パーフェクト種牡馬辞典


土曜日に東京競馬場のイベントに出演します


 1月28日(土)、東京競馬場のセンターコートで行われるイベントに出演します。以前は「オープン型レーシングセミナー」と「リアルタイム情報ステーション」の2本立てでしたが、それらが発展的解消をして新しい形態になるようです。時間はだいたい11時30分ごろから16時30分ごろまで。司会は竹山まゆみさん、共演は井内利彰さん、細江純子さんです。




母はチリのニックス配合、破壊力抜群パララサルー


 ■土曜中山5Rの未勝利戦(芝2000m)は、積極的にハナに行ったソルレヴァンテ(2番人気)が逃げ切りました。


4コーナーで手応えが悪くなり、後続に飲み込まれそうになりましたが、直線に入ってまた伸びるという味なレースぶり。重賞に何度か出走したバイタルスタイル(父スペシャルウィーク)の半弟ですから、ちょっといいところがありそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104317/



父キングカメハメハは「Nothern Dancer+Seceretariat」の構成を持つ血と相性が良好。ローズキングダム(ローザネイ)、ロードカナロア(Storm Cat)、ベルシャザール(セクレト)、エオリアンハープ(シークレットシェアラー)、ビンテージチャート(Storm Cat)などが代表例です(カッコ内は Nothern Dancer+Seceretariat の血)。本馬は2代母の父が Storm Cat なので、今週土曜日のシルクロードS(G3)に出走するロードカナロアと似ています。


母の父トニービンは、当コースで行われる皐月賞で2勝(ヴィクトリー、キャプテントゥーレ)、2着1回(ドリームパスポート)と好成績を残しています。しかも、勝った2勝は今回と同じく逃げ切り。トニービン自身は東京コースを得意としましたが、息子のジャングルポケットは中山コースが得意ですし、母の父としても同様です。代が遠ざかると小回りコース向きの持続力を増す働きがあるようです。荒れ馬場も得意でしょう。


■土曜中山9Rの菜の花賞(3歳500万下・芝1600m)は、中団追走のパララサルー(1番人気)が馬場中央を鋭く突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=-cDoCegFT1Q


昨年9月の新馬戦でゲンテンの2着に敗れてから、これで2連勝です。休み明けの前走が強い競馬だったので、今回も1番人気に推され、期待を裏切ることなく勝ってOP入りを果たしました。現3歳世代のディープインパクト産駒は、これで9頭目のOP入りです。混戦を抜け出す勝負強さ、末脚の破壊力は見どころ十分で、小回り専用というフットワークでもないので、いろいろなコースにしっかり適応できるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106489/



母の父 Stuka は現役時代に米西海岸のビッグレースであるサンタアニタH(G1)を勝ち、引退後は南米チリで07年にリーディングサイアーとなっています。2代母の父 Staegcraft はオペラハウスの4分の3同血。今回、雨で渋った馬場を苦にしなかったのはこのあたりの影響かもしれません。Sadler's Wells 系なので大レース向きの底力も伝えます。


母タンタスエルテは現役時代にアルトゥーロリヨンペニャ賞(G1・芝1600m)を勝ちました。初子のパララサルーがこれだけ走ったので、今後の繁殖生活が楽しみです。「Stuka×Stagecraft」の組み合わせはかなり成功しており、09年のチリ年度代表馬 Last Impact やその全弟でチリダービー馬 Amor de Pobre など7頭のG1馬が出現しています。この組み合わせから誕生した馬は計49頭と多く、同じ種馬場に繋養されているといった事情でもあるのかもしれませんが、14%強のG1ホース出現率ですから素晴らしいの一語。ニックスといっていいと思います。


母の父に Caerleon が入るディープインパクト産駒には、ジョワドヴィーヴル、トーセンレーヴ、ボレアス、ダノンシャークなどがいます。また、Sir Ivor≒Successor 5×5(Royal Charger≒Nasrullah、Mahmoud、Princequillo が共通)も切れ味を伝えそうなクロスなので好感が持てます。現時点ではジョワドヴィーヴルやジェンティルドンナを追いかける第二勢力といった位置づけですが、トライアルで力関係が変わってくるかもしれません。そんな期待を抱かせる良馬です。







ダイワメジャーの成功パターンに合致するカレンブラックヒル


 ■土曜京都4Rの新馬戦(ダ1800m)は、抑えきれない手応えで2番手を進んだ◎エリモフラッシュ(1番人気)が直線半ばであっさり抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=zEiwAMrHdJQ

