パーフェクト種牡馬辞典


『競馬血統クロニクル』発売


3月31日に『サラブレ』を発行するエンターブレインから『競馬血統クロニクル』というムック本が発売になります。わたしも執筆陣に加わっているのですが、欲目を抜きに客観的にみて非常によく出来た素晴らしい1冊だと思います。


主要サイアーライン解説に始まり、世界の最新トップサイアーたち、中央競馬リーディングサイアー史など、ここには書ききれないほど盛りだくさんの内容です。わたしは無記名原稿をいろいろ書いているほか、「種牡馬のIFの物語」という記名原稿を書きました。「歴史が変わったかもしれない種牡馬にまつわるエピソード集」という副題です。


直接血統とは関係ありませんが、「私が血統にハマったきっかけ」というコラムがおもしろいですね。笠雄二郎さん、吉沢譲治さん、加藤栄さん、関口隆哉さん、田端到さん、望田潤さん、わたしの7名が、血統との出会いについて告白しています。


帯には「永久保存版 近代競馬の血統の流れがこれ一冊で分かる!」と銘打っていますが、まさにそのとおり。ぜひ1冊お手元にどうぞ。
http://ebten.jp/sarabure/p/9784047280441/ 





古馬になって化ける可能性ありトーセンホマレボシ


 土曜中京10Rの大寒桜蘭賞(3歳500万下・芝2200m)は、中団からジワッと進出したトーセンホマレボシ(1番人気)が直線で競り勝ちました。
http://www.youtube.com/watch?v=6BvsBIKubmE


中京の芝2200m戦は、東京のダービーコースを思わせるところがあり、直線の追い比べも迫力があります。じっさい、ここで好走した馬は東京芝2400mも得意でしょう。重馬場で最後の1ハロンは13秒4。どの馬もバテバテでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106092/



このレースから45分後に行われた毎日杯では、トーセンホマレボシと同血(父が同じで母同士が全姉妹)のヒストリカルが勝ちました。競走馬としてのタイプは違います。ヒストリカルは回転の速いフットワークで終いのキレが抜群ですが、トーセンホマレボシはトビが大きくスパッと切れる感じではありません。500キロ前後の大型馬(ヒストリカルは440キロ前後)なので現状ではまだ体を持て余している感があります。もう少しガシッと筋肉がついて完成してくれば大きく化けるでしょう。大トビで道悪は上手ではないはずですが、それでも勝ったところに素質の高さがうかがえます。


半兄トーセンジョーダン(父ジャングルポケット)は同じ池江泰寿厩舎に所属し、古馬になってから花開きました。トビが大きいので東京コースで最大限の力を発揮し、周知のとおり天皇賞・秋を勝ってジャパンCでも2着と健闘しました。そのレベルまで行けるかどうかは別にしてトーセンホマレボシも似たようなキャラクターだと思います。


トーセンホマレボシとヒストリカルの関係を見ていると、ブライアンズタイムとサンシャインフォーエヴァーの関係を思い出します。88年のアメリカで、片やダート、片や芝のG1戦線を突き進みんで戦果を挙げたのですが、この2頭は同じくブライアンズタイムを父に持ち、母同士が全姉妹という関係でした。







オークスで期待ミッドサマーフェア


 土曜阪神9Rの君子蘭賞(3歳500万下・芝1800m)は、後方から徐々に進出した○ミッドサマーフェア(1番人気)が大外から突き抜け、2着▲クッカーニャ(2番人気)に3馬身半差をつけました。
http://www.youtube.com/watch?v=Cyu4CVfPazM


前崩れの流れでしたが強い競馬でした。レベルが高かったクイーンCで6着となり、前走は牡馬相手に差のない3着ですから、力通りの結果だったといえます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102642/



父タニノギムレットは初年度にウオッカという超大物を出したものの、2年目以降の5世代でJRAの重賞勝ち馬はわずか3頭ですから、当初の期待の大きさからするともうひとつかな……という気はします。しかし、ミッドサマーフェアは重賞級の素質馬でしょう。


母の父 Kingmambo は、エルコンドルパサー、キングカメハメハ、アメリカンボスなどの父で、ヨーロッパで成功した血だけあってパワーがあります。ですから、この血が近い世代に入る馬はたいてい渋った馬場をこなします。母の父に入った場合、重厚さやスタミナをより強く伝えているように感じます。母は Mr.Prospector 2×4ですが素軽いスピードは感じられません。Kingmambo の2代母の父 Prove Out は Graustark 産駒ですから、父の Graustark 3×4を継続します。これも力強いですね。


ブライアンズタイムの Ribot を継続し、Summer Squall(≒Storm Cat)が入るというパターンは、トレンドハンター的なパワーとスケールの大きさを感じさせます。2400mに延びればさらに持ち味を発揮できるでしょうし、タニノギムレット産駒は東京コースが得意なので、オークスに出てくるようなら楽しみです。





アグネスタキオン×トニービン×Lyphard


 土曜中山9Rのミモザ賞(3歳500万下・芝2000m)は、中団から徐々に進出した◎ハイリリー(1番人気)がゴール前で競り勝ちました。
http://www.youtube.com/watch?v=DVcYLjb95a8


