パーフェクト種牡馬辞典


共同通信杯はゴールドシップ


折り合いに苦しみながら逃げた○ディープブリランテ(1番人気)を、その直後につけた△ゴールドシップ(2番人気)が残り100mで交わし、初の重賞タイトルを手にしました。
http://www.youtube.com/watch?v=yWzo7Oym-Hs


単勝1.4倍のディープブリランテの馬体は、+12キロの馬体重が表すとおりやや立派に映りました。それでもキチンと折り合いさえつけば勝てたのかもしれません。序盤からムキになって行ってしまい、鞍上との対話もうまくいかず、この時点でダメかなという感じでしたね。全姉ハブルバブルも素質の高さはG1クラスでしたが、テンションの高い馬で、気性面のウィークポイントによって大成を阻まれました。同じ轍を踏まないよう、なんとかいい方向に行ってほしいものです。今回のような競馬でしっかり2着を確保しているのですから能力の高さは疑いようがありません。直線で見せたダイナミックなフットワークはほれぼれします。ただ、ディープ軍団の大将の座はワールドエースに移ったような気がします。


勝ったゴールドシップは、これまでとは打って変わって好位でレースを進めました。出遅れ癖を見せなかったことでリズムよく走ることができたのが勝因でしょう。肉体面のみならず精神面の成長も見て取れます。今回はスローペースが見えていたので、ヨーイドンの競馬では鋭さ負けするのではないかと考えて△に落としたのですが、予想以上に強い競馬でした。ほとんど無謀ともいえマクリで2着を確保したラジオNIKKEI杯2歳Sの内容は本物でしたね。この馬のセールスポイントは長くいい脚を使える点だと思っていたのですが、これだけ鋭い脚も使えるとは思いませんでした。ディープ軍団の進撃に立ちはだかる大きな壁となりそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102739/



「ステイゴールド×メジロマックイーン」はいまや日本一有名なニックスです。JRAでデビューした6頭から、オルフェーヴル、ドリームジャーニー、フェイトフルウォー、ゴールドシップと4頭の重賞勝ち馬が誕生しました。メジロマックイーンは父としては平凡で、母の父としてもステイゴールド以外の種牡馬を相手にした場合は凡庸な成績しか挙げていません。「ステイゴールド×メジロマックイーン」だけがなぜか奇跡的に走っています。配合とはおもしろいものだとあらためて感じます。


上記の4頭は、2代母の父が Northern Dancer 系である、という共通点があります。G1を勝ったドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟はノーザンテーストのクロス持ち、フェイトフルウォーは Nijinsky を持ちます。


ゴールドシップが持つ The Minstrel は、ノーザンテーストと同じ「Northern Dancer×Victoria Park」という組み合わせなので、ノーザンテースト≒The Minstrel と表記してもいいでしょう。また、Nijinsky とも4分の3同血の関係にあるので、Nijinsky≒The Minstrel とも表記できます。つまり、オルフェーヴル、ドリームジャーニー、フェイトフルウォーが持つ Northern Dancer 系の血は、ゴールドシップが持つ The Minstrel と血統的に近いというわけです。


昨年の赤本では、母ポイントフラッグがチューリップ賞2着馬であることを考慮しても、そう連続して活躍馬が生まれるものだろうかという疑念から、「オススメ10頭コーナー」の末尾30位に「一応考慮しましたよ」というアピールを込めてそっと置くにとどめました。


今年の2歳馬に「ステイゴールド×メジロマックイーン」は2頭います。1頭はドリームジャーニーとオルフェーヴルの全弟にあたるオリエンタルアートの10。これはどのドラフトでも1位候補に挙がる馬でしょう。もう1頭はタイセイレジェンド(カペラS−3着)の半妹にあたるシャープキックの10。こちらは2代母の父がニチドウアラシですが、3代母の父がノーザンテーストで、ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟と同じくノーザンテーストのクロスを持ちます。「ステイゴールド×メジロマックイーン」のニックスから誕生した大物は現在のところ牡馬だけで、牝馬の実績はないのですが、配合は悪くないと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104143/



共同通信杯の話に戻ります。◎エネアド(5番人気)は6着。大外枠だったことで前に壁を作れず、序盤から折り合いを欠いてしまいました。ディープブリランテと同じくこれでは伸びません。蛯名騎手はレース後「切れは負けない」とコメントしましたが、その前提となる折り合いがつかない現状では宝の持ち腐れです。良馬場で折り合いがつけば重賞でも勝ち負けになりますが、そうでなければ500万下でも勝てません。現状ではそんなタイプです。





『競馬王』3月号発売


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クイーンCはヴィルシーナ


 2番手を追走した▲ヴィルシーナ(2番人気)が直線早め先頭で押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=yzL-3licd6Q


