パーフェクト種牡馬辞典


京都牝馬Sはドナウブルー


 最初の1ハロンを除いて12秒台のラップが一度もない、という締まったペース。昨年、一昨年のように勝ち馬が33秒台半ばの切れ味を発揮するようなレースにはならず、総合力が問われました。勝った◎ドナウブルー(2番人気)は好位のインでうまく立ち回り、直線でも最後まで着実に伸び続けました。
http://www.youtube.com/watch?v=9EQ5jxvTaXg


『netkeiba.com』の「No.1プロ予想」に提供した予想は◎○▲で馬単2010円、3連単1万930円的中です。


「◎ドナウブルーは『ディープインパクト×ベルトリーニ』という組み合わせ。全妹ジェンティルドンナは当レースと同じ京都外回り芝1600mで牡馬相手にシンザン記念(G3)を勝った。母ドナブリーニはイギリスのG1ウィナー。ポテンシャルの高い血統で、母方に入るスプリント血統の影響か、回転の速いフットワークがセールスポイント。京都牝馬Sは末脚の切れが要求されるレースで、ここ2年、勝ち馬の上がり3ハロンは33秒3、33秒6。本馬は2戦目の白菊賞で上がり33秒4の鬼脚を繰り出して差し切った。このレースに向いた鋭さを秘めている。小柄な馬だけに52キロの軽量で出られるのは大きい。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103250/



馬体重は自己最高タイの436キロ。昨年春は心身ともに幼さが目立ち、これは当分難しいかなぁという印象でしたが、昨年秋からようやく良くなってきました。ハイレベルな昨年のシンザン記念(1着レッドデイヴィス、2着オルフェーヴル、3着マルセリーナ)で1番人気に推されたほどの馬ですから、素質の高さは疑いようがありません。ちなみにそのレースは終始引っ掛かって5着でした。前走の1000万下を勝ったときも、今回のレースでも、引っ掛かるシーンはありませんでした。気性的な成長がうかがえます。


全妹のジェンティルドンナは今年のシンザン記念の勝ち馬。姉妹そろって重賞ウィナーとなりました。1月9日のエントリー「シンザン記念はジェンティルドンナ」から血統解説の部分を転載します。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=82


「母ドナブリーニは、チェヴァリーパークS(英G1・芝6f)とチェリーヒントンS(英G2・芝6f)の勝ち馬。どちらも2歳重賞です。母の父 Bertolini は『Danzig×Alydar』という力強いアメリカ血統で、名種牡馬 Green Desert の4分の3同血。現役時代はスプリント路線で活躍しました。


ディープインパクトはスプリント血統との相性が良好です。スプリンターは往々にしてガッチリとした体型で筋力があり、回転の速いフットワークを伝えます。小柄でしなやかでトビが大きいディープインパクトに足りない要素です。相反するふたつの個性を掛け合わせて、それらを併せ持つ馬が簡単に現れるなら、馬産に携わる人間は誰も苦労はしません。ディープインパクトは、相手牝馬に備わったスプリンター的なスピードをフットワークの鋭さに転化し、自身の芝向きの優雅さを損なうことなく産駒に伝え、優れたマイラーや中距離馬に仕立て上げます。ものすごく簡単な種牡馬なので、ある意味配合が楽かもしれません。」


1月の競馬が終了した時点で11の重賞が行われ、キングカメハメハが4勝、ディープインパクトが3勝という成績。2頭のマッチレースとなっています。今年のリーディングサイアー争いは熱いです。


ドナウブルーの手綱を取ったクリスチャン・デムーロ騎手は、ミルコ・デムーロ騎手の13歳下の弟。まだ19歳ですが、昨年、イタリアで222勝を挙げてリーディングジョッキーとなりました。この土日は〔2・3・2・9〕という上々の成績。昨年のこの時期、南関東で乗っていたときにも思いましたが、技術が確かでしっかり乗れる騎手です。このまま成長を続けたらデットーリ級になれるかも?





