パーフェクト種牡馬辞典


セントウルSはビッグアーサー


ハナを切った◎ビッグアーサー(1番人気)がマイペースに持ち込み、中団から脚を伸ばした△ネロ(2番人気)に1馬身差をつけて逃げ切りました。
https://youtu.be/I-ET3HemDbk?t=18s

マイペースといっても、前半3ハロン33秒1は過去10年で2番目に速く、58kgの別定重量を背負っていたことを考えると高く評価できる内容です。デビュー以来初めて逃げの手に出たのですが、若駒ではなく歴戦の古馬ですから、次走以降に行きたがる癖がつくということもないでしょう。いちばん強い馬が、他の馬のレースプランに合わせるのではなく、自らレースを作って堂々と勝つという気持ちのいい競馬でした。春以降の充実ぶりが際立っています。次走のスプリンターズS(G1)も楽しみです。

予想は◎△で馬単840円的中。予想文を転載します。

「◎ビッグアーサーは『サクラバクシンオー×キングマンボ』という組み合わせ。エルコンドルパサー、ヘンリーザナヴィゲーター、ディヴァインプロポーションズ、ヴァージニアウォーターズなどと同じく、母シヤボナは『キングマンボ×サドラーズウェルズ』のニックスから誕生した。ヨーロッパ的な重厚さ、底力、成長力を感じさせる血統で、父サクラバクシンオーに欠けているものを母方から補っている。前走の高松宮記念(G1)は1分06秒7のレコード勝ち。時計だけでなく内容的にも高く評価できるものだった。母方から伝わる成長力によっていよいよ本格化した感があり、この秋は期待どおりスプリント路線の主役を務めるだろう。デビュー以来11戦して馬券圏内を外したのは一度だけ。5着と敗れた前々走のシルクロードS(G3)は、中間にフレグモーネで4日間稽古を休んだことも影響した。今回は休み明けで58kgを背負うので決して楽ではないが、高松宮記念と同じく好位でレースを進めることができれば、地力の高さから考えて馬券圏内を外すことは考えづらい。芝1200mの持ち時計はナンバーワンで、開幕週の時計勝負は望むところだ」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103328/



血統解説は、3月28日のエントリー「高松宮記念はビッグアーサー」から転載します。

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父サクラバクシンオーは、ショウナンカンプ、グランプリボスに続いて3頭目の平地G1勝ち馬を送り出しました。49年前の1967年に輸入されたテスコボーイを祖とする内国産のサイアーラインが現代まで逞しく生き残り、G1馬を誕生させる光景は感動的です。

現役時代のサクラバクシンオーは1400m以下で12戦11勝。スプリンターズS(G1・芝1200m)を2連覇したほか、日本史上初めて芝1400mで1分20秒の壁を破りました(1分19秒9=94年スワンS)。母サクラハゴロモも、サクラバクシンオー自身も、POGの指名馬だったので、個人的に深い思い入れがあります。

バブル期を境に、わが国に輸入される馬の質がグンと上がり、それまで栄えていた血統は劣勢に立たされるようになりました。父系においても牝系においても同様です。血統がどんどん更新されていったわけです。輸入馬の代表格であるサンデーサイレンスは、1991年に種牡馬入りし、日本の生産界の風景を根本から変えてしまいました。ただ、芝向きの中距離タイプだったため、芝1000〜1200mのカテゴリーにはその支配力が及ばず、サクラバクシンオーは生息域を侵されずに済み、生き残ることができました。

種牡馬として Nijinsky やチャイナロックと好相性を示したのは、スタミナや重厚さといった自身に足りない要素を補うことができたからでしょう。当ブログで何度も指摘しているように、スプリンターは優れたスタミナ血統を抱えていることが重要で、それが持続力の担保となります。カレンチャンの母スプリングチケットは「トニービン×マルゼンスキー」という重厚な血統で、エリザベス女王杯にも二度出走しています。ロードカナロアは母方に Ribot 系の Cormorant が入り、Graustark=His Majesty 6×4です。

