パーフェクト種牡馬辞典


福島記念はマルターズアポジー


すんなりハナに立ったマルターズアポジー(7番人気)が○ゼーヴィント(1番人気)以下の追撃を振り切って逃げ切りました。
https://youtu.be/3korNKgq7Yg

これで1000万、1600万、重賞と3連勝。前後半61秒0−59秒8というスローペースに持ち込み、なおかつ後続からのプレッシャーもなかったので、この馬の良さが最大限に活きました。武士沢騎手の好騎乗です。3歳夏に同じ福島のラジオNIKKEI賞(G3)で12番人気ながら3着。それを含めて福島芝では[3−0−1−0]ですから小回りコースの鬼といえるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100939/



父ゴスホークケンは Storm Cat 系の Bernstein を父に持つ外国産馬で、現役時代に朝日杯フューチュリティS(G1)を制覇しました。斎藤誠調教師が米フロリダのトレーニングセールで選んだ馬です。朝日杯を勝ったあと、6歳まで走って一度も勝てずに終わったため、繁殖牝馬を集めるのに苦労しているのですが、少ないチャンスから重賞ウィナーを送り出したのですから見事です。ゴスホークケンのオーナーのバックアップによりマルターズヒートという優秀な繁殖牝馬(現役時代にフェアリーSを勝つ)を宛がわれたことが大きいですね。

Storm Cat 系×A.P.Indy 系という組み合わせに Roberto クロスを持っているので、切れ味よりもスピードの持続力で勝負するタイプであるのは容易に見て取れます。デビュー戦からすべて逃げ続けているという、いまどき珍しい馬です。

◎ダイワドレッサー(3番人気)は3着。ペースが遅いなかよく差してきました。小回りコースでは目が離せない馬です。




武蔵野Sはタガノトネール


2番手追走から直線入口で先頭に立った△タガノトネール(8番人気)が▲ゴールドドリーム(2番人気)以下を寄せ付けず、そのまま押し切りました。
https://youtu.be/PwQErur5_hE

勝ちタイム1分33秒8はレコードタイム。雨の影響が残る脚抜きのいい馬場だったとはいえ立派です。昨年のこのレースでハナ差2着に粘ったように相性のいいレースです。重賞は昨年のサマーC(Jpn3)に次いで2勝目。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010105768/



父ケイムホームはアメリカでホープフルS(G1)、サンタアニタダービー(G1)など12戦9勝。同国で種牡馬となり、5年間供用されたあと、08年から日本で種付けを開始しました。初年度は175頭の繁殖を集める人気でしたが、昨年は49頭に減っています。

JRAの重賞を勝ったのはサウンドリアーナ(ファンタジーS)に次いで2頭目。このほか、アメリカ時代に種付けをした持込馬のケイアイライジンがプリンシパルS(OP)を勝っています。

母の父キングカメハメハは、ディープインパクトとその全兄ブラックタイドと相性がよく、デニムアンドルビー(ローズS、フローラS)、タガノエスプレッソ(デイリー杯2歳S)、テンダリーヴォイス(フェアリーS−3着)と、タガノトネールを除いて重賞で馬券になった3頭はすべてこのパターンです。キングカメハメハは芝とダートの双方でG1馬を送り出しています。タガノトネールに続く馬はこれから増えてくるでしょう。

「Gone West×Clever Trick」という組み合わせのケイムホームは、やや底力に欠けるパワー型のアメリカ血統です。母タガノレヴィントンは、それとは対照的なイギリス血統 Hyperion(スタミナ、底力、成長力などを伝える)の強い影響を受けた血(Nureyev、トニービン、Terrble Tiger など)を大量に抱えており、父の弱点を補っています。

旧ブログ2011年7月8日のエントリー「配合的に見極めやすいケイムホーム産駒」に、「ケイムホームの2代母の父 Full Out は、Mill Reef、Riverman と相似な血の関係にあるので、このふたつの血とは相性がいいでしょう」「アメリカ時代の産駒を調べると、Graustark と His Majesty の全兄弟と好相性を示しています」と記しましたが、タガノトネールの母の父キングカメハメハには Mill Reef と Graustark が含まれているので、この2つを満たした配合パターンです。



