パーフェクト種牡馬辞典


菊花賞戦線に波乱を起こせるか? ヒルノドンカルロ


菊花賞の馬券を考える際のコツのひとつに、「北海道の長距離戦を勝ち上がってきた馬を過信しない」というものがあります。

昨年の3着馬ユウキソルジャーは北海H(1000万下・函館芝2600m)を勝った経験がありました。これは久々に馬券になった馬です。それ以前は10年ほど、このタイプの馬は馬券になっていませんでした。毎年のように穴人気にはなります。たとえば10年のトウカイメロディなどは2番人気だったので穴人気どころではありません。しかし、馬券には絡めませんでした(6着)。

土曜函館最終レースの松前特別(1000万下・芝2600m)を逃げ切ったヒルノドンカルロ(1番人気)はまさにこのタイプ。馬主がヒルノ、調教師が昆貢、騎手が藤田伸二ですから、天皇賞・春(G1)を勝ったヒルノダムールのトリオです。おまけに父はいずれもマンハッタンカフェ。

ヒルノダムールは「マンハッタンカフェ×ラムタラ」でしたが、ヒルノドンカルロは「マンハッタンカフェ×エルコンドルパサー」。母の父がヨーロッパで芝2400mのG1を勝っている点も共通しています。前述のとおり、北海道組は基本的に評価下げが正解なのですが、この陣営でこの血統ですから不気味さが漂います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010102709/



2代母ブラッシュウィズテキーラは Ribot 5×4で、母ウェルカムフラワーは Ribot の息子 Graustark 6×4、自身は Ribot の孫 Hoist the Flag 5×5です。Ribot 系のスタミナ血統を代々強化した力強い配合で、「Kingmambo×Sadler's Wells」という母の父エルコンドルパサーのスタミナがうまく伝わっているようです。

同じ長距離戦でも、函館芝2600mと京都芝3000mは別物です。直線の長さや時計の速さなど、共通点はほとんどありません。ただ、この馬に関しては、5月のメルボルントロフィー(500万下・芝2400m)で京都外回りコースをこなしているという強みがあります。このときは2馬身半差の楽勝でした。

春のクラシックを歩んだトップクラスを相手に通用するかといえば、現状ではまだ難しいと言わざるを得ませんが、この先の成長次第ではおもしろい存在になりそうです。




英1000ギニー有力出走馬


牝馬の英1000ギニー(G1・芝8f)は今年記念すべき第200回目を迎えます。1814年に Charlotte が勝ってから一度も休むことなく続いてきました。気の遠くなるような歴史ですが、イギリスにある5つのクラシックレースのなかでは最も後発です。
http://www.pedigreequery.com/charlotte5



いちばん最初に始まったセントレジャーは1776年創設。その後、オークスが1779年、ダービーが1780年、2000ギニーが1809年に出来ました。そのような歴史をたどってきたことは書物を紐解けば書いてあるのですが、200年ずらしてじっさいの歴史感覚として英クラシックの成り立ちを把握できるのはいいですね。ダービーから2000ギニーまで30年弱開いています。これは現代に当てはめると1980年から2009年までの間隔です。その年月がどのようなものか分かるので、なるほど……と実感できます。

ちなみに「1000ギニー」というレース名は、100ギニーの登録料で10頭の出走申し込みがあったため、100×10=1000ギニー、ということから名づけられたそうです。仮に30頭だったら3000ギニーとなるところでした。牡馬の2000ギニーは、100ギニーの登録料で23頭の登録馬があったためそう名付けられたそうです。2300ギニーとしなかったのは英断です。

今年、単勝オッズが10倍以下の馬は4頭です。

1番人気は4月17日のネルグウィンS(G3)を2・1/4馬身差で勝ち、通算成績を2戦2勝とした Hot Snap。G1を6勝した名牝 Midday の半妹で、Elmaamul(エクリプスS)、Reams of Verse(英オークス)の姪にあたる良血です。「Pivotal×Kingmambo」は Regal Parade(スプリントC、モーリスドゲスト賞)と同じ。Kingmambo を経た Nureyev クロスを持ち、Roberto のサポートもあるので底力十分です。Roberto は Hasili や Magnificient Style といった偉大な繁殖牝馬にも含まれています。父 Pivotal は英・愛オークスを連覇した Sariska を出しているものの、スピードタイプなのでギニーレースのほうが向いており、過去に Saoire(愛1000ギニー)、Falco(仏2000ギニー)などを出しています。
http://www.pedigreequery.com/hot+snap3