ビッグアーサーの母シャボナは「Kingmambo×Sadler's Wells」。これはエルコンドルパサー(ジャパンC、サンクルー大賞、NHKマイルC)をはじめ、Henrythenavigator(英・愛2000ギニー)、Divine Proportions(仏1000ギニー、仏オークス)、Virginia Waters(英1000ギニー)など多くの名馬が誕生したニックスで、Nureyev≒Sadler's Wells 3×2がその鍵です。重厚さを前面に出すタイプのクロスなので、日本の軽い馬場には必ずしもフィットしていないのですが、本馬にはそうした面がまったく見られず、底力と持続力の担保として消化しています。このあたりがサクラバクシンオーの偉大さでしょう。

3代母 Reloy はサンタバーバラH(米G1・芝10f)、サンタアナH(米G1・芝9f)の勝ち馬で、ヴェルメイユ賞(仏G1・芝2400m)2着。4代母 Rescousse は仏オークス馬で凱旋門賞(仏G1)2着。牝系の質も素晴らしいので、将来種牡馬となっても楽しみです。
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ビッグアーサー、ロードカナロア、シュウジ、アクティブミノルなどは Kingmambo を抱えています。スピードの持続力に大きな役割を果たしています。




マカヒキ、ニエル賞(仏G2)を制す


9月11日、仏シャンティイ競馬場で行われたニエル賞(仏G2・芝2400m)は、3番手追走から直線で脚を伸ばした1番人気のマカヒキがクビ差で快勝しました。タイムは2分35秒84(馬場状態:GOOD)。
https://youtu.be/TndijffWXyU

ルメール騎手によれば「70〜80%のデキ」。超スローペースだったので前に行った馬にも余力があり、最後は猛烈な上がり勝負となりました。着差はわずかでしたが、この競馬では差がつかなくて当然でしょう。エルコンドルパサーがクビ差で勝った99年のフォワ賞(G2)を思い出しました。シャンティイの馬場に戸惑うことなくしっかり走れていたことが大きく、これからの3週間で上積みが見込めるので、本番では十分勝ち負けに持ち込めるはずです。

着差がわずかだったので、レース後、ブックメーカーの人気はさほど上がらず、むしろ下がるところも見られます。いい馬券になるような気がします。今年は有力馬がさまざまなルートで本番に向かっているので、予想が楽しく、また難しいですね。いまのところ Postponed、Almanzor、La Cressonniere あたりが人気の中心ですが、伏兵陣にもおもしろい馬がそろっており、展開ひとつ、馬場ひとつで着順は大きく変わりそうです。

順調に本番を迎えることが何より大事なので、マカヒキ陣営にはあと3週間、なんとか頑張っていただきたいものです。




新潟記念はアデイインザライフ


後方から大外に回した▲アデイインザライフ(2番人気)が鮮やかに突き抜け、◎アルバートドック(1番人気)に3/4馬身差をつけて快勝しました。
https://youtu.be/0VUw5L6QWOs?t=11s

弥生賞(G2)と京成杯(G3)で3着となるなど、早くから素質を示してきた馬ですが、超大型馬(今回の馬体重は560kg)であるせいか本格化に時間を要し、5歳夏にして初の重賞制覇となりました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103692/



「ディープインパクト×サクラバクシンオー」はブランボヌール(キーンランドC、函館2歳S)と同じで、「ブラックタイド×サクラバクシンオー」の組み合わせからはキタサンブラック(天皇賞・春、菊花賞)が出ています。ブラックタイドはディープインパクトの全兄なので配合構成はほぼ同じです。



母ラッシュライフは現役時代、重賞こそ勝てませんでしたが、函館2歳S(G3)とファンタジーS(G3)で2着となった活躍馬で、その父サクラバクシンオーの代表的なニックスであるニジンスキーとチャイナロックを併せ持つ好配合馬です。

ディープインパクトと Aureole は相性抜群で、この組み合わせからトーセンラーとスピルバーグの兄弟をはじめショウナンアデラ、カミノタサハラ、ヴァンセンヌなど多くの活躍馬が出ています。Aureole がディープインパクトの5代母 Hypericum と4分の3同血であることが理由として考えられます。