前走のエリカ賞が終わったあと、友道康夫調教師は「長い距離のほうが合っている」と語りました。今回は2ハロンの距離短縮に加えてスローペース必至のメンバー構成。エンジンの掛かりが遅いこの馬が、ヨーイドンの競馬となった場合にどうなのか……との懸念によって評価を下げてしまったのですが、ディープインパクト産駒はたいてい想定の上を行きます。ヴィルシーナは2番手で上手に折り合い、上がり33秒6の脚を繰り出しました。強さだけでなくレース運びの上手さが印象に残りました。この世代のディープインパクト産駒は重賞7勝目。さらに日曜日の共同通信杯にも有力馬をそろえています。


サンデーサイレンスが送り出した計12世代が、それぞれ3歳の2月末日までに重賞を何勝していたかを以下に示します。左側の年数はその世代が3歳を迎えた年です。


95年 4頭
96年 3頭
97年 2頭
98年 1頭
99年 4頭
00年 1頭
01年 6頭
02年 4頭
03年 7頭
04年 4頭
05年 4頭
06年 1頭


最高が03年の7頭。ネオユニヴァース世代です。今年のディープインパクトはサンデーサイレンスのキャリアハイに並んでいるわけですから凄まじい勝ちっぷりといえるでしょう。とりあえず余計なことは考えず、重賞予想ではディープインパクト産駒に◎を打てばいいのかもしれない……とまで思います。


ただ、さすがにこの世代は出来すぎであり、3世代目となる今年の2歳はやや注意が必要です。生産頭数118頭は前年(161頭)に比べて三割近く減っています。種牡馬は初年度産駒が走り始める前の種付けが質・量ともに谷間になることが多く、それがちょうど3〜4世代目にあたります。父サンデーサイレンスも3世代目の産駒はクラシック連対馬ゼロ、2歳種牡馬ランキングはブライアンズタイム、メジロライアンに次ぐ第3位という不振ぶりでした。今年のPOGは、そのあたりの潮の流れを見極めることができるかどうかが勝敗を分ける鍵となりそうです。


さて、ヴィルシーナです。2代母がハルーワソングですから、フレールジャック(ラジオNIKKEI賞)と4分の3同血の関係にあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106264/



父ディープインパクトは、Glorious Song やその全きょうだいを含んだ繁殖牝馬と相性がよく、この配合パターンを持つJRA出走馬わずか6頭から、ダノンバラード、フレールジャック、アダムスピーク、ヴィルシーナと4頭の重賞勝ち馬を誕生させています。このほか、渡仏した Barocci と Beauty Parlour の兄妹も非凡な能力を披露しています。この確率は尋常ではありません。





『馬券師倶楽部』再放送決定!


 半笑いVS栗山求(前編)
02/13 (月) 06:30 〜 07:00
02/13 (月) 11:30 〜 12:00
半笑いVS栗山求(後編)
02/14 (火) 06:30 〜 07:00
02/14 (火) 11:30 〜 12:00


CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。





海外における Halo 系の現在


 サンデーサイレンスの子孫は日本で異常な成功を収めていますが、その父 Halo の系統は現在、日本以外で目立った活躍をしているわけではありません。しかし、昨年は珍しくアメリカの年度代表馬が出ました。


受賞した Havre de Grace は、Saint Liam→Saint Ballado→Halo とさかのぼる系統に属しています。89年にサンデーサイレンスが米年度代表馬となってから、Halo 系の米年度代表馬は2頭しか出ていません。05年の Saint Liam と、昨年の Havre de Grace。この2頭は親子です。


Havre de Grace の父 Saint Liam は、わずか1世代を残しただけで急逝しました。その1世代から年度代表馬を送ったわけですから、いまさらながらその死が惜しまれます。Havre de Grace は牝馬なので後継種牡馬にはなれません。これも残念です。
http://www.pedigreequery.com/havre+de+grace2



昨年12月、南米アルゼンチンで行われたカルロスペレグリーニ国際大賞典(G1・芝2400m)は、Expressive Halo という4歳牡馬が勝ちました。同レースはアルゼンチン最強馬決定戦という位置づけで、日本でいえばちょうどジャパンCのような存在。南米諸国からの参戦も珍しくありません。
http://www.youtube.com/watch?v=KksK8hWIIeI


名前から察しがつくとおりこの馬も Halo 系です。おもしろいのは、父 Halo Sunshine(現役時代はケンタッキーダービー−4着)が Halo≒Drone 1×3である点。これは強烈です。
http://www.pedigreequery.com/expressive+halo



また、先週土曜日にアメリカで行われたトボガンS(G3・ダ6f)は、5歳牡馬 Calibrachoa が勝って2連覇を達成しました。重賞は通算3勝目。同馬の父 Southern Image は Halo≒Sir Ivor 2×4ですから、前出の Halo Sunshine と似たような骨格です。当ブログで繰り返し説明してきたとおり、Halo、Drone、Sir Ivor はそれぞれ血統構成が似ています。
http://www.pedigreequery.com/calibrachoa



ここで思い出すのは日本のディープインパクト。Halo≒Sir Ivor 2×4というクロスを持っています。Halo を Drone または Sir Ivor で強化した系統に勢いがある、という共通点が浮かび上がってきます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100816/








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