2番人気は What a Name。フランス調教馬でここまで5戦3勝。年明け緒戦のアンプルダンス賞(仏G3)をクビ差勝ってここに臨んできました。Diabolical(米重賞3勝)の半妹です。2代母 Plenty of Grace はダービーダンファームの名牝で、イエローリボンS(米G1)とダイアナH(米G1)などを勝ちました。「Mr.Greeley×Dayjur」というスピード型の配合ながら2代母の底力が利いており大物感があります。
http://www.pedigreequery.com/what+a+name



3番人気は Just the Judge。2歳時にロックフェルS(英G2)など3戦全勝。ここが今季初戦です。父 Lawman は仏ダービー馬。昨年のセントジェームズパレスS(英G1)を勝った Most Improved が代表産駒で、伊グランクリテリウム(G1)を勝った Law Enforcement と同じく母の父に Rainbow Quest を持ちます。
http://www.pedigreequery.com/just+the+judge



4番人気は Moth。通算成績は3戦1勝で、4月7日に初勝利を挙げたばかりです。エイダン・オブライエン厩舎の Galileo 産駒で初勝利を挙げてすぐクラシック制覇をした Nightime(愛1000ギニー)を思い出します。Rave Reviews(伊G1リディアテシオ賞−2着)の4分の3妹で、母 Pieds de Plume はグルームダンサーの半妹です。
http://www.pedigreequery.com/moth9



オッズはブックメーカーによって微妙に異なり、また刻々と変化します。現時点のウィリアムヒルの単勝オッズは、Hot Snap=3.5倍、What a Name=5.5倍、Just the Judge=5.5倍、Moth=7.5倍。基本的に英1000ギニーは荒れやすいレースなので、ここに挙げた馬以外にも勝負になる馬はいるでしょう。レースは5月5日、ニューマーケット競馬場で行われます。




今年の英2000ギニーは2強対決


先月、ゴドルフィンのアル・ザルーニ調教師のドーピング違反が発覚して大揺れのイギリス競馬界。8年間の資格停止処分が下され、事件は幕を閉じました。こんな大スキャンダルが起こっても、決まった時間になれば朝が来るように、クラシックレースは予定どおり行われます。

5月4日に行われる英2000ギニー(G1・芝8f)は、無傷の6連勝で欧州2歳チャンピオンに輝いた Dawn Approach(父 New Approach)と、これも4戦して土付かずの Toronado(父 High Chaparral)の一騎打ちムード。

Dawn Approach はアイルランド産馬で、エイダン・オブライエン調教師の師匠であるジム・ボルジャー調教師の管理馬。馬主はゴドルフィンです。ロイヤルブルーの勝負服はアル・ザルーニ調教師のせいで名誉を傷つけられましたが、Dawn Approach はもともとボルジャー調教師が生産し、夫人名義でデビューした馬なので、ゴドルフィンの馬ではあってもいわば転校生のようなもの。生え抜きではありません。現在、コヴェントリーS(英G2)、ナショナルS(愛G1)、デューハーストS(英G1)と重賞3連勝中です。
http://www.pedigreequery.com/dawn+approach



父 New Approach はシンコウフォレスト(高松宮記念)の半弟で、イギリスとアイルランドの双方の2000ギニーで2着と敗れましたが、英ダービー(G1)、愛チャンピオンS(G1)などG1を5勝した名馬です。初年度からいきなりクラシック候補を送り出しました。

Dawn Approach は、母の父 Phone Trick が早熟のスピードタイプで、奥行きという面ではもうひとつですが、そのあたりは2代母の父 Pleasant Colony が補っています。とはいえ、英ダービーというイメージは湧かないので、ここは勝っておきたいところです。

2番人気の Toronado は、英シャンペンS(G2)を制して3戦全勝で2歳シーズンを終え、今季初戦のクレイヴンS(G3)を4馬身差で圧勝。ぶっつけの Dawn Approach に比べると臨戦過程では有利です。
http://www.pedigreequery.com/toronado4



父 High Chaparral は現役時代、英・愛ダービー(G1)、ブリーダーズCターフ(G1)2連覇など6つのG1を制した名馬です。引退後はシャトル種牡馬となってアイルランドだけでなくオセアニアで供用され、同地で So You Think や It's a Dundeel といった大物を出しています。それに比べるとアイルランド供用の産駒は小粒でしたが、Toronado が出世頭となりそうです。スピード値の高い「Grand Slam×Always Fair」の母が父の重厚さとのバランスを取っているのがいいですね。So You Think や It's a Dundeel も母方にピリッとしたスピードがあります。オセアニアで High Chaparral が成功したのは、スピード値の高い牝馬が比較的多いことも理由のひとつでしょう。

