パーフェクト種牡馬辞典


朝日杯フューチュリティSはアルフレード


 先週はシンボリクリスエス産駒が大活躍。土曜日の阪神C(G2・芝1400m)をサンカルロが、日曜日の朝日杯フューチュリティS(G1・芝1600m)をアルフレードが勝ち、2日連続重賞Vを決めました。
http://www.youtube.com/watch?v=uHOLF9_VdqA

800m通過が45秒9ですから例年よりも速い流れ。逃げ馬の後ろにつけた▲アルフレード(1番人気)が直線で最内から抜け出しました。1分33秒4はレースレコードと同タイム。もちろん馬は強かったのですが、ウィリアムズ騎手の完璧な騎乗にも感心しました。一分の隙もなく、毛ほどのロスもありませんでした。今年はNHKマイルC(G1)でグランプリボスを勝利に導き、ジャパンC(G1)ではトーセンジョーダンを2着に持ってきたように、大舞台でしっかり乗れる技術が光ります。有馬記念のトーセンジョーダンでもいい仕事をしてくれそうです。

シンボリクリスエス産駒が芝のG1を制したのはこれが初めて。Roberto 系だけあって切れ味を伝えるタイプの種牡馬ではなく、昨年と今年はダートの勝ち星が芝のそれを上回っています。瞬発力勝負では見劣るため、芝の中距離G1ではサンデー系に太刀打ちできず、ここ2〜3年、クラシックで期待できる種牡馬のカテゴリーからは緩やかに離脱していたように思います。

ただ、今年の2歳世代は、繁殖牝馬のラインナップが過去最高といえる水準です。アドマイヤグルーヴ、トゥザヴィクトリー、ローズバド、ダンスインザムード、ダンスパートナー、ダイヤモンドビコー、フサイチパンドラ、マイケイティーズ、クルーピアスター、スティンガー、チューニーといった名の知れた牝馬が集まりました。非サンデー系のなかでは断然トップです。2歳戦の競走成績も過去最高で、アルフレード以外にもサトノギャラント(ベゴニア賞)やフジマサエンペラー(東京スポーツ杯2歳S−2着)などが現れ、残り1週を残して自己最高だった08年の25勝に並び、獲得賞金は同年の2億9165万円を上回り3億円を突破しました。

シンボリクリスエス産駒は総じてダート巧者ですが、決してスピードがないわけではなく、切れる脚がないだけです。平均して速いラップを刻むレースでは無類の強さを発揮します。要するにハイペースに対する耐久力が優れている、ということです。アルフレードは、連勝した1、2戦目とも道中がスローだったため速い上がりを計時しましたが、本質的には今回のようなハイペースの競馬が向いているのでは、と思います。

アルフレードと同じ「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」は、過去に大量のサンプルがあるにもかかわらず、中央の平地重賞の勝ち馬はサクセスブロッケン(フェブラリーS)しかいませんでした。しかも同馬はダートホース。芝では平地重賞の勝ち馬がいないどころかOP特別を勝った馬すらいません。したがって、個人的には芝のレースで重い印を打たないようにしています。

朝日杯フューチュリティS(G1・芝1600m)は、毎年締まったラップになるため、Roberto 系のシンボリクリスエス産駒にとっては好走しやすい条件です。加えてアルフレードの場合、2代母ラトラヴィアータがサクラバクシンオーの全妹である点もハイペースへの適性を感じさせ、伸びのある大きなフットワーク、好調を感じさせる稽古の動きからもそれなりに評価しなければいけないだろうと考え、▲を打ちました。一線級とは初めての手合わせでしたが器が一枚上でしたね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106321/


シンボリクリスエスは一発長打が期待できる Roberto 系だけに、生涯に一頭ぐらいはクラシックで勝ち負けになる大物を出せるのではないかと思います。それがアルフレードである可能性もあるでしょう。ただ、これから距離が延びてペースが落ちたときにどう対応するのか、といった課題もあります。今回の勝利は完璧なものではありましたが、まだ楽観できるような段階ではないと思います。

アルフレードの母プリンセスカメリアはリビアーモ(府中牝馬S−4着)の4分の3姉で、2代母ラトラヴィアータはサクラバクシンオーの全妹という良血です。最近、サクラハゴロモのファミリーに活気があるような気がします。ミッキードリーム(朝日チャレンジC)やアドマイヤベルナ(三木特別を5馬身差で圧勝)などはこの牝系から出ています。

