パーフェクト種牡馬辞典


東久留米団地を歩く


 元日は酒を抜くためのウォーキングをしてきました。自宅近くを歩いても飽きるので、電車で1時間ちょっとのところにある東京都東久留米市上の原へ遠征。なぜこの場所を選んだかというと、小学1、2年生のころ通っていた東久留米市立第四小学校が今年3月に廃校になると聞いたからです。最後の姿を見ておこうと思いました。

この小学校は、東久留米団地(通称上の原団地)の一角にあり、そこから通う生徒が大多数を占めます。しかし、老朽化した団地を取り壊すため住民が転居し、生徒数が激減していました。

高度成長期に全国に建てられた団地は、現在そのほとんどが耐用年数に達しており、取り壊しの波に晒されています。東久留米団地は1962年の完成ですから今年でちょうど50年目。わたしは72年6月から77年3月まで(4〜8歳時)住んでいました。不惑を迎えたいいオッサンになっても、心の故郷として決して忘れることができないのが東久留米であり、このごくありふれた郊外の団地なのです。

団地に入ると、公団住宅だったエリアは、工事用のフェンスが張り巡らされて立ち入ることができません。一方、公務員住宅のエリア(昔はここに住んでいました)は、住民の方がまだいらっしゃるものの、その数はごく少ないようです。近々取り壊される運命なのでしょう。心の故郷を自分の目で見るのはおそらく今日が最後です。


ほとんど人の気配がない広大な団地。ベランダに洗濯物はなく、窓や門扉は固く閉ざされています。かつては人の流れが途切れず賑わっていた道は見渡すかぎり誰もいません。上空を舞うカラスが時折カァーと鳴き、野良猫がこちらをじっと見ています。音のない世界に迷いこんだかのように静かです。まるで人が消えて街だけが残ったSF映画の一シーンのようです。


小学校は冬休みなので立ち入ることができませんでした。校舎を目に焼き付けてその場を去りました。あちらの辻、こちらの通り、向こうの団地に目をやると、そのたびに子供時代の自分や友達の姿を幻視することができました。

古(ふる)団地 昭和は遠く なりにけり

2時間ほどかけて思い出の場所をひとつひとつ巡り、思わず口をついて出たのが中村草田男の名俳句をもじったこのインチキ川柳、というのが悲しいところです(笑)。とにもかくにも、高度成長期の輝かしい象徴だった団地が歴史的役割を終えていくその終着点を見た思いでした。

無人の団地の真ん中に立ち、そろそろ帰ろうかと思案していたところにマグニチュード7.0(震度3)の地震が発生。四階建ての団地群がいっせいに揺れ、窓枠がガタガタと鳴りました。揺れが収まると、何ごともなかったように元のしんとした団地に戻りました。





あけましておめでとうございます


 年末はどこにも遠出をせず自宅で過ごしました。大晦日が締め切りの原稿を執筆し、血統屋のスタッフと今後の方針について打ち合わせをし、大井競馬場で重賞レースを観戦し、ブログや年賀状を書いていました。何も起こらない静かな年の瀬です。

ここ何年か、年末年始には必ずどこかへ旅をし、自宅を留守にしていました。競馬の仕事をしていると毎週途切れなくレースがやってくるので、エアポケットのようなこの時期に、無性にどこかへ行きたくなります。昨年はいろいろなことが起こり過ぎたので、なんとなくそんな気分になりませんでした。

家にずっといるとどうしても酒量が増えますね。いつもの年の3倍ぐらい飲んでいたような気がします。ケースで買った缶ビールが猛スピードで減っていきました。2012年の抱負として大きなことは思いつかないのですが、とりあえず運動をして酒を抜きたいです(笑)。

大晦日は大井競馬場へ。メインレースの東京2歳優駿牝馬(S1・ダ1600m)は、エンジェルツイート(2番人気)が逃げ切りました。エミーズパラダイス(1番人気)が2着。行った行ったの決着です。
http://www.youtube.com/watch?v=Up7XHZXXkDg

両馬ともホッカイドウ競馬でデビューし、南関東に転厩してきました。勝ったエンジェルツイートは平和賞に続く重賞連勝。配合については11月19日のエントリー「きょうだいで重賞V」で触れています。兵庫の雄オオエライジンの半妹です。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=27


手綱を取った森泰斗騎手(船橋・30歳)は、2011年の南関東で最も躍進した騎手といえるでしょう。169勝を挙げ、戸崎圭太騎手(327勝)、御神本釧史騎手(203勝)に次ぐ第3位に食い込みました。10年は113勝で第6位、09年は65勝で第18位でした。年々ジャンプアップして順位を上げ、いまや南関東を代表する名手のひとりです。もともと北関東でデビューし、同地の競馬が05年に廃止になると、船橋競馬に移ってきました。関東で今年ブレイクした田辺裕信騎手もそうですが、腕の冴えた若手騎手が頭角を現していくときのオーラは独特なものがあります。

新しく何かが台頭し、何かが衰え、その繰り返しで競馬は新しくなっていきます。馬も人も、毎年同じようで同じではありません。2012年の競馬はスターホースがそろっているので楽しくなりそうです。春のクラシックでディープインパクト産駒が本領を発揮するのか、秋の凱旋門賞でオルフェーヴルがどんな競馬をするのか、興味が尽きません。個人的にはぜひフランスへ行ってレースを観戦したいです。

