パーフェクト種牡馬辞典


『馬券師倶楽部2』再放送決定!


 栗山求(前編)
 12/18 (日) 09:00 〜 09:30
 12/18 (日) 19:00 〜 19:30
栗山求(後編)
 12/24 (土) 09:00 〜 09:30
 12/24 (土) 19:00 〜 19:30


CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。





次走が楽しみエクセラントカーヴ


 ■日曜小倉5Rの新馬戦(芝2000m)は、△メイショウデビッド(5番人気)が終始ラチ沿いを走って抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=cSiRP04lq_s

昨年の2歳戦では、師走の小倉芝2000m戦を勝ち上がったロッカベラーノ、コスモヘイガー、デボネアの3頭がその後もまずまずの成績を挙げました。小倉組ということで侮られ、人気がまったくないところで好走したため、高配当を連発しました。メイショウデビッドの今後にも注目したいところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100293/


父デビッドジュニアはいまや数少ない Ribot 系。本邦輸入種牡馬パラダイスクリークの甥にあたります。メイショウデビッドの2代母 Golden Lamb はブライアンズタイムの母 Kelley's Day の全姉。

今年の10月まで、デビッドジュニア産駒は芝新馬戦で通算32回走って連対がなく、この条件では絶対に買えない種牡馬でした。しかし、11月以降は5回走って3連対。なぜか急に走り出しました。ただ、それでも芝新馬戦の連対率は8.1%なので、積極的に買えるタイプではありません。

本馬は His Majesty≒Graustark 4×3という全きょうだいクロスを持ちます。スピード感のない鈍重なクロスで、基本的にはダートに向き、芝なら道悪のほうがいいというタイプに出がちです。これだけマイナス材料を抱えながら勝ったのは、器の大きさの証明かもしれません。

■日曜中山5Rの新馬戦(芝1600m)は、好位追走の◎エクセラントカーヴ(1番人気)が危なげなく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=xChtUUAj6N0

予想は◎○△で馬単660円、3連単3590円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。

「◎エクセラントカーヴは『ダイワメジャー×エーピーインディ』という組み合わせ。母方は良質なアメリカ血統で固められており、軽快な先行力を武器とするだろう。いかにも中山コースに合いそうなタイプ。若干水を含んだ馬場も合う。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105721/


母インディアナカーヴは通算13戦5勝。芝1200〜1600mを得意とするスピードタイプで、1000万下を突破したところで競走生活を終えました。スピード値の高い良質なアメリカ血統で構成されているので、交配相手の配合について神経質になる必要はなく、繁殖牝馬として成功しやすいタイプだと思います。丈夫さという面でやや問題があるのか、使い込めない産駒が目につきます。父ダイワメジャーはいかにも頑丈そうなのでこの点の心配は無用かもしれません。

距離はもっと延びても大丈夫です。Seattle Slew 系の肌にダイワメジャーですから、決め手にやや甘さがあるかも? と思っていたのですが、大外をしっかりとした末脚で伸びて完勝するという好内容でした。強い勝ち方だったので次走が楽しみです。





牝馬同士では重賞レベルにあるヴィルシーナ


 ■日曜阪神1Rの未勝利戦(ダ1200m)は、ダッシュよく先頭に立ったルタンデスリーズ(4番人気)が後続を4馬身引き離して逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=qoPimiwTgM0

デビュー戦(東京芝1400m)は1番人気に推されたものの11着。今回は関西遠征で、なおかつダート替わりということで人気を落としていました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101564/


全兄のタイセイアトムはガーネットS(G3・ダ1200m)の勝ち馬。母アトムチェリーも、2代母アトムプリンセスもダート向きでした。3代母アイアンロングは安田記念(当時はハンデ戦)2着、東京新聞杯(当時は芝2000m)2着などの成績を残しましたが、父がアイアンリージで Man o'War 4×4ですからパワーを秘めていたと思います。

ルタンデスリーズのダート巧者ぶりはこのファミリーが代々育んできた適性であり、ダート替わりでの一変もうなずける結果です。

■日曜阪神9Rのエリカ賞(2歳500万下・芝2000m)は、2番手追走のヴィルシーナ(3番人気)が逃げ馬をクビ差とらえました。
http://www.youtube.com/watch?v=f8WNfM6wbgI