6歳ですがセン馬なのでまだまだ元気に走り続けるでしょう。来年のフェブラリーS(G1)が脚抜きのいい馬場になったらおもしろいですね。

◎モーニン(1番人気)は7着。初めて背負う59kgと、馬群に揉まれてスムーズな競馬ができなかったことが敗因でしょう。時計勝負になると小さなロスが大きく響いてきます。チャンピオンズC(G1)では巻き返せるはずです。




デイリー杯2歳Sはジューヌエコール


好位のインを追走した○ジューヌエコール(2番人気)がゴール直前で逃げ粘るボンセルヴィーソ(8番人気)をクビ差とらえました。
https://youtu.be/gVytBcslASk

800m通過48秒4は、良馬場で行われた直近10回のデイリー杯のなかで3番目に遅い流れ。前残りとなって差し馬には厳しい競馬となりました。勝ち馬は折り合いを欠くことなくうまくレースを運び、これでデビュー以来3連勝。レースぶりの上手さも競走馬の能力の重要な要素です。スローペース専門の馬ではありませんが、似たような展開になれば同じように好走できるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106231/



母ルミナスポイントはダート短距離を中心に5勝を挙げた活躍馬で、ノーザンリバー(東京盃など重賞5勝)やノットアローン(ラジオNIKKEI賞−2着)の全姉、ランフォルセ(ダイオライト記念など重賞4勝)の半姉、モンローブロンド(ファンタジーS−2着)、アコースティクス(ダービー馬ロジユニヴァースの母)の半妹にあたる良血。

3代母 Sonic Lady は現役時代、ムーランドロンシャン賞(仏G1)、サセックスS(英G1)、愛1000ギニー(愛G1)を勝ったマイルの名牝。1歳下の Miesque があまりにも凄かったのでその存在が霞みがちですが、80年代後半のヨーロッパでは Nureyev 牝馬の二枚看板、といった感がありました。Sonic Lady は13歳の若さで死亡し、牝馬を2頭しか産まなかったので、その血を受け継ぐファミリーは貴重です。

全兄ルミナスウイングは、牡馬ということもあってパワーが前面に出たのか、ダート短距離で準OPまで出世しました。本馬は芝向きの素軽さを持っています。「クロフネ+サンデーサイレンス+Mr.Prospector」は安定感があります。

◎タイセイスターリー(1番人気)は8着。出遅れた上に終始外に行きたがるという気の難しさを見せ、競馬をしていません。能力はあると思うので立て直しに期待したいですね。




エリザベス女王杯はクイーンズリング


中団のインを追走した◎クイーンズリング(3番人気)が直線で馬群を割って抜け出し、内で粘るシングウィズジョイ(12番人気)をゴール直前でクビ差とらえました。
https://youtu.be/t4CDUDNIpMc?t=1m29s

1000m通過61秒8。良馬場で行われたレース史上3番目に遅く、ラスト1000m58秒5は2番目に速いものです。要するに、極端な後傾ラップとなったレースであり、クイーンズリングの上がり3ハロンはメンバー中最も速い33秒2でした(上がり2位は33秒5)。基本的には前残りの、位置取りで着順が決したレースですが、クイーンズリングは掲示板に載った馬のなかでは最も後ろに位置していたので、内容的には完勝だったと思います。

予想は◎だけ的中。予想文を転載します。

「◎クイーンズリングは『マンハッタンカフェ×アナバー』という組み合わせ。母アクアリングは仏1000ギニー馬トレストレラの半妹で、母の父アナバーはカルティエ賞最優秀スプリンターに輝いた名馬。アナバー産駒には「リヴァーマンのクロスを持つ産駒から大物が出る」という際立った配合的特徴がある。ゴルディコヴァ(カルティエ賞年度代表馬でG1を14勝)、アナバーブルー(仏ダービー)、トレヴィセ(凱旋門賞を2連覇したトレヴの母)、アナバンダナ(NZ2歳チャンピオン)、そして本馬の母アクアリングもこれに該当する。リヴァーマンは仏リーディングサイアーに二度輝いた名血で、中距離向きのスピードと瞬発力がセールスポイント。本馬はサンデーサイレンスとリヴァーマンに由来する瞬発力を武器とし、スローペースの上がり勝負となった前走の府中牝馬S(G3)で鋭い末脚を繰り出して3つめの重賞を制覇した。以前は感じられた線の細さは影を潜め、本格化を思わせる安定感がレースぶりから滲み出ていた。直線平坦の京都コースは得意としており、京都牝馬S(G3)を制しているほか、昨年の秋華賞(G1)では終始外を回りながらミッキークイーンにクビ差と迫る2着。昨年のエリザベス女王杯(G1)は8着だったが、直線で挟まれる致命的な不利を被りながら勝ち馬から0秒3差。スムーズなら勝ち負けに持ち込んでいたことは間違いない。前哨戦を一度叩いた臨戦過程も理想的で、今回はG1初制覇のチャンスだろう」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104105/