シルクロードSはロードカナロア


◎ロードカナロア(1番人気)の楽勝。単勝1.4倍の断然人気に応えました。ゴール直前で右ムチに反応して外にヨレたことを除けば完璧な勝利でした。
http://www.youtube.com/watch?v=uxWYkCGXoSM


予想は◎○で馬単850円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。


「◎ロードカナロアは『キングカメハメハ×ストームキャット』という組み合わせで、半兄ロードバリオスもOPクラスまで出世している。2代母サラトガデューは米G1を2勝した名牝。母の父ストームキャットは「ノーザンダンサー+セクレタリアト」という構成で、このパターンは父キングカメハメハと好相性を示している。ストームキャットは硬質なスピードを伝え、時計勝負にも強いタイプ。以前は一本調子なところが見られたが、ここ2戦は脚質にも幅が出てレースぶりは余裕綽々。このメンバー相手に取りこぼすことはなさそう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103552/



キングカメハメハと Secretariat の相性が良好なのは、同じ「Nasrullah 系×Princequillo」の Mill Reef をキングカメハメハが持っているからでしょう。ロードカナロアは、母レディブラッサムが Secretariat=Syrian Sea 3×4なので、より効果的なのかもしれません。この素軽い構成によって、Graustark=His Majesty 6×4という重厚なクロスが活きているような気がします。軽いスピード血統のみを寄せ集めても大物スプリンターは出てきません。


高松宮記念(3月25日・G1・芝1200m)が行われる新中京競馬場の直線は412.5m。新潟外回りと東京には及ばないものの、直線距離は日本で3番目の長さとなります。新潟外回りと東京に芝1200m戦はありません。したがって、日本一直線の長い芝1200m戦、ということになります。


たっぷり直線があるので、末脚の伸びで勝負が決する可能性が高くなります。ロードカナロアとカレンチャンはどちらもいい決め手を持っています。この対決は楽しみですね〜。カレンチャンはぶっつけ本番なので、ロードカナロアが1番人気の可能性もありそうです。





同一種牡馬の芝&ダート同日重賞制覇は5回目でした


 1月24日のエントリー「平安Sはヒラボクキング」のなかで、「同一種牡馬が芝とダートの重賞を同週に制覇する例はたまにありますが、同日となると記憶にありません。ひょっとしたら初めてではないでしょうか?」と記したところ、ライターの伊吹雅也さんが過去4例あったことをデータから掘り起こし、ブログに記していらっしゃいます(対象期間は86年以降)。トラックバックもいただきました。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=97
http://ibukist.seesaa.net/article/248500994.html


さらに、3場メインジャックの例が、キングカメハメハよりも以前にあったこともメールにて教えていただきました。06年3月11日のブライアンズタイムです(千葉S=ニシノコンサフォス、ファルコンS=タガノバスティーユ、大阪城S=マチカネメニモミヨ)。


伊吹さんはJRAサイトのなかで重賞データの記事を担当されています。調べ方が難しいテーマで、正直なところわたしもどう調べたらいいのかうまい方法が思いつかなかったのですが、サクッと正答を出されるあたり、さすがとしか言いようがないですね。ご指摘ありがとうございました。





Blushing Groom の忘れられた全兄


 先週の日曜日、小倉の未勝利戦(ダ1700m)で、タヤスツヨシ産駒のハヤブサという馬が初勝利を挙げました。六社特別(1000万下・芝1600m)を勝ったツーピースの半弟です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102801/



この血統には面白い血が入っています。


ベイラーン(牡・1971年生・父 Red God)


「TARGET frontier JV」と「netkeiba.com」の5代血統表を見ると、母馬の欄が空白となっています。そこに入る馬名は Runaway Bride。父は Red God ですから、要するに Blushing Groom の全兄弟です。



現役時代はフランスでG3を2勝し、引退直後の1975年に輸入され、77年にわずか6歳で死亡しました。供用されたのは76年の1年のみ。もちろん海外に残した産駒はいません。こうして人知れず消えていく輸入種牡馬は珍しくないのですが、この馬はふたつの点で際立った特長がありました。


ひとつは、先に述べたとおり Blushing Groom の全兄にあたる良血であること。ベイラーンが輸入されたとき、Blushing Groom はまだデビュー前でした。もし生まれる順番が違っていたら――仏2000ギニー(G1)やグランクリテリウム(G1)など5つのG1を制した全弟が先に生まれていたら――値段が跳ね上がって日本に入っていたかどうか怪しいと思います。似たような例としてはホープフリーオンがあります。同馬は Alydar の全兄で、輸入されたとき弟はデビュー前で、G1を3勝した半妹 Our Mims も頭角を現す前でした。これらの導入を決めた方がどなたかは存じ上げませんが、慧眼だったと思います。