今年もよろしくお願いいたします。





年末雑感


 ■2011年の競馬を振り返ると、一番印象に残ったのは東日本大震災による開催中止です。次に四冠馬オルフェーヴルの出現。そしてヴィクトワールピサのドバイワールドC制覇でしょうか。
■個人的な競馬との関わりでいえば『血統屋』を立ち上げたことですね。春のクラシックシーズンを前にOPENするはずが、地震によってそれどころではなくなり、5月に延びました。広告を出す間もない見切り発車のスタートで、はたしてお客さまがいらっしゃるのだろうかと不安があったのですが、みなさまのご支援によって軌道に乗ることができました。心から感謝いたします。来年は早く早野仁さんの「種牡馬大系」を出したいです。
■血統屋のトップページを少々いじり、ブログの新着エントリー表示機能を設置しました。栗山求、望田潤、桑原拓三のブログがそれぞれ更新されると、1時間以内に血統屋トップページの窓に表示されます。表示をクリックすれば直接エントリーに飛ぶことができます。
http://www.miesque.com/
■本日、大井競馬場で東京2歳優駿牝馬(S1・ダ1600m)が行われます。南関東の2歳女王決定戦ですね。前売りの単勝1番人気(1.2倍)はエミーズパラダイス(父フサイチコンコルド)。ホッカイドウ競馬から転入馬で、転入初戦の前走みずどり特別(ダ1600m)を4馬身差で圧勝しました。川島正行厩舎所属で戸崎圭太騎手、それに社台グループの生産馬となれば、昨年の覇者クラーベセクレタを連想します。母エミーズスマイルはアグネスタキオンとホワイトマズルのニックスを持ち、個人的に好きな馬でした。つい最近まで走っていたような気がするので、子供がもう競走年齢に達していることに驚きです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105748/



■元旦の夜10時から、グリーンチャンネルで「新春BIG対談〜吉田照哉&岡田繁幸〜」が放送されます。これは見逃せません。1月4日までに3回ほど再放送があるようなので見逃した方でも大丈夫です。





「血統屋メールマガジン」を始めます


 発行の承認を得たのは半年ほど前でしたが、人手が足りず時間もなく、1号も出さないまま半年が経過してしまいました。このままではいけない!ということで来年から定期的に出していきたいと考えています。下記のURLから登録可能です。血統屋のトップページの左下あたりにも登録フォームがあります。
http://www.mag2.com/m/0001305873.html


発行周期が「ほぼ日刊」となっておりますが、このペースで出すのはたぶん難しいでしょう。出しながら徐々に体裁を整えていき、内容を固めていけたらと考えています。大晦日に創刊準備号を出します。もしよろしければご登録いただければと存じます。何卒よろしくお願いいたします。





スマートファルコンが東京大賞典を連覇


 勝つには勝ったけれど……。そんなふうに思ってしまうのはスマートファルコンが歴史的名馬だからです。昨年秋のJBCクラシックから今年の帝王賞まで、スマートファルコンの比較対象となる存在はクロフネだけでした。


しかし、秋緒戦の日本テレビ盃、2戦目のJBCクラシックは、それまでの暴力的な強さが影を潜めていました。レースぶりからそれを感じ取った方は少なくなかったと思いますし、当ブログでも指摘してきました。6歳の暮れ、通算32戦目。どれほど偉大な馬でもマシーンではないので、衰えが兆してきたとしても不思議ではありません。


残り100mでワンダーアキュートが外から迫り、もはや絶体絶命かと思われたところからギリギリ残したのは、スマートファルコンの名馬としての意地でしょうか。並の逃げ馬がああいう態勢に持ち込まれると粘り切るのは至難の業です。年末の大一番にふさわしい熱いレースでした。
http://www.youtube.com/watch?v=bHKk8WbYNI4


配合については旧ブログ9月24日のエントリー「日本テレビ盃(G2・船橋ダ1800m)はスマートファルコン」をご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/09/post-1735.html


スマートファルコンは本格化してから大井競馬場のダート2000mで4戦しています。以下は主催者が発表したラップタイムです。


★10年東京大賞典(勝ちタイム2分00秒4=レコード)
 12.2- 11.1- 11.5- 12.2- 11.9- 12.1- 12.1- 12.3- 11.9- 13.1
★11年帝王賞(勝ちタイム2分01秒1)。
 12.2- 11.0- 12.0- 12.3- 12.3- 12.6- 12.7- 12.6- 11.3- 12.1
★11年JBCクラシック(勝ちタイム2分02秒1)
 12.6- 11.8- 12.4- 12.1- 11.8- 12.0- 12.1- 12.3- 11.9- 13.1
★11年東京大賞典(勝ちタイム2分01秒8)
 12.3- 11.2- 12.0- 12.1- 11.9- 12.0- 12.1- 12.7- 12.3- 13.2


逃げ馬の調子は上がりのタイムに表れます。調子が良ければスイスイと逃げ切りますし、悪ければバテます。以下は上がり4ハロンと3ハロンの比較です。


49.4- 37.3(10年東京大賞典)
48.7- 36.0(11年帝王賞)
49.4- 37.3(11年JBCクラシック)
50.3- 38.2(11年東京大賞典)


スマートファルコンは速いペースで逃げて、なおかつ上がりもしっかりしているのがセールスポイントです。今回はちょっと鈍りましたね。もちろん、それぞれ微妙な馬場差があるので単純比較はできないのですが、絶好調時のスマートファルコンなら相手が何であれ馬体を接してゴールするようなシーンは考えられませんでした。今回のレース結果を受けて小崎憲調教師は、来年のドバイ遠征を行うか断念するか迷いが生じてきているようです。


東京大賞典2連覇、昨年秋のJBCクラシックから8連勝、今年に入ってから5戦全勝。この実績は過去に類例がないほど素晴らしいものです。ただ、もはや歴史的名馬ではないのかもしれない……という寂しさも感じます。この感想が早合点であったと笑われるような走りを、来年のスマートファルコンには期待したいところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005100097/








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