パーフェクト種牡馬辞典


芸術的な逃げメイショウカドマツ


 ■日曜中山4Rの新馬戦(ダ1200m)は、抜群のスタートを切ったヴェルテュ(1番人気)が後続に3馬身半差をつけて逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=MKLdz-kJNE4


予想は◎△★で馬単1230円、3連単5620円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。


「◎ヴェルテュは『ファスリエフ×フジキセキ』という組み合わせ。父ファスリエフはダート短距離の新馬戦に抜群の適性を示しており、ダ1000〜1300mの新馬戦では連対率55.6%(9戦5連対)。稽古もまずまず動いているので勝ち負けになりそう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101637/



予想文にも記しましたが、ファスリエフのダート短距離新馬戦の実績はズバ抜けています。同馬はアイルランドで供用されていた時代、初年度産駒の勝ち上がり頭数の世界タイ記録(当時)を作りました。したがって仕上がりの早いタイプではあります。


日本にやってきてからの成績で意外だったのは、芝で走らず、ほぼダートオンリーの種牡馬だったこと。まだ初年度産駒が半年ちょっとしか走っていない段階ではありますが、芝連対率6.4%、ダート連対率35.5%はかなり極端な偏りといえます。ただ、考えてみると、ファスリエフの半妹オペラモーヴは芝で4戦して勝てず、ダートに替わった途端2連勝しました。また、母 Mr.P's Princess の半兄 Desert Wine は、まったく切れ味のないワンペース型の種牡馬でした。こうしたみるとダート向きの下地はありました。


ダート1000〜1300mの新馬戦ではこれで10戦6連対(連対率60%)。鉄板の条件といえるでしょう。


■日曜中山9Rの寒竹賞(2歳500万下・芝1800m)は、スタートから飛び出したメイショウカドマツ(5番人気)が逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=TZpjqMY30A8


正月競馬で最も印象的だった騎乗は、このレースで勝ち馬に乗った中舘騎手の逃げです。主催者発表のラップは以下のとおり。


12.8−10.9−12.9−12.2−12.5−12.0−12.2−12.0−12.0−12.1


一般的に逃げ馬は上がり勝負になると切れ負けします。切れる脚がないからこそ前に行って勝負をしているともいえます。しかし、逆にペースが速すぎると失速してしまいます。一定のペースを刻んでリズムよく走るのが逃げ馬にとっての理想の競馬といえるでしょう。このレースの中舘騎手が刻んだラップの美しさは思わずため息が出ます。2ハロン目以外はすべて12秒台。後半5ハロンはラップの起伏が0秒2しかありません。“逃げの中舘”の真骨頂といえる技術です。


その昔、ローカルで培った技術により日本最多勝を樹立した増沢末夫騎手も、同じように逃げの名人といわれました。ダイナオレンジやユキノサイレンスでの逃げ切りは、いつも正確無比な平均ラップだったのを思い出します。中舘騎手の技術は同じ域に達しているでしょう。


勝ったメイショウカドマツの父ダイワメジャーは、芝では1着27回、2着38回という数字が示すとおり、鋭い脚に欠けるところがあります。母の父 Kris S.(シンボリクリスエスの父)は Roberto 系であり、これまた鋭い脚を使えるタイプではありません。したがって、逃げ馬となったのはごく自然な成り行きであり、馬の個性を十全に発揮できるベストな選択だったといえるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100777/



Roberto を持つダイワメジャー産駒は、ほかにト−センベニザクラ、トランドネージュがいます。Roberto は Royal Charger≒Nasrullah 3×3。ダイワメジャーとニックスの関係にある“Royal Charger と Mahmoud を併せ持つ血”とやや似ています。近い世代に入れると切れ不足を助長してしまう可能性があるので4〜5代目あたりが妥当なのかもしれません。






上がりを要する流れで強いニューダイナスティ


 ■日曜京都4Rの新馬戦(ダ1200m)は、好位追走の◎スイートジュエリー(1番人気)がゴール前で△アンバルブライベン(2番人気)をクビ差とらえて勝ちました。
http://www.youtube.com/watch?v=aLxq8aSvDLU


