パーフェクト種牡馬辞典


朝日杯フューチュリティS展望


 今年の朝日杯フューチュリティS(G1・中山芝1600m)は、目玉となるような馬の参戦がなく、レベル的にはやや低調かもしれません。ただ、それだけに馬券的にはおもしろく、1頭ずつ詳細に検討していると時間がいくらあっても足りません。


中山独特のクセのあるコースで行われるので、それをこなせるかどうかが重要なポイントです。瞬発力より持続力が求められます。したがって、いかにもサンデー系らしい柔らかな瞬発力タイプよりも、粘り強いアメリカ血統が信頼できます。Roberto、Storm Cat、Mr.Prospector あたりはいいですね。


過去5年の連対馬10頭のうちサンデー系はわずか2頭だけ。ただ、母の父サンデーサイレンスは3頭連対しています。今年の出走馬のなかで母の父サンデーはアルフレードのみです。


出走16頭の父を見ると、リーディングサイアーのキングカメハメハも、現時点で2歳リーディングサイアーのディープインパクトも見当たりません。最も多いのは3頭の出走馬(スノードン、ハクサンムーン、レオアクティヴ)を送り込んできたアドマイヤムーン。


アドマイヤムーンは当ブログで再三取り上げてきたように、今年の2歳世代が初年度産駒で、重賞勝ち馬2頭を送り出すなど大成功しています。ただ、距離別の連対率を見ると芝1600mの成績が陥没しています。


芝1200m 44.4%
芝1400m 40.0%
芝1600m  9.5% ★
芝1800m 23.8%
芝2000m 33.3%


また、中央場所4場の成績(芝)を比べてみると、中山の数値が最も低いという結果が出ています。


東京 13.3%
中山 11.1% ★
京都 26.9%
阪神 30.0%


アドマイヤムーンにとって中山芝1600mは歓迎とはいえないコース。この逆風をものともせず勝ったとしたら能力が相当高いということでしょう。


外枠が不利であることは中山芝1600mの常識で、このレースでは13番枠から外は割り引きです。できれば1〜8番枠の馬を中心に馬券を組み立てたいところです。


力が拮抗しているので展開や騎手の手腕に左右されやすく、どう転んでも僅差の勝負となるでしょう。高配当が期待できるレースです。


なお、『ウマニティ』の「予想のメキキ」という岡田大さん(編集長)のコラムのなかで、有力馬数頭についての見解を披露しています。よろしかったらご覧ください。トップページの「お知らせ」欄から飛べます。
http://umanity.jp/home/home.php





『馬券師倶楽部2』再放送決定!


 栗山求(前編)
 12/18 (日) 09:00 〜 09:30
 12/18 (日) 19:00 〜 19:30
栗山求(後編)
 12/24 (土) 09:00 〜 09:30
 12/24 (土) 19:00 〜 19:30


CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。





次走が楽しみエクセラントカーヴ


 ■日曜小倉5Rの新馬戦(芝2000m)は、△メイショウデビッド(5番人気)が終始ラチ沿いを走って抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=cSiRP04lq_s

昨年の2歳戦では、師走の小倉芝2000m戦を勝ち上がったロッカベラーノ、コスモヘイガー、デボネアの3頭がその後もまずまずの成績を挙げました。小倉組ということで侮られ、人気がまったくないところで好走したため、高配当を連発しました。メイショウデビッドの今後にも注目したいところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100293/


父デビッドジュニアはいまや数少ない Ribot 系。本邦輸入種牡馬パラダイスクリークの甥にあたります。メイショウデビッドの2代母 Golden Lamb はブライアンズタイムの母 Kelley's Day の全姉。

今年の10月まで、デビッドジュニア産駒は芝新馬戦で通算32回走って連対がなく、この条件では絶対に買えない種牡馬でした。しかし、11月以降は5回走って3連対。なぜか急に走り出しました。ただ、それでも芝新馬戦の連対率は8.1%なので、積極的に買えるタイプではありません。

本馬は His Majesty≒Graustark 4×3という全きょうだいクロスを持ちます。スピード感のない鈍重なクロスで、基本的にはダートに向き、芝なら道悪のほうがいいというタイプに出がちです。これだけマイナス材料を抱えながら勝ったのは、器の大きさの証明かもしれません。

■日曜中山5Rの新馬戦(芝1600m)は、好位追走の◎エクセラントカーヴ(1番人気)が危なげなく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=xChtUUAj6N0