母プリンセスカメリアは昨年の優勝馬グランプリボスと配合構成が似ています。サクラバクシンオー(=ラトラヴィアータ)とサンデーサイレンスの組み合わせを持つ繁殖牝馬はこれからどんどん増えていくと思うので、それらの身の振り方の参考になりそうです。「バクシンオー×サンデー」は非力で柔らかすぎるところがあるので、シンボリクリスエスの立派な馬格、ダートを苦にしないパワーが合うのかもしれません。将来グランプリボスが種牡馬になった際にもこのパターンは応用できるでしょう。






朝日杯の後のお楽しみ、荒れる愛知杯


 日曜日の小倉メインは愛知杯(G3・芝2000m)。通常なら中京競馬場で行われるレースですが、昨年に引き続き中京競馬場のリニューアル工事のため小倉競馬場で行われます。

小回り、多頭数、ハンデ戦、という波乱要素満載のレース。荒れることを想定して馬券を買いたいですね。先週行われた中日新聞杯(G3)も、愛知杯と同じく中京→小倉の開催移動があったハンデ重賞でしたが、勝ったのは11番人気のコスモファントムで、3連単は20万馬券となりました。

今年の1番人気はレーヴディソール。いうまでもなく昨年の2歳牝馬チャンプです。力が抜けているのは明らかで、現在の単勝オッズは1.8倍。アッサリ勝つ確率はやはり高いと思います。ただ、前走は長期休養明けでいきなりのG1挑戦だったとはいえ11着と大敗しており、万が一まだ体調が戻りきっていないとしたら……。個人的にはレーヴディソールを買いつつ、それを含めない馬券も同じぐらい買う予定です。3連単ドリームを味わえるとしたらこういうレースでしょう。

1着=16番人気、2着=14番人気で決まった08年のレースは、馬単10万馬券、3連単144万馬券という大荒れの決着。1、2着馬はいずれも前走1000万特別に出走していた格下の軽量馬でした。今回の出走メンバーのなかで1000万特別から挑戦してきたのはエスピナアスールのみ。前走の亀田特別(1000万下・芝1800m)は大逃げを打ってまんまと逃げ切りました。今回も51キロの軽量を活かしてそんなレースができればおもしろいと思います。

当レースで過去2勝を挙げているセラフィックロンプがまた出てきました。勝った過去2回は16番人気、6番人気で、今回は現時点で9番人気。これも押さえたいですね。昨年2着のブロードストリートも侮れません。前走のエリザベス女王杯は10着だったとはいえ、前残りの展開のなかでまずまずの内容だったと思います。あとはラフォルジュルネ。昨年のこの時期に小倉で3連勝したように季節とコースがぴったりです。この舞台に戻っての復活があってもおかしくありません。

単勝20倍以上で狙ってみたいのは以上の4頭です。これに人気馬を少々からめて定置網を完成させ、大きな獲物が迷いこんでくるのを待ちたいと思います。





朝日杯フューチュリティS展望


 今年の朝日杯フューチュリティS(G1・中山芝1600m)は、目玉となるような馬の参戦がなく、レベル的にはやや低調かもしれません。ただ、それだけに馬券的にはおもしろく、1頭ずつ詳細に検討していると時間がいくらあっても足りません。


中山独特のクセのあるコースで行われるので、それをこなせるかどうかが重要なポイントです。瞬発力より持続力が求められます。したがって、いかにもサンデー系らしい柔らかな瞬発力タイプよりも、粘り強いアメリカ血統が信頼できます。Roberto、Storm Cat、Mr.Prospector あたりはいいですね。


過去5年の連対馬10頭のうちサンデー系はわずか2頭だけ。ただ、母の父サンデーサイレンスは3頭連対しています。今年の出走馬のなかで母の父サンデーはアルフレードのみです。


出走16頭の父を見ると、リーディングサイアーのキングカメハメハも、現時点で2歳リーディングサイアーのディープインパクトも見当たりません。最も多いのは3頭の出走馬(スノードン、ハクサンムーン、レオアクティヴ)を送り込んできたアドマイヤムーン。