予想文に記したとおり、母アクアリングは Torrestrella(仏1000ギニー)の半妹。母の父 Anabaa はカルティエ賞最優秀スプリンターに輝いた名馬で、ジュライC(英G1・芝6f)とモーリスドゲスト賞(仏G1・芝1300m)を制しています。

Anabaa 産駒は Riverman クロスが成功しています。Goldikova(カルティエ賞年度代表馬でG1を14勝)、Anabaa Blue(仏ダービー)、Trevise(凱旋門賞を2連覇した Treve の母)、Anabandana(ニュージーランド2歳チャンピオン)などはこのパターンから誕生しています。
http://www.pedigreequery.com/goldikova



ドイツ牝系から誕生した Anabaa Blue を除く3頭、Goldikova、Trevise、Anabandana はいずれも Lyphard を併せ持っています。母アクアリングは Riverman クロスに加えて Lyphard を持っているので、Anabaa 産駒の成功パターンに合致しています。現役時代は新馬戦を勝っただけでその後はいいところなく終わってしまったのですが、配合的なポテンシャルの高さが繁殖牝馬として活かされたようです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102283/



2着シングウィズジョイもマンハッタンカフェ産駒なので、同産駒のワンツーフィニッシュです。この世代には他に、ルージュバック(毎日王冠)、アースライズ(フラワーC−2着)、ダノングラシアス(ファンタジーS−2着)、クインズミラーグロ(紫苑S)などがいます。

3着○ミッキークイーン(2番人気)は休み明けで完調ではなく、▲マリアライト(1番人気)は1コーナーで大きな不利がありました。競馬場、距離、直線の長さが違えば着順は入れ替わるはずです。




競馬道OnLine G1スペシャル予想〜エリザベス女王杯


3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2016−2017』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この秋もスプリンターズSから有馬記念まで栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想いたします。今週のエリザベス女王杯は栗山求の担当。有力馬分析は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できます。血統分析で取り上げた3頭がそのまま予想の順位となるわけではありません。よろしければご覧くださいませ。
http://www.keibado.ne.jp/sp2016/




ファンタジーSはミスエルテ


出遅れて後方に控えた○ミスエルテ(1番人気)が直線で外から伸び、逃げ粘るショーウェイ(12番人気)をとらえて重賞タイトルを手にしました。
https://youtu.be/aMiX7ee7uGk?t=14s

最内枠で出遅れたときは、1400m戦だけに厳しいと思ったのですが、外から楽々と突き抜けてしまいました。数字には表れない凄みがあったと思います。

デビュー戦でも感じたのですが、後肢のバネが他の馬と違うので、1頭だけ動く歩道の上を走っているかのような錯覚を覚えます。ディープインパクトに代表されるサンデー系の柔らかな切れ味とはまた別の、年長馬が1頭だけ混じっているかのような、体力の優位性を武器に他馬をねじふせている――といった感があります。フィニッシュラインを駆け抜けたときにふと思い出したのは、2つのG1を含めて重賞を5勝したファインモーションの姿です。デビュー戦から連戦連勝していたころはこんなレースぶりでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106174/



父 Frankel は英愛リーディングサイアー Galileo の最高傑作で、現役時代はイギリスのマイル路線を中心に走って14戦全勝。ワールドサラブレッドランキングでは史上最高の「140」というレーティングを獲得しています。
http://www.pedigreequery.com/frankel3



