パーフェクト種牡馬辞典


遅れてきた大物ファイナルフォーム


 土曜中山5Rの未勝利戦(芝1800m)は、好位追走のファイナルフォーム(1番人気)が終始外を回りながら楽々と抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=vYHrB0NpS4Q


先週金曜日(3月16日)に発行した血統屋メールマガジンの「今週の狙い馬」で◎を打った馬です。転載します。
http://www.mag2.com/m/0001305873.html
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■土曜中山5R・未勝利戦
◎ファイナルフォーム
仕上がりが大幅に遅れ、デビューが新馬戦最終週までずれ込んでしまった。未勝利戦で下ろすのはそれでも勝てるという強気の表れだろう。母ファイナルデスティネーションはNZ1000ギニー(G1)など同国でG1を2勝した名牝。母方にラストタイクーンが入るパターンはマルセリーナやターゲットマシンと同じ。ポテンシャルの高さを感じさせるマイラー血統で、距離は微妙に長いが能力の高さで押し切れるだろう。
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http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105921/



「536キロ」という馬体重は、ディープインパクト産駒のデビュー戦としては過去最高です。パドックではかなり太いという印象だったので、ひょっとしたらあと20キロぐらいは絞れるかもしれません。道中、微妙に行きたがってはいましたが、終始外を回って楽勝しており、距離が長いという感じはありませんでした。


血統屋の『種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で◎評価とし、『POGの達人(赤本)』の「私のオススメ10頭」、『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」でも取り上げるなど、方々でプッシュした覚えがあります。


ファルコンS(G3)4着のダノンムロー(父 Gone West)、ダートでOPクラスまで出世したファイナルスコアー(父 Fusaichi Pegasus)の半弟ですが、それらよりも配合的には上だと思うので、重賞で勝ち負けを期待したい素質馬です。


母の父 O'Reilly はニュージーランドの年度代表馬で、チャンピオンスプリンター&マイラーにも選ばれたスピード馬。父がラストタイクーンで、母の父が Round Table 系ですから、マルセリーナの母の父 Marju と似ています。Round Table といえば Caerleon の母の父でもあります。ディープインパクトと Caerleon のニックスの核心部分と思われる血なので好ましいですね。
http://www.pedigreequery.com/oreilly



今回の道悪競馬の結果では、良馬場での切れ味やスピード性能までは分かりません。おそらく問題ないだろうと思います。ここまでデビューが遅れたので大きなことは言えませんが、一歩ずつ着実に階段を昇ってほしいところです。





しばらくの間アッサリとした更新になります


高松宮記念が迫ると春競馬の気分がグッと盛り上がってきます。ブログも調子よく書いていきたいところですが、この時季、春の出版物に関わる仕事量もピークを迎えます。今年は新馬戦の開始が2週間早まる影響で、POG関連の原稿スケジュールがタイトになっており、例年以上に厳しい状況です。ブログを書く時間がどうしても取れません……。不本意ながらこれからしばらくの間、アッサリとした感じで更新を続けたいと考えております。ゴメンナサイ!




『サラブレ』4月号発売


 3月13日に『サラブレ』4月号(株式会社エンターブレイン)が発売になりました。高松宮記念、桜花賞、皐月賞、そしてドバイワールドCデーの展望などが盛りだくさんの内容ですが、そのなかで「現役馬の血統七不思議」という記事を執筆いたしました。カラー4ページの特集企画です。「なぜこんなに走る!? 父ステイ×母父マックの謎」など、7つの血統ミステリーについて栗山求の考えを記しました。ぜひ一冊お手元にどうぞ。




スプリングSはグランデッツァ


 離れた第二集団でレースを進めた▲グランデッツァ(3番人気)が、直線で先に抜け出した◎ディープブリランテ(1番人気)を残り50mで捉えました。
http://www.youtube.com/watch?v=izPi1NBJBkg


相手はディープブリランテ1頭、と見定めてレースを進めたミルコ・デムーロ騎手が上手かったですね。外も伸びる馬場になっていたので、レーススタイルを崩さず自然な形で勝てたのもよかったと思います。一貫してレースレベルの高いところを使ってきて、馬場も展開も関係なく崩れていないわけですから能力は確かです。昨年暮れのラジオNIKKEI杯2歳S(3着)は筋肉痛で調整に狂いが生じ、本調子ではありませんでした。共同通信杯を勝ったゴールドシップとは2戦して1勝1敗。きさらぎ賞と若葉Sを連勝したワールドエースとはまだ対戦していません。この2頭に比べてグランデッツァは出遅れ癖がなく(デビュー戦は出遅れましたが)、いい位置でレースを進められるという強みがあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105989/



桜花賞馬マルセリーナの半弟で、母マルバイユはアスタルテ賞(仏G1)など3つのマイル重賞を制した名牝。『競馬王のPOG本』では「競合覚悟で上位指名すべき5頭」と「栗山ノート」にリストアップし、血統屋の電子書籍『種牡馬別好配合馬リスト アグネスタキオン編』では◎評価で牡馬のトップに据えました。この本では望田潤さんが◎、桑原拓三さんが○評価ですから、どの角度から切っても悪くは見えないという好配合馬です。


