く上回る新記録となりました。直近の経済動向は不透明さを増してきていますが、そこに至るまでの株高傾向が大きく寄与したのではないでしょうか。

フジテレビONEで7月から放送開始となった亀谷敬正さんの『競馬血統研究所』。8月放送分にセレクトセールの模様が取り上げられます。高額落札馬の配合について会場でインタビューを受けたので、視聴環境にある方はご覧いただければと存じます。




セレクトセール2015初日


現在、2日目のセリに向かう車中でこれを書いています(運転はしていません^^)。JRA−VANのセレクトセール特別サイトに掲載する原稿を書いているうちにブログを更新する時間がなくなり、移動時間を利用するしかなくなりました。ごく簡単な振り返りとなってしまうことをご容赦ください。

天気予報で一時雨となっていたとおり、ときどき雨が落ちてくるぐずついた天候。気温は平年並みといったところでした。お昼に食事をするテーブルが見つからないほど人出が多く、昨年よりも新規のお客様が増えているという感触がありました。外国人の姿も目立ちました。年々、着実に国際化しています。ただ、昨年“爆買い”で旋風を巻き起こしたカタール勢は不参加です。



初日は1歳馬のセリ。1億円以上の馬は8頭で、そのうち3頭は2億円を超えました。ディープインパクト産駒が2頭、Tapit 産駒が1頭です。リストは以下のとおり(税抜き)。

2億3500万円 ディープ×ジョコンダII(牡)
2億3000万円 ディープ×ラッシュラッシーズ(牡)
2億3000万円 Tapit×シャンパンドーロ(牡)
1億9500万円 ディープ×キングスローズ(牡)
1億6000万円 ディープ×サラフィナ(牡)
1億3500万円 ディープ×コケレール(牝)
1億1100万円 ディープ×コンテスティッド(牡)
1億500万円 キングカメハメハ×トリプレックス(牡)

トッププライスはヒップナンバー107、「ジョコンダIIの2014」。弥生賞(G2)と東京スポーツ杯2歳S(G3)を制し、日本ダービー(G1)でも3着に食い込んだサトノクラウンの半弟です。「里見さんが譲らないだろね」と事前に予想されていたとおり、兄サトノクラウンと同じく里見治さんが落札しました。価格は2億3500万円。ちなみに、里見さんは億超えの8頭中3頭を手に入れました(ほかの2頭はキングスローズの2014、コンテスティッドの2014)。



母の父 Rossini は Elusive Quality の4分の3弟。「ディープインパクト×Elusive Quality」といえば昨年の2歳牝馬女王のショウナンアデラで、同馬は Alzao≒Touch of Greatness 3×3という相似な血のクロスを持っていました。本馬も同じクロスを持っています。



2位は2億3000万円で2頭が並びました。落札者はいずれも金子真人ホールディングス(株)です。シャンパンドーロの2014は Tapit 産駒の芦毛の持ち込み馬です。父が米リーディングサイアーで母がG1馬ですから、それなりの値段がつくだろうとは思いましたが、2億円を超えるとは予想できませんでした。外国人向けの馬だと思ったので日本人が落札したのも意外でした。ヒップナンバー108だったので、ジョコンダIIの2014(ヒップナンバー107)が落札されたすぐ直後のことでした。

もう1頭の2位、ラッシュラッシーズの2014は「ディープインパクト×Galileo」という配合。2代母の父 Anabaa は父ディープに合いそうです。

1歳セッションの売り上げは71億450万円の新記録。平均価格と中間価格も同様です。中位、下位で落札された馬もまんべんなくいい価格がついていたという印象です。セリ全体に厚みがありました。

セールが終わったあとの夜は、望田潤さんを含めた4人ですすきのの海鮮系居酒屋へ行って食事をしました。毎年のことですが初日夜の酒食は最高です。ただ、2日目のセリが控えているので、酒はほどほどにして早めに切り上げました。




ドゥラメンテ骨折、レース復帰は来年


両前肢のトウ骨遠位端骨折で全治6ヵ月とのこと。生き物ですから怪我はつきものとはいえ、残念です。片脚ではなく両脚の怪我なので、放牧中や運動中に何かアクシデントでもあったのでしょうか。腱や靱帯でなかったのは不幸中の幸いです。