もうひとつは、産駒成績がきわめて優秀だったこと。「JBISサーチ」によれば、馬名登録されたベイラーン産駒はわずか32頭で、そのなかからネオキーストン(福島記念)、テルノホープ(金鯱賞)、ホースメンヤマト(シンザン記念−3着)、スターフライト(百万石賞)、ファンタスティック(上山優駿樹氷賞)が現れました。もし無事に長生きしていれば……と思わずにはいられません。せめて5世代ぐらい産駒を残していれば、我が国の生産界に十分な影響を及ぼすことができ、これほど低い知名度に甘んじることもなかったはずです。


産駒うち、福島記念を勝ったネオキーストンが種牡馬となりました。そして、南関東の重賞で繰り返し入着したカゴヤツヨシ(黒潮盃−2着、東京王冠賞−3着、東京ダービー−4着、羽田盃−5着、東京大賞典−5着)の父となりました。89年に3歳だったので女傑ロジータの同期です。カゴヤツヨシが走っていた当時、ベイラーンの血を受け継ぐネオキーストンの子、という希少性からすでに知る人ぞ知る存在でした。いつも差して届かずというじれったい馬でしたね。


ネオキーストンが13年間の種牡馬生活で送り出した産駒はわずか43頭。このうち種牡馬となったものはなく、繁殖牝馬となった馬もごく少数です。92年生まれのサリーキーストンが血を繋ぎ、これがツーピースとハヤブサの2代母となっています。


Nijinsky と Blushing Groom はニックスで、ラムタラ、Kahyasi、ファンタスティックライト、Sky Beauty、Quest for Fame、Pursuit of Love、Peaks and Valleys など多くの名馬が誕生しています。ツーピースとハヤブサの母フジリューには Nijinsky とベイラーンの組み合わせがあります。ベイラーンは Blushing Groom の全兄ですから、上記のニックスがそのまま適用できるはずです。「エアダブリン×ネオキーストン」という地味な組み合わせながら上々の繁殖成績なのは、このニックスに秘密がありそうです。





向正面でマクリ一発、オークス馬の息子ノーブリー


 ■日曜小倉5Rの新馬戦(芝1800m)は、出遅れて後方を追走した★ノーブリー(4番人気)が向正面でマクって先頭に立ち、そのまま押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=PIQOT-0zkIk


藤岡康太騎手が派手なマクリで勝負を決めました。一瞬、サンディエゴシチーの東京スポーツ杯2歳Sがオーバーラップしたのですが、今回は最後まで脚がもちましたね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1994109467/



母はオークス馬ウメノファイバー。これにアドマイヤムーンですから、東京競馬場のG1ホース同士の配合です。母はこれまで目立った活躍馬は出していませんでした。産駒が新馬戦を勝ったのは初めてです。アドマイヤムーン産駒はこのレースに大量4頭の産駒を送り込んでいました。12月4日の未勝利戦(芝1800m)でサマールナが2着となってから、芝1800m以上では13戦連続で馬券圏内に入っていませんでした。これは距離の壁というよりクラスの壁という側面もあったと思います。


ウメノファイバーは函館の新馬戦を勝ち上がったときに、たまたま競馬場にいて馬券を取らせてもらい、乏しい旅の資金を大幅に増やしてくれた感動からそのままお気に入りとなった馬でした(笑)。もちろんそのときは翌年のオークス馬になるとは想像もしていませんでした。「サクラユタカオー×ノーザンディクテイター×シルバーシャーク×セダン」ですから、血統の古さは否めません。エンドスウィープとサンデーサイレンスを併せ持つ父アドマイヤムーンは現代血統の最新のトレンドなので交配相手として悪くないでしょう。今回は奇策がハマった面もあるので正攻法でどれだけやれるか見てみたいものです。先述のとおり東京競馬場のG1ホース同士の配合ですから、直線の長い中央開催でもやれるはずです。ただ、本質的には平坦向きかもしれないので、直線が平坦な京都開催ではとくに面白いと思います。


◎スターマイン(1番人気)は2着。『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で取り上げ、血統屋の『種牡馬別好配合馬リスト マンハッタンカフェ編』では◎を打った馬です。能力は示したので次走はキッチリ決めてくれそうです。







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