Hypericum は Aureole だけでなくチャイナロックとも配合構成が酷似しています。したがって、「ディープインパクトと Aureole」と同じように「ディープインパクトとチャイナロック」の関係も優れています。



少ないサンプルからヴァンセンヌ(東京新聞杯)、ヤマノウィザード(青葉賞−3着)、ベストクローン(準OP)などの活躍馬が出ており、本馬もこれに該当します。連対率32.2%、1走あたりの賞金額437万円は、ディープインパクト産駒全体の24.2%、332万円を大きく上回ります。

3歳時、中山の重賞で豪快なマクリを披露していたころは、「サクラバクシンオー×デインヒル」の母ラッシュライフの影響を受けて小回り向きなのかなと考えていたのですが、いまや小回りコースも直線の長いコースも関係なく走っています。速い脚が一瞬しか使えないタイプではなく、ある程度長く使えるのがいいですね。

いまが充実期で、まだまだ強くなる馬でしょう。コースを問わず走れるタイプなので今後が楽しみです。

◎アルバートドック(1番人気)は2着。勝ち馬より3kg重い58kgのハンデだったことを考えれば強い内容だったと思います。こちらも秋に向けて視界良好です。

予想はマルチ設定だったので、▲◎△で馬単3700円、3連単5万9970円的中です。




小倉2歳Sはレーヌミノル


3〜4コーナーの中間でじわっとハナに立った○レーヌミノル(1番人気)が直線で後続を引き離し、ダイイチターミナル(10番人気)に6馬身差をつけて圧勝しました。
https://youtu.be/RoHLKfiEego?t=19s

「6馬身差」はメイショウボーラーが03年に記録した5馬身差を上回るレース史上最大の着差。2歳重賞全体に範囲を広げても稀なものであり、86年以降の30年間では、87年の阪神3歳S(G1)でサッカーボーイが記録した8馬身差には及ばないものの、97年の京成杯3歳S(G2)でグラスワンダーが記録した6馬身差と並んで第2位に相当するものです(85年以前でこれ以上の記録は、76年の朝日杯3歳Sにおけるマルゼンスキーの大差勝ちなどいくつかあります)。

着差だけでなく、勝ちタイムの1分08秒0はレースレコードにコンマ1秒と迫る優秀なもの。当面、2歳牝馬戦線はこの馬を中心に回っていくことになりそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105043/



ダイワメジャーはこれまでに2歳重賞の勝ち馬を5頭出ていますが、そのうちの4頭は牝馬です。昨年の2歳牝馬チャンピオンに輝いたメジャーエンブレムも同産駒です。ディープインパクトの6連覇を阻んで昨年の2歳種牡馬チャンピオンに輝いたように2歳戦の強さには定評があり、とくに牝馬は2歳重賞の70%以上を占める1200〜1600mのレンジに適性を示しているので、この条件では軽視できません。

軽く仕掛けた程度のデビュー戦(芝1200m)が1分09秒3という出色の時計だったので、特別戦で活躍した馬たちを差し置いて1番人気に推されたのですが、その評価は間違っていませんでした。

母が「タイキシャトル×ロイヤルスキー×テスコボーイ」という気のいいタイプで、2代母プリンセススキーは10番人気でラジオたんぱ杯3歳牝馬S(G3)を勝った仕上がり早のスピード血統。そのせいか、兄弟は初戦に強いものの2戦目がイマイチ、というタイプが多いため、◎を打てませんでした。兄姉とは馬のデキが違いましたね。

昨年の2歳女王メジャーエンブレムは、母の父が Sadler's Wells 系のオペラハウス。ここから成長力と底力を受けていました。本馬にはそうした血が入らず、Halo 3×4という素軽いクロスが施されています。マイルまでは守備範囲とはいえ、ベストは芝1200〜1400mでしょう。