今年から走り始めた初年度産駒は好調で、レーシングポスト紙の集計によると、現時点における英愛ファーストシーズンサイアーランキングでは第3位。1位 Sir Prancealot は327走、2位 Helmet は149走しているのに対し、Frankel は62走と数が少なく、この点で劣勢を強いられています。ただし、62走して22勝を挙げているので勝率は35%、デビューした28頭中15頭が勝ち上がっているので勝ち上がり率は54%ときわめて優秀です。内容的にはナンバーワンといえるでしょう。

ミスエルテの他に、Queen Kindly(ロウザーS−英G2)、Fair Eva(プリンセスマーガレットS−英G3)、Frankuus(コンデ賞−仏G3)、Toulifaut(オマール賞−仏G3)が重賞を勝っています。イギリスの2頭はスプリンターで、フランスの2頭は9ハロンと8ハロンの勝ち馬ですからマイラー〜中距離馬です。ミスエルテを含めた5頭中4頭が牝馬ですが、まずは仕上がりの早い牝馬から目立つ産駒が出てきたという印象で、来年のクラシックが近くなれば Frankel の牡馬も話題に上ることでしょう。

新馬−アイビーS(OP)を連勝したソウルスターリングは、母スタセリタが仏オークス(G1)、ヴェルメイユ賞(G1)、フラワーボウル招待S(米G1)などフランスとアメリカで6つのG1を制した名牝。Frankel が「Galileo×デインヒル」という Northern Dancer 系の主流血統同士の組み合わせなので、母方の Monsun が異系色の強いドイツ血統であることは好感が持てます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105535/



ミスエルテの場合、母ミスエーニョがデルマーデビュタントS(米G1・AW7f)、ソレントS(米G3・AW6.5f)の勝ち馬。「Pulpit×ヘネシー×Saratoga Six」というパワー満点のアメリカ血統だけに、正直なところデビュー前は適性が見えづらく、日本の速い芝に対応できるのかどうか懐疑的でした。それだけに、芝1600mのデビュー戦で余裕綽々の勝ちっぷりを目の当たりにしたときには、いい意味でショックを受けました。Frankel は想像以上に凄い種牡馬かもしれない、と。

Frankel の父 Galileo は、先月行われた高速馬場の凱旋門賞でワン・ツー・スリーを決めたものの、日本に入ってきた産駒は鈍重さが否めず、日本でデビューした30頭のうちJRAで勝ち上がったのは半数以下のわずか12頭。ミスエルテ、ソウルスターリング級の産駒は見当たりません。Frankel は、2代父 Sadler's Wells、父 Galileo とは完全に別物といえます。馬体を見ると、母の父デインヒルにどんどん似てきており、とくに巨大なトモは特徴的です。ちなみに前出のファインモーションはデインヒル産駒です。

ノーザンファームは、ミスエルテの育成やデビュー戦で非凡さを認識したのか、凱旋門賞の直前にシャンティイで行われたアルカナアークセールで、オマール賞を含めて3戦全勝だった Frankel 産駒 Toulifaut を190万ユーロ(約2億1000万円)で落札ました。セリの翌日に行われたマルセルブサック賞(仏G1)では大外枠が響き、道中まったく伸びない外を回らされたあげく、直線で挟まれるという散々な競馬で8着。しかし、敗因がはっきりしているので評価を下げる必要はなく、オマール賞で見せた末脚は高い将来性を感じさせます。
http://www.pedigreequery.com/toulifaut



Frankel は高速馬場をこなす素軽さを秘めているので、たとえば「ディープインパクト×Frankel」の組み合わせは、「ディープ×Sadler's Wells」「ディープ×Galileo」に比べてはるかに日本向きの産駒を作りやすいでしょう。それを見越して、Frankel 牝馬はこれからどんどん輸入されることになると思います。

ミスエルテとソウルスターリングは、順調に行けば阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)で対決します。今年の2歳牝馬は豊作で、それ以外にも大物感あふれる馬がそろっています。きっとおもしろいレースになるでしょう。サンデー系VS Frankel 産駒は今後の日本競馬のテーマのひとつになりそうです。