ヒストリカル、ダノンムーン、ヴィルシーナと、ディープインパクト産駒が1〜3番人気を占めたレースでしたが、そのなかでいちばん人気のない牝馬が勝ちました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106264/


レースが終わると、検量室前に馬主の佐々木主浩さん、妻の榎本加奈子さん、息子さんのご家族3人が降りてきました。ご夫妻は「ありがとうございます」を連発して頭を下げ、関係者と握手をし、最高の笑顔を見せていました。2週間前、京都の醍醐特別(1600万下・芝1200m)でマジンプロスパーが勝ったばかり。2011年の馬主成績は21戦7勝ですから素晴らしいですね。

ヴィルシーナは父ディープインパクト、2代母がハルーワソングですから、フレールジャック(ラジオNIKKEI賞)と4分の3同血の関係にある良血馬です。


3コーナーからおっつけ通しでしたが、この手応えでしっかり伸びるところがこの馬の持ち味。友道調教師も「(メンディザバル騎手に)エンジンの掛かりが遅いということだけ指示した」とコメントしていました。メンディザバル騎手もズブいことを想定して前で競馬をすることを心掛けていたようです。おそらく忙しいレースには向いていないということだと思うのですが「長い距離のほうが合っている」と語りました。

父ディープインパクトは、全きょうだいの Glorious Song、Devil's Bag、Angelic Song を含んだ繁殖牝馬と相性がよく、この配合パターンを持つJRA出走馬6頭からダノンバラード、フレールジャックと2頭の重賞勝ち馬が誕生したほか、OP入りを果たした本馬、前週の新馬戦を勝ったアダムスピークなど素質馬がどんどん出てきています。12月9日のエントリー「Glorious Song を経由した Halo クロス」のなかでこの配合について考察しておりますのでご覧いただければと思います。
http://kuriyama.miesque.com/?eid=47

エリカ賞を勝った牝馬はこれで5頭目です。過去4頭のその後の成績は以下のとおり。

92年ワコーチカコ……重賞4勝
95年メイショウヤエガキ……フラワーC2着
02年アドマイヤグルーヴ……エリザベス女王杯2連覇
07年アルスノヴァ……その後出走せず

いずれも重賞クラスの実力馬でした。ちなみに、アルスノヴァはドリームジャーニーとオルフェーヴルのきょうだいです。ヴィルシーナも牝馬同士では相当やれるでしょう。

3着ダノンムーンは序盤に13秒台のラップが続いたところで折り合いを欠きました。岩田騎手はあえて抑えてレースを教えたかったようですが満点回答とはならなかったようです。

5着ヒストリカルはスローペースを後方から進み、勝負どころで大外をマクる典型的な負けパターンの競馬。福永騎手が語っているように出遅れとダッシュの鈍さにすべての原因があるので、この点さえ改善すればこのクラスはすぐに卒業できそうです。





古馬の中長距離路線で本領を発揮しそうなジャングルクルーズ


 ■土曜阪神3Rの未勝利戦(芝1600m)は、単勝1.6倍の1番人気に推されたジェンティルドンナが好位から抜け出し、3馬身半差で楽勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=0zkumeSEsFE

全姉ドナウブルー(フィリーズレビュー−4着)は430キロ前後のコンパクトな馬体ですが、本馬は470キロと大柄。姉妹ともにパワフルなフットワークなのは母の父 Bertolini の影響でしょう。「Danzig×Alydar」という力強い血統で、名種牡馬 Green Desert とは4分の3同血の関係です。ピッチ走法を伝えるスピード血統は父ディープインパクトと合います。姉よりも頭が高く、道中はフワフワ走っている感じですが、追い出してからはなかなかの迫力ですね。決め手があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106253/


母ドナブリーニは、チェヴァリーパークS(英G1・芝6f)とチェリーヒントンS(英G2・芝6f)の勝ち馬。どちらも2歳重賞です。姉ドナウブルーは際立ったレースぷりで新馬−白菊賞を連勝したものの、その後の重賞戦線では4〜6着と馬券に絡めませんでした。早熟タイプなのかなと思ったのですが、先日の1000万下(芝1800m)では不良馬場で感心するぐらい強い勝ち方をしました。重賞クラスに返り咲いてもいいところがありそうです。