◎クインズサリナ(2番人気)は6着。向正面で他馬にぶつけられる不利が大きかったようです。配合的にいいものを持っているので巻き返せるはずです。




ディープインパクト産駒 Akihiro がシェーヌ賞(仏G3)制覇


海外に渡ったディープインパクト産駒の2歳世代は、とりあえず確認が取れている限りでは以下のとおり。

母バーマ
母ピーピングフォーン
母メイビー
母ケイアイガーベラ
母シャムロッカー
母ミュージカルウェイ
母ラヴアンドバブルズ
母ルンバブギー

この他、母メイデイローズはセレクトセールでカタールのファハド・アルターニ殿下が落札したので、日本でデビューしない可能性も考えられます。

海外に渡った馬は、(1)セレクトセールで買われたもの、(2)海外のオーナーが繁殖牝馬を日本に送り込んでディープインパクトと種付けをしたもの、この2パターンに分かれます。(2)については、アイルランドへ渡ったウオッカの子が日本で走るのと同様に、生まれた子は基本的に本国に戻して走らせることになります。バーマ(ヴェルテメール兄弟)、ピーピングフォーン(クールモア)、メイビー(クールモア)はこれに該当します。

1頭や2頭でななく、選りすぐりの良血馬8頭が海外で走るわけですから、来年のヨーロッパのクラシックではディープインパクト産駒が大活躍するシーンが見られるのではないか、といった話はイベントでもお話ししました。そして、それが現実のものになろうとしています。

9月8日、フランスのシャンティイ競馬場で行われたシェーヌ賞(G3・芝1600m)は、日本生まれのディープインパクト産駒 Akihiro(1番人気)が勝ちました。勝ちタイムは1分38秒12(馬場状態:GOOD)。序盤は後方に控え、直線で追い出すと逃げる High Alpha を残り100mでとらえて1馬身差をつけました。
https://youtu.be/GPaDIkOT_CM

ディープ産駒の国外調教馬としては3頭目の重賞勝ち馬(他の2頭は Beauty Parlour、Aquamarine)。日本調教馬を含めれば8頭目の海外重賞勝ち馬です。

母バーマは、フランスを代表するオーナーブリーダーであるヴェルテメール兄弟(ヴェルトハイマー兄弟)がディープインパクトの種を求めて日本に送り込んできた繁殖牝馬です。現役時代にオマール賞(仏G3・芝1600m)で2着という成績がありますが、注目すべきはその血統です。
http://www.pedigreequery.com/akihiro



母の父 Anabaa はカルティエ賞最優秀スプリンターに輝いた名馬で、ジュライC(英G1・芝6f)とモーリスドゲスト賞(仏G1・芝1300m)を制しています。

Anabaa 産駒は Riverman クロスが成功しています。Goldikova(カルティエ賞年度代表馬でG1を14勝)、Anabaa Blue(仏ダービー)、Trevise(凱旋門賞を2連覇した Treve の母)、Anabandana(ニュージーランド2歳チャンピオン)、アクアリング(クイーンズリングの母)などはこれに該当します。

Akihiro の母バーマはこのパターンで、なおかつ凱旋門賞など3つのG1を制した女傑 Gold River の牝系なので、Goldikova と配合構成がよく似ています。バーマも Goldikova もヴェルテメール兄弟の所有馬です。



Gold River といえば Goldneyev の母で、同馬はミッキークイーン(オークス、秋華賞)の母の父 Gold Away の父でもあります。バーマと Gold Away は配合構成がよく似ているので、Akihiro とミッキークイーンもよく似ています。



Anabaa は、ディープインパクトと相性がいい Danzig と Vaguely Noble 系の組み合わせ。さらに、その母 Balbonella を3代母に持つショウナンアデラ(父ディープインパクト)が2歳牝馬チャンピオンに選ばれたことからも、父との相性は申し分ないと考えられます。ただ、日本における Anabaa 産駒の繁殖牝馬はアクアリングぐらいしか見当たらないのは寂しいかぎりです。2代母の父に Anabaa を持つディープインパクト産駒の2歳馬ダブルバインド(母ラッシュラッシーズ)は「栗山ノート」と「ディープインパクト産駒好配合馬ピックアップ」で取り上げましたが、果たしてどうなるでしょうか。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106199/



Akihiro がクラシック戦線で活躍するようなら、ヴェルテメール兄弟が日本に Goldikova を送り込んでくる、という可能性もありそうです。もしディープインパクトと交配して牡馬が誕生し、競走馬として成功したら、将来種牡馬となったときに恐ろしい存在となりそうです。