エアグルーヴ牝系で古馬になってから本格化する血統なので、「災い転じて福となす」という言葉どおり、休養期間中に成長を促して完成した古馬としてターフに復帰してほしいですね。




千葉サラブレッドセール2015


5月15日(金)に船橋競馬場で開催されました。通称“チバセリ”。社台ファームの上場馬を中心とした2歳馬のトレーニングセールです。

高額落札馬ベスト3は以下のとおり。
http://www.jbis.or.jp/seri/2015/12G1/sale/

■16番. ┌ ディープインパクト
 牡馬 └ ムーンレディ(父 Platini)
      落札価格:2億520万円(税込)
      購買者:高橋文枝
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105679/



■29番. ┌ キングカメハメハ
 牡馬 └ タックスシェルター(父フジキセキ)
      落札価格:7560万円(税込)
      購買者:(有)三成社
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105526/



■26番. ┌ シンボリクリスエス
 牡馬 └ グランパドドゥ(父フジキセキ)
      落札価格:7128万円(税込)
      購買者:窪田芳郎
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105448/



最高価格となったムーンレディの2013は、日本ダービーと天皇賞・秋を制したエイシンフラッシュの半弟。父がキングズベストからディープインパクトに替わり、どう安く見積もっても1億円以下はないだろうという目玉商品でした。セリが始まる前に合田直弘さんが渾身のマイクパフォーマンスで煽りに煽った効果もあって、お代8000万円のスタートからグングン値が上がり、約3分後、1億9000万円、税込み2億520万円で落札されました。セール史上ぶっちぎりの高額落札馬です。従来のレコードはトーセンステルスの5880万円(07年)。

購買者は“マツリダ”の高橋文枝さん。有馬記念を勝ったマツリダゴッホと同じく美浦の国枝栄厩舎に入るようです。

昨年のセール売却馬からミュゼエイリアン(毎日杯)、ノットフォーマル(フェアリーS)、コメート(ホープフルS(G3−2着)、スノーエンジェル(小倉2歳S−3着)などが出ています。馬質がいいのでPOG的にも注目したいところです。




2015JRAブリーズアップセール


4月28日(火)に中山競馬場で開催されました。JRAがセールで購買したり自家生産した若駒を、自前の育成場で鍛え上げ、購買者の前で実際に馬を走らせた上で売る、というトレーニングセールです。

高額落札馬ベスト3は以下のとおり。
http://jra.jp/news/201504/pdf/042801.pdf

■25番. ┌ スウェプトオーヴァーボード
 牝馬 └ マルカジュリエット(父サンデーサイレンス)
      落札価格:3240万円(税込)
      購買者:三田昌宏
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013100720/



■40番. ┌ クロフネ
 牡馬 └ サイキョウロマン(父サンデーサイレンス)
      落札価格:2484万円(税込)
      購買者:佐藤壽男
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013102110/



■13番. ┌ ハーツクライ
 牡馬 └ ウルトラペガサス(父 Fusaichi Pegasus)
      落札価格:2214万円(税込)
      購買者:高原将浩
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013100269/



最高価格で落札されたマルカジュリエットの2013は、昨年の北海道サマーセールで842万4000円(税込)で落札され、JRA日高育成牧場で育成されました。兄弟に活躍馬はなく、全姉ミルキープリンは2戦未勝利で引退しました。母マルカジュリエットはジェニュイン(皐月賞、マイルCS)の全妹で、近親にアサクサキングス(菊花賞)がいる良血ではありますが、高値がついたのはその動きが評判となっていたからです。

日高育成牧場の育成馬展示会で11秒7−11秒2と抜群の動きをみせ、モノが違うと評判になっていました。この日の公開調教でもラスト2ハロンを11秒9−11秒5。馬体重は460kg。牝馬としては上々です。血統的にも仕上がりが早いので、2年前の函館2歳S(G3)を制したクリスマス(ブリーズアップセール出身馬)と似た軌跡を描く可能性は十分でしょう。