アドマイヤムーンは当ブログで再三取り上げてきたように、今年の2歳世代が初年度産駒で、重賞勝ち馬2頭を送り出すなど大成功しています。ただ、距離別の連対率を見ると芝1600mの成績が陥没しています。


芝1200m 44.4%
芝1400m 40.0%
芝1600m  9.5% ★
芝1800m 23.8%
芝2000m 33.3%


また、中央場所4場の成績(芝)を比べてみると、中山の数値が最も低いという結果が出ています。


東京 13.3%
中山 11.1% ★
京都 26.9%
阪神 30.0%


アドマイヤムーンにとって中山芝1600mは歓迎とはいえないコース。この逆風をものともせず勝ったとしたら能力が相当高いということでしょう。


外枠が不利であることは中山芝1600mの常識で、このレースでは13番枠から外は割り引きです。できれば1〜8番枠の馬を中心に馬券を組み立てたいところです。


力が拮抗しているので展開や騎手の手腕に左右されやすく、どう転んでも僅差の勝負となるでしょう。高配当が期待できるレースです。


なお、『ウマニティ』の「予想のメキキ」という岡田大さん(編集長)のコラムのなかで、有力馬数頭についての見解を披露しています。よろしかったらご覧ください。トップページの「お知らせ」欄から飛べます。
http://umanity.jp/home/home.php





『馬券師倶楽部2』再放送決定!


 栗山求(前編)
 12/18 (日) 09:00 〜 09:30
 12/18 (日) 19:00 〜 19:30
栗山求(後編)
 12/24 (土) 09:00 〜 09:30
 12/24 (土) 19:00 〜 19:30


CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。





次走が楽しみエクセラントカーヴ


 ■日曜小倉5Rの新馬戦(芝2000m)は、△メイショウデビッド(5番人気)が終始ラチ沿いを走って抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=cSiRP04lq_s

昨年の2歳戦では、師走の小倉芝2000m戦を勝ち上がったロッカベラーノ、コスモヘイガー、デボネアの3頭がその後もまずまずの成績を挙げました。小倉組ということで侮られ、人気がまったくないところで好走したため、高配当を連発しました。メイショウデビッドの今後にも注目したいところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100293/


父デビッドジュニアはいまや数少ない Ribot 系。本邦輸入種牡馬パラダイスクリークの甥にあたります。メイショウデビッドの2代母 Golden Lamb はブライアンズタイムの母 Kelley's Day の全姉。

今年の10月まで、デビッドジュニア産駒は芝新馬戦で通算32回走って連対がなく、この条件では絶対に買えない種牡馬でした。しかし、11月以降は5回走って3連対。なぜか急に走り出しました。ただ、それでも芝新馬戦の連対率は8.1%なので、積極的に買えるタイプではありません。

本馬は His Majesty≒Graustark 4×3という全きょうだいクロスを持ちます。スピード感のない鈍重なクロスで、基本的にはダートに向き、芝なら道悪のほうがいいというタイプに出がちです。これだけマイナス材料を抱えながら勝ったのは、器の大きさの証明かもしれません。

■日曜中山5Rの新馬戦(芝1600m)は、好位追走の◎エクセラントカーヴ(1番人気)が危なげなく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=xChtUUAj6N0

予想は◎○△で馬単660円、3連単3590円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。

「◎エクセラントカーヴは『ダイワメジャー×エーピーインディ』という組み合わせ。母方は良質なアメリカ血統で固められており、軽快な先行力を武器とするだろう。いかにも中山コースに合いそうなタイプ。若干水を含んだ馬場も合う。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105721/


母インディアナカーヴは通算13戦5勝。芝1200〜1600mを得意とするスピードタイプで、1000万下を突破したところで競走生活を終えました。スピード値の高い良質なアメリカ血統で構成されているので、交配相手の配合について神経質になる必要はなく、繁殖牝馬として成功しやすいタイプだと思います。丈夫さという面でやや問題があるのか、使い込めない産駒が目につきます。父ダイワメジャーはいかにも頑丈そうなのでこの点の心配は無用かもしれません。

距離はもっと延びても大丈夫です。Seattle Slew 系の肌にダイワメジャーですから、決め手にやや甘さがあるかも? と思っていたのですが、大外をしっかりとした末脚で伸びて完勝するという好内容でした。強い勝ち方だったので次走が楽しみです。







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