Akihiro はこのあと、来年のクラシックを見据えて休養に入りそうな雲行きですが、2歳時にもう1走するなら、凱旋門賞の当日に行われる2歳ナンバーワン決定戦ジャンリュックラガルデール賞(仏G1・芝1600m)になりそうです。今年も凱旋門賞の取材をする予定なので、個人的には出てきてほしいところです。




新潟2歳Sはヴゼットジョリー


中団を追走した▲ヴゼットジョリー(3番人気)が残り200mで先頭に立ち、外から差を詰めたオーバースペック(6番人気)を1・1/4馬身抑えました。
https://youtu.be/7qLNAer-IvY?t=16s

“芝外回り1600m”という2歳夏の若駒にとってタフな条件のレースですが、牝馬が頑張るレースで、ヴゼットジョリーを含めて過去10年間で牝馬が5勝を挙げています。他の4頭、ハープスター、マイネイサベル、シンメイフジ、エフティマイアは、このレースがピークだったわけではなく、その後に出走した重賞でも連対を果たしているので、ヴゼットジョリーも同様の活躍が見込めるでしょう。社台レースホースの所属馬が2歳重賞を勝ったのは13年11月のイスラボニータ以来約3年ぶりです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105655/



父ローエングリンの現2歳世代は、ちょうどロゴタイプ(皐月賞、安田記念)、ゴットフリート(朝日杯FS−3着、共同通信杯−2着)の活躍を受けて種付けが行われた世代なので、前年に比べると産駒数が約6倍に増加しています。『競馬王のPOG本 2016ー2017』の「栗山ノート」には「ロゴタイプ効果で15頭から87頭に増えたローエングリンは注目してみたい」と記したのですが、2歳夏の重賞で早くも結果を出しました。

ローエングリンはなんといってもサンデーサイレンス牝馬との相性が抜群です。「ローエングリン×サンデー」は連対率25.6%、1走あたりの賞金額559万円で、ローエングリン産駒全体の11.0%、132万円を大きく上回っています。前出のロゴタイプ、ゴットフリートもこの組み合わせで、この2頭以外で重賞の掲示板に載ったサヴァーレ(ファンタジーS−4着)もそうです。

ヴゼットジョリー、ローエングリン、ゴットフリート、サヴァーレのうち、ゴットフリートを除く3頭は社台ファームの生産馬。父ロゴタイプが社台ファームの生産馬だったので、同代表の吉田照哉さんは牧場の牝馬にローエングリンを積極的に交配しています。そのため、生産頭数が多く、活躍馬も多く出ています。

ロゴタイプゴットフリートの牡馬2頭は、2代母がアメリカ血統(スターバレリーナ、マチカネササメユキ)。サヴァーレとヴゼットジョリーの牝馬2頭は、2代母がフランス血統(ミスベルベール、フェンジー)で、いずれも Lyphard を抱えています。牡と牝で産駒の出方が違うところなのかもしれません。

ヴゼットジョリーの2代母フェンジーは「Saumarez×Lyphard」なので、英ダービー馬 Authorized(バンデの父)の母 Funsie と同じ組み合わせです。重厚なヨーロッパ血統なので、スピードの出る新潟芝への適性が心配だったのですが、問題なく対応しました。ローエングリン自身がそうであったように、産駒はどちらかといえば小回りコースのほうがいいのですが、この馬はトビが大きいので、広くて直線の長いコースは合っていると思います。

◎キャスパリーグ(4番人気)は5着。もうひと押しが足りなかったのは現状の実力でしょう。この先の成長を期待したいですね。




8月27、28日の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報


■『2012〜13年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で栗山求が推奨したタイセイドリーム(牡6歳)が土曜新潟8Rの新潟ジャンプS(J・G3・芝3250m)を勝ちました。コメントは以下のとおり。

○タイセイドリーム(牡・母モアザンベスト)
母は芝短距離で4勝を挙げた。父は基本的にこうしたタイプと相性がよく、ニックスの関係にある Rahy が入るのも好ましい。「ディープ×Giant's Causeway」といえばグロット賞(仏G3・芝1600m)を勝った Beauty Parlour と同じ。それに比べると本馬はスピード方面に傾いた配合構成だ。手堅く走り、なおかつ大レースでも信頼できる。(栗山)

