パーフェクト種牡馬辞典


昇級後も即通用しそうなエアルプロン


 ■日曜京都5Rの3歳未勝利戦(芝2000m)は、好位を追走したエアルプロン(1番人気)が直線で鋭く抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=TneTwT4jdHQ


デビュー戦はハナ差2着で、今回は順当勝ち。上がり34秒4はメンバー中最速でした。昇級しても即通用でしょう。


先週取り上げたエアソミュールと同じくアイドリームドアドリームの孫にあたります。こちらはエアメサイア(秋華賞)とエアシェイディ(アメリカJCC)の下なので、アイドリームドアドリーム系の“本流”といえます。全兄エアジョイントは3戦未勝利で地方競馬に転出しました。弟のほうが馬のデキが良かったようです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105737/



「ディープインパクト×ノーザンテースト」は、初年度はほとんどダメでしたが、2年目はヒストリカル、トーセンホマレボシ、そしてこのエアルプロンと、味のある産駒が出てきています。やはり種牡馬は3世代ぐらい見ないと個性を見極めることができませんね。


2代母の父 Well Decorated は、Nasrullah≒Royal Charger 3×4で、同じ Lady Josephine 牝系の Badruddin、Tudor Minstrel が入り、Raise a Native も加わるという、やや過剰ともいえるスピード配合。
http://www.pedigreequery.com/well+decorated



日本に入ったハイパーナカヤマやゴーゴーナカヤマのように、アメリカ血統と結びつくと“速いけれど奥行きがない”といったタイプに出がちですが、アイドリームドアドリームの場合、母が Herbager 系×Ribot というヨーロッパ色の強い配合なので、ほどよいバランスで底力もスタミナもあります。決め手という面ではもうひとつですが、エアルプロンは父ディープインパクトによってそのあたりを補っているので期待できます。同産駒は史上最速でJRA通算200勝達成となりました。


■日曜京都6Rの新馬戦(芝1600m)は、好位を追走した○ウインサーガ(3番人気)が直線で鋭い決め手を発揮して差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=Q_JoW-wW79M


Halo 3×3、マイニング≒Seeking the Gold 3×3。血統表を見ていただければ分かるように、幾何学的な構成美を感じる父母相似配合です。この時期に去勢されているということは、それだけ気性が激しかったということだと思うのですが、この特殊な配合に起因する部分があるのかもしれません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105291/



Glorious Song の全きょうだいの血はサンデー系と相性がよく、とくにディープインパクトはこのパターンから重賞勝ち馬を連発しています。ゼンノロブロイも悪くなく、少ない産駒からコスモネモシン(フェアリーS)とマグニフィカ(ジャパンダートダービー)が出ています。母ウインルミエールは現役時代ダートで走った馬で、「Saint Ballado×Seeking the Gold」というやや硬い配合でもあり、芝適性に若干の懸念があったのですが、問題ありませんでした。ダートを走らせればそれなりに適性がありそうです。


◎ジョヴァンニ(5番人気)は2着。勝ちパターンでしたがゴール前で勝ち馬に強襲されました。配合的に優れているので次走以降に注目です。予想は○◎△で馬連3750円、3連複2万900円的中。





父似の競走スタイルで2連勝、カレンブラックヒル


 ■土曜京都9Rのこぶし賞(3歳500万下・芝1600m)は、2番手でレースを進めたカレンブラックヒル(1番人気)が直線で早め先頭に立って押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=4x_qG8Sk_4s


レースの際は晴れていましたが、直前まで雪が降りしきり、発走時刻が遅れて「ひょっとして中止?」と思う瞬間もありました。ちょうど東京競馬場のイベントに出演している最中の出来事で、共演者のひとりはカレンブラックヒルの馬主さんと関わりのある須田鷹雄さん。雪で待たされている間、競馬場にいる馬主の奥様(馬主ご本人は仕事で現場へ行けず)に電話を掛けて現地からの状況報告があったり、リアルタイムのドキュメントを見ているかのようでした。


雪が上がってすぐに行われたため、走路には若干雪が残る状態でした。初戦を逃げ切った際は重馬場だったので、こうしたコンディションの影響は受けません。序盤力んでいたことと、外伸びの馬場だったことを考えれば、着差はわずかですが上々といえる内容だったと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106230/



父ダイワメジャーはダンシングブレーヴとニックスの関係にあり、この組み合わせからトーセンベニザクラ(フェアリーS)、ダローネガ(デイリー杯2歳S−2着)、オメガホームラン(ジュニアC)、ダイワミストレス(フェアリーS−3着)といった活躍馬が出ています。