◎ドロウアカード(5番人気)は6着。スローの独り旅を期待したのですが今回は行く気がなかったようです。




みやこSはアポロケンタッキー


勝負どころで外からマクった◎アポロケンタッキー(4番人気)が残り200mで抜け出し、△グレンツェント(1番人気)、△ロワジャルダン(7番人気)の追撃をクビ、3/4馬身抑えました。
https://youtu.be/1Yklz3fapqk?t=13s

△モンドクラッセ(5番人気)が後続を引き付けて逃げたため、ペースはややスロー。アポロケンタッキーはこのところ2000m以上のレースを使われ続けてきたので、ペースが速すぎると追走に手一杯になる懸念があったのですが、緩めのペースだったためマクる脚を温存できました。勝負どころで自ら動いていく得意のレース運びでライバルを一蹴しました。

予想は◎△△で馬単4030円、3連単4万2390円的中。予想文を転載します。

「◎アポロケンタッキーは『ラングフール×ゴーンウエスト』という組み合わせ。父ラングフールはダンジグ産駒で、日本では芝短距離で強かったダイワマックワン(ストロングリターンの半兄)のイメージがあるものの、アメリカではジャンバラヤ(アーリントンミリオン)、インターパテイション(ターフクラシック招待S)などスタミナタイプが目立つ。母方にミスタープロスペクター、セクレタリアト、デピュティミニスター、ホイストザフラッグといったハイスペックな名血が入り、3代母スリンキーレディはリボーを3本抱えている。底力と成長力を感じさせる配合構成で、まだまだ強くなる余地を残していると思われる。休み明けだった前々走のシリウスS(G3)は、1着マスクゾロ、2着ピオネロが内ラチ沿いぴったりを回ったのに対し、この馬は終始外を回らされる距離ロスがあった。それでいて勝ち馬からクビ、アタマ差の3着。負けて強しの内容だった。1番人気に推された前走のブラジルC(OP)は8着と惨敗したが、おそらく57.5kgのトップハンデに加えて2走ボケもあったのだろう。今回は距離短縮となるが、前走で少し掛かり気味だったのでむしろ吉と出るのではないか。このメンバー相手に56kgは恵まれた」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012110098/



前走のブラジルCは、この馬の実力からするとまったく競馬をしていないので、力を出せない何らかの事情があったと見るべきでしょう。予想文に記したとおり2走ボケとトップハンデが原因ではないかと思います。

父 Langfuhr は現役時代、メトロポリタンH(米G1・ダ8f)、カーターH(米G1・ダ7f)、ヴォスバーグH(米G1・ダ7f)などを制しています。7ハロンがベストのスピードタイプでしたが、種牡馬としては Danzig 系らしく距離の融通性があり、Jambalaya(アーリントンミリオン)、Interpatation(ターフクラシック招待S)など中距離を問題なくこなすタイプを出しています。Nearctic 3×3なので、Wild Again(Nearco 3×4、Hyperion 4×3)に似たイメージで、芝はOKですがスパッと切れる脚はありません。

母は Mr.Prospector、Deputy Minister といった優れた骨格を持ち、3代母 Slinkylady は Ribot を3本抱えています。このあたりが中距離向きの大物感を感じさせる部分で、ダート馬としてさらにもうワンランク上に行けるのではないかと思います。

560kgという巨漢で、なおかつスタミナがあり、マクるレースができます。地方競馬で行われる中長距離重賞では相当やれるはずです。




京王杯2歳Sはモンドキャンノ


中団を追走した△モンドキャンノ(3番人気)が直線で外から豪快に脚を伸ばし、先に抜け出した◎レーヌミノル(1番人気)を半馬身とらえました。
https://youtu.be/4O2-8JQjq7k?t=17s

レーヌミノルはスローペースの2番手からソツなく抜け出し、それに3馬身差をつけられた後続馬群は力負けという内容。勝ち馬はこの馬群から1頭だけ違う脚いろで伸びて差し切ったわけですから、今回のメンバーのなかでは一枚上の実力を示したといえるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106235/



父キンシャサノキセキ、母の父サクラバクシンオーはいずれもスプリントG1の勝ち馬。母レイズアンドコールはアイビスサマーダッシュ(G3)3着馬。スピードに秀でた馬同士を掛け合わせて、期待どおりにスピード馬が誕生しました。