今年のセリは67頭上場で全頭売却。2012年以降4年連続となります。売却総額(税別)は6億1661万円。平均価格(税別)は996万円から920万円にダウンしましたが、一昨年の845万円よりは上です。昨年のセールはやや過熱感があったのですが、今年はそうではなく、現実的だったと思います。

ちなみに昨年の価格上位4頭(3位が2頭)の現況は、1位サウンドアラムシャ(4968万円)は2戦0勝、2位デイドリーム(3888万円)は4戦1勝、3位カゼノドリーム(3240万円)は3戦0勝、同3位ネージュドール(3240万円)は4戦0勝です。




成澤大輔さん死去


競馬やゲームなどさまざまな分野でマルチな才能を発揮されてきた成澤大輔さんが亡くなりました。49歳でした。成澤さんからはお仕事をいただくだけで、こちらからは何もお返しできなかったことが悔やまれます。母校が同じだったのですが、それが分かったのは最近のことで、世間は狭いね、お互い頑張ろうと声をかけていただいたのが最後でした。残念でなりません。3月30日に発売される『ダービースタリオンGOLD全書』が遺作となります。ご冥福をお祈りいたします。




シスタートウショウ死す


3月3日、91年の桜花賞馬シスタートウショウが繋養先のトウショウ牧場で老衰により死亡しました。27歳。

デビューから無傷の4連勝で桜花賞を制し、オークスはハナ差2着。その後は屈腱炎に泣き、本来の力を発揮できないまま5歳時に引退しました。ボディバランスに優れた美しい栗毛馬で、独特の気品がありました。後にダイワスカーレットが出てきたときに、馬の雰囲気がシスタートウショウに似ていると思ったものです。

桜花賞の勝ちタイムは1分33秒8。京都競馬場で行われたとはいえ馬場状態は稍重で、従来の桜花賞レコードを1秒縮める大記録でした。このレースレコードは13年後の04年にダンスインザムードによってようやく更新されました。現在の桜花賞レコードは1分33秒3(アパパネとハープスター)。コンマ5秒しか違いません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1988106086/



父トウショウボーイはJRAで25頭の重賞勝ち馬を出しましたが、半数以上の13頭が牝馬です。JRAで勝った重賞48勝のうち2000m以下が44勝と、スピードを活かすタイプの種牡馬で、とくにマイル戦での強さは圧巻でした。逃げ先行タイプだった自身とは違い、切れ味を武器とする馬が目立ったのも特長のひとつです。

要するに“牝馬、マイル得意、瞬発力タイプ”というのがトウショウボーイ産駒のスタンダードで、じっさい、桜花賞はシスタートウショウとアラホウトクが2勝し、ダイイチルビーが安田記念を、パッシングショットがマイルチャンピオンシップを勝っています。トウショウボーイ産駒はG1レース(とG1級レース)を11勝していますが、半数以上の6勝がマイル戦で、そのうち4勝が牝馬によるものです。

トウショウボーイ産駒としてまず語られるのは三冠馬ミスターシービーですが、母の父トピオ(凱旋門賞)のスタミナもあって2400mの日本ダービー、3000mの菊花賞を制しており、トウショウボーイ産駒のスタンダードとは少々ズレています。むしろ異端といってもいいでしょう。前述の“牝馬、マイル得意、瞬発力タイプ”という三拍子がそろったシスタートウショウのほうが、トウショウボーイ的な特長をよく表現した馬だったと思います。

ちなみに、シスタートウショウ以前の桜花賞レコードを持っていたのはアラホウトク(1985年生)で、これもトウショウボーイ産駒でした。その前のテスコガビー(1972年生)はトウショウボーイの父テスコボーイの娘です。シスタートウショウの唯一のライバルでオークスを逃げ切ったイソノルーブルは母の父がテスコボーイ。70年代から90年代前半にかけて日本のスピード血統をリードしてきたのはテスコボーイでした。

残念ながら、子孫にはこれといった活躍馬は出ていません。ただ、シスタートウショウの全姉エナジートウショウは女傑ウオッカの2代母となりました。配合ひとつだと思うので、子や孫のこれからに期待したいです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004104258/








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