妹のジェンティルドンナは、ハイレベルな師走阪神の芝の混合未勝利戦を牝馬ながら3馬身半差で圧勝するわけですから、次走はどこに出ても重い印が付くでしょう。2代母の父リファーズスペシャルは、ハーツクライの2代母ビューパーダンスの全兄です。ハーツクライはビューパーダンスに含まれる Revoked が重要な要素で、Nothirdchance≒Revoked 4×5が配合上のキーポイントです。


このあたりについては旧ブログの09年12月5日のエントリー「ミカエルビスティーと『Nothirdchance≒Revoked』」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2009/12/nothirdchancere.html

ドナウブルーとジェンティルドンナの姉妹もこれを5×6で持っています。ハーツクライよりも代がひとつ遠ざかるので、そのぶん影響力も小さくなりますが、配合の隠し味ぐらいの効果はあるでしょう。

父ディープインパクトは先週の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)をジョワドヴィーヴルで勝ち、2歳種牡馬ランキングでダイワメジャーを逆転してついにトップに立ちました。勝利数(JRA)でも1勝差でトップを保っています。残りあと2週。この戦いは熱いですね〜。

■土曜中山3Rの未勝利戦(芝2000m)は、向正面でマクり気味に好位に取りついたジャングルクルーズ(1番人気)が危なげなく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=FFbdN670L8Q

11月の東京新馬戦(芝2000m)では、サトノプライマシーとのマッチレースにクビ差敗れましたが、3着以下を6馬身引き離しており、1、2着馬が素質的に抜けているのは誰の目にも明らかでした。今回は順当勝ちでしょう。

「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は、ジャガーメイル、トールポピー、アヴェンチュラ、アプリコットフィズなど多数の重賞勝ち馬を生み出しています。母フィヨルドクルーズは現役時代に愛知杯(G3)3着、福島牝馬S(G3)3着などの成績を残しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105926/


「ジャンポケ×サンデー」は、2代母の父にスピードタイプや軟弱な血が入ると総じてイマイチですね。いかつい Northern Dancer 系、ヨーロッパ型の重厚な血、スタミナに秀でた血がフィットします。この馬の2代母の父 Mtoto は名ステイヤー Busted の子で、現役時代にキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)、エクリプスS(英G1・芝10f)〔2回〕などを制しました。まさに条件にぴったりの血です。スタミナと底力に恵まれた配合なので、ジャガーメイルのように古馬になってから中長距離路線で本領を発揮しそうです。





香港スプリントでカレンチャン5着


 日曜日は競馬場にいたので、香港国際競走の結果は帰宅してから知りました。注目の香港スプリント(G1・芝1200m)はカレンチャンが大健闘の5着。思わず笑ってしまいました。もちろん馬鹿にしたわけではありません。カレンチャン凄すぎ!という感嘆の笑いです。
http://www.youtube.com/watch?v=G8A3NipAm8M

4コーナーでごちゃごちゃしてスムーズさを欠き、それでも最後にまた伸びてきているので、ちょっと惜しいレースでしたね。輸送トラブルがあったことを考えれば勝ち負けに等しい善戦だったと思います。

香港スプリントは世界最高峰のスプリント戦のひとつで、日本馬がまったく歯が立たないことでも知られているレースです。過去の最高着順は芝直線1000mで行われていた時代の7着(04年サニングデール)。芝1200mになってからは8着(08年ローレルゲレイロ)が最高です。たいていの年は二桁着順で、上位争いから遠く離れた惨敗なのですから、日本馬の凱旋門賞挑戦よりもハードルが高いともいえます。そのレースでカレンチャンは5着。しっかり勝負になっています。筋骨隆々とした香港のセン馬たちに交じって可憐な大和撫子が健気に頑張っている姿はキュンと来ますね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102807/



カレンチャンはクロフネ産駒で、スプリングチケット(京阪杯)の半妹にあたります。母スプリングチケットは「トニービン×マルゼンスキー」という組み合わせ。同じクロフネ産駒のシェルズレイ(ローズS−2着)とブラックシェル(NHKマイルC−2着、日本ダービー−3着)の姉弟は、母の父ウイニングチケットが「トニービン×マルゼンスキー」なので配合構成がよく似ています。


同厩のロードカナロアも相当な器であるとはいえ、今回の結果を見ると、やはりカレンチャンは日本のスプリンターのなかでは飛び抜けた実力の持ち主でしょう。







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