この2頭のどちらが勝つのか、あるいは伏兵が優勝をさらうのか、土曜日が楽しみです。




皐月賞馬、ダービー馬がいるかも? 豪華メンバーの弥生賞


05年以降、12頭以下で行われた弥生賞のなかで、良馬場だった年は3回あります。その1000m通過タイムの平均は61秒7。やはりというか、遅いですね。弥生賞は前哨戦らしいゆったりとしたペースになりやすく、まして少頭数では速くなりようがないので、突発的な大逃げ馬でも出ないかぎり、十中八九スローで展開します。

今年のメンバーを見渡してみて、速いペースになりそうな予感はまったくしません。バッドボーイかマイネルクロップあたりが仕方なく先頭に立つ形でしょうか。番手で競馬をしたい馬はたくさんいるのですが、逃げ馬が見当たりません。となると、1000m通過62秒ぐらいのスローペースで、3コーナーあたりからペースが上がり、直線の末脚比べで勝負が決する、というよくありがちな流れが目に浮かびます。

中団以下に控えた組は外を回って進出することになりますが、あのディープインパクトでさえクビ差の辛勝だったわけですから、かなり強い馬でないと大外をマクって突き抜けるという芸当は無理です。基本的には内を通った先行馬が有利で、好位馬群で距離ロスを抑えつつ器用に立ち回った馬が馬券に絡んでくるはずです。外を回らされて届かなかった組は、評価を下げるのではなく、青葉賞、ダービーで注目したいですね。昨年のフェノーメノがそんなレースぶりでした。

今年の有力馬のなかで、好位のインでうまく立ち回れそうなのはコディーノでしょう。3番枠を引いた以上、そういう競馬をするしかありません。前走の朝日杯フューチュリティSでは、3コーナーで外に出した途端、行く気になってしまい、これが致命傷となって2着に敗れました。今回は直線に向くまで馬群のなかでじっとしているはずです。

朝日杯で敗れた教訓は、中間の調整過程にも反映しており、馬のテンションを上げないよう、速い時計を出さずにじっくり仕上げています。これが吉と出るか凶と出るか、正直なところ、レースを走ってみなければ分かりません。ただ、すでに本番の出走権利を持っているだけに、ここにピークを持ってくるとは考えられません。常識的な範囲内でのトライアル仕上げではないかと思います。過去、藤沢和雄厩舎の所属馬は、弥生賞またはスプリングSに10頭出走し、4頭連対しています。1、2番人気に限れば[2・0・0・1]。上々の成績です。

おそらく1番人気に推されるであろうエピファネイアは、ここまで3戦全勝と負けていません。00年以降、無傷でラジオNIKKEI杯2歳Sを制した馬は、アグネスタキオン、フサイチホウオー、ロジユニヴァース、アダムスピークと4頭おり、アダムスピークを除く3頭が年明け緒戦も勝っています。勝った3頭はラジオNIKKEI杯2歳Sで1、2番人気だったという共通点があります。アダムスピークは4番人気でした。エピファネイアは1番人気だったので来るパターン。データ的には最も死角の少ない馬です。

ただ、大外枠を引いてしまったので、どの位置で競馬を進めるのか、読めないところがあります。本番の権利を持った上でのトライアルですから、あえて控える競馬を試してみる可能性も考えられます。中団以下につけたとしても、終いがしっかりしている馬ですから、馬券圏外に消えることはないとは思いますが、単の信頼性は下がります。

キズナ、ヘミングウェイ、カミノタサハラ、バッドボーイ、ダービーフィズ、サトノネプチューンなど、伏兵陣も多士済々。再来週のスプリングS(G2)が空き巣になるのではと心配したくなるほどの豪華メンバーです。皐月賞馬、ダービー馬もこのなかに潜んでいるような気がします。




メジロマックイーンの再来ゴールドシップを倒す馬は?