先週金曜日(3月23日)に発行した血統屋メールマガジンの「今週の狙い馬」で◎を打った馬です。転載します。
http://www.mag2.com/m/0001305873.html
………………………………………………………………………………………
■土曜中山9R・ミモザ賞
◎ハイリリー
「アグネスタキオン×トニービン×Lyphard」なので、このコースで皐月賞を勝ったキャプテントゥーレと8分の7まで血統構成が同じ。先週のフラワーCを勝ったオメガハートランドは「アグネスタキオン×エルコンドルパサー×トニービン×Lyphard」なので、これもかなり似ている。道悪が得意でコース・距離適性も申し分ない。まくるタイプなので12頭立てと比較的少頭数なのもいい。
………………………………………………………………………………………
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106597/



「今週の狙い馬」は2週連続で◎を打った馬が勝ちました。厳選した狙い馬をこれからもご提供できたらと考えております。


アグネスタキオンと Lyphard の相性の良さについては、当ブログでも何度か触れたことがあります。これにトニービンが加わった形も、予想文に記したとおりよく走っています。これで芝の重〜不良は3戦3連対となりましたが、鞍上の三浦皇成騎手は良馬場のほうが合っているとコメントしています。たしかに道悪でしか走れない血統ではなく、前々走のクイーンCも着順こそ8着でしたが着差はそれほどでもなく、強敵相手に差のない競馬をしています。次はフローラS(4月22日・G2・東京芝2000m)かスイートピーS(4月29日・OP・東京芝1800m)あたりでしょうか。


今年の2歳馬にはキャプテントゥーレの全弟が控えています。社台レースホースで募集価格は1億円。栗東の角居勝彦厩舎に入ることが決まっています。アグネスタキオンのラストクロップは豪華ラインナップですが、そのなかでも注目度の高い存在です。
http://www.shadaitc.co.jp/collection/list2001/list/index.html





毎日杯はヒストリカル


 後方追走の○ヒストリカル(1番人気)が直線大外に持ち出し、鮮やかに差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=Ak_2VGj_Jh0


◎マウントシャスタ(3番人気)が先に抜け出したときは、勝利を確信するどころか圧勝かと思いました。まさかまさか、です。主催者発表の数字によると、残り2ハロンから1ハロン地点のラップは11秒3。マウントシャスタは11秒2ぐらいで走っていると思うのですが、重馬場だったことを考えると、結果的には速すぎたかもしれませんね。その後の坂で脚いろが鈍りました。苦しがったせいなのか、馬場の悪い内側に切れ込んでいったのもこたえました。


ただ、今回のレースは勝ったヒストリカルを褒めるべきでしょう。デビューから3戦目まではゲートの出が悪く、ダッシュも鈍かったので、自然に位置取りが悪くなり、競馬が後手後手になっていました。腰に力がついたのかここ2戦はそうした点が解消され、ソツなくゲートを出たあと徐々に位置取りを下げている感じです。同じ後方待機でも中身は違うように思います。


前走、きさらぎ賞のレース後、安藤勝己騎手は「周りに気を使う」と指摘していました。リラックスさせながら後方を追走し、溜めていた力を直線で爆発させる、というスタイルがここ2戦で完成しつつあります。いかにも安藤勝己騎手の手に合いそうな馬です。


ただ、後ろから行く馬だけに展開に左右されやすく、前で強い競馬をする馬がいれば勝ちきれません。ネックはそのあたりでしょうね。皐月賞向きという点ではマウントシャスタでしょう。小回りでゴチャつきやすい中山コースでは、仕掛けてすぐにトップスピードに乗せられる馬、すなわち抜け出す脚の速い馬が有利です。09年のアンライバルドがその典型です。マウントシャスタが中山で今回のような競馬をすれば残ってしまうでしょう。対してヒストリカルは、後方追走から末脚を活かすタイプだけに直線が長いほうが持ち味が活きます。ダービー向きでしょう。


3着スピルバーグを含めて1〜3着はすべてディープインパクト産駒。2月のきさらぎ賞に続いて今シーズン2回目です。サンデーサイレンス時代には珍しいことではなく、ディープインパクトの現3歳世代はそれに匹敵する寡占状態なので、とくに驚きもありません。


母ブリリアントベリーはこれまでにカンパニー(天皇賞・秋、マイルCSなど重賞9勝)、レニングラード(アルゼンチン共和国杯)、ニューベリー(京都金杯−2着)などを産んでいます。ヒストリカルを含めて中央で走った13頭中10頭が勝ち上がっているのですから素晴らしい繁殖牝馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106315/



ブリリアントベリーの全妹エヴリウィスパーも優れた繁殖牝馬で、天皇賞・秋をレコード勝ちしたトーセンジョーダンを産んでいます。その半弟トーセンホマレボシは毎日杯の同日、中京競馬場で行われた大寒桜賞(3歳500万下・芝2200m)を勝ちました。父がディープインパクトなのでヒストリカルと同血の関係にあります。


「ディープインパクト×ノーザンテースト」は、初年度産駒にほとんど実績を残せませんでしたが、2年目の産駒からヒストリカル、トーセンホマレボシ、エアルプロンを出しています。ノーザンテースト牝馬はだいぶ高齢になっているのですが、ブリリアントベリーやエヴリウィスパー級の繁殖牝馬ならまだいけるということでしょうか。


2代母クラフティワイフに含まれる Mr.Prospector、In Reality、Secretariat、Buckpasser といったアメリカ血統は、いずれも現代を代表する名血で、たいていの種牡馬はこうした血と相性がいいものです。この牝系はなぜか完成の遅いところが見られるのですが、ヒストリカルに関しては安藤勝己騎手も指摘しているように、ここにきての成長ぶりが著しく、すでに世代トップクラスの実力を備えているので問題なさそうです。もし古馬になってさらに成長するようなら空恐ろしいですね。







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