母マルバイユが伝えるスピードは、Hyperion がベースとなっているので、大レース向きの底力があります。2代母 Hambye には Ribot のクロスもあります。こういう血はアグネスタキオンと合います。半姉マルセリーナ(父ディープインパクト)は Burghclere≒Welsh Flame 3×4で、弟グランデッツァは Alcide≒Electric Flash 5×5。Welsh Flame は Electric Flash の娘なので、2頭とも似たようなポイントを強化しています。



アグネスタキオン産駒における Alcide 周辺の強化は、鈍重さを帯びるリスクを抱えるので、全体の血脈の質を十分吟味する必要があります。構わず走ったということはマルバイユのスピードの質が優れていることの証明でしょう。


新馬戦で2着に敗れたあと、ブログに「本領を発揮するのは中央開催の芝1800〜2000mだと思います」と記しました。ダービーよりも皐月賞に向くタイプです。同じアグネスタキオン産駒で4年前に優勝したキャプテントゥーレとは、タイプは違うものの能力的に劣るとは思えません。流れが向けば勝つ可能性も十分あるでしょう。


アグネスタキオン産駒の3歳牡馬はグランデッツァが孤軍奮闘している状態で、ほかにめぼしい馬は見当たりません。ラストクロップとなる現2歳世代は、3歳世代よりはメンバーがそろっている印象があるので、活躍が期待できると思います。


1番人気のディープブリランテは、体が絞れたのはよかったのですが、行きたがったりモタれたりと、相変わらず操縦の難しい馬です。スタートから一生懸命走ってしまうタイプなのでタメが利かず、それがゴール前の甘さにつながっています。精神的な問題なので短期で矯正できるかというとなかなか大変かな……という気はします。


△アルフレード(2番人気)は12着。久々や道悪という悪条件を考慮しても負けすぎですね。86年以降、前走が10着以下の成績で皐月賞で連対を果たしたケースは一度もありません。





阪神大賞典はギュスターヴクライ


 ごく稀に「信じられないものを見た」と思わせるレースに出くわすことがありますが、今回はまさにそれですね。ビックリしました。長く語り継がれる伝説のレースとなるでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=mj2F9CHWYSY


◎オルフェーヴル(1番人気)の陣営にとっては衝撃的な敗戦であり、かなり深刻な事態です。このままでは凱旋門賞挑戦も白紙になりかねません。手に負えない激しい気性はステイゴールド産駒の強みでもあり弱みでもあります。この馬に関しては、辛抱強いトレーニングによって気性面が成長が促され、制御可能なものになっているとばかり思っていました。今回の予想コメントには「相手関係云々ではなく自分自身との闘いであり、これに勝てれば結果はついてくる」と記しました。気性難を乗り越えて四冠を達成したあとに、こうもアッサリと自分自身に敗れ、自爆してしまうとは想像できませんでした。休み明けで気持ちが昂るところがあったにしても残念です。


冒頭の「信じられないものを見た」というのは、いうまでもなくアクシデントが起こったあとのリカバリーです。どんな馬であろうとあれだけのロスがあれば惨敗するのが普通です。G1馬と未勝利馬が戦っているわけではありません。重賞戦線で活躍する強豪同士のなかで、およそ十数馬身のロスを巻き返して半馬身差の2着まで追い上げたのですから、池添騎手がいうところの“怪物”という形容が適切ですね。その昔、アメリカのフランク・ショーターというマラソン選手がレース途中に便意を催し、コースアウトして用を足したあと、レースに戻って優勝したことがありました。ふとそれを思い出しました。敗れたとはいえ、オルフェーヴルが真に規格外の存在であることを、これまでのどのレースよりも雄弁に物語っていたと思います。


今回の事態を受けて、天皇賞・春に向かうかどうか、池江調教師はもう一度考えることになったようです。もし出てくれば、やはり1番人気になるのは間違いないところですが、何倍ぐらいの単勝オッズになるのか興味深いですね。3倍はつかないけれど2倍はつく……といったあたりでしょうか。予想の印を打つとしたら◎か無印です。


トップクラスが集まるレースで、怪我や落馬以外に1番人気馬がアクシデントを起こして敗れた例といえば、90年のブリーダーズCスプリントや10年のヨークシャーオークスなどが挙げられます。前者は Dayjur がコース上に伸びた影に驚いてジャンプして勝利を逃し、後者は Sariska がゲート内で膠着してスタートしませんでした。今回の阪神大賞典はそれらに並ぶ“世にも奇妙なレース”となりました。
http://www.youtube.com/watch?v=AyKTUujfBio
http://www.youtube.com/watch?v=K5an_VD-YCk


勝った▲ギュスターヴクライ(3番人気)は、父ハーツクライ、母ファビラスラフインというジャパンC2着馬同士の配合。母は90年代以降に走った牝馬のなかではトップクラスの実力を備えていました。96年の秋華賞を勝った際の1分58秒1というタイムはいまだにレースレコードとして残っており、ジャパンCで連対した日本調教馬のなかでは唯一の3歳牝馬でもあります。繁殖牝馬としては、コンスタントに勝ち馬を送り出すものの重賞勝ち馬が出ない、という点でレッドチリペッパーと双璧の存在でしたが、一足先に重賞勝ち馬の母となりました。


父ハーツクライは芝2500m以上で連対率38.1%と素晴らしい成績を挙げています。芝3000m以上に限れば5戦3連対。長距離戦では最も信頼できる種牡馬の1頭です。2代母 Mercalle は牝馬ながらカドラン賞(仏G1・芝4000m)を制したステイヤーでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102952/








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