ゴールドシップはメジロマックイーンである。――と、これまであちこちで主張してきました。同馬の足跡を振り返ると、あながち間違ってはいないと思います。ですから、メジロマックイーンが勝ったレースに今後ゴールドシップが出てきた場合、しっかり馬券を買いたいところです。たとえば来年の天皇賞・春。たぶん八割方勝てるでしょう。逆に、ジャパンCなどはどんなに人気に推されていても◎を打つ気にはなれません。

メジロマックイーンと違うのは道中の位置取りです。ゴールドシップは好位につける脚がありません。共同通信杯ではゲートが開いたあと、鞍上が懸命に押して3〜4番手につけ、直線で抜け出しました。あんな競馬ができるなら毎回やればいいのに、と思うのですが、近走は押しても叩いても行けません。ゲートが開いたあと軽いジョギングで体を温めないと馬が走る気にならないようです。自在性のあったメジロマックイーンとはここが違います。

中山で序盤の位置取りを悪くしてしまうと、挽回するのは大変です。ゴールドシップは皐月賞を勝っていますが、あれはガラ空きとなったインを突いた内田博幸騎手の“ワープ騎乗”がモノを言ったのであり、普通に外を回っていたら負けていたと思います。

後方追走の馬が勝った例としては、09年のドリームジャーニーなどがそうです。ただ、このときは最初の1100mが64秒5というめったにないハイペースだったので、2着ブエナビスタを除いて後方待機馬が上位を占めるという特殊な競馬でした。もしそれほど速くない流れになると、前に行った馬もバテないので、ゴールドシップは相当頑張らなければいけないでしょう。

仮に、序盤がほどほどで、後半にラップが上がるロングスパート戦になった場合、序盤から中盤にかけて前との距離をある程度詰めておかないと、終盤は追いかけても追いかけても……という感じになってしまいます。しかも、ワープ騎乗で勝った皐月賞とは違い、馬群の外を回らされるので、いかに長くいい脚を使えるゴールドシップであっても厳しくなります。

有馬記念の歴史を紐解くと、前で競馬をする馬が安定しており、後ろから行く馬はどうしても展開頼みになってしまうので、取りこぼす危険性が高くなります。これが小回りコースの怖さです。

メジロマックイーンは有馬記念で単勝1.7倍の1番人気でしたが、14番人気のダイユウサク(単勝オッズ137.9倍)に交わされて勝てませんでした。今年、ゴールドシップを倒す馬がいるとすれば、前で器用に立ち回るタイプでしょう。ゴールドシップの強さは重々承知の上で、それを倒す可能性のある馬を探すのが、今年の予想の個人的なテーマです。




有馬記念はダービーダン血統を


有馬記念は、94年から03年までの10年間に、Roberto 系が7回優勝しています。

94年 ナリタブライアン(父ブライアンズタイム)
95年 マヤノトップガン(父ブライアンズタイム)
97年 シルクジャスティス(父ブライアンズタイム)
98年 グラスワンダー(父 Silver Hawk)
99年 グラスワンダー(父 Silver Hawk)
02年 シンボリクリスエス(父 Kris S.)
03年 シンボリクリスエス(父 Kris S.)

サンデーサイレンスのような日本国内で圧倒的なシェアを誇る系統ではなく、日本にはいない、世界的にみても主流とはいえない一系統が、ここまで連続して同じレースで好走を続けたわけですから、レース適性が抜群であると結論づけるしかありません。

シンボリクリスエスは02、03年と連覇しました。ほかに天皇賞・秋も2回制していますが、うち1回は中山での代替開催だったので、4つのG1タイトルのうち3つは中山でのものでした。母の父 Seattle Slew 系は Roberto と同じく持続力タイプです。たとえば95年の有馬記念で2着となったタイキブリザードは Seattle Slew 産駒でした。中山2500mは基本的に持続力勝負になりやすく、切れる馬よりはバテない馬を買うレースです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1999110099/



シンボリクリスエスが勝った2回の有馬記念はいずれも名勝負でした。勝負として面白かったのは、13番人気タップダンスシチーのロングスパートをゴール直前でとらえた3歳時のレース(02年)です。
http://www.youtube.com/watch?v=BdxkBBYQwJE

タップダンスシチーは His Majesty を経て Ribot にさかのぼる系統。これも底力と持続力に定評のある血です。1着馬の父は Roberto 系、2着馬の父は Ribot 系という、これぞ有馬記念、という決着でした。タップダンスシチーは有馬記念で2回連対しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1997110043/



Roberto と His Majesty はいずれもアメリカのダービーダンファームで誕生しています。

94、95、97年と3頭の勝ち馬を出したブライアンズタイムは、ダービーダンファームで生まれました。母の父 Graustark は His Majesty の全兄です。98、99年に連覇したグラスワンダーもダービーダンファームの生まれです。2代父は Roberto、2代母の父は His Majesty です。両者を組み合わせると共通性は一目瞭然。Roberto と Ribot を組み合わせるのがダービーダンファームの常套手段でした。