予想は◎○△で馬単660円、3連単3590円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。

「◎エクセラントカーヴは『ダイワメジャー×エーピーインディ』という組み合わせ。母方は良質なアメリカ血統で固められており、軽快な先行力を武器とするだろう。いかにも中山コースに合いそうなタイプ。若干水を含んだ馬場も合う。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105721/


母インディアナカーヴは通算13戦5勝。芝1200〜1600mを得意とするスピードタイプで、1000万下を突破したところで競走生活を終えました。スピード値の高い良質なアメリカ血統で構成されているので、交配相手の配合について神経質になる必要はなく、繁殖牝馬として成功しやすいタイプだと思います。丈夫さという面でやや問題があるのか、使い込めない産駒が目につきます。父ダイワメジャーはいかにも頑丈そうなのでこの点の心配は無用かもしれません。

距離はもっと延びても大丈夫です。Seattle Slew 系の肌にダイワメジャーですから、決め手にやや甘さがあるかも? と思っていたのですが、大外をしっかりとした末脚で伸びて完勝するという好内容でした。強い勝ち方だったので次走が楽しみです。





牝馬同士では重賞レベルにあるヴィルシーナ


 ■日曜阪神1Rの未勝利戦(ダ1200m)は、ダッシュよく先頭に立ったルタンデスリーズ(4番人気)が後続を4馬身引き離して逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=qoPimiwTgM0

デビュー戦(東京芝1400m)は1番人気に推されたものの11着。今回は関西遠征で、なおかつダート替わりということで人気を落としていました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101564/


全兄のタイセイアトムはガーネットS(G3・ダ1200m)の勝ち馬。母アトムチェリーも、2代母アトムプリンセスもダート向きでした。3代母アイアンロングは安田記念(当時はハンデ戦)2着、東京新聞杯(当時は芝2000m)2着などの成績を残しましたが、父がアイアンリージで Man o'War 4×4ですからパワーを秘めていたと思います。

ルタンデスリーズのダート巧者ぶりはこのファミリーが代々育んできた適性であり、ダート替わりでの一変もうなずける結果です。

■日曜阪神9Rのエリカ賞(2歳500万下・芝2000m)は、2番手追走のヴィルシーナ(3番人気)が逃げ馬をクビ差とらえました。
http://www.youtube.com/watch?v=f8WNfM6wbgI

ヒストリカル、ダノンムーン、ヴィルシーナと、ディープインパクト産駒が1〜3番人気を占めたレースでしたが、そのなかでいちばん人気のない牝馬が勝ちました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106264/


レースが終わると、検量室前に馬主の佐々木主浩さん、妻の榎本加奈子さん、息子さんのご家族3人が降りてきました。ご夫妻は「ありがとうございます」を連発して頭を下げ、関係者と握手をし、最高の笑顔を見せていました。2週間前、京都の醍醐特別(1600万下・芝1200m)でマジンプロスパーが勝ったばかり。2011年の馬主成績は21戦7勝ですから素晴らしいですね。

ヴィルシーナは父ディープインパクト、2代母がハルーワソングですから、フレールジャック(ラジオNIKKEI賞)と4分の3同血の関係にある良血馬です。


3コーナーからおっつけ通しでしたが、この手応えでしっかり伸びるところがこの馬の持ち味。友道調教師も「(メンディザバル騎手に)エンジンの掛かりが遅いということだけ指示した」とコメントしていました。メンディザバル騎手もズブいことを想定して前で競馬をすることを心掛けていたようです。おそらく忙しいレースには向いていないということだと思うのですが「長い距離のほうが合っている」と語りました。

父ディープインパクトは、全きょうだいの Glorious Song、Devil's Bag、Angelic Song を含んだ繁殖牝馬と相性がよく、この配合パターンを持つJRA出走馬6頭からダノンバラード、フレールジャックと2頭の重賞勝ち馬が誕生したほか、OP入りを果たした本馬、前週の新馬戦を勝ったアダムスピークなど素質馬がどんどん出てきています。12月9日のエントリー「Glorious Song を経由した Halo クロス」のなかでこの配合について考察しておりますのでご覧いただければと思います。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=47

エリカ賞を勝った牝馬はこれで5頭目です。過去4頭のその後の成績は以下のとおり。

92年ワコーチカコ……重賞4勝
95年メイショウヤエガキ……フラワーC2着
02年アドマイヤグルーヴ……エリザベス女王杯2連覇
07年アルスノヴァ……その後出走せず