ダンシングブレーヴの母の父は Drone。前記の馬たちには Halo≒La Menina≒Drone という相似な血のクロスがあります。カレンブラックヒルも Drone を抱えているので配合的な骨格は同じです。


やや気性が前向きすぎるところがあり、母チャールストンハーバーが持つ Le Fabuleux 4×4に起因するものだとすれば、裏側に気性難が潜んでいる危険性があります。ただ、現状ではほどよい先行力となって表れているので、むしろ好ましいといえます。やはりダイワメジャー産駒は父に似た先行タイプがしっくり来ますね。父の面影を感じさせるこの競走スタイルのまま強くなってほしいものです。


今年の3歳牡馬戦線はゼロスやこの馬のように、しっかりとした先行力のある馬がいるので、締まった展開になりそうです。いいレースが見られそうです。


■土曜東京10RのヒヤシンスS(3歳OP・ダ1600m)は、フリートストリート(1番人気)が好位から抜け出しました。前走後、脚をぶつけたという報道があり、ソエも出ていたようですが、勝負には関係ありませんでした。万全の状態ならもっと楽に勝っていたでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=DaButloeTdY


3歳春のダート路線は、6月のユニコーンSまで重賞がありません。したがって、ヒヤシンスS、伏竜S、端午S、昇竜Sという4つのOP特別は、単なるOP特別以上の重みがあります。かつて同じ角居厩舎に所属したカネヒキリやフラムドパシオンのような存在になるかもしれません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102638/



父 Street Sense は現役時代、ケンタッキーダービー(米G1)とブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)を両方勝った初めての馬でした。母方に Dixieland Band、His Majesty という本格的な血が入るので、アメリカ産馬にしては重厚なタイプで中距離を苦にしません。3歳世代が初年度産駒で、アメリカではイロクォイS(G3)を勝った Motor City、フリゼットS(米G1)3着の Miss Netta が現時点における代表産駒です。


本馬は、2代母 Negligent がロックフェルS(英G3・芝6f)の勝ち馬で、英1000ギニー(G1・芝8f)でも3着となっている芝馬。母の父 Singspiel は、ローエングリン、ライブコンサート、アサクサデンエンの父であり、コスモネモシン、アダムスピークの母の父です。本馬は、近い世代に Singspiel、Machiavellian、Lorenzaccio を併せ持つので、アサクサデンエン(安田記念、京王杯スプリングC)にやや似ています。



父 Street Sense に芝適性があれば、洋芝ぐらいなら十分にこなしておかしくない配合です。芝適性の可能性を感じさせるダート馬だからこそ、ダート馬としての器が大きいともいえます。成長力のあるタイプだと思われるので今後まだまだ強くなるでしょう。





同年同日生まれ


囲碁の井山裕太天元と、将棋の室田伊緒女流初段が婚約を発表しました。おめでとうございます。そして、ちょっとビックリです。井山天元は“日本の宝”ともいえる囲碁界の若き天才で、室田女流初段は女流の人気棋士のひとり。どこにそんな接点が……と思ったら、両者はいずれも1989年5月24日生まれとのこと。ここが話の糸口で意気投合、というベタな流れを誰もが想像すると思うのですが、おそらくそうなのでしょう。


同年同日生まれの有名人同士が結婚する、という例はめったにないはずです。そもそも同じ日に生まれた人に出会う機会がありません。わたし自身、幼稚園時代から現在に至るまで、同年同日生まれの人と出会ったことは一度もありません。


過去を振り返ると、アップルのスティーヴ・ジョブズとF1ドライバーのアラン・プロストが1955年2月24日生まれだったり、写真家の今井寿恵と映画評論家の水野晴郎が1931年7月19日生まれだったり、サッカーのオランダ代表のパトリック・クライファートとファン・ニステルローイがいずれも1976年7月1日だったり、昭和天皇とゾルゲ事件で死刑となった尾崎秀実が1901年4月29日生まれだったり、興味深い例はいろいろあります。


サラブレッドの場合、出産シーズンが限られているので、同日生まれの名馬は珍しくありません。


有名なところでは、Bold Ruler と Round Table。いずれも1954年4月6日に生まれました。しかも、場所はいずれも米ケンタッキーのクレイボーンファーム。両馬ともアメリカを代表する名競走馬となり、引退後はともにクレイボーンファームで種牡馬となって大成功を収めました。


