パーフェクト種牡馬辞典


トニービンとアフリートの関係が鍵、キャノンシュート


 ■日曜東京5Rの新馬戦(芝1800m)は、好位追走の○キャノンシュート(1番人気)が残り1ハロンで内から先頭に立って押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=weY9xl4DArQ


スローペースの上がりの競馬で、切れ味のある馬が上位に来ましたが、そのなかでもキャノンシュートの脚力が抜けていました。生産者の藤沢武雄さんはこの馬を管理する藤沢和雄調教師の実父です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106779/



共同通信杯(G3)を勝ったハンソデバンド(父マンハッタンカフェ)の半弟。母クラウンアスリートはニューイングランド(種牡馬)の半妹、Woodman の姪で、良血だけに繁殖牝馬として成功しており、ハンソデバンドのほかにロングスローイン、ウェンブリー、ヘディングマキなど堅実に活躍馬を出しています。


「ハーツクライ×アフリート」はオースミイージー(新馬−ききょうSを連勝)と同じで、この関係の核となっているのはトニービンとアフリートでしょう。このふたつの血はニックスです。「アフリート×トニービン」の組み合わせからはミリオンディスク、ゼンノパルテノン、ビッグウルフなどが出ており、ひっくり返した「トニービン×アフリート」からはサイドワインダーが出ています。


本馬はサイドワインダー(京都金杯、京阪杯、関屋記念)にサンデーを入れたような配合です。2000m前後の中距離で切れるタイプでしょう。配合が優れ、クオリティも高いので期待十分です。



◎ミッキーナチュラル(2番人気)は2着。今回は相手が悪かったですね。次走はほぼ勝てそうです。


■日曜東京9Rのセントポーリア賞(2歳500万下・芝1800m)は、牝馬メイショウスザンナが上がり34秒1でまとめてギリギリ逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=L1NC6B10LWc


5ハロン通過が63秒5ですから超スローペース。メイショウスザンナはこれまで逃げたことはありませんでしたが、武豊騎手は好スタートを切ったので迷うことなくハナへ行きました。誰も競りかけていかないので思い存分ペースを落とし、まんまと逃げ切りました。作戦勝ちですね。


父アグネスデジタルは日高の繁殖牝馬を中心に交配し、初年度、2年目とまずまず成績でした。3年目、4年目はイマイチで、メイショウスザンナは5年目の産駒です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105230/



母グリーンオリーヴはフェブラリーH(G3)を勝ったメイショウホムラ(メイショウバトラーの父)の半妹。メイショウホムラは父ブレイヴェストローマンのパワーでダート馬となりましたが、本馬の2代母メイショウスキーは「マルゼンスキー×Sicambre×Vatellor」ですから、やや鈍重さは感じられるものの芝適性のあるファミリーです。本馬は、これにサンデーサイレンスと Mr.Prospector を加えて誕生しました。「アグネスデジタル×サンデーサイレンス」はヤマニンキングリー、グランプリエンゼルなどが出ており成功しています。“サンデー+Mr.Prospector”はマイル〜中距離向きの手堅いスピードを伝えます。


牡馬相手に勝ったことは評価できますが、展開に恵まれたのも確かなので、牝馬同士でもトップレベルにはまだ及ばないでしょう。ただ、オークスで今回のような恵まれた展開に持ち込めれば怖い1頭です。





昇級後も即通用しそうなエアルプロン


 ■日曜京都5Rの3歳未勝利戦(芝2000m)は、好位を追走したエアルプロン(1番人気)が直線で鋭く抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=TneTwT4jdHQ


デビュー戦はハナ差2着で、今回は順当勝ち。上がり34秒4はメンバー中最速でした。昇級しても即通用でしょう。


先週取り上げたエアソミュールと同じくアイドリームドアドリームの孫にあたります。こちらはエアメサイア(秋華賞)とエアシェイディ(アメリカJCC)の下なので、アイドリームドアドリーム系の“本流”といえます。全兄エアジョイントは3戦未勝利で地方競馬に転出しました。弟のほうが馬のデキが良かったようです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105737/



「ディープインパクト×ノーザンテースト」は、初年度はほとんどダメでしたが、2年目はヒストリカル、トーセンホマレボシ、そしてこのエアルプロンと、味のある産駒が出てきています。やはり種牡馬は3世代ぐらい見ないと個性を見極めることができませんね。


2代母の父 Well Decorated は、Nasrullah≒Royal Charger 3×4で、同じ Lady Josephine 牝系の Badruddin、Tudor Minstrel が入り、Raise a Native も加わるという、やや過剰ともいえるスピード配合。
http://www.pedigreequery.com/well+decorated