予想は◎△○で馬単720円、3連単3830円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。


「◎スイートジュエリーは『キングカメハメハ×ソルトレイク』。これは牝馬三冠を達成したアパパネと同じ組み合わせ。同馬は芝で問題なく走ったが、母の父ソルトレイクはデピュティミニスター系なので、パワーを武器とするタイプだろう。半兄ナイキマドリードはさきたま杯(Jpn2)を勝ち、JBCスプリント(Jon1)でも2着となったダートのスピード馬だった。距離的にはマイルあたりがよさそうだが、1200mでも総合力で上回るはず。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102461/



母の父 Salt Lake は Deputy Minister 系のパワー型スプリンターで、2歳から3歳春までが旬。日本では1200m以下で全勝ち星の90%を挙げ、とくにダート戦が稼ぎどころでした。したがって「キングカメハメハ×Salt Lake」という組み合わせはダ1200mで安心して◎を打つことができます。514キロの大型牝馬で、マイル以下のダート路線で安定した走りを見せてくれそうです。ちなみに、牝馬三冠馬アパパネに関しては、快進撃を続けているときも意地になって◎を打たず、ずいぶん痛い目に遭いました(笑)。


■日曜京都5Rの未勝利戦(芝2000m)は、ニューダイナスティ(5番人気)が2番手追走から抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=LEItP1Z0H8s


ディープインパクト産駒が4頭出走し、1、2、3、5着を占めました。1月4日のエントリー「2011年の種牡馬傾向を振り返る(2)」に記したように、優秀な中距離タイプの種牡馬であるディープインパクトは、芝1700〜2000mのレンジで圧倒的な強さを誇ります。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=77


この距離の未勝利戦は、新馬戦で勝ち損ねたディープインパクト産駒が大量出走してくるケースが目立ちます。同じ父を持つ素質馬がひしめいており、大渋滞を起こしてなかなか勝ち上がれません。今回2着だったシルクキングリーは前走も2着でしたが、そのときの勝ち馬はやはりディープインパクト産駒でした。今回3着だったクランモンタナも、3着に敗れた前走の未勝利戦は2〜4着がディープインパクト産駒で、その前の2着時は別のディープインパクト産駒が1着でした。順番に勝ち上がっていくのだと思われますが、この渋滞が解消するのはしばらく先のことでしょう。


勝ったニューダイナスティは、母が「Dynaformer×Danzig」という組み合わせ。「Roberto 系×Danzig」はグラスワンダーを連想させます。グラスワンダーは小気味いいピッチ走法でしたが、ニューダイナスティのフットワークは大トビで手先が重い感じです。これは母の父 Dynaformer の影響でしょう。Dynaformer はやや緩慢で、日本向きの鋭さに欠けるところがあります。自身の上がりは35秒5。これで勝てる流れだったことが幸いしました。中長距離で上がりを要する流れになれば強そうです。具体的にはゆきやなぎ賞(3月10日・3歳500万下・阪神芝2400m)あたりで好走するイメージですね。古馬になって目覚めれば重賞も夢ではないと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106492/






オークス向きブリッジクライム


 ■木曜中山6Rの新馬戦(芝2000m)は、勝負どころで中団からマクリ気味に上昇した★ブリッジクライム(7番人気)が直線で3馬身突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=6x3bh2UPTHs


前半1000mが1分03秒0、ラスト2ハロンが11秒7−11秒4という上がり勝負。決め手が問われるこの流れで後続に3馬身差をつけました。芝2000mの新馬戦というタフな条件で男馬に交じってどうかと思われたのですが、力が抜けていましたね。


オールカマー(G2)で3着となったカリバーン(父デュランダル)の半妹。同じサンデー系なので4分の3妹といってもいいでしょう。母の父ボストンハーバーは軽いスピードタイプですが、2代母 Rezagante は重厚なスタミナに恵まれた芝向きのアルゼンチン血統。カリバーンなどはこの影響で2000m以上を得意としています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106032/