ここ20年ぐらいの我が国には以下のような例があります。


・オルフェーヴルとリアルインパクト(08年05月14日)
・ヴィクトワールピサとカレンチャン(07年03月31日)
・ブエナビスタとワンダーアキュート(06年03月14日)
・メイショウサムソンとファイングレイン(03年03月07日)
・ブルーメンブラットとソングオブウインドとシンゲン(03年02月20日)
・カネヒキリとトウカイトリック(02年02月26日)
・マンハッタンカフェとツルマルボーイ(98年03月05日)
・トロットスターとトーホウエンペラー(96年05月11日)
・キングヘイローとアグネスワールド(95年04月28日)
・メジロブライトとキョウエイマーチ(94年04月19日)
・アブクマポーロとヒシアケボノ(92年02月27日)


しかし、同日に生まれた馬同士が交配して産駒をもうける、という例は極端に少ないですね。何頭かいるはずですが、わたしがざっと調べたかぎりでは現3歳のアドマイヤフライトぐらいしか見当たりませんでした。同馬は、父マンハッタンカフェ、母アドマイヤキセキがいずれも1998年3月5日生まれ。新馬戦(芝1800m)で3着、続く未勝利戦(芝2200m)で2着と、まずまずの素質を見せているのでじきに勝ち上がるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100570/






『馬券師倶楽部2』再放送決定!


 栗山求(前編) 
02/21 (火) 06:30 〜 07:00
02/21 (火) 11:30 〜 12:00
栗山求(後編) 
02/22 (水) 06:30 〜 07:00
02/22 (水) 11:30 〜 12:00


CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。





フェブラリーSはテスタマッタ


昨年暮れのジャパンCダートのレース後、トランセンドに騎乗した藤田騎手は「1600mは苦手分野」「いまはもう少し長い距離のほうがいい」と語りました。東京ダ1600mで行われた昨秋の南部杯は、ゴール前でようやくダノンカモンを振り切るという内容で、トランセンドの実力からすると苦戦だったと思います。父ワイルドラッシュは本質的には小回りのダ1700〜1800m向きで、トランセンド自身、サンデーサイレンスも Mr.Prospector も持たず、Hyperion のパワーで走るダート馬。能力の高さでこなしているけれど配合的には決してマイル向きではありません。


……と、土曜日に行われた東京競馬場イベントでしゃべりました。ここまでのアプローチはまずまずよかったのですが、結論が◎エスポワールシチー(3番人気)だったので台無しです。


○トランセンド(1番人気)は好スタートを切ったものの、鞍上が押せど叩けど前に行けず。何もできないまま7着と大敗しました。加齢とともにズブさが出てきて、この距離をカバーするのが難しくなってきているのでしょう。1800mと1600mではテンの速さが違いますし、芝スタートはスピードの乗りがイマイチです。次走のドバイワールドCは2000mなので、今回の敗戦で馬のリズムが狂っていなければ本来の実力を発揮できるものと思われます。


大外を突き抜けた△テスタマッタ(7番人気)の岩田騎手は、投げキッスに加えて「やってマッタ」という軽口。浮かれるのも分かる、というぐらい気持ちのいい勝ち方でした。村山明調教師は、騎手時代の11年前、フェブラリーSでサンフォードシチーの手綱を取り、1番人気に推されたものの4着に敗れました。騎手生活を通じてG1で1番人気になったのはこれが最初で最後。そのときのリベンジを果たしました。
http://www.youtube.com/watch?v=BLghTELJ0_Q#t=2m59s


父 Tapit については一昨日のエントリーで詳しく触れたばかりです。昨年の北米サイアーランキングで3位となった期待の星で、A.P.Indy 系の屋台骨を支える重要種牡馬の1頭です。テスタマッタはその初年度産駒。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006110130/



Tapit の母 Tap Your Heels は、その父 Unbridled が持つ Dr.Fager と In Reality のニックスを継続(In Reality 4×3)しているので、エンパイアメーカーや Banshee Breeze といった名馬とよく似た配合パターンです。一昨日のエントリーに記したように息子の Tapit は A.P.Indy と Fappiano の関係がミソでしょう。
http://www.pedigreequery.com/tap+your+heels



テスタマッタは、3代母の父が Dr.Fager なので、上記のニックスを継続しています。個人的には好みの配合で、2年前に5番人気で2着に来た際には▲を打ち、7番人気の今回も4番手評価と、稽古やレース条件がよっぽど悪くない限りたいてい人気よりも上に評価してきました。周知のとおり折り合い難があるためムラ駆けタイプなのですが、岩田騎手はこのクセ馬を御す技術を持っており〔2・1・3・1〕という成績。さすがはトップジョッキーです。


◎エスポワールシチーは最後の直線で前が開かず、追い出しのタイミングが遅れてしまったのが痛かったですね。開いたときには外から伸びた馬が先に行っていました。スムーズな競馬なら2着争いに加わっていたと思います。終わった馬ではありません。







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