スピード馬同士を掛け合わせても、それを定着させるのは案外難しいものです。スプリンターの配合で重要なのは、隠し味にスタミナを入れることであり、逆にステイヤーの配合で重要なのは、隠し味にスピードを入れることです。父キンシャサノキセキの母の父はスタミナ型の Pleasant Colony、母の父サクラバクシンオーの母は天皇賞・春や有馬記念を勝ったアンバーシャダイの全妹です。

2代母モーリストンベルの父 Herat はダート10ハロンの米G2を勝ったスタミナタイプ。これがスピードを定着させた隠し味ではないかと思います。函館2歳S(G3)から大きな成長を見せました。血統的に距離が延びるのはマイナスですが、1200〜1400mならこの先も大いに楽しめそうです。

◎レーヌミノル(1番人気)は何の不利もなく自分の力を出し切りましたが、ゴール前で差されてしまいました。今回は勝ち馬を褒めるべきでしょう。

予想はマルチ設定だったので、△◎△で馬単2580円、3連単1万6080円的中です。




アルゼンチン共和国杯はシュヴァルグラン


中団を追走した▲シュヴァルグラン(2番人気)が残り200mで抜け出し、○アルバート(4番人気)の追撃を半馬身抑えました。
https://youtu.be/dYORRei0ep8

1100m通過69秒1は、過去10年間のうち良馬場で行われた9回のなかで最も遅いタイム。したがって、レースの上がり3ハロンは11秒7−11秒1−11秒4と速く、完全な決め手勝負となりました。シュヴァルグランがこうしたレースに強いというイメージはなかったのですが、このメンバーのなかでは地力が一枚上だったということでしょう。58kgのトップハンデを背負ってこのレースぶりは完勝といえるものです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104759/



ヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル2回、クイーンC)とヴィブロス(秋華賞)の4分の3兄弟で、フレールジャック(ラジオNIKKEI賞)とマーティンボロ(新潟記念、中日新聞杯)の甥にあたります。ハルーワスウィートの子はすべて佐々木主浩さんの所有馬です。

ハルーワソング(f.1996.Nureyev)
  ハルーワスウィート(f.2001.Machiavellian)
  │ ヴィルシーナ(f.2009.ディープインパクト)
  │ シュヴァルグラン(c.2012.ハーツクライ)
  │ ヴィブロス(f.2013.ディープインパクト)
  フレールジャック(c.2008.ディープインパクト)
  マーティンボロ(c.2009.ディープインパクト)

前走の宝塚記念(G1)は、コンディションの悪い馬場の内側を走らされる不利があり、また距離短縮もこの馬には向かなかったと思います。

父ハーツクライは優れた長距離適性を伝える種牡馬で、芝3000m以上では他の追随を許しませんが、芝2500mでも連対率30.2%と優れた実績を残しており、当該距離の重賞に限ると連対率36.0%とさらに数字が上がります。当レースは14年のフェイムゲームに次いで2勝目となります。ハーツクライ産駒らしい成長力でここにきて本格化しています。姉ヴィルシーナ、妹ヴィブロスと同じくG1ウィナーになれるでしょうか。有馬記念(G1)や天皇賞・春(G1)が楽しみです。

◎モンドインテロ(1番人気)は4着。内から馬群を割って伸び掛かったものの、坂を上がってから脚が止まってしまいました。まだこのメンバー相手には荷が重いのでしょう。成長を待ちたいと思います。




北海道2歳優駿はエピカリス


ダッシュよくハナに立ったエピカリス(1番人気)が後続を大差にちぎって逃げ切りました。2着ヒガシウィルウィン(4番人気)とのタイム差は2秒4。デビュー以来これで3連勝です。
https://youtu.be/gn3_aQbiyeY?t=16s

月曜と火曜は北海道に滞在していたのですが、スケジュールの都合上、火曜夜のこのレースを観ることなく東京に帰ってしまいました。重賞でこれだけ差が付くレースは滅多に見られないので、もう1泊すべきだったかと後悔しています。