母方にアルゼンチン血統を抱えたゼンノロブロイ産駒といえばペルーサを思い出します。古めのアルゼンチン血統はたいていヨーロッパにルーツがあり、スタミナと底力に恵まれています。2代母の父 Practicante は現役時代にカルロスペレグリーニ大賞典(ダ3000m)、ナシオナル大賞典(ダ2500m)、ジョッキークラブ大賞典(芝2000m)、サンファンカピストラーノH(芝14f)などを勝ち、引退後はアルゼンチンで3回リーディングサイアーとなりました。父ゼンノロブロイはアメリカ血統が強く、底力にやや不安があるので、こういう図太い血がサポートするのは好ましいですね。


中長距離でおもしろいところがありそうな馬なので、フラワーC(G3)、フローラS(G2)あたりを使ってオークス(G1)に出られれば楽しみです。


■木曜中山9RのジュニアC(芝1600m)は、4番手追走のオメガホームラン(3番人気)が直線でしぶとく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=8qD3ZOutkUc


452キロとやや小型ながら、ダイワメジャー産駒らしい幅のあるガッチリとした馬体です。ここ2戦は切れ負けしていましたが、間隔をとった今回は成長の跡が見られ、最後まで力強く伸びました。


半兄ステージプレゼンス(父アグネスタキオン)はきさらぎ賞(G3)3着、同じく半兄のルルーシュ(父ゼンノロブロイ)は3戦2勝とまずまずの成績。母ダンスーズデトワールはマルセルブサック賞(仏G1・芝1600m)で2着となっています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105856/



ダイワメジャーとダンシングブレーヴの好相性については、昨日のエントリー「フェアリーSはトーセンベニザクラ」でご説明したとおりです。このパターンからトーセンベニザクラ(フェアリーS)、ダイワミストレス(フェアリーS−3着)、ダローネガ(デイリー杯2歳S−2着)、そしてこのオメガホームランが出ています。


ダイワメジャー産駒は正月最初の3日間で6勝を挙げ、9021万9000円を稼ぎ出しました。始まったばかりの2012年JRA種牡馬ランキングでは第1位です(2位はディープインパクトの8865万6000円)。この活躍により中堅のサンデー系種牡馬の成績には確実に影響が出ています。サンデー系同士の生き残り競争は年々激しさを増しており、ダイワメジャーもこの地位が安泰というわけではなく、今年の夏以降は後からどんどん入ってくる新種牡馬たちと戦わなければなりません。食うか食われるかの厳しい勝負です。





フェアリーSはトーセンベニザクラ


 半マイル通過が47秒8というスローペース。ラスト2ハロンが11秒5−11秒5という直線だけの競馬でした。○トーセンベニザクラ(3番人気)は中団から鋭く伸びて差し切り勝ち。坂下で馬群から抜け出せずうろうろするシーンもありましたが、前が開いた瞬間に弾けました。このメンバーのなかでは脚力が一枚上でしたね。
http://www.youtube.com/watch?v=3tn-M5_2zqo


父ダイワメジャーは昨年の新種牡馬チャンピオンです。2歳総合では2位だったものの、ディープインパクトと最終週までもつれこむ大接戦を演じました。現役時代にノーザンテースト的な成長力によって古馬のG1を勝ちまくった馬なので、2歳戦のみの早熟タイプでないことは明らかです。年が明けてからの活躍ぶりは素晴らしいですね。当レースの3着馬◎ダイワミストレス(5番人気)は同産駒ですし、この日、中山競馬で計3勝を挙げました。前日にはメイショウカドマツが寒竹賞(2歳500万下)を快勝。年明け初日の1月5日にはオメガホームランがジュニアC(2歳OP)を勝つなど2勝を挙げました。3日間で6勝、うち重賞、OP特別、500万特別が1勝ずつ、という成績は見事です。