日本に入ったハイパーナカヤマやゴーゴーナカヤマのように、アメリカ血統と結びつくと“速いけれど奥行きがない”といったタイプに出がちですが、アイドリームドアドリームの場合、母が Herbager 系×Ribot というヨーロッパ色の強い配合なので、ほどよいバランスで底力もスタミナもあります。決め手という面ではもうひとつですが、エアルプロンは父ディープインパクトによってそのあたりを補っているので期待できます。同産駒は史上最速でJRA通算200勝達成となりました。


■日曜京都6Rの新馬戦(芝1600m)は、好位を追走した○ウインサーガ(3番人気)が直線で鋭い決め手を発揮して差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=Q_JoW-wW79M


Halo 3×3、マイニング≒Seeking the Gold 3×3。血統表を見ていただければ分かるように、幾何学的な構成美を感じる父母相似配合です。この時期に去勢されているということは、それだけ気性が激しかったということだと思うのですが、この特殊な配合に起因する部分があるのかもしれません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105291/



Glorious Song の全きょうだいの血はサンデー系と相性がよく、とくにディープインパクトはこのパターンから重賞勝ち馬を連発しています。ゼンノロブロイも悪くなく、少ない産駒からコスモネモシン(フェアリーS)とマグニフィカ(ジャパンダートダービー)が出ています。母ウインルミエールは現役時代ダートで走った馬で、「Saint Ballado×Seeking the Gold」というやや硬い配合でもあり、芝適性に若干の懸念があったのですが、問題ありませんでした。ダートを走らせればそれなりに適性がありそうです。


◎ジョヴァンニ(5番人気)は2着。勝ちパターンでしたがゴール前で勝ち馬に強襲されました。配合的に優れているので次走以降に注目です。予想は○◎△で馬連3750円、3連複2万900円的中。





父似の競走スタイルで2連勝、カレンブラックヒル


 ■土曜京都9Rのこぶし賞(3歳500万下・芝1600m)は、2番手でレースを進めたカレンブラックヒル(1番人気)が直線で早め先頭に立って押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=4x_qG8Sk_4s


レースの際は晴れていましたが、直前まで雪が降りしきり、発走時刻が遅れて「ひょっとして中止?」と思う瞬間もありました。ちょうど東京競馬場のイベントに出演している最中の出来事で、共演者のひとりはカレンブラックヒルの馬主さんと関わりのある須田鷹雄さん。雪で待たされている間、競馬場にいる馬主の奥様(馬主ご本人は仕事で現場へ行けず)に電話を掛けて現地からの状況報告があったり、リアルタイムのドキュメントを見ているかのようでした。


雪が上がってすぐに行われたため、走路には若干雪が残る状態でした。初戦を逃げ切った際は重馬場だったので、こうしたコンディションの影響は受けません。序盤力んでいたことと、外伸びの馬場だったことを考えれば、着差はわずかですが上々といえる内容だったと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106230/



父ダイワメジャーはダンシングブレーヴとニックスの関係にあり、この組み合わせからトーセンベニザクラ(フェアリーS)、ダローネガ(デイリー杯2歳S−2着)、オメガホームラン(ジュニアC)、ダイワミストレス(フェアリーS−3着)といった活躍馬が出ています。


ダンシングブレーヴの母の父は Drone。前記の馬たちには Halo≒La Menina≒Drone という相似な血のクロスがあります。カレンブラックヒルも Drone を抱えているので配合的な骨格は同じです。


やや気性が前向きすぎるところがあり、母チャールストンハーバーが持つ Le Fabuleux 4×4に起因するものだとすれば、裏側に気性難が潜んでいる危険性があります。ただ、現状ではほどよい先行力となって表れているので、むしろ好ましいといえます。やはりダイワメジャー産駒は父に似た先行タイプがしっくり来ますね。父の面影を感じさせるこの競走スタイルのまま強くなってほしいものです。


今年の3歳牡馬戦線はゼロスやこの馬のように、しっかりとした先行力のある馬がいるので、締まった展開になりそうです。いいレースが見られそうです。


■土曜東京10RのヒヤシンスS(3歳OP・ダ1600m)は、フリートストリート(1番人気)が好位から抜け出しました。前走後、脚をぶつけたという報道があり、ソエも出ていたようですが、勝負には関係ありませんでした。万全の状態ならもっと楽に勝っていたでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=DaButloeTdY


3歳春のダート路線は、6月のユニコーンSまで重賞がありません。したがって、ヒヤシンスS、伏竜S、端午S、昇竜Sという4つのOP特別は、単なるOP特別以上の重みがあります。かつて同じ角居厩舎に所属したカネヒキリやフラムドパシオンのような存在になるかもしれません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102638/