要するに、有馬記念はダービーダン血統が頼りになるということです。とくに今年は、平均ペースよりも速い流れになりそうで、仮にスローとなった場合でも、残り1000mからのロングスパートとなるはず。いずれにしても昨年のような瞬発力勝負にはならないと思います。そうなると頼りになるのは重厚なスタミナ血統です。

ダービーダン血統に限らず、たとえば Sadler's Wells、トニービンといった厳しい流れになったときに浮上してくる血を持つ馬に追い風が吹くのではないかと思います。

逃げるダイワスカーレットを目標に各馬が早めに仕掛けた08年は、最後方追走のアドマイヤモナークが届いてしまいました。Sadler's Wells、トニービン、Alleged を持つ重厚な血統です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001103371/



事前に流れをドンピシャで読むのは難しく、展開次第ではまさかと思うような馬が上位に食い込んでくるのが有馬記念です。大事なのは網を張っておくことですね。上位争いをして当然という実力馬は、多少血統的にズレていても好走するものですが、まさかと思うような好走馬はたいてい血統的な裏付けがあるものです。




ジャパンC外国馬の血統


「ジャパンCの予想スタンスは、ひと昔前と現在とでは、ガラリと様変わりしてしまった。
 以前は、まず外国馬の分析から入り、日本の高速馬場に向いているか、本気で走る気があるか、遠征慣れしているか――といった諸要素を点検していくのがセオリーだった。しかし最近は違う。日本馬が強くなった結果、外国馬をすべて切り捨てるところから予想が始まるといっても過言ではない。」

……この文章、じつは10年近く前に某雑誌に発表したものです。当時でさえそうした認識だったのですから、さらに事態が進行したいま、もはや外国馬の解説に対するニーズは期待できません。正直なところ、解説をする気力も湧きません(笑)。日本の馬場に対応するのがまず大変で、対応できる馬にしても、そもそも実力が足りるのかという問題があります。

現時点の前売りオッズを見ると、凱旋門賞馬ソレミアが単勝20倍ぐらいで、残りはすべて70倍以上。ラインナップを見るかぎり今年も厳しいかな……と。配合的には「いいなぁ」と思う馬はいるのですが、ヨーロッパで走るなら、という但し書きを付けなければなりません。大駆けしたとしても4着まででしょう。一応、血統表だけは載せておこうと思います。

1枠2番 スリプトラ(Sri Putra)牡6 英
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006190009/



3枠5番 マウントアトス(Mount Athos)セン5 英
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007190007/



3枠6番 レッドカドー(Red Cadeaux)セン5 英
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006190010/



6枠11番 ジャッカルベリー(Jakkalberry)牡6 英
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006190008/



7枠14番 ソレミア(Solemia)牝4 仏
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008190005/



いうまでもなく、実力的にはオルフェーヴルが断然ナンバーワン。どんな穴党の方でもこれを疑う人はいないでしょう。遠征帰りの体調、スタンド前発走の大外枠、スローペースで後方の位置取り……など、楽観できない要素はそれなりにあります。このメンバーですから折り合いを欠いてしまえばアウトでしょう。逆にすべてのハードルをやすやすと越えてしまう可能性ももちろんあります。

個人的には06年や08年のようなレースになるのでは、と思います。前半スローで残り4ハロンから動き出すロングスパート型。好位に付けて脚を使える馬が有利でしょう。このタイプが先に抜け出して、それをオルフェーヴルがねじ伏せることができるかどうか、です。




エリザベス女王杯はスタミナが鍵


周知のとおりエリザベス女王杯は95年まで芝2400mでした。そして、出走条件も3歳牝馬に限られ、牝馬三冠の最終関門――つまり現在の秋華賞にあたるレース――として行われていました。

おそらく距離のせいだと思うのですが、よく荒れました。平成が始まったばかりのころは毎年のように大波乱の決着でしたね。とくに以下の2回は強烈でした。

89年 サンドピアリス(20番人気)
92年 タケノベルベット(17番人気)

サンドピアリスは、それまでに挙げた2勝がいずれもダート。前3走もダートの900万条件で8、9、6着と見せ場なしの大敗。狙えるわけがありません。

タケノベルベットは、仕上がりが遅れてトライアルを使えず、7月以来の実戦でした。

とても買えない、という事情があるからこそ大穴が生まれます。ただ、勝つには勝つなりの理由があります。上記2頭には「2400m向きのスタミナに恵まれていた」という共通点がありました。