1月8日のエントリー「フェアリーS展望」のなかのトーセンベニザクラに関する部分を再録します。


「『ダイワメジャー×ホワイトマズル』ですからダイワミストレスとまったく同じ組み合わせです。母トーセンブリリアンは Drone 4×4で、さらに Drone と相似な血の関係にある Durani が入るので、Halo≒La Menina≒Drone≒Durani 3・5×5・5・6。配合の骨格はダイワミストレスとよく似ています。前走の阪神ジュベナイルフィリーズは赤松賞で激走した反動が出たのか中間の稽古内容がやや軽く、最終追い切りも冴えませんでした。今回はしっかりと動いています。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102231/



「ダイワメジャー×ホワイトマズル」はこれまでに3頭が出走し、前述のトーセンベニザクラ、ダイワミストレスのほかにダローネガがデイリー杯2歳S(G2)で2着となっています。POGの際には忘れずにチェックしたい配合パターンです。ホワイトマズルの父はダンシングブレーヴで、母方にダンシングブレーヴを持つダイワメジャー産駒にはほかにジュニアCを勝ったオメガホームランがいます。


ダイワメジャーとダンシングブレーヴの相性がなぜ優れているか、ということは何度か書いてきました。ダイワメジャーの2代父 Halo は、芝向きのスピードと切れ味を武器としています。その源泉は Sun Princess≒Mahmoud 4×3という Lady Josephine 牝系の強化にあるのではないか、と思います。



Lady Josephine は現代スピード血脈の祖ともいえる偉大な名牝です。このあたりは『栗山求 Official Website』の「Works」内にある「わかりやすい初歩の血統」のなかで触れています。
http://www.miesque.com/motomu/ss8.html


また、笠雄二郎著『サラブレッド配合史』に詳述されておりますので、こちらもぜひご参照くださいませ。
http://www.miesque.com/c00001.html


Halo はその代表産駒がことごとく Mahmoud クロスを持つ、という際立った配合的バイアスがありました。サンデーサイレンスや Glorious Song も例外ではありません。Halo の血統のなかで Mahmoud がいかに重要な役割を果たしているか、という事実の証明ではないかと思います。



Halo は Sun Princess≒Mahmoud 4×3ですが、ダイワメジャーの4代母 La Menina は Sun Princess≒Mahmoud 2×3。両者の構成は似ているので、ダイワメジャーは Halo≒La Menina 2×4です。これがダイワメジャーの配合における核心部分だとしたら、それを強化する配合はおそらくうまくいくでしょう。



ダンシングブレーヴの母の父 Drone は、Halo ときわめて構成がよく似ており、この両者はニックスといえる関係にあります。どちらも Sun Princess≒Mahmoud 4×3です。このあたりは一昨年11月9、10日のエントリー「Halo≒Sir Ivor≒Drone(前・後)」をご参照ください。


Halo≒Sir Ivor≒Drone(前)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivordro.html
Halo≒Sir Ivor≒Drone(後)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivord-1.html


つまり、ダイワメジャーにダンシングブレーヴを加えた配合は、父の配合の核心部分を強化するものです。だから成功しやすいのではないかと思います。


前述のとおり、トーセンベニザクラは、母トーセンブリリアンが Drone 4×4で、さらに Drone と構成がよく似た Durani という血が6代目に入ります。前者の3代父は Royal Charger、後者の2代父はその4分の3同血の Nasrullah です。また、前者の2代母と後者の母はいずれも Ghazni(Mahmoud の娘)です。



したがって、トーセンベニザクラは Halo≒La Menina≒Drone≒Durani 3・5×5・5・6です。この配合は以前から高く評価しており、阪神ジュベナイルフィリーズでは追い切りの動きに不満を抱きつつも○を打ちました(9番人気で10着)。今回も○だったのは、◎に推したダイワミストレスがトーセンベニザクラと同じ「ダイワメジャー×ホワイトマズル」で、Halo≒La Menina≒Drone≒Turn to Reason 3・5×5・4という非常によく似た配合構成だったからです。ほとんど同じような配合で実力も甲乙つけがたいなら、人気のないほうに◎を打とうということで◎ダイワミストレス、○トーセンベニザクラという印にしてしまいました(笑)。