父 Street Sense は現役時代、ケンタッキーダービー(米G1)とブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)を両方勝った初めての馬でした。母方に Dixieland Band、His Majesty という本格的な血が入るので、アメリカ産馬にしては重厚なタイプで中距離を苦にしません。3歳世代が初年度産駒で、アメリカではイロクォイS(G3)を勝った Motor City、フリゼットS(米G1)3着の Miss Netta が現時点における代表産駒です。


本馬は、2代母 Negligent がロックフェルS(英G3・芝6f)の勝ち馬で、英1000ギニー(G1・芝8f)でも3着となっている芝馬。母の父 Singspiel は、ローエングリン、ライブコンサート、アサクサデンエンの父であり、コスモネモシン、アダムスピークの母の父です。本馬は、近い世代に Singspiel、Machiavellian、Lorenzaccio を併せ持つので、アサクサデンエン(安田記念、京王杯スプリングC)にやや似ています。



父 Street Sense に芝適性があれば、洋芝ぐらいなら十分にこなしておかしくない配合です。芝適性の可能性を感じさせるダート馬だからこそ、ダート馬としての器が大きいともいえます。成長力のあるタイプだと思われるので今後まだまだ強くなるでしょう。





同年同日生まれ


囲碁の井山裕太天元と、将棋の室田伊緒女流初段が婚約を発表しました。おめでとうございます。そして、ちょっとビックリです。井山天元は“日本の宝”ともいえる囲碁界の若き天才で、室田女流初段は女流の人気棋士のひとり。どこにそんな接点が……と思ったら、両者はいずれも1989年5月24日生まれとのこと。ここが話の糸口で意気投合、というベタな流れを誰もが想像すると思うのですが、おそらくそうなのでしょう。


同年同日生まれの有名人同士が結婚する、という例はめったにないはずです。そもそも同じ日に生まれた人に出会う機会がありません。わたし自身、幼稚園時代から現在に至るまで、同年同日生まれの人と出会ったことは一度もありません。


過去を振り返ると、アップルのスティーヴ・ジョブズとF1ドライバーのアラン・プロストが1955年2月24日生まれだったり、写真家の今井寿恵と映画評論家の水野晴郎が1931年7月19日生まれだったり、サッカーのオランダ代表のパトリック・クライファートとファン・ニステルローイがいずれも1976年7月1日だったり、昭和天皇とゾルゲ事件で死刑となった尾崎秀実が1901年4月29日生まれだったり、興味深い例はいろいろあります。


サラブレッドの場合、出産シーズンが限られているので、同日生まれの名馬は珍しくありません。


有名なところでは、Bold Ruler と Round Table。いずれも1954年4月6日に生まれました。しかも、場所はいずれも米ケンタッキーのクレイボーンファーム。両馬ともアメリカを代表する名競走馬となり、引退後はともにクレイボーンファームで種牡馬となって大成功を収めました。


ここ20年ぐらいの我が国には以下のような例があります。


・オルフェーヴルとリアルインパクト(08年05月14日)
・ヴィクトワールピサとカレンチャン(07年03月31日)
・ブエナビスタとワンダーアキュート(06年03月14日)
・メイショウサムソンとファイングレイン(03年03月07日)
・ブルーメンブラットとソングオブウインドとシンゲン(03年02月20日)
・カネヒキリとトウカイトリック(02年02月26日)
・マンハッタンカフェとツルマルボーイ(98年03月05日)
・トロットスターとトーホウエンペラー(96年05月11日)
・キングヘイローとアグネスワールド(95年04月28日)
・メジロブライトとキョウエイマーチ(94年04月19日)
・アブクマポーロとヒシアケボノ(92年02月27日)


しかし、同日に生まれた馬同士が交配して産駒をもうける、という例は極端に少ないですね。何頭かいるはずですが、わたしがざっと調べたかぎりでは現3歳のアドマイヤフライトぐらいしか見当たりませんでした。同馬は、父マンハッタンカフェ、母アドマイヤキセキがいずれも1998年3月5日生まれ。新馬戦(芝1800m)で3着、続く未勝利戦(芝2200m)で2着と、まずまずの素質を見せているのでじきに勝ち上がるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100570/






『馬券師倶楽部2』再放送決定!


 栗山求(前編) 
02/21 (火) 06:30 〜 07:00
02/21 (火) 11:30 〜 12:00
栗山求(後編) 
02/22 (水) 06:30 〜 07:00
02/22 (水) 11:30 〜 12:00


CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。







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