■『望田潤のPOG好配合馬リスト2016』で望田潤が推奨したヴァナヘイム(牡2歳)が日曜小倉5Rの新馬戦(芝1800m)を勝ち上がりました。コメントは以下のとおり。

○ヴァナヘイム(牡、母グルヴェイグ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105907/
ドゥラメンテ=アドマイヤセプター(キングカメハメハ×サンデーサイレンス×エアグルーヴ)と7/8同血で、ルーラーシップ(キングカメハメハ×エアグルーヴ)と3/4同血。キングカメハメハ×エアグルーヴはHornbeam≒パロクサイドのニアリークロスになり、そこにSpecialとMill Reefも絡んでナスペリオン的な野太い斬れを表現する。(望田)

■『2015〜16年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で望田潤と栗山求がダブル推奨したアフェクテューズ(牡3歳)が土曜新潟6R3歳未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。コメントは以下のとおり。

◎アフェクテューズ(牡・母オールウェイズウィリング)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013100321/
全姉ショウナンアデラは昨年◎推奨。母オールウェイズウィリングは Anabaa(Treve やクイーンズリングの母父)の姪で、Northern Dancer 4×4、Sir Gaylord 5×5、Searching≒Better Self 6×6など密な父母相似配合。母父 Elusive Quality は Rossini(サトノクラウンの母父)の3/4兄で Gone West 系ながら底力も秘める。Gone West が強いマイラー体型だが、大型でパワー体質で非力さは微塵も感じない。(望田)

◎アフェクテューズ(牡・母オールウェイズウィリング)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013100321/
阪神ジュベナイルフィリーズを制して2歳牝馬チャンピオンに輝いたショウナンアデラの全弟。同馬に続いて2年連続の指名となる。2代母 Always Loyal は仏1000ギニーの勝ち馬、3代母 Balbonella はロベールパパン賞の勝ち馬と、代々フランスの大レースを制してきた名牝系。Always Loyal の半兄 Anabaa は全欧チャンピオンスプリンターで、Goldikova の父としても知られている。Anabaa の半兄 Key of Luck は本邦輸入種牡馬アラムシャーの父。活力のあるファミリーだ。本馬の母オールェイズウィリングは父と相性のいい Mr.Prospector と Nureyev の組み合わせに加え、Vaguely Noble を持っている。Alzao≒Touch of Greatness 3×3もおもしろい。姉は脚部不安に悩まされているが、弟にはこの懸念がないことを祈りたい。(栗山)

■土曜札幌8R500万下 マイネルプロンプト(一口・望田&栗山)
■土曜小倉11R釜山S グレナディアーズ(一口・栗山)




キーンランドCはブランボヌール


中団から外を回って追い上げた◎ブランボヌール(2番人気)が直線で鋭く脚を伸ばし、逃げた○シュウジ(1番人気)をゴール前で半馬身とらえました。
https://youtu.be/dcMClU7iCOk?t=10s

馬体重は前走比+20kg。NHKマイルC(G1)に出走した際は、腹回りが寂しく華奢に映りましたが、3ヵ月半ぶりに姿を現した今回は、トモのボリュームが増して身体全体がしっかりしてきました。昨年夏の函館2歳S(G3)を思い出させる鮮やかな末脚でした。短距離戦と洋芝に対する適性の高さを感じます。