両者は、じつは血統的によく似ています。



近い世代にチャイナロックが入り、Mossborough がサポートしています。いずれも名うてのスタミナ血統です。付け加えれば、84年に14番人気で勝ったキョウワサンダーも、母の父バウンティアスがチャイナロックと同じ Rockefella 産駒です。2400m戦で切り札になるのはスタミナ、ということです。

古馬が出られるようになり、2200mに短縮されたエリザベス女王杯でも、やはりスタミナは大事な要素です。

11年の2着馬アヴェンチュラと、09年の1着馬クィーンスプマンテはジャングルポケット産駒。ジャングルポケットはトニービンの息子で、多量の Hyperion を抱えたスタミナ豊富な血です。11年の2着馬メイショウベルーガは Sadler's Wells を持ちます。トニービン、Sadler's Wells といった血や、Hyperion をベースとしたスタミナ血統を含んだ馬は注意したほうがいいでしょう。雨が降るかもしれないとの予報ですが、こればかりは現時点では読めません。どのぐらい降って、馬場はどこが伸びるのか、といったあたりを直前まで見極めたいところです。




実績馬が少ない今年の菊花賞


先週の秋華賞は、実力断然のジェンティルドンナが単勝1.5倍の1番人気に推されました。抜けた存在がいたとはいえ、出走馬の実績を見ると、重賞勝ち馬が18頭中7頭を占めていました。

今週の菊花賞は、ゴールドシップが単勝1倍台の人気を背負うと予想されます。出走馬の戦歴を眺めると、秋華賞とは様相が異なります。

重賞を勝った経験があるのはゴールドシップとコスモオオゾラのみ。春時点のライバルだったワールドエース、ダービー馬ディープブリランテ、京都新聞杯を勝ったトーセンホマレボシは怪我で戦列を離れ、セントライト記念を勝ったフェノーメノは天皇賞・秋へ。これらがいない菊花賞ですから、ゴールドシップにとっては与しやすい相手であり、大崩れが考えづらいレースといえるでしょう。

そのぶん、伏兵陣は例年以上に豊富ですね。どれもこれも魅力的で目移りします。他媒体との兼ね合いによりブログで詳細な分析をするわけにはいかないのですが、とりあえずゴールドシップ以外で勝ち負けに絡んできてもおかしくない伏兵を挙げてみます。

2番 フェデラルホール(父ステイゴールド)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106104/
6番 ロードアクレイム(父ディープインパクト)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101524/
7番 エタンダール(父ディープインパクト)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104372/
8番 ニューダイナスティ(父ディープインパクト)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106492/
15番 ユウキソルジャー(父トーセンダンス)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009103720/
16番 スカイディグニティ(父ブライアンズタイム)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104836/
17番 タガノビッグバン(父フジキセキ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104945/
18番 トリップ(父クロフネ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106282/

多すぎるので、ここからさらに絞り込まなければなりません。枠順と展開を考慮し、調教VTRを凝視して決めたいと思います。

なお、各馬の見解については競馬スピリッツのコラム「血統の裏庭」に掲載しているほか、競馬道OnLineのサイトに週末掲載される「G1スペシャル予想〜菊花賞編」で触れる予定です。どうぞお楽しみに。
http://www.hicchu.net/
http://www.keibado.ne.jp/sp2012/




凱旋門賞の馬場状態


この時季のパリは雨がよく降ります。先週時点の天気予想では、凱旋門賞の前後は晴れ続きだったのですが、今週になってみると傘マークだらけ。

ただ、ザーザー降り続くわけではなく、ひとしきり降ったかと思うとしばらく止んで、気が付くとまた降っている……といった感じの天候です。たとえば、エルコンドルパサーが2着となった99年は史上最悪レベルの道悪でしたが、このときはぐずついた天候が続いたことに加え、前日にザーッ本格的に降ったのがダメ押しとなり、本番の馬場に影響しました。これはごく稀な例です。

土曜日の予報を見ると、傘マークがついていますが、一日中降り続くわけではないので、極端な馬場悪化はなさそうです。とはいえ、気温が低いので、乾くこともないでしょう。

となると、ナカヤマフェスタが2着となった2年前程度の馬場状態でしょうか? もしそうなら、同じステイゴールド産駒のオルフェーヴルにとっては走りやすいコンディションではないかと思います。

馬場状態が悪化してほくそ笑む馬は、3歳牝馬の Great Heavens でしょう。斤量も軽いので怖い存在です。






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