いずれも重賞クラスの実力馬でした。ちなみに、アルスノヴァはドリームジャーニーとオルフェーヴルのきょうだいです。ヴィルシーナも牝馬同士では相当やれるでしょう。

3着ダノンムーンは序盤に13秒台のラップが続いたところで折り合いを欠きました。岩田騎手はあえて抑えてレースを教えたかったようですが満点回答とはならなかったようです。

5着ヒストリカルはスローペースを後方から進み、勝負どころで大外をマクる典型的な負けパターンの競馬。福永騎手が語っているように出遅れとダッシュの鈍さにすべての原因があるので、この点さえ改善すればこのクラスはすぐに卒業できそうです。





古馬の中長距離路線で本領を発揮しそうなジャングルクルーズ


 ■土曜阪神3Rの未勝利戦(芝1600m)は、単勝1.6倍の1番人気に推されたジェンティルドンナが好位から抜け出し、3馬身半差で楽勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=0zkumeSEsFE

全姉ドナウブルー(フィリーズレビュー−4着)は430キロ前後のコンパクトな馬体ですが、本馬は470キロと大柄。姉妹ともにパワフルなフットワークなのは母の父 Bertolini の影響でしょう。「Danzig×Alydar」という力強い血統で、名種牡馬 Green Desert とは4分の3同血の関係です。ピッチ走法を伝えるスピード血統は父ディープインパクトと合います。姉よりも頭が高く、道中はフワフワ走っている感じですが、追い出してからはなかなかの迫力ですね。決め手があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106253/


母ドナブリーニは、チェヴァリーパークS(英G1・芝6f)とチェリーヒントンS(英G2・芝6f)の勝ち馬。どちらも2歳重賞です。姉ドナウブルーは際立ったレースぷりで新馬−白菊賞を連勝したものの、その後の重賞戦線では4〜6着と馬券に絡めませんでした。早熟タイプなのかなと思ったのですが、先日の1000万下(芝1800m)では不良馬場で感心するぐらい強い勝ち方をしました。重賞クラスに返り咲いてもいいところがありそうです。

妹のジェンティルドンナは、ハイレベルな師走阪神の芝の混合未勝利戦を牝馬ながら3馬身半差で圧勝するわけですから、次走はどこに出ても重い印が付くでしょう。2代母の父リファーズスペシャルは、ハーツクライの2代母ビューパーダンスの全兄です。ハーツクライはビューパーダンスに含まれる Revoked が重要な要素で、Nothirdchance≒Revoked 4×5が配合上のキーポイントです。


このあたりについては旧ブログの09年12月5日のエントリー「ミカエルビスティーと『Nothirdchance≒Revoked』」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2009/12/nothirdchancere.html

ドナウブルーとジェンティルドンナの姉妹もこれを5×6で持っています。ハーツクライよりも代がひとつ遠ざかるので、そのぶん影響力も小さくなりますが、配合の隠し味ぐらいの効果はあるでしょう。

父ディープインパクトは先週の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)をジョワドヴィーヴルで勝ち、2歳種牡馬ランキングでダイワメジャーを逆転してついにトップに立ちました。勝利数(JRA)でも1勝差でトップを保っています。残りあと2週。この戦いは熱いですね〜。

■土曜中山3Rの未勝利戦(芝2000m)は、向正面でマクり気味に好位に取りついたジャングルクルーズ(1番人気)が危なげなく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=FFbdN670L8Q

11月の東京新馬戦(芝2000m)では、サトノプライマシーとのマッチレースにクビ差敗れましたが、3着以下を6馬身引き離しており、1、2着馬が素質的に抜けているのは誰の目にも明らかでした。今回は順当勝ちでしょう。

「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は、ジャガーメイル、トールポピー、アヴェンチュラ、アプリコットフィズなど多数の重賞勝ち馬を生み出しています。母フィヨルドクルーズは現役時代に愛知杯(G3)3着、福島牝馬S(G3)3着などの成績を残しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105926/


「ジャンポケ×サンデー」は、2代母の父にスピードタイプや軟弱な血が入ると総じてイマイチですね。いかつい Northern Dancer 系、ヨーロッパ型の重厚な血、スタミナに秀でた血がフィットします。この馬の2代母の父 Mtoto は名ステイヤー Busted の子で、現役時代にキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)、エクリプスS(英G1・芝10f)〔2回〕などを制しました。まさに条件にぴったりの血です。スタミナと底力に恵まれた配合なので、ジャガーメイルのように古馬になってから中長距離路線で本領を発揮しそうです。







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