ダイワミストレスはスローペースに終始馬が力んでしまいましたね。気性的に難しいところのある馬なので、鞍上の北村宏司騎手がレース後に語ったようにもう少し速めのペースのほうがよかったと思います。それでもクビ、ハナ差の3着なので力はあります。トーセンベニザクラとダイワミストレスが同世代のトップに対抗するには、もう少し地力強化が必要でしょう。父ダイワメジャーの成長力に期待したいところです。





シンザン記念はジェンティルドンナ


 全姉のドナウブルーは、コンパクトな馬体をいっぱいに使った弾力性のあるフットワークで、個人的にかなり好みです。△ジェンティルドンナ(2番人気)はちょっと違いますね。頭が高いので重心もやや高く、一見、姉ほどのダイナミズムは感じられないのですが、追い出されてからのトモの蹴っぱりが見事です。このあたりが追っての味につながっているのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=cps6Sz_RlYw


半マイル通過が47秒2だったので、約4馬身差で追走していた2番手集団はかなり楽をしていました。結局、掲示板を占めたのは上位5番手以内につけていた馬たちです。ジェンティルドンナは序盤にやや折り合いを欠いたものの、すぐに落ち着きを取り戻して好位を追走し、残り200mを切ってから抜け出しました。


牝馬がシンザン記念を勝ったのは99年のフサイチエアデール以来13年ぶりです。昨年はのちに桜花賞を勝つマルセリーナが3着、全姉ドナウブルーが1番人気で5着でした。今回は追い切りの動きがどうしても気に入らず△に格下げしてしまいました。パドックでは悪く見えなかったので、そのときだけたまたま動かなかっただけなのかもしれません。現時点ではジョワドヴィーヴルに次ぐ牝馬2番手ではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106253/



それにしてもディープインパクトです。現3歳世代ではジョワドヴィーヴル、ディープブリランテ、アダムスピークに続く4頭目の重賞勝ち馬。このほかワールドエースなど、いずれ重賞を勝つのではないかと思われる素質馬は五指に余ります。2012年のリーディングサイアー奪取に向けて視界良好です。


母ドナブリーニは、チェヴァリーパークS(英G1・芝6f)とチェリーヒントンS(英G2・芝6f)の勝ち馬。どちらも2歳重賞です。母の父 Bertolini は「Danzig×Alydar」という力強いアメリカ血統で、名種牡馬 Green Desert の4分の3同血。現役時代はスプリント路線で活躍しました。


ディープインパクトはスプリント血統との相性が良好です。スプリンターは往々にしてガッチリとした体型で筋力があり、回転の速いフットワークを伝えます。小柄でしなやかでトビが大きいディープインパクトに足りない要素です。相反するふたつの個性を掛け合わせて、それらを併せ持つ馬が簡単に現れるなら、馬産に携わる人間は誰も苦労はしません。ディープインパクトは、相手牝馬に備わったスプリンター的なスピードをフットワークの鋭さに転化し、自身の芝向きの優雅さを損なうことなく産駒に伝え、優れたマイラーや中距離馬に仕立て上げます。ものすごく簡単な種牡馬なので、ある意味配合が楽かもしれません。


石坂正厩舎は、牡馬のアダムスピーク(ラジオNIKKEI杯2歳S)、牝馬のジェンティルドンナと、ディープインパクト産駒の牡牝の重賞勝ち馬を擁しています。鞍上はいずれもルメール騎手ですが、帰国したあとは浜中騎手あたりにバトンタッチするのでしょうか?


◎シゲルアセロラ(6番人気)は5着。現状では力が足りませんでした。なかなかの好配合馬で鞍上も褒めているように、1200〜1400mあたりでいずれ重賞を勝てる馬ではないかと思います。







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