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。

「◎エリモフラッシュは「ブライアンズタイム×パントレセレブル」という組み合わせ。エリモブライアン(ステイヤーズS)とは4分の3同血の関係にある。母の父にパントレセレブルが入って軽快さはなくなったがダ1800m向きのパワーとスタミナは十分。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100013/


ブライアンズタイム産駒らしいパワフルな走りです。エクセルマネジメント(旧えりも農場)生産のブライアンズタイム産駒は、エリモダンディー、エリモブライアン、エリモマキシムなど記憶に残る馬が多く、とくにエリモダンディーは配合的にも大好きな馬でした(マヤノトップガン、チョウカイキャロルと同じく母方に Vaguely Noble を持つ)。3歳秋から本格化の兆しを見せ、98年の日経新春杯を鮮やかに差し切って勝ったのですが、そのわずか2週間後に急死してしまいました。中長距離でG1を獲れる器だったといまも思っています。

エリモフラッシュとエリモブライアンは、母の父がパントレセレブルかマルゼンスキーか、というだけの違い。パントレセレブルは現役時代に凱旋門賞を5馬身差でレコード勝ちした名馬ですが、種牡馬としては軽快さや決め手に欠けるタイプでした。このあたりの重さがダート向きの適性となって表れているのでしょう。

■土曜京都6Rの新馬戦(芝1600m)は、じわっとハナに立った▲カレンブラックヒル(3番人気)が後続3馬身差をつけて逃げ切りました。3着は大差。
http://www.youtube.com/watch?v=J446rwyBXss

重馬場をゆるみのないペースで逃げて、最後の2ハロンは11秒7−11秒7ですから、3着以下がちぎれてしまったのは当然です。1400mの通過タイムは1分23秒6。これは同日準メインの花見小路特別(4歳以上1000万下・芝1400m)の2着馬と同タイムです。

ダイワメジャー産駒の馬場状態別連対率(芝)は以下のとおり。

良  24.2%(198戦48連対)
稍重 31.0%(29戦9連対)
重  34.8%(23戦8連対)
不良 28.6%(7戦2連対)

まだサンプルは少ないものの、馬場が渋ると成績が上向きます。

母チャールストンハーバーはケンタッキーダービー馬 Grindstone の娘。繁殖牝馬としてこれまで目立つ産駒は出していませんが、Grindstone の代表産駒 Birdstone と同じく母の父が Storm Bird 系で、配合的にやや似ている点がセールスポイントでしょうか。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106230/


Grindstone の母の父は Drone。ダイワメジャーはダンシングブレーヴとニックスの関係にあり、この組み合わせからトーセンベニザクラ、ダローネガ、オメガホームラン、ダイワミストレスといった活躍馬が出ています。ダンシングブレーヴの母の父は Drone。つまり、カレンブラックヒルはダイワメジャーとダンシングブレーヴのニックスから誕生した馬たちと同じポイントを強調した配合です(Halo≒La Menina≒Drone 3・5×4)。

ダイワメジャーの母スカーレットブーケと、2代母の父 Storm Cat は配合構成がやや似ているので、この関係もいいところがあるかもしれません。ただ、母方に Storm Cat を持つダイワメジャー産駒でいまのところ勝ち上がっているのは、メジャーアスリート、ドリームリーグとダートのほうがいいタイプのみ。Grindstone が入っていることを併せて考えると、カレンブラックヒルの適性はダート寄りなのかなと考えて▲しか打てませんでした。重い芝も向いたのかもしれませんが、予想以上のポテンシャルでしたね。次走、良馬場の芝でどれだけやれるか楽しみです。




平安Sはヒラボクキング


 単勝1.3倍の◎エスポワールシチー(1番人気)がまさかの2着。負けるシーンはあまり想像していなかったのですが、単勝56.4倍のヒラボクキング(10番人気)が勝つシーンはまったくの想定外でした。
http://www.youtube.com/watch?v=xKcyhEZ1nS4


エスポワールシチーの敗因として考えられるのは以下の3つ。


1.重め
2.展開
3.衰え


1については、過去2番目に重い506キロ(前走比+6キロ)での出走でした。前走のジャパンCダートで目一杯走り、次走にフェブラリーSを控えているという微妙な時期なので、もちろん100%の仕上げはできません。やや太かったかもしれませんね。ちなみに平安Sは、99年のオースミジェットを最後に1番人気馬が13連敗となりました。暮れの大レースとフェブラリーSの合間、という難しい時期に行われることが波瀾の要因かもしれません。