予想は◎○△で馬単2020円、3連単1万550円的中。予想文を転載します。

「◎ブランボヌールは『ディープインパクト×サクラバクシンオー』という組み合わせ。母ルシュクルはファルコンS(G3)3着馬で、2代母アジアンミーティアはアンブライドルズソングの全妹にあたる良血。4分の3同血(父が同じで母同士が親子)に新潟大賞典(G3)を勝ったダコールがいるほか、2歳牡馬チャンピオンのダノンプラチナ(朝日杯FS、富士S)は『ディープインパクト×アンブライドルズソング』なので配合構成が酷似している。血統的なポテンシャルは高い。ディープインパクト産駒は札幌芝1200mで連対率29.4%と優れた成績を挙げており、2年前の当レースでは同産駒のレッドオーヴァルが2着となっている。本馬は母の父がサクラバクシンオーなのでスプリンター寄りの適性の持ち主。前走のNHKマイルC(G1)6着は、勝ち馬からわずか0秒3差で、適性を超えた距離だったことを考えれば強い内容だった。同じ洋芝で行われた昨年夏の函館2歳S(G3)は後続を3馬身半ちぎる圧勝。今回はそれ以来となる1200m戦だけに楽しみが大きい。51kgなら突き抜ける」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013101835/



母方に Unbridled を持つディープインパクト産駒はニックスで、連対率32.5%、1走あたりの賞金額564万円は、ディープインパクト産駒全体の24.2%、1走あたり331万円を大きく上回ります。

予想文に記したとおり、本馬はダコールと4分の3同血で、ダノンプラチナとも配合構成がよく似ています。



ダコールと同じように本馬も平坦コースで重賞を勝っているのですが、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)やNHKマイルC(G1)の内容は決して悪くありませんでした。中央場所でもスプリント戦なら十分戦えるでしょう。

フィニッシュラインを駆け抜けたあと、戸崎騎手はテレビの画面からもそれと分かるほど喜びを露わにしていました。前日夜、グリーンチャンネルの「KEIBIコンシェルジュ」に出演させていただいたのですが、共演の辻三蔵さんが「戸崎ジョッキーが51kgで乗るのは2014年7月以来2年ぶり。それぐらい気合いが入っています」とおっしゃっていました。苦しい減量に耐えた甲斐があったと思います。位置取り、仕掛けどころ、いずれも完璧でした。もしスプリンターズS(G1)に向かうとしたら、戸崎騎手はストレイトガールというお手馬がいるので、おそらく乗り替わりでしょう。誰が手綱を取るのでしょうか。

先週の北九州記念(G3)はサクラバクシンオー産駒のワンツーフィニッシュ。今回のキーンランドC(G3)は母の父にサクラバクシンオーを持つブランボヌールの快勝。サクラバクシンオーの血は偉大です。




北九州記念はバクシンテイオー


後方に控えた△バクシンテイオー(8番人気)が外から伸び、先に抜け出した◎ベルカント(1番人気)をゴール前で鮮やかにとらえました。
https://youtu.be/fjdKcIGVEng?t=10s

33秒6−34秒9という前傾ラップ。スプリント重賞ではとくに速いというわけではなく、それゆえに純然なスプリンターというよりは1400mあたりで強いこの馬の脚がうまく溜められたような気がします。差しが決まる馬場も味方しました。7歳にして重賞初制覇です。

これまで重賞ではスワンS(G2)4着が最高成績。14年8月の新潟日報賞(1600万下・芝1400m)がかなり強い勝ち方だったので、これは近いうちに重賞を勝つだろうと思ったのですが、OPに入ってからは意外に苦戦し、重賞では馬券になったことがありませんでした。ここにきて体調も良化していたのでしょう。2着ベルカントもサクラバクシンオー産駒だったので、同産駒のワンツーフィニッシュとなりました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106056/



母アウトオブザウィムはダート王カネヒキリの半姉にあたる良血。半弟アウトジェネラル(父アドマイヤドン)は南関東牡馬クラシックのひとつ羽田盃(中央の皐月賞に相当)の勝ち馬です。底力あふれるパワー型のファミリーですが、本馬は「サクラバクシンオー×サンデーサイレンス」なので芝向きのスピードタイプに出ました。「バクシンオー×サンデー×パワー型アメリカ血統」という構成はグランプリボス(NHKマイルC、朝日杯フューチュリティS)を彷彿させます。

「サクラバクシンオー×サンデーサイレンス」は、サクラバクシンオー産駒全体の成績に比べて距離の融通性が増し、マイルあたりまでこなす子も珍しくありません。グランプリボスはその代表格です。本馬は Mr.Prospector を抱えている分、グランプリボスほどのマイル適性はなく、1200〜1400mタイプに出ています。昨年は北九州記念6着のあとスワンSで4着。もし今年も同じ路線を選択するなら楽しみです。