古い話で恐縮ですが、わたしが地方の競馬場で観戦した重賞のなかで大差勝ちとなったものを挙げると、ホクトベガのエンプレス杯(95年・川崎競馬場・3秒6差)、マルシンヴィラーゴの全日本アラブ争覇(92年・川崎競馬場・2秒4差)あたりでしょうか。もっとあったかもしれませんが、この2レースは印象が強烈でした。レギュラーメンバーのダービーグランプリ(00年・盛岡競馬場・2秒1差)は現地に行っていません。

エピカリスが強いということは、新馬戦(ダ1800m)を6馬身差、プラタナス賞(ダ1600m)を7馬身差で勝ったレースぶりからも明らかで、今回は単勝100円の元返しでした。実況アナウンサーが「これほどまでに強いのか」と叫んでいましたが、まったく同じ感想ですね。相手関係もあったのかもしれませんが、これほどの差をつけるとは思いませんでしたし、ゴール前は流す余裕がありました。

デビュー前から配合的に高く評価してきた馬で、1歳の夏に血統屋の『一口馬主好配合馬ピックアップ2015』で推奨しました。推奨コメントは以下のとおり。

「メイショウナルト(小倉記念、七夕賞)の4分の3弟。父はハーツクライからゴールドアリュールに替わりました。母方にマルゼンスキーが入るゴールドアリュール産駒は信頼性が高く、フーラブライド(中山牝馬S、愛知杯)、タケミカヅチ(ダービー卿CT)、トウカイパラダイス(大阪杯−2着)、トップカミング(日経新春杯−2着)などが出ています。連対率21.8%、1走あたりの賞金額268万円は、ゴールドアリュール産駒全体の17.0%、150万円を大きく上回っています。ダートに強い種牡馬でありながら、芝・ダートほぼ同じぐらいの成績を残しているというのがこの配合の特長。母の父カーネギーは『Sadler's Wells×Riverman』なので、父の代表産駒の1頭クリソライト(ジャパンダートダービーなど重賞3勝)の母クリソプレーズを彷彿させます。芝・ダートどちらでも行けるタイプで、中距離がベストでしょう」

キャロットクラブの募集価格は3600万円。お買い得でしたね。父ゴールドアリュールの代表産駒であるスマートファルコン、エスポワールシチー、コパノリッキーのような大物になりそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014103121/



配合については推奨コメントに書いたのでとくに付け足すことはありません。マルゼンスキーを抱えたゴールドアリュール産駒の大物は、芝でも走れるタイプが多く、しかもメイショウナルトの4分の3弟という血統的裏付けもあります。芝路線に転向してもそれなりに走れるのではないかと思います。ただ、芝向きの決め手はなさそうなので乗り方に工夫が必要でしょう。

母の父カーネギーはモーリスに続いて大物を出しました。母子2代で凱旋門賞を制覇を達成した良血馬でしたが、種牡馬としてはもうひとつで、カーネギーダイアン(青葉賞)とホオキパウェーブ(オールカマー、青葉賞−2着)を出したことから青葉賞血統とも言われました。スピードが乏しく、かといってダートは苦手というタイプだったので、活かし方が難しい血でした。しかし、超良血だけあって、母方に潜ってその良さが引き出されると、大物が誕生しています。

ドバイへ行くのか、ケンタッキーダービーを目指すのか、それとも国内で走り続けるのか、馬の状態次第だとは思いますが、注目したいですね。






プロフィール

カレンダー

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>

最近の記事

カテゴリー

アーカイブ

recent comment

  • ジャパンCはシュヴァルグラン
    ゆーな
  • ジャパンCはシュヴァルグラン
    Y子
  • ラジオNIKKEI第1「枠順確定!ジャパンカップ大展望」出演
    ゆーな
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」で栗山がキャロットを10頭ピック
    栗山求
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」で栗山がキャロットを10頭ピック
    ボリュー
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」で栗山がキャロットを10頭ピック
    栗山求
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」で栗山がキャロットを10頭ピック
    ボリュー
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」で東サラを4頭ピック
    栗山求
  • 「一口馬主好配合馬ピックアップ」で東サラを4頭ピック
    匿名希望
  • 山野浩一さん死去
    Horses_BERG

recent trackback

LINK

検索

携帯

qrcode