2については、エスポワールシチーの泣きどころである決め手勝負になってしまいました。中央ダートにおける自己最速の上がり3ハロンは一昨年のフェブラリーSで記録した35秒6。基本的には速いペースで押し切るダート馬らしいダート馬で、上がりの競馬には向いていません。一昨年の南部杯でオーロマイスターに敗れた際、34秒8の鬼脚を繰り出した勝ち馬に太刀打ちできませんでした。今回の上がりタイムはヒラボクキングと同じ36秒1。極端な上がり勝負ではなかったものの、決め手比べで弱みが出たと思います。


3については、7歳になって負けるはずのない相手に負ければ、そういう見方をされるのは仕方ありません。敗因については1、2の影響が大きかったと思いますが、やはり以前のエスポワールシチーであれば……という気持ちはどこかにありますね。


勝ったヒラボクキングはキングカメハメハ産駒。日曜日は中山のアメリカJCCを同じキングカメハメハ産駒のルーラーシップが勝ちました。同一種牡馬が芝とダートの重賞を同週に制覇する例はたまにありますが、同日となると記憶にありません。ひょっとしたら初めてではないでしょうか?
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007101634/



母の父 Rahy については1月19日のエントリー「『アグネスタキオン×Rahy』のメイショウジェーン、マジカルツアー」で取り上げたばかり。Rahy は母の父として成功しているほうで、とくにダートの成績は連対率21.0%ですから優秀です(芝は14.3%)。エントリーのなかでも述べたとおり、やや一本調子なところがあるのでダートが合っています。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=92


また、母方に Seattle Slew を持つキングカメハメハ産駒は、La Troenne の強い影響下にある Sex Appeal と My Charmer が結びつくためなのか、たいていパワー型に出てきます。加えてこの馬は、3代母 Kelley's Day がブライアンズタイムの母でもあり、Graustark 6×4というクロスが生じるので、完全にダート向きとなりました。Graustark は Ribot 系なので底力があります。このあたりが一発大物喰いの血統的根拠でしょうか。あるいはこれを機に馬が目覚めて本格化していく可能性もあるので、次走が楽しみです。





アメリカJCCはルーラーシップ


 同い年で同厩のヴィクトワールピサが引退し、角居厩舎の今年の大黒柱はルーラーシップとなります。G2にしてはやや手薄なメンバー構成だったので危なげなく快勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=XJY0JBy3bRk


馬場状態は不良まで悪化。この時季はカラカラ天気で良馬場になることが多く、1月の中山開催で不良馬場となったのは86年以降でわずか7回目。ルーラーシップはトビの大きな馬ではありますが、パワーがあって掻き込む力も強いので、そんな馬場も苦にしません。


予想は◎○△で馬単390円、3連単1270円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。


「◎ルーラーシップは『キングカメハメハ×トニービン』という組み合わせ。アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯)やフォゲッタブル(ステイヤーズS)の半弟で、母エアグルーヴは年度代表馬に選ばれた女傑。父母ともにサンデーを持たない配合としてはこれ以上望めないレベルにある。トビの大きい豪快なフットワークなので、本質的には大きなコースに向いているものの、休み明けながら4着に食い込んだ前走の有馬記念の走りが示すように、G2レベルでは力が断然上。渋った馬場も苦にしないので、ここで凡走するシーンは考えづらい。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103143/



日曜日はキングカメハメハ産駒が大活躍。中山、京都、小倉の3場はすべて同産駒がメインレースを勝ちました。土日で8勝という大爆発です。昨日のエントリーで同産駒の道悪成績について触れましたが、昨年と違って今年は好調ですね。


前週の日経新春杯を勝った同じキングカメハメハ産駒のトゥザグローリーと同じく、G2では明らかに手合い違いといえるだけの能力を示すのですが、G1になると善戦どまりです。キングカメハメハ産駒の牡馬で、これまでに3歳以上のG1を勝ったのはたった一度だけ(ローズキングダムのジャパンC)。それもブエナビスタの降着による繰り上がり優勝でした。いまやぶっちぎりのリーディングサイアーなのですから、チャンピオンクラスの3歳馬や古馬を見てみたいという望みは決して贅沢なものではないでしょう。


周知のとおり昨年のルーラーシップは脚部不安を抱えて順調に使えませんでした。そうした懸念が去った今年はひと味違うはずです。







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