◎ベルカント(1番人気)は2着。やはり牝馬で56kgとなると楽ではありません。実力は示したと思います。提供した予想はマルチ設定だったので、△◎△で馬単4970円、3連単3万4850円的中です。




札幌記念はネオリアリズム


すんなりハナに立った△ネオリアリズム(5番人気)がマイペースに持ち込み、直線で外から追い込んだ◎モーリス(1番人気)に2馬身差をつけて逃げ切りました。
https://youtu.be/g3z9rn_XMvM?t=18s

2ハロン目が10秒9だった以外はすべてのハロンラップが12秒台。ルメール騎手の正確無比なペース配分がスピードの持続力を十全に引き出しました。昨年11月、東京のウェルカムS(1600万下・芝1800m)を上がり3ハロン33秒3で勝っているものの、中山金杯(G3)では上がり33秒5の脚を使いながら切れ負けしたように、重賞クラスでの瞬発力勝負では少々迫力不足、といった印象がありました。

今回は意表を突く逃げの手に出てスピードの持続力を活かす競馬に持ち込み、大本命馬モーリスを抑えたのですから立派です。こうした競馬に高い適性を示したことで今後が楽しみになりました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103978/



安田記念(G1)、ジョージライダーS(豪G1)を含めて重賞を4勝したリアルインパクト(父ディープインパクト)の4分の3弟、オーシャンS(G3)を勝ったアイルラヴァゲイン(父エルコンドルパサー)の半弟です。現OPの4分の3弟レアリスタ(父ステイゴールド)も優れた素質の持ち主なのでいずれ重賞を勝つかもしれません。

母トキオリアリティーは芝・ダート兼用のスプリンターで、フローラS(OP・芝1200m)2着などの成績があります。Eight Thirty≒War Relic 4×5・5を軸に、20世紀のアメリカを支えた優秀なスピード血統で緻密に織り上げられ、なおかつ主流血統をほとんど含まないという凄みがあります。繁殖牝馬として成功しただけでなく、代を経ても強い影響力を発揮するのではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1994109536/





母の父 Meadowlake はデビュー戦(ダート6f)で後続を22馬身引き離して勝ち、「Secretariat の再来」と騒がれたスピード馬です。続くアーリントンワシントンフューチュリティ(米G1・ダート6.5f)も9馬身差で圧勝、通算3戦全勝で引退しました。Blue Moon≒Nothirdchance 2×3が配合上のキーポイントです。その父 Hold Your Peace はフレンチデピュティの母の父です。



Nothirdchance は Hail to Reason の母でもあるので、Hail to Reason の孫サンデーサイレンスの血を持つ種牡馬を交配すると、Meadowlake の Blue Moon≒Nothirdchance 2×3を継続することになります。

4分の3兄リアルインパクトも、ディープインパクト産駒でありながらスピードの持続力を持ち味とする馬でした。今年から社台スタリオンステーションで種牡馬入りし、種付料は受胎確認後80万円。かなり安く設定されているのですが、個人的には大きな期待を持っています。シャトル種牡馬として渡ったオーストラリアでも一流馬を出せるのではないでしょうか。

ネオリアリズムは今回のようなバランスのいいラップで逃げればまだまだ重賞を勝てそうです。洋芝、道悪、荒れ馬場、こんな条件が加わればなおいいですね。

◎モーリス(1番人気)は2着。モレイラ騎手はチャンピオンズマイル(香G1)を勝ったときの感触から、あの位置取りでも勝てると思ったのでしょう。ただ、札幌芝は馬場が悪化すると差しづらくなるので、結果論ですがもう少し前で競馬をしたほうが良かったかもしれません。とはいえ、3着レインボーラインに差を詰められていることから考えて、距離延長で切れ味が鈍ったこと、道悪があまり上手ではないこと、このあたりの影響もあったような気がします。

競馬スピリッツと netkeiba.com に提供した予想はマルチ設定だったので、△◎▲で馬単3770円、